2016年9月26日 (月)

今日の一冊(57)『すい臓がんから奇跡の生還』

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すい臓がんから奇跡の生還―手術後7年の記録 闘病記はよほどのことがない限りは買わないのだが、タイトルに惹かれて買ってみた。

星田一郎さんは、72歳で、2008年10月に健康診断で膵頭部に腫瘍が見つかります。ステージは4a。十二指腸と胆管、門脈に浸潤していました。11時間の手術で、これらの悪い部分を切除、ただし胃は全温存できました。

術後の抗がん剤を2年と1ヶ月続け、8年後の現在も再発・転移もなく元気です。その闘病の日々を記録しています。

『奇跡の生還』とのタイトルですが、本を読んだ私の感想を勝手に記すと、

  • すい臓がんの疑いから手術までが2週間と早かった。(私とほぼ同じです)すい臓がんは足が速いから、手術可能なら早いほうが良い。
  • 書かれてはいませんが、リンパ節への転移はなかったのではないでしょうか。
  • 術後補助化学療法としてジェムザールと投与したが、副作用がひどくて主治医の勧めでTS-1に切り替えた。当時はジェムザールが唯一エビデンスがある抗がん剤であった。(私もジェムザール)しかしその後、TS-1の方がより生存率を高めると分かった。星野さんはそれ以前にTS-1に切り替えたのが効果的だった。
  • 妻や子どもたちの温かい支援があった。
  • 葬儀の準備をし、費用まで支払った。墓も用意して「死」の準備をした。
  • 同時に2年生存率20%に是が非でも入ってやる!、5年生存率5.5%に何としても、という目標を持って生きた。
  • パソコン・ボランティアなど、自分の特技を社会のために活用した。
  • ウォーキングを欠かさず、趣味のリフォーム、日曜大工などで体力をつけた。

が”奇跡”のもとではないかと感じます。

星野さん自身は「TS-1とニンジンジュースの総合作用だと勝手に思っている」と書かれていますが、それでいいんです。自分が信じることをやれば良い。

ただ、私としてはニンジンとリンゴの特製ジュースに効果があるとは考えていません(ま、これも自分が信じているだけかも)。ニンジンを大量に摂ると、血糖値の管理に影響するでしょう。すい臓がんを切除した患者では注意が必要です。

ニンジンジュースで治ったんだ!それじゃ私も・・・と受け取らない方がよいのではないかと、思います。もちろん、納得して信じられるのなら、やってみることは良いかも。

『奇跡の生還』というのは誇張でしょう。稀な症例には違いないですが、奇跡というのは一万分の一とか、百万分の一であって、100人に一人は奇跡とはいえない。(すい臓がんで手術適用できた患者の10年生存率は1~2%です。米国の統計ですが)

宝くじに当たるほどの『奇跡』ではないのだから、ステージ4aでも、全員に希望はありますよ。

それでも星野さんの生き様は手本にすべき見本です。「死」を準備して「百まで生きる」ことを目標にする。立派です。私はそれに加えて「百まで生きて、がんで死ぬ」を目標にしています。どうせ死ぬなら、がんも悪くはない。

2016年9月25日 (日)

巾着田の曼珠沙華

日高市の巾着田へ曼珠沙華を撮影に行ってきました。
雨続きなので、開花情報とにらめっこしながら「今日しかない」と覚悟して、早朝4時半に出発。6時過ぎに巾着田に着いたのですが、既に200台以上の車。誘導員も配置されていました。ご苦労さまです。

前回行ったのは2010年。この時は5時半についたのですが、車は数台しかいなかった。今年は天候が悪いので皆今日を狙っているのだろう。22ヘクタールの敷地に500万本が赤い絨毯のように咲いているのは圧巻です。

しかし、デジカメで曼珠沙華の赤をきれいに出すのは難しいなぁ。すぐに飽和してしまう。Lightroomでなんとかしたけど、満足なできではない。

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11時に現地を出発。出口からは数キロにわたっての大渋滞でした。

お目当てのそば屋『百日紅(さるすべり)』へ。日高市役所の先、工場が多い地域にある普通の民家でした。

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既に2台の先客が待っていました。注文したのは焼津で取れた「桜エビ姿揚げせいろ」で蕎麦は10割蕎麦。ツユは非常に濃いめなのでほんの少し付けて食べました。癖のないつゆです。そば湯を注いで飲んだらこれまた香りの良い仕上がり。

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香りもコシもある絶品です。桜海老のかき揚げがつゆに浸かって出てきます。

帰り道、高速で右足がこむら返りを起こして、なんとか三好SAへ。芍薬甘草湯を舌下で服用したら、すぐに治まった。すごくよく効く。

2016年9月24日 (土)

臨床試験(治験)の探し方(3)

新薬の臨床試験(治験)は次の段階を経て行なわれます。

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通常は第Ⅲ相試験の後に新薬として承認されます。私たちが参加できるのは、主としてⅠからⅢ相試験です。

がんの臨床試験ハンドブック 臨床試験への参加を検討する際の一助となる書籍(Kindle版です)が出版されています。

本書は米国国立がん研究所(NCI)の解説書をもとに、勝俣倫之医師らの協力のもと、日本の患者・家族向けに再編集されたものです。

気になる参加のメリット・デメリット、臨床試験の仕組みや種類、試験の探し方、参加方法、費用など、よりよい選択のために必要な情報をわかりやすく解説しています。

また、臨床試験に関する基本的な知識は、がん情報センターの「臨床試験について」も参考になります。

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これらの内容に補足しておきます。

費用について
臨床試験なのだから無料で受けられると思っているとがっかりします。多くの場合費用負担は次のようになっています。

臨床試験(治験)の種類や医療機関によって、どこまで自己負担になるかが異なります。 一般的に、新薬承認のための「治験」では、試験参加中に投与された抗がん剤の費用、検査費用は治験実施者(製薬会社など)が負担します。再診料や副作用を緩和するための薬代などが自己負担となります(健康保険が適用される)。

臨床試験参加中は参加者の金銭面での負担(交通費など)を軽減する目的で、「負担軽減費」が支払われます。支払われる金額はその都度異なりますが、一般的には1回の通院に7000円程度といわれています。

プラセボの対象になる可能性

第Ⅲ相試験(ときに第Ⅱ相試験)では、プラセボ対照試験が行なわれます。しかし、人道上の見地から、がん治療の試験でプラセボのみの試験グループが設定されることはほとんどありません。プラセボ(偽薬)とは、試験薬と見た目は同じでも、有効成分を含んでいない偽の薬です。がん治療の試験では、標準治療薬に新薬またはプラセボを追加して両グループを比較することが多いです。膵臓がんの場合では、GEM+アブラキサン+新薬、またはGEM+アブラキサン+プラセボとなるでしょう。

第Ⅰ相試験では有効でないことが多いのでは?

第Ⅰ相試験は「有効性の検証」が主目的であり、標準治療が無効となった患者さんが、人の助けとなることをしたい、せめてがん研究に貢献したいとの思いで参加することが多いようです。

しかし近年では、分子標的薬の開発が進み、治療が奏効するとみられる患者さんを特定するための遺伝子(バイオマーカー)検査も発達しています。第Ⅰ相臨床試験においても、これまでよりも大きなメリットが期待できるようになりつつあります。


先日報じられた東京大学の医学系、生命科学系での研究論文不正疑惑のように、日本の臨床試験を巡る環境は、まだまだダーティな部分が多いようです。

製薬企業から教授たちへの資金提供の隠れ蓑として、臨床試験が立ち上げられるとの噂も絶えません。こんな臨床試験に参加させられた患者は堪ったものではありませんね。主治医に確認するなど、慎重に調査しましょう。

今年1月から「人道的見地からの拡大治験」という制度が始まりました。いわゆる「日本版コンパッショネートユース(CU)制度」です。

人道的見地から実施される治験(拡大治験)は、「原則として、当該医薬品の承認申請、承認及び保険適用の期間を待つことが出来ない、生命に重大な影響がある疾患であって、既存の治療法に有効なものが存在しない疾患の治験薬を対象とする。」とされています。また、その実施については、あくまでも主たる治験の実施に影響を及ぼさないことを前提とすること、法的義務ではなく、その実施の可否は、当該治験薬を提供する者等が決定するものであることとされています。

膵臓がんにCU制度を導入 15年度から」で紹介してから3年。製薬企業に義務付をしなかった結果、がん患者から見た内容は不満足なものになっています。

「独立行政法人 医薬品医療機器統合機構」の「治験情報の公開」に募集内容がアップされていますが、半年以上経った8月31日現在で、がん関係はファイザー社のROS1陽性の非小細胞肺癌の1件だけ。お寒いかぎりです。

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                                             (完)

2016年9月23日 (金)

温泉地の宿探し

11月の紅葉の時期に夫婦で旅行に行こうと相談がまとまり、行き先を思案中。

11月は、私一人で京都に行く予定があるので、妻をどこかに連れ出しておかないと機嫌が悪い。

昨年秋は日光に行った。一昨年は安曇野、今年は・・・群馬方面がいいか?

水上温泉、谷川温泉、猿ヶ京温泉で探しています。

条件は、あまり大きな宿はいや。マナーの悪い外人さんの団体客と遭遇すると最悪だから。食事は美味しく、上州牛の陶板焼きが食いたい。部屋はできれば二間、部屋に露天風呂付きなどの贅沢は言いませんが、源泉掛け流しの大浴場と貸し切り露天風呂があればいい。もちろん、宿泊費は安いに越したことはない。水上温泉郷なら、部屋から谷川岳が見えると嬉しい。

こんな宿、ないかなぁ。泊まったことのないのは谷川温泉と猿ヶ京温泉。猿ヶ京温泉はリーズナブルですね。

さて、どこにしよう。

手術の4年前、2003年に谷川岳での一枚。このころはまだ車で一ノ倉沢まで行くことができた。私はデブだったし、嫁さんも若かった。がん細胞は体内で育っていたんだろうなぁ。

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膵臓がんを告知されたときから「死」の準備をしよう

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今日のタイトル、過激ですか?

ここ最近、膵臓がんで亡くなる方、転移・再発する方が多い、そんな気がします。統計的に言えばばらつきの範囲内なのでしょうが、膵臓がんに罹る人は確実に増えています。

膵臓がんと言われたら、まず「死」の覚悟と準備をした方が良い。ステージⅠでも再発率は高い、再発したら早ければ3ヶ月、半年の余命。ステージⅣbなら、いずれ抗がん剤も効かなくなる。

転移・再発したがんでの抗がん剤は、あくまでも「延命効果」と「症状の緩和」が目的です。治ることはない。これを勘違いしている患者は多い。

私の場合:膵癌の摘出手術が終わり、退院までのベッドの上で考えたことは、「癌で死ぬのも悪くはないかも」だった。「拾った命だから、生かされるままに生きよう」とも思った。

拾った命だから、のんびり生きる

良寛のこんな詩が思い浮べながら、

騰々(とうとう) 天真に任す
囊中(のうちゅう) 三升の米
炉辺 一束の薪
誰か問わん 迷悟の跡
何ぞ知らん 名利の塵
夜雨 草庵の裡
雙脚(そうきゃく) 等閑(とうかん)に伸ばす

ベッドで細くなった足を伸ばして考えた。
さて、俺が死んだあとの妻の生活をどうするか。ハウスメーカー数社に電話して「自宅を賃貸マンションに建替える。退院したらすぐにプランを持って来い」と告げた。

退院した翌年には、再発したら(多分再発するだろうし)余命は数ヶ月だから、元気なうちにと、田舎の墓じまいをした。骨壺はゆうパックで送って、浅草の妻の菩提寺に一緒にした。

ちなみに、骨壺は宅配便・宅急便では受付拒否されますが、ゆうパックは可能です。「瀬戸物」と書いて送りました。

こうして死ぬための計画を着々と進めた。

「死」を覚悟し準備することは、「希望」を持たないということではないよ。

統計的に言えば、膵臓がんはまず助からない。しかし、生存率曲線の右端は恐竜の尻尾のように伸びている。ゼロになっていない。つまり、例外的患者は常にいるのだ。

どうすればその例外的患者になることができるのか。確かな方法はありません。しかし、やるべきこと、可能性がありできることはたくさんある。

このブログには、そうした試行錯誤と実行してきたこと、死に対する考え方なども綴ってきた。

間違っていなかったと思う。今こうして完治しているのは、実行してきた結果なのかどうかは分からない。「成り行き」だ。成り行きだから、それは向こうからやってくるのであって、つかみ取るものではない。

サプリメント、足湯に玉川温泉、食事療法、代替医療。自分が「これは」と思えるものをやった上で、「さぁ、やるべきことはやった。あとはお任せ」と言える状態になったときが、身体の免疫力も一番高くなっている(たぶん)。そして、ふとした気まぐれで恐竜の尻尾になっている。

そんなものではないのかな。奇跡的治癒や例外的患者になるということは。

だから、膵臓がんと言われたら、死ぬ覚悟と準備をし、がんで死ぬのも悪くはないね、いずれやってくることだしと考え、しかし、希望を持ってやるべきことをやる。でも期待はせずに、その結果を受入れる。そんな「成り行き任せ」の患者に、もちろん全員ではないが、治癒が訪れるのだと思うよ。たぶん。

一日中がんのことばかりを考えている患者からは、がんは逃げていかないよ。だって居心地が良いのだから。

シュレベールは『がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」』で次のように言っている。

私たちの貴重な白血球を強化できるものはすべて、腫瘍の成長を阻むこともできる、という結論である。要するに、免疫細胞を刺激し、(食事療法、運動、感情のコントロールによって)炎症と闘い、血管新生と闘うことで、がんが増殖できる環境をなくすことができる。従来の薬による治療と平行して、誰でも身体の潜在能力を活性化することができるのだ。そのために支払うべき”代償”は、より意識的でバランスがとれた生活、つまり、より美しい人生を送ることなのである。

がんであろうがなかろうが、今からでも遅くはないから、より美しいと言える人生を送るようにしたいものだ。

 

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