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2007年8月

2007年8月28日 (火)

白血球減少で抗がん剤を中止

入院中に同じ病室だったKさん夫妻とまたまた待合室で会った。本当に仲の良いご夫婦でいつも二人一緒で行動している。

今日は二回目の抗がん剤ジェムザール(GEM)投与の日。ところが中止になってしまった。

投与前の血液検査で、白血球数が2000しかなかった。その内訳である血液像は、好中球が17.9%(正常値は41.3%以上)であり、好中球の著 しい減少が見られた。先週の検査(GEM投与前)では白血球数は4000丁度で、これは標準値の下限である。そのためにGEMの投与でどれくらい減少する かと気になっていたが、半減したわけだ。主治医は「今日はできませんね。続けると命取りです。」と言われた。

  • 白血球数---------2000  LL
  • 血液像
    • 好中球----------17.9%
    • リンパ球---------69.3
    • 単球------------11.5
    • 好塩基球---------0.6
    • 好酸球-----------0.7

処置室でグラン(G-CSF)の皮下注射を受けて、看護婦さんからは「今日はマスクをして帰ってください。人ごみの多い場所には近づかないこと。手 洗い・うがいを欠かさないように。ウィルスに感染しても今のあなたは自分で治す力がないのですから、高熱が出たらすぐに電話をしてください。抗生物質など の治療が必要になり緊急入院ですよ。」と脅かされた。

グラン(フィルグラスチム)はサイトカインで、生物学的応答調節物質と呼ばれる人工薬品の一般的な種類に属します。この薬は組換えDNA技術によって作ら れ、化学療法後、血液中の好中球(白血球の一つ)を増やすのに使用されます。(骨髄移植時の好中球の増加促進、がん化学療法の好中球減少症(急性白血病、 悪性リンパ腫、小細胞肺がん、卵巣がん、睾丸腫瘍、神経芽細胞腫、小児がん、その他のがん)、骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症、再生不良性貧血に伴う 好中球減少症、先天性、特発性好中球減少症、HIV感染症治療に支障をきたす好中球減少症)

GEMの投与が終わったらその足で千葉まで仕事の予定だったが、急遽中止にして自宅に帰った。

来週はたぶん投与できそうだとの主治医の先生の話だから、それを信じて待つしかない。

頑張っているブログを発見

膵内分泌細胞ガンという数十万人に一人という稀なガンになった方のブログ。

http://neuroendocrine-tumor.cocolog-nifty.com/pancreac_endocrine_tumor/

肝多発転移により手術不適用であるといわれ、しかし自分で情報を集め、主治医と交渉し、海外の未承認抗がん剤を使用して5年以上も延命している方です。

単なる闘病記ではなく(そんなものならネット上にあふれるほどある)、がん患者として日々考えたこと、マスコミの癌報道への批判など、なによりも 「がん患者として生きる」ということを真摯に考えておられる様子に、私のブログの目指しているものと共通しているような気がしています。

2007年8月27日 (月)

「求めない」 加島祥造、老子、セネカ

『求めない』 加島祥造 『求めない』 加島祥造
加島 祥造

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加島祥造さんが、またまた素敵な詩文集を出版されました。「求めない」(小学館)です。

求めない---
すると
簡素な暮らしになる

求めない---
すると
いまじゅうぶんに持っていると気づく

求めない---
すると
時間はゆっくり流れはじめる

加島さんはこう言う。「求めない」と言ったって人間は求める存在なんだ。それは承知の上での「求めない」なんだ。僕が「求めない」というのは、求めないですむことは求めないってことなんだ。頭だけで求めると、求めすぎる。しまいには余計なものまで求めるんだ。

求めない---
すると
自分のなかのものの方が
ずっと大切なんだ、と知る

加島祥造さんのこの本には通奏低音として老子の思想が流れている。「求めない」は「足るを知る」ということである。

「足るを知る者は富む」
           (老子第三十三章)

足るを知れば辱(はずかし)められず、
止(とど)まるを知れば殆(あや)うからず。
           (老子第四十四章)

古代ローマのストア派哲学者=セネカも「道徳論集」で同じようなことを繰り返し言っている。

それゆえわれわれが習慣とすべきことは、沢山の客を招かずに食事をし、少人数の奴隷の面倒を見ることにし、着物は出来合いを求め、住むのは狭いところにすることである。(心の平静について)

名利だの地位だの、生活するに必要な以上の金銭だのと、余計なものを求めるために走り回り、それらを得たら得たで、いつかはなくしないだろうかと心配し、そのためには賞味期限を偽り、事務所費に何とか還元水を計上し、豚を牛だと偽ってでも「求めた」挙句に、つまらない人生をおくっている人たちのいまだになんと多いことか。

古今東西、賢人の言うことは共通しているのは、当然のことかもしれない。

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2007年8月26日 (日)

副作用もあまりないなぁ

退院後初めての出張から無事に帰ってきた。しかし、体力が落ちていることを旅の途中で実感する。まず駅の階段を上るのがこれまでのようにゆかない。荷物も多く厚さも厳しいためかもしれないが、息切れがする。

体力がないのは食欲不振が主な原因だと思う。とにかく食べられない。無理に食べても吐いてしまう。一日1500キロカロリーを取りきれていないから体重も減少が止まらない。頻繁に間食をしてすこしづつ食べるしかないか。

ホテルの朝食ではお粥にしてみたら、結構食べられた。パン食も良いようだ。柔らかい物が良いということだろう。

抗がん剤の副作用はほとんど感じない。下痢は仕方がなく、これは手術からずっと続いている。最近は少しは収まってはきたが、食事をするとその後10分程度でトイレに入ることが習慣になってしまった。どうしてこんなにたくさんのガスが体内でできるのかと不思議だ。

土日は自宅でゆっくりと本を読み音楽を聴く。

2007年8月21日 (火)

抗がん剤の投与

最初の抗がん剤投与。 体重が63.5キロに落ちているので、それにあわせてジェムザールの量を決める。

私の斜め前で抗がん剤を投与していたのは、24,5歳くらいの若いお母さんで、母親が点滴をしている横の椅子に腰掛けて小学生らしい姉と弟が静かに絵本を読んでいた。そうか、今は夏休みなんだ。だからお母さんの病院に付いてきたんだろうな。

ときどきお母さんに何かを質問して、それに対して優しそうに答えている様子が、若いがゆえに何とも痛ましくもあり微笑ましくもあり。乳がんなんだろうか。

11時の診察予約が、すべて終わったのは16時。医療費の24,000円にはびっくりした。

明日から手術後初めての出張だ。この暑さも加わって、3日間耐えられるか少し心配だ。

2007年8月14日 (火)

吾が生既に蹉蛇たり

癌研有明へ。

夏休みのせいか、お台場付近は交通渋滞のため、臨海トンネル・中央防波堤外側埋立地・第二航路海底トンネルと、あまり知られていない抜け道ルートで病院へ。

抗がん剤の投与計画

これから半年間抗がん剤の治療をお願いする内科の先生は、コンピュータ画面に次々と私の診断カルテ・CT画像を出しながらチェックしている様子。最後に組織検査の結果を見て、「腫瘍はきれいに取れていますね。ジェムザールの投与は予防的化学療法です。つまり膵臓癌の場合は2年から5年のうちに再発あるいは転移する可能性がとても高いのです。9割くらいとも言われています。ジェムザールはこれに対してある程度の効果があるといわれていますが、まだエビデンスがはっきりしているとは限りません。最も期待できる選択肢ということです。ジェムザールを投与するのは、眼には見えないほどの小さな転移した腫瘍(主として肝臓)を化学的にやっつけることを目的としています。」こうした説明と副作用についての説明を受け、サインをする。

抗がん剤の投与は火曜日ということしした。週一回投与を三回続けて一回休み、これで1コース。6コースで1クールだ。

少なくとも2年から5年の間は、宇宙(天、自然、神?)からこの命を預けられたということだ。 6月に膵臓癌だとわかったときに、せめて2年、欲をいえば5年の猶予がほしいと切に願ったのであるが、それはかなえられそうだ。諸先生をはじめ多くの方々に感謝しなくてはならない。

預かった命をどう使うか?

日暮れ、塗(みち)遠し。
吾が生既に蹉蛇(さだ)たり。
諸縁を放下すべき時なり。
信をも守らじ、礼儀をも思はじ。
この心をも得ざらん人は、物狂ひとも言へ、
うつつなし、情なしとも思へ。
毀(そし)るとも苦しまじ。
誉むとも聞き入れじ。
                          (徒然草 第百十二段)


これからは兼好に倣って、己のリズム・心の赴くままに生きよう。

2007年8月12日 (日)

無為の時間

BOSE DVDコンポ AMS-1IV

世間はお盆休み、私は骨休め。

一日中、城山三郎さんの言う「無所属の時間」、あるいは老子の「無為」の時間を過ごす。本を読んだり音楽を聴いたり、目的もなく、手当たり次第にである。ショパンのピアノの旋律に慄きながら・・・。

ショパンの夜想曲第20番(遺作)とバラード第1番、これをBOSEの2.1チャンネルで少し大音響かなというくらいの音量で聴いてみたら、これま での印象とがらりと違ってきた。音楽はある程度の音量で再生しないと、本当のよさが分からない。このAMS-1Ⅳというシステムは、小さい6センチのサテ ライトSPと13センチのベースモジュールから本当に豊かな低音が出てくる。オーケストラを聴くには物足りないが、それ以外なら満足した音を出してくれ る。

WINAMPをインストールしてインターネットラジオでクラシックを連続再生しながら読書。パソコンからUSB経由でBOSEのシステムにつないで ある。インターネットラジオ局はこれまでもいろいろと探して聞いてみたが、BGM的に聴くのであれば「SOLO PIANO RADIO」だ。これは長時間流していても飽きてこない。

アマゾン.comに注文してあった古本の「タオのプーさん」と「タオとコブタ」が届く。ベンジャミン・ホフの熊のプーさんシリーズだ。

タオのプーさん タオのプーさん
ベンジャミン・ホフ E・H・シェパード

関連商品
タオとコブタ
クマのプーさんの哲学 (河出文庫)
The Tao of Pooh
タオ―老子 (ちくま文庫)
米軍はイラクで何をしたのか―ファルージャと刑務所での証言から (岩波ブックレット)
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2007年8月 9日 (木)

退院後初の外来で再発の可能性を問う

今日は退院後初めての外来受診でした。駅の階段の上り下りが結構堪えました。まだまだ体力が8割くらいしか回復していない感じです。

「先生、私は実はまだ手術後のご説明を聞いていないのですが・・・。手術直後に妻には説明があったようですが、私はまだ・・・」との疑問に、「い やーそうでしたか」と早速写真や図を使っての説明。内容は8/3のこのブログでの説明と大きな違いはない。ただ、切除した組織検査の詳細な所見を印刷して わたしてくれた。それによると

所見

手術材料:膵体尾部切除標本

●主病変:膵癌
占拠部位:pb, 大きさ:23×20×20mm, 肉眼的分類:浸潤型
Tubular adenocarcinoma, well differentiated type
間質量:中間型,浸潤様式:INFβ,リンパ管侵襲:ly2,静脈侵襲:v2,
膵内神経浸潤:ne2,主膵管内浸潤:mpd(+),膵前方浸潤:s(-)
膵後方浸潤:rp(+), #5,7 膵内胆管浸潤:ch(-), 十二指腸浸潤:du(-)
門脈系浸潤:pv(-),動脈系浸潤:a(-), 膵外神経叢浸潤:pl(-)
●<断端>
膵切除断端:pcm(-), 胆管切除断端:bcm(-), 膵周囲剥離面:dpm(-)
膵周囲リンパ節には転移はありません。
合併切除された胆嚢には、cholesterosisを認めるが、異型上皮はない。
脾臓・左副腎も著変なし。
●リンパ節:pending

(-)の記号は問題ないということだろう。「リンパ管侵襲:ly2」は、<ly0,ly1,ly2,ly3>の4段階で中程度の侵襲と いうことらしい。その他では、静脈侵襲:v2,膵内神経浸潤:ne2,主膵管内浸潤:mpd(+),膵後方浸潤:rp(+)などが気になる値である。

先生のお話と総合すれば、周辺のリンパ節への転移は見られないが、静脈及び神経などを経由して肝臓に転移する可能性があるため、予防的にジェムザールの投与をしようということになったのだと理解できる。

抗がん剤のこと、再発の可能性

来週から内科の先生の下で抗がん剤ジェムザールの投与を始めることに。ジェムザール単体ではじめるとのこと。期間は6ヶ月、副作用もあまりないから心配いらないよとの説明。

つまり、手術後の予防的措置としてGEMを投与するのであって、治験により効果が証明されているからとの説明。

つまり、手術後の予防的措置としてGEMを投与するのであって、治験により効果が証明されているからとの説明。

一番気になっている点を質問した。「膵癌の場合、手術できても再発・転移率は80%以上とのことですが、私の場合も同じ程度だと考えておくべきでしょうか?」との質問に、「そうですね。そのとおりです。肝臓への転移が一番起こりやすいです。3月に一回の頻度でCT検査をして、転移の有無をチェックしながら抗がん剤の投与を続けましょう」との回答。

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2007年8月 7日 (火)

膵臓癌の余命

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  「膵臓癌の診療ガイドライン」という資料がある。 これによると、膵臓癌で手術の可能なのは10~20%である。

また、手術後の5年生存率は10~30%。70~80%の確率で再発し、再発後の平均生存日数は140日である。厳しいなぁ。

でも統計値はあくまで「結果の集計」だ。明日どうなるかなんて考えないで、「今をここに」いる自分を大切にして生きること。

すい臓がんアクションネットワーク」というWebにニュージャージー州にお住まいの方のこんなメッセージがあった。 彼女は手術不可能の膵頭部癌で、6ヵ月ごとの化学療法で16年間も治療を続けている。!! 16年も生きているのだ。そして癌の根治を目指しているという。すごいことだと思う。

その彼女の言葉「人間はひとりひとり違うものです。統計値に耳を傾けてはダメ。」

2007年8月 5日 (日)

ブレッソンの写真展-時は命なり

39397 北の丸公園にある東京国立近代美術館で開催中の「アンリ・カルティエ・ブレッソン=知られざる全貌」を見に行った。 まだとても駅の階段を上下して電車で行くほどの元気はないが、車なら何とかいけそうだと感じたので、車で出かけた。

しかし北の丸公園の駐車場が満杯。1時間半も待ってやっと駐車場に入れることができた。以前ならこんなには待たないでさっさと諦めただろうと思う。 公園の木々の上で短い命を騒がしく鳴き続けるセミを聴きながら、あるかなしかの風に揺れる木の葉の緑を透かした陽の鮮やかさに眼を楽しませながらゆっくり と待っていた。自分の中で以前とは時間感覚が違ってきたことを思う。

『時は金なり』で、いつも次の予定のために今を急いでいたのがこれまでの私だった。しかし、『時は命なり』である。今の時間をただ楽しまないで生きているといえるのか。

会場は若い人の多いのにびっくりした。モノクロの銀塩写真にこのようにたくさんの若者が魅了されているのだろうか?カラー写真で育った世代には返ってモノクロ写真が新鮮に写るのだろうか。

2007年8月 3日 (金)

私の膵臓癌

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これまで断片的に書いてきた私の膵臓癌だが、手術直後に書いたものなんかは、正直いって意識も朦朧とした状態で書いているので、少しおかしいところもある。ここらでまとめてみようと思う。

  • ステージはⅢ(日本膵臓学会の分類) 先生の説明では、病期(ステージ)は日本の分類でステージⅢとのこと。
    • ステージI ----がんの大きさが2cm以下で膵臓の内部に限局している。
    • ステージII----がんは膵臓の内部にとどまっているが、大きさが2cm以上あるか、第1群のリンパ節の転移にとどまっている。
    • ステージIII----がんは膵臓の外へ少し出ているが、リンパ節転移はないか、第1群(注)までに限られている。または、がんは膵臓の内部にとどまっているが、リンパ節転移は第2群まである。
    • ステージIV----がんが膵臓の周囲の臓器・器官を巻き込んでいるか、離れたところまで転移がある。
      • (注)リンパ節転移の場所を解剖学的な距離により分類し、近い方から順に第1群、第2群、第3群とします。
  • 膵臓癌の大きさは2.5センチであり、膵体部にあったので膵体部および膵尾部と胆嚢もあわせて摘出した。
  • 大動脈、上腸間膜動脈などの大血管には浸潤はしていなかった。しかしあと数ミリという近い距離にあった。
  • リンパ節への転移はなかったが、念のために周囲のリンパ節は大きく切除した。
  • 幸い膵頭部が残っているのでインシュリンは正常に分泌している。血糖値にはまったく異常がなく、一週間で血糖値の検査をやめたほどでした。
  • 術後は、抗がん剤ジェムザール(GEM)を半年間投与する予定(GEMは半年投与すると耐性ができて効果が持続しないらしい)

2007年8月 1日 (水)

久しぶりのドライブ

退院後初めてのドライブ。といっても仕事がらみだが、茨城県まで片道110キロのドライブをした。通常なら1時間半の距離だが、途中のサービスエリアで何度も休みながらで超安全運転のため、倍の3時間かかってしまった。

まだまだ体調は元に戻っていないなぁと感じる。帰宅したらぐったりと疲れてしまった。

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