« 代替医療はニセ科学か(1) | トップページ | 代替医療はニセ科学か(3) »

2008年9月 5日 (金)

代替医療はニセ科学か(2)

ルルドの奇跡Photo_2

5月31日に、国際フォーラムで小椋佳のトリビュート・コンサートに行ったのですが、 ゲ ストのえりさん(伊東恵里)の歌声には感激しました。武蔵野音大で声楽を学んだ歌手で女優。ディズニー映画の吹き替えによく出てくるようです。ミュージカル座の「ルルドの奇跡」で主演のベルナデット役を演じ、東京芸術劇場ミュ-ジカル月間優秀賞を受賞しています。

  ←再生できます。

ルルドの泉の奇跡については、Dr.ワイルの本などでも紹介されています。1858年、ピレネー山脈の麓にある小さな町ルルドにすむ14歳の少女ベルナデットがマッサビエルの洞窟のそばで薪拾いをしているとき、聖母マリアを見たという話で、マリアの言葉通りに湧き出した泉にはあらゆる病気を治癒する不思議な力があるということです。今では年間500万人もの巡礼者があり観光名所にもなっています。

奇跡的治癒であるかどうかは、ルルドの医療局が認定します。その基準は大変厳しく、「医療不可能な難病であること、治療なしで突然に完全に治 ること、再発しないこと、医学による説明が不可能であること」ということです。

これまでに6700件の「奇跡」の自己申告があり、そのうち2500件が「説明不可能な治癒」とされていますが、医療局により認定されたのは67件だけです。ガンはたったの3件しかありません。泉が発見されてから150年以上ですから、年間500万人は最近のこととして、少なく見積もっても100万人/年の巡礼者がいたとします。150年間で1億5000万人の巡礼者があったことになりますから、自己申告のあった6700件でさえ、0.005%にしかなりません。

カール・セーガン 科学と悪霊を語る

カール・セーガンは彼の最後の著作『科学と悪霊を語る』の中で、「ガン全体 でおおざっぱに言えば1万から10万人に一人は自然治癒するが、泉を訪れた人のうち5%がガンに苦しむ人だったとすると、そのうち50人~500人の人々からガンが治癒したという報告があっても良いはず」だと書いています。家でおとなしく療養していた方がましではないかと。「奇跡」といわれているものは多くはプラシーボ効果ではないかという懐疑主義派からの主張です。(奇跡を支持する側からは、医者に見放された巡礼者だから少ないのは当たり前、自己申告しないものが数倍はいるはず、という反論もあるそうですが・・・)

数字にだまされない

「○○でガンが治った」というときに、「何人が対象で、治らなかった人はどれくらいいるのか」ということを確認しなければなりません。人間は、自分が得たいと考えているものはよく覚えている(書く)が、期待に添わないものは忘れる傾向があります。架空の体験談をでっち上げたバイブル本で、アガリクスを売りまくった史輝出版の犯罪例もあります。私は、史輝出版から本を出したことのある人間の書いたものは一切信用しないように用心しています。

常識で考える

昔競馬予想に凝ったことがありました。20年以上も前のことです。まだパソコンが「マイコン」といわれていた頃、競馬予想ソフトを作って一発儲けようという考えです。おかげで統計学の勉強にはなりましたが、「強い馬を予想して勝ち馬を当てても、儲けることはできない」ということが分かりました。強い馬を予想しても配当が低くなるからです。「弱い」と思われている馬がどのレースで勝つかを予想しない限り利益は出ないということです。そのためにはどうするか? オッズを時系列で分析し、あり得ないような馬券の購入があった馬を探すことにしました。ようするに八百長レースを探してそれに参加するということです。八百長とは言えなくても「演出」されたレースが1日に2レースくらいはあると思いました。
これで負けることはなくなりました。なにしろ万馬券しか狙わないのですから。「演出」されたレースは高配当になるわけですから、50倍以下は買わないのです。

利益は出ました。しかしそのために土日は9時から16時までパソコンの前に貼り付けの状態です。これでは僅かの儲けのために時間が無駄になります。労力を考えたらペイしません。こんなことを続けていたらガンになるに決まっています(実際直腸ガンになりました。これが原因かどうかはもちろん分かりません)

ちまたには攻略本というのがあふれています。競馬・競輪・パチンコ・・・。でもここで常識で考えてください。本当に確実に儲かる方法があれば、私なら世間に公表はしません。そんな手間ヒマをかけるより、自分でその馬券を買った方が簡単に金が手に入ります。どうして原稿を書き、出版をするというやっかいなことをする必要があるでしょうか。

ガン治療も同じです。本当に効果のある治療法・薬なら、世界の大製薬会社が放っておきません。株式関係のニュースでは、「○○製薬が新しいガンの治験を始めた」というだけでその会社の株が値上がりします。うまく成功すれば莫大な利益が転がり込みます。バイブル本などという面倒なことをしなくても、きちんとデータと結果を公表すれば莫大な利益になるのです。ガン患者を助けることにもなり、感謝されます。「治験をするには金も時間もかかる」という反論もありえます。ならば少なくとも、何人に試して何人に効果があったのか、何人が効果がなくて死んだのか、というデータくらいは公表すればよいのではないでしょうか。

アラビノキシランで進行ガンが治ったというJackさんのお父さんの例を疑っているのではありません。ブログの内容は相当程度信用できるものだろうと感じています。ガンは治るのです。しかし、自然治癒することもあるのですから、科学的に判断するには統計処理と二重盲検法によるチェックが必要だということです。

しかし、代替医療はそもそも統計処理にはなじまないという意見があります。統計処理するためには数量化されたデータが必要ですが、多くの代替医療は、効果を数量化することが困難です。 (つづく)

« 代替医療はニセ科学か(1) | トップページ | 代替医療はニセ科学か(3) »

膵臓癌の知識・情報」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 代替医療はニセ科学か(1) | トップページ | 代替医療はニセ科学か(3) »

がんの本-リンク

  • がん患者が選んだがんの本

サイト内検索

膵臓がんブログ・ランキング

膵臓癌 お勧めサイト

アマゾン:商品検索

がんの本「わたしの一押し」

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
無料ブログはココログ