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2009年4月

2009年4月30日 (木)

安房温泉 紀伊乃國屋

_mg_1734 南房の安房温泉へ。今日から、首都高速を経由しても高速道路が「どこまで行っても1000円」。相当の渋滞を覚悟して出かけたが、カーナビのスマートループ情報を見る限りは、海ほたるもほとんど渋滞はない様子。先日の土日は海ほたるで渋滞20キロ_mg_1726 と報道されていたが、気が抜けるようにあっさりと千葉県側に。内房線保田駅前の「らかん寿司 松月」をカーナビにインプットして自宅から1時間15分で到着。 地元の漁協で水揚げされたネタしか使わないというこの店。「店長_mg_1735 おすすめ握り」を注文したが、う~~ん 東京で食う寿司とは味が違う。シャリもコシがあり、絶妙な味加減。なによりネタが新鮮で冷凍物のネタにありがちな水くささがない。タイの幼魚?、アオリイカにヤリイカ、ホウボウも美味かった。地元の魚だけなので、マグロのトロなんかはな_mg_1741 い。

日本寺へ。こんなにきつい石段が続くとは予想 外で、登っても登っても階段が途切れない。妻はぶーぶーと文句を言うし、足はもつれるしで、やっと汗まみ れで鋸山の山頂へ。地獄のぞきは迫力があ_mg_1810 りました。

国道127号線は、東京方面へ買える車で大渋滞ですが、我々は逆方向をすいすいと安房勝山へ向かいます。宿の紀伊乃國屋は4月25日から営業をしている増築した別館を予約しておいた。この宿も「一の宿俱楽部」のメンバーです。いい宿が多くて、当たり外れがないので、ここ数年は「一の宿俱楽部」の旅館だけです。

_mg_1795 露天風呂月に足湯付き。もちろん部屋は真新しくてまだ木の香りがします。肌がすべすべとし、風呂上が りもいつまでもぽかぽかと芯から暖かい湯でした。
夕食前に海岸で浦賀水道に沈む夕日をみながら、哲学的思考にふける・・・ようなことはなく、ただひたすらシャッターを押していました。

料理長が部屋まで来ていただき、目の前で活きた伊勢エビを盛りつけるパフP1000456ォーマンスを披露していただき、その甘みのある伊勢エビを口の中へ。最高の贅沢でした。去年の夏新潟までドライブしたときは結構疲れたが、今回は「山登り」もしたが、それほどの疲労を感じませんでした。少しずつ手術後の体力が付いてきているのかもしれません。 体重も増えているし。

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2009年4月28日 (火)

豚インフルエンザはパンデミックになるか

豚インフルエンザのニュースが増えています。Google Health Map で表示すると、感染が増Swine_flu えている(オレンジ)マークが世界地図に表示されます。世界にはこんなにたくさんの伝染病が、今現在流行しているのかと驚きます。(感染箇所ではなく、報道がされた場所ということです)「Swine flu H1N1」をダブルクリックすると、豚インフルエンザの感染(報道)地域のみが表示されます。

患者数を表示したGoogleマップがこちらにアップされました。

辺見庸が『しのびよる破局-生体の悲鳴が聞こえるか』で、現在の状況を、金融恐慌・地球温暖化・新型インフルエンザなど、外部世界の崩壊としてとらえ、同時に人間の内面の崩壊という異質の崩壊が同時進行する、いまだかってない「パンデミック(感染爆発)」としてとらえています。

昔日との相違はまさに
悪の核(コア)をそれと指ししめすことの
できないことなのかもしれない
どうやら資本が深くかかわるらしい
〝原発悪〟が
ほうぼうに遠隔転移してすべての人のこころに
まんべんなく散りひろがった状態が
いまという時代の
手におえない病症ではないのか

しのびよる破局―生体の悲鳴が聞こえるか

カミュの『ペスト』を引用して、行政やマスコミがオランの町で起きていることを具体的、詳細に報じないでペストの拡大の危機を覆い隠してしまう。人々は現実に起きていることの真の重大さに気づかず、いずれは治まるさと、日々の生活に追われて楽観的に生きている。私たちも現に、アフガニスタンや世界の方々で飢餓や戦争で毎日たくさんの人が死んでいくニュースを見ながら、楽しく団欒の食卓を囲んでいる。

「資本」に倫理を要求しても無駄なことはマルクス以来周知のことですが、「資本」の象徴的存在「資本家」にも倫理は求めることができなくなった。最近のニュースで驚いたのは、破綻したSFCG(旧商工ファンド)の大島健伸元社長が、破産前に1240億円の会社資産を親族会社に安値で売却しており、月額2000万円の役員報酬(これだって十分多すぎる)を破産前に9700万円(年額ではなく月額!)に引き上げていた。さらにその他の役員の報酬は一律30万円だったという。漢字能力検定協会の理事長親子も同じだが、これが例外的な事件でないことがパンデミックという所以でしょう。こんなニュースを見ると、人間の内面にパンデミックが起きつつあることは確かなようです。

辺見庸は、単に景気が回復するとか、経済が元どおりに繁栄すればいいのではなく、人間の生き方を根本から問い直さなくてはいけないと言っている。エンデも「生き方を根源から問い直すべき」と『エンデの遺言』で言っているのです。

私の癌も、地球温暖化も、豚インフルエンザも、秋葉原事件も、根源では繋がっている。それは「生き方」を問い直されていう意味においてです。

パンデミックを予想した人も何人かいます。(もっとも豚インフルエンザがパンデミックになるかどうかはまだわからないが・・・)
リンパ球バンク株式会社社長、 藤井真則(ふじい・まさのり)氏のブログ。藤井氏は昨年の大晦日と今年の1月1日のブログで

パンデミックフルー発生確率は、2010年辺りから2012年にかけてが、最大の山場を迎えると読んでおりますが、2009年中に発生しない保証はありません。 これがくると、世界同時戒厳令状態となりますので、自力で、食料や水を確保できない人は生きる術がないほど、過酷な状況を迎えるかもしれません。 ウィルスそのものも脅威ですが、電気、水道、ネット、携帯、水、食料、医療、すべてのインフラが止まると、果たして、現代人は、自活して生きていけるでしょうか。

と書かれています。このブログ、免疫療法のことを詳しく書いています。一般の研究者や学者が書いた免疫の本よりはよほどわかりやすくて、免疫に関する私たちの誤った解釈を正してくれます。

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2009年4月27日 (月)

笑いとナチュラル・キラー細胞

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シャガ(アヤメ科の多年草) 等々力渓谷にて

犬の散歩をかねて等々力渓谷へ。環八の下に都会とは思えないような渓谷があります。シャガという花を見つけました。


インターネット落語会の4月下席は柳家喬太郎師匠の「松竹梅」。笑い転げてしまいました。柳家喬太郎師匠は、インターネット落語会の人気投票で第一位という人気者です。

笑いと治癒力 (岩波現代文庫―社会)

ノーマン・カズンズの『笑いと治癒力』では、10分間大笑いしたあと、2時間は激しい痛みも感じることなく、ぐっすりと眠ることができたと紹介されていました。笑いはこころの深呼吸、こころのジョギングとも言われています。

大笑いしなくてもいいのです。心のなかでニコッとする。顔だけでも笑っている表情にする。それだけでナチュラル・キラー(NK)細胞が活性化し、免疫力が高まります。ナチュラル・キラー細胞は「非自己」であればためらいなく殺します。出会ったとたんに、一言の挨拶もなく、ためらいなく殺します。癌細胞にとってはいちばんの強敵です。

1992年、大阪なんばの「グランド花月」で、落語や漫才を3時間観た19人のリンパ球を調べたら、14人が免疫活性が高くなったという調査が、日本心身医学会で発表されています。倉敷の「すばるクリニック」伊丹仁朗医師が行った実験です。このとき調査したのは、NK細胞の活性と、免疫力に関わるリンパ球、CD4とCD8の比率。NK細胞の免疫活性は14人が上昇。免疫力のアクセル役を果たす CD4、ブレーキ役のCD8 も共に正常値に近くなることが分かったそうです。(CD8抗原が発現しているT細胞は、キラーT細胞、CD4を発現しているT細胞はヘルパーT細胞と呼ばれています。)

しかし、NK細胞は殺人鬼の役割だけではないのです。妊娠したとき、母胎にとっては「非自己」「異物」であるはずの受精卵を、NK細胞が優しくそっと包み込み、子宮粘膜に着床させるのです。NK細胞がなければ受精=妊娠は成立しません。生命誕生の決定的な瞬間に、NK細胞は大きな役割を果たしているのです。

都会のオアシス・等々力渓谷を散策し、綺麗な花を観賞して、落語で大笑い。今日もリンパ球が増えて免疫力が高くなったに違いありません。サイモントン療法で瞑想をするときに、笑いの効果で免疫力の高くなったNK細胞が、私の体内に残っているかもしれない膵臓癌細胞を殺しているところを具体的にイメージします。こうすれば、治癒にたいして、さらによい影響を与えることができます。

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2009年4月25日 (土)

腕を元の位置に戻す神経細胞

今月は毎週のようにチェロのレッスンが続きました。自宅での練習もほぼ毎日のようにチェロを出しては短い時間でも弾くようにしています。Photo_4

レッスンは108回目でちょうど丸3年になると先生。そうか、早いものですね。時の経つのは早いが上達は遅いなぁ。「野バラに寄せて」が今の課題曲。第一ポジションでA線のシからはじめて3小節目の3番目の音ミで第4ポジションになる。4小節目のミから再び最初の音シにスラーで戻る。このとき左指の位置がきちんと元の位置に戻らなければならないが、これがなかなか難しい。何しろ左手はほぼ耳の位置にあるので、目で確認することはできない。どうするかというと腕と肘の角度で覚えるしかない。肘の高さを同じ高さに保っていないと、角度もいい加減になるので、どうしても下がり気味で高い音になってくる。練習で覚えるしかない。

進化しすぎた脳 (ブルーバックス)

練習で記憶するとはどういうことか。脳のどこが記憶するのか。脳細胞のシナプスが電気信号として記憶するのだろうか。記憶ということすらまだ科学的に明らかになっているとは言い難い。おもしろい話しを見つけた。講談社ブルーバックスの『進化しすぎた脳』にこう書かれていた。

「いつでも同じ場所に腕を移動させる神経細胞」
これは2002年5月の『ニューロン』という雑誌に載ったもの。脳のいろいろなところを刺激して調べていく過程で、この研究者たちはおもしろい場所を見つけたんだ。(略)
最初は腕がどこにあってもかまわない。だけどある場所を刺激すると、その直前まで腕がどこにあろうと、ある場所にきっちり移動する。これはものすごく画期的なことなんだ。
どうしてかって言うと、その神経は単純な運動を司るのではなくて、どういう風に腕を動かしたらいいのかをコントロールしている。つまりプログラムしている。

これまではある神経を刺激すると、ある筋肉が収縮して、身体の関節通りに動作するような現象はわかっていた。こうした単純な動作だけではなく、連続した複雑な動作を司る神経細胞が見つかったという画期的な論文です。この実験はサルで行ったのですが、口に手を持って行くという動作はある神経細胞群にプログラム化されて記憶されているという。ほかにも顔の筋肉がこのように動き、ある決まった表情になるなんていう神経の領域があるらしい。「手に職を付ける」とよく言うが、これは「脳細胞に職を付ける」と言い換えた方がよいかもしれない。

チェロで左手の人差し指を元のシの位置にもってくる神経細胞を育てなければ、正しい音を出すことは難しいということになる。どうすればその神経細胞ができるのか、そのための効率的な練習方法があるのか。いろいろと試行錯誤している。

記憶とは、こころとは、免疫とは何か。脳という小宇宙を探検してみたくなった。

「小宇宙」と書いたが、宇宙と脳や神経、レセプターとは本当に繋がっているかもしれないという。脳や癌細胞の表面で行われる化学反応、レセプターと情報伝達物質の反応は量子化学的にみれば電子レベルでの反応であり、電子の位置に大きく依存する。そしてボーアの不確定原理、相補性によれば、電子の位置とエネルギーを同時に正確に測定することはできない。電子の位置は測定するまでは確率の波として、一個の電子が全宇宙に広がっていると考えざるを得ない。もちろん、遠方ではその確率が限りなくゼロに近くなるが、ゼロではない。

このようなことを今考えて調査しているが、いずれ紹介したい。

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2009年4月23日 (木)

何となく引っかかる「闘病記」ということば

このブログを立ち上げたときのタイトルは「膵臓がん闘病記」でしたが、「闘病記」ということばになんとなく否定的な感触を覚えるので「サバイバーへの挑戦」と変えたのが昨年の8月でした。変更の理由をこのように書いています。

ヒロインは死んでしまうのですが、これが「闘病記」として一番先に頭に浮かんでくるのですね。言葉自体が暗いイメージです。私は死ぬつもりはありませんの で、となるとこのタイトルはちょっとまずいんではないかと思い初めました。そうなると気になります。で、タイトルを変えてしまおうという結論です。

TOBYO』というサイトが2008年2月から開設されています。ウェブ上でさまざまな患者が発信している闘病記を紹介したサイトですが、この開発された方のブログにこのようなことが書かれています。

一般に「闘病記」を語るときに、「勇気をもらえる」とか「元気が出る」などの表現が用いられることが多い。だが、これは本当にそうなのだろうか。何か歯の浮く過剰な美辞麗句に過ぎないような気もする。(略)
健康者のわれわれが「闘病記から勇気がもらえる」などと能天気にもてはやすのとは逆に、この闘病者のように「辛い苦しい悲観的な情報をみつけたら気の小さい私は当然落ち込む」と考えたり、「なるべく悲惨な事例は知りたくない」と考える人も確かに存在するはずなのだ。

ウェブ上にはいろいろな闘病記がありますが、私もあまりそれらを探索するということはしないですね。どういうものを探索するかというと、自分の癌に役立つ情報がある、病状が改善しているなど希望を与えてくれる、膵臓がんについて私の知らない情報がある、このようなブログをGoogleリーダーに登録して更新をチェックしています。

「闘病記」を読んでいると、亡くなった患者に代わって家族が感謝の言葉を書いていたり、症状が悪化しているという書き込みの後、何年も更新がなかったり、そんなブログに出会うとこちらも心が穏やかではなくなります。癌と果敢に闘い、充実した人生の終幕を過ごすことは大切なことだと思います。でも「闘病記」映画やドラマと同様に、あまり読みたくはないという気持ちです。

2009年4月22日 (水)

焼きすぎの肉はすい臓がんの原因=米の研究

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肉の炭になるような焦げは以前からがんのリスクを高めるとはいわれていましたが、膵臓癌のリスクは60%も高くなるそうです。
ミネソタ大学のアンダーソン氏らの研究です。

【ワシントン21日AFP=時事】米国の研究で、高温で焦げるほどに調理された肉を食べ続けるとすい臓がんになる恐れが60%高くなるという結果が出た。研究結果は、米国がん研究会議で報告された。
 研究の中心となったミネソタ大学のアンダーソン氏によると、これは肉を強火でこんがりと焼いたりすると発がん性物質が形成されるためだという。オーブンで蒸し焼きにしたり、シチューにしたり、より低い温度で調理したりすると、発がん性物質はできない。
  研究は、健康な6万2581人を対象に9年間かけて食生活を調査する方法で行われた。その結果、すい臓がんになったケースが208件あり、よく焼いた肉を 好む人はそうでない人に比べて発生率が60%近く高かった。焼き過ぎの肉を食べた割合が最も高いグループでは、危険性が70%も高かった。
 同氏は、肉を調理する際は、高い温度で焼き過ぎないように注意することを勧めると述べるとともに、焼く前に電子レンジで数分間加熱して肉汁を流し出すことによって、発生する発がん性物質を減らすことができるとしている。 〔AFP=時事〕(2009/04/22-11:22)

手術後は基本的に玄米菜食で、時々魚という食生活です。肉はカレーライスを作ったときに仕方なしに一口食べる程度。退院時に主治医の先生からも肉食は控えるようにと言い渡されています。焦げるほどの肉は当然口にしていませんし、膵臓癌になる前も焼き肉は好きではなかった。

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2009年4月21日 (火)

【追加情報】膵がんに対する樹状細胞療法の試験

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「昼寝」  春爛漫、留守番も眠くなります。


共同通信によると、「メディネットの契約医療機関である瀬田クリニック新横浜と名古屋大学医学部附属病院が、2005年6月から切除不能局所進行膵がんを対象として実施しておりました、化学療法と免疫細胞療法を併用した臨床研究の結果に関する論文が、米国膵臓学会(American Pancreatic Association)公認の学術誌『Pancreas(パンクレアス)』(April 2009 - Volume 38 -)に掲載されました。」と報道されています。

共同通信の報道  メディネットの発表

切除できない膵臓癌は5年生存率は0%です。確実に死にいたるのですから、今回の論文が本当であれば患者としては希望が持てます。論文を入手して詳細に検討したわけではないのですが、上記の報道の範囲内で考えてみました。

  • ゲムシタビン(ジェムザール)との併用試験である。
  • 瀬田クリニック東京のページによれば、ゲムシタビンは通常の投与量の3分の2程度に減量している。
  • 対象例がわずか5例である。
  • そのうち1例が癌の縮小(部分緩解)、2例が6ヶ月以上の進行停止(長期不変)

ということですが、部分緩解した患者がその後どうなったのか、長期不変ということはその後急速に大きくなることがありえますが、どうだったのか。2005年から始まった臨床試験ですから、まだ5年は経っていないので、生存率などは出せないとは思いますが、いずれにしろ5例だけでは確かなことは言えませんね。いくらかの延命効果があるという程度ですが、それをどう考えるかは患者の価値観によります(経済状況によるというべきか。なにしろ治療費が高額になります)。

部分緩解の1例についても、ゲムシタビンの効果だということも考えられます。それに低量の抗がん剤を投与したとき(今回は2/3の量)、患者によってはそれが適量だったということもありえます。ともあれ現在は「治療調査」の継続中ということで、今回の発表は途中経過という意味でしょう。

瀬田グループでは、膵臓がんを始め各種の癌に対する樹状細胞療法の「治療調査」を進めており、保険適用外ではありますが、この調査に参加すれば医療費の減額処置があるということです。(治療調査と治験はどのように違うのか、わかりません)

興味はありますが、私は治療調査に参加することは考えませんね。わくわくするような楽しいこと、笑ってストレスのない生活をすること。こちら方がよほど延命効果があると思います。

翌日になって、下記のような情報が届いています。こちらは、18人の患者中2人(11.1%)で完全寛解(CR)が得られ、7人(38.9%)が部分奏効(PR)、5人(27.8%)が安定状態(SD)、4人(22.2%)が増悪(PD)となった。奏効率は50.0%だった。また長期間生存例もあった、ということです。米国がん研究会議(AACR)でのセレンクリニックと武蔵野大学の発表です。

進行膵臓がんに、ゲムシタビン、S-1による化学療法と、膵臓がん関連抗原を利用した樹状細胞療法の併用が有効である可能性が示された。少人数の患 者への投与で効果が確認されたもの。成果は4月18日から22日にデンバーで開催されている米国がん研究会議(AACR)で、武蔵野大学薬物療法学客員教 授でバイオベンチャーのテラの取締役である岡本正人氏が発表した。

岡本氏によるとゲムシタビンやS-1は、樹状細胞が働きやすくする環境を作るのに働いているという。

発表された臨床成績は、セレンクリニックで行われた結果。進行手術不能膵臓がん患者で、S-1やゲムシタビンなどの標準的な治療で安定状態 (SD)か増悪(PD)となった18人の患者を対象に治療が行われた。樹状細胞は、白血球除去輸血から顆粒球マクロファージコロニー刺激因子とインターロ イキン4の存在下でCD14陽性単球を生産し、OK-432で成熟化させて、膵臓がん特異抗原(1例を除いてMUC1かWT1またはその両方)で刺激して から投与された。

患者にはゲムシタビンとS-1の両方、またはどちらかと併用で、樹状細胞を1×10の7乗個を、14日間おきに4回から12回、皮内投与した。S-1とゲムシタビンの量は通常使う量よりも少ない場合が多かったという。

その結果、18人の患者中2人(11.1%)で完全寛解(CR)が得られ、7人(38.9%)が部分奏効(PR)、5人(27.8%)が安定状態(SD)、4人(22.2%)が増悪(PD)となった。奏効率は50.0%だった。また長期間生存例もあった。

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2009年4月20日 (月)

血液型と膵臓がんのリスク

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血液型がO型の人に比べて、B型は72%も膵臓癌になるリスクが高いという報告がありました。

ダナファーバーがん研究所の研究者らは、膵臓癌の基礎的な生態に関し新たな手がかりを提供するとともに、数十年前に発見された血液型と膵臓癌発症のリスクの関連性について確認した。(略)

本所見によれば、膵臓癌発症率はO型と比較してA型では32%、AB型で51%、B型で72%高かった。全グループの膵臓癌のうち17%はO型以外の血液型を遺伝的に受け継ぐことに原因があるとみられた。しかし、膵臓癌発症の生涯リスクは比較的低く(推定1.3%)、血液型に関連するリスク増大は比較的小さいため、膵臓癌リスクのスクリーニングテストが血液型のみに基づいて行われることはないであろう。(略)

本所見の真の価値は、膵臓癌の仕組みについて何を示唆しているかにある、と著者は述べている。これらの知見は興味深いが、血液型の抗原と膵臓癌の直接的な関連を必ずしも示すものではないと著者らは強調する。ABO遺伝子は、より直接的に癌発症に関わる他の近隣遺伝子の単なるマーカーに過ぎない可能性がある。

血液型は糖タンパク質の種類により決定される。正常な膵臓細胞では膵臓癌細胞と異なるパターンの血液型抗原をもつもとが示されており、ABO遺伝子の活性化変化すると細胞の癌化を引き起こす可能性を示唆しているという。

私も実はB型です。血液型によってリスクが高いといわれても、血液型を変えることはできないし、役に立つ情報とは言えませんが、膵臓癌の発症のメカニズムに関して何かヒントになることかもしれません。B型の家族がいれば、膵臓がんのリスクを考慮して健康診断をした方がよいかもしれません。将来の治療への足がかりになるような研究に繋がると良いと思います。

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2009年4月19日 (日)

リンク集 信頼のおける癌の情報サイト

左サイドのウェブページ欄に「信頼のおける癌の情報サイト」を作成しました。

これまでお気に入り・ブックマークとして収集したもののなかから、信頼のおける情報源だけを集めてあります。

癌のと闘いは情報戦です。75%の人が、癌を告知されたときに情報源としてインターネットを検索するといわれていますが、必要な情報にたどり着くことが難しいという現状があります。まずは何よりも信頼できる情報を迅速に入手して、医師との相談、今後の治療戦略に活かすことが大事です。代替医療やサプリメントを探すのはその後です。

リンクした中から「医療情報サービス Minds」を紹介します。

TOPページを開くと、大きく「医療提供者向け」と「一般向け」にMinds_2 タブが 分かれています。「医療提供者向け」になかには、「ガイドライン」「Mindsアブストラクト」「コクラン・レビュー」「CPGレビュー」などの小分類タブがあります。

「膵癌」をクリックすると、一般向けの情報はなく、「医療提供者向け」サービスのなかに

  • ガイドライン
  • Mindsアブストラクト
  • コクラン・レビュー
  • CPGレビュー
  • クリニカルクエスチョン

が表示されます。

ただし、ガイドライン作成後の新しい知見は反映されておらず、例えば膵癌の「GEMによる術後補助化学療法の延命効果は現時点では確定していない(推奨度C)
」などと記載されている。実際は、ASCO 2008 で報告された大規模な治験で有効性が確立している。こうした例もあるので、インターネットなどで最新の情報を収集し、合わせて活用する必要があります。

2009年4月18日 (土)

『エンデの島』

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権現堂堤の桜(7)


「・・・・がんばるのは美徳ではないと?」
「いちがいには否定しませんよ。でも、戦争のときも経済発展のときも、国民はがんばるのがいいことだと信じていたのです。そして一枚岩になって団結し、異分子を排除した。でも一枚岩は脆いものです。多くの人は、こんなことをやっていては駄目だ、戦争はもう負けだ、バブルはいずれ崩壊するとわかっていたと思いますよ。でも、だからといって方針転換はできず、がんばりつづけた。決定的に破滅するまで・・・・。もし、がんばることを放棄していたならば、東京大空襲や沖縄や広島や長崎の悲劇は避けられた。あやまちは繰り返しませんというが、そのあやまちとは戦争をしたことだけではなく、がんばりつづけたことなのです。」

エンデの島 (光文社文庫)

これは高任和夫の小説『エンデの島』の一節である。「エンデ」とはもちろんミヒャエル・エンデ、『モモ』や『はてしない物語』の作者である。小説では伊豆諸島の架空の島「奥ノ霧島」を舞台に、エンデが描いた理想郷とその活動を支えている人物たちが描かれている。

「パン屋でパンを買う購入代金としてのお金と、株式取引所で扱われる資本としてのお金は、まったく異なった種類のお金である」。NHKで放送されたドキュメンタリー「エンデの遺言--根源からお金を問う」のなかのエンデの言葉である。エンデは、問題の根源はお金にある、なかんずく利子というものが経済を間違った方向に誘導し、私たちの生活を苦しめていると考えていた。そこで例の「キリストが生まれたとき、1オンスを5%の複利で銀行に預けると・・・2000年には・・・太陽4個分の重さの金塊」が得られるという話しに繋がってくる。<こちらにリンク

エンデの遺言―「根源からお金を問うこと」

『モモ』のなかには「時間貯蓄銀行」の灰色の男たちた登場するが、エンデは時間のことではなく、お金のことを示唆しているのだ。灰色の男たちは、人々から時間を奪おうとする時間泥棒で、「時間を節約して銀行に預ければ、利子が利子を生んで、人生の何十倍もの時間を持てるようになる」と言う。彼らの誘惑にのせられた人々は、余裕のない生活に追い立てられて人生の意味までも失ってしまう。仕事はぜんぜん楽しくないばかりか、成果・効率で、過労死や年間3万人以上もの自殺者が十数年間連続している。昔からの祭りは廃止、商店街は郊外の大規模店に押しつぶされてシャッター通りに、人々はいつもくたびれて怒りっぽい顔。とげとげしい目つきで、わずかな余暇をムダなくと、せわしなく遊ぶようになる・・・・。私たちには、思い当たることばかりではないか。

人類は細菌に対しては抗生物質などを開発し、感染症との闘いにおいてはほとんど勝利したに違いないが、現在はむしろストレスを原因とする心身症が病気の大部分を占めており、我々団塊の世代が老年になり、さらに医療費が増大することは自然の成り行きだ。

利子や株による配当が経済を混乱に陥れている。まさに『しっぽが頭を振り回す』ような今の経済危機は起こるべくして起きたのであり、我々はエンデの警鐘を無視したツケを払わせられようとしている。お金の節約、時間の節約は将来のためになるのだと私たちは信じ込まされてきたが、ほんとうはお金と時間の消費の仕方も、節約の仕方もまちがっていたのではないか。

私たち人類のからだをコントロールしているソフトウェアは石器時代のままである。つまり、セリエが『現代社会とストレス』でいう「闘争か逃走か」反応だ。しかし、ストレスが生じたときのこの反応が、慢性的に長期間にわたって続いているのが私たちの社会である。そこでさまざまな心身症が起きる。癌の発生も、原因はいろいろだが、ストレスがその引き金になっていることはまちがいないと言われている。エンデが指摘した逆立ちした経済社会が、自殺者のみならず、癌患者をも増やしているにちがいない。

エンデは、貨幣の機能を交換価値の尺度と交換の媒介に限定し(つまり貨幣の保蔵機能をなくし)、新しい経済を取り戻すことを訴える。それを現実化したものが”地域通貨”であり、現に国内でもいくつの地域通過が発行されている。『奥ノ霧島』の舞台でも地域通貨オッキイを軸に島の経済と生活が回ってゆく。原則無利子の島民への貸付けである。そのお金で、高齢者が安心して生涯を終えられる医療と介護の仕組み、全国から患者が集まってくるという大きな総合病院、食べ物とエネルギー(風車と地熱発電)を島内で自給する工夫。内地の大規模店やホテルが島を支配するのを制限する条例づくりなど。冒頭に引用したのは、この総合病院の村田院長の言葉である。

『エンデの島』を読んで、井上ひさしの『吉里吉里人』を思いだしました。

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2009年4月17日 (金)

LAK療法は金と命を奪う詐欺

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LAK療法(活性化自己リンパ球療法)について、インターネットで検索するとたくさんの病院が実施していることが分かります。費用は1クール(6ないし12回)で140万円~260万円というのが多いようです。

LAK療法は免疫療法の一種で、その中でも「非特異的癌免疫療法」に分類されます。

自然免疫を主に利用した療法を非特異的癌免疫療法と呼んでいます。生体が本来持っている自然免疫を高めたり、補ってやることで、癌の増殖をくいとめる、あ るいは癌の転移・再発を抑えることを目的とした治療です。1970年代から行なわれてきた古典的な治療が多いのですが、有効な治療成績が得られたものは少 ないのが現状です。膀胱癌に対する膀胱内BCG注入、悪性黒色腫(皮膚癌の一種)や腎臓癌に対するインターフェロン療法やサイトカイン療法(IL-2な ど)、肝細胞癌に対する非特異的活性化自己リンパ球移入療法が、治療成績が示された代表的な治療法です。
 しかし大部分の癌に対しては、非特異的癌免疫療法が有効であることを示す治療成績は残念ながらありません。
 元来、癌は自然免疫の攻撃を逃れて増殖してきているので、自然免疫を利用した非特異的癌免疫療法だけでは、癌の増殖を抑えるのは不充分ではないかと考えられます。

このように、有効性のない免疫療法を、さもあらゆる癌に有効であるかのように、藁をもつかみたい癌患者を食い物にしている医療機関がたくさんあるので、「藁(丸太だと宣伝すること多し)のつもりで掴んだら蛇だった」ということにならないように注意しなければなりません。

活性化自己リンパ球療法では、このブログからもリンクしている膵臓がんが自然緩解したという加藤一郎さんのHPにも愉快な経験が書かれていました。

会社の休み時間を利用して、まず「西新宿のとある病院」に電話をする。
電話口に出た受付の女性の口調は、医療関係の知識があるタイプに思えなかった。
しかし必死に状況を説明して、私はすぐに予約を取ろうとした。
ところが受付の女性は、来院する前にビデオを見るようにと言う。
宅急便で送ると言ってくる。しかもビデオは有料だと言うのだ。
癌およびリンパ球療法に関しては充分勉強していますのでと、私は一旦断った。
だが、折に触れてビデオの鑑賞を勧めてくる。なんだか違和感を感じた。
最後に、医院長の方から私の携帯に後で電話を掛けてくれると言う。
私は症状を前もって聞いてくれるのだと少し信頼感を戻した。

が、その直後受付の女性が言い放ったのだ。「コレクトコールでよろしいですね?」
私は唖然としたが、とりあえず承諾した。

しかし、どうも気になるのでインターネットで再度調べてみると、
案の定、この病院はいろいろなページであまり評判が良くない。
そういう目でこの病院のホームページを調べ直してみると、
名誉院長なる人物の写真が、いろいろな勲章や賞状と一緒に誇らしげに掲載されている。
自分の権威を一生懸命誇示しているとしか思えなかった。“医は仁術”という世界からかけ離れている。
これはまずい。直ぐにキャンセルの電話をし、院長からのコレクトコールも断った。
にもかかわらず30分ほどしてから、しかも会社の会議中に私の携帯が鳴った。(コレクトコールである)笑

「名誉医院長で医学博士のSだが。膵臓癌だそうだな。」
ううっ、勘弁してよ。(苦笑)

自分のことを、肩書き並べて名乗る人が世の中にいるのが信じられなかった。
「申し訳ありません、受付の方には既にキャンセルをしたのですが・・・。
実は、私は急遽東京を離れることになったので、この話は無かったことにして頂けますか。」
私は咄嗟に言い逃れをした。
「何故、東京を離れるのかね?」
不愉快になるほど横柄な口調である。
「それはプライベートな事なので話せません。」
「そう。」ガチャ。
思いっきり受話器を切る音がした。

この部分は何度読んでも笑ってしまいます。この程度の人物がやっている治療法ですから、その結果は推して知るべしです。つまりは丸太に見せかけて蛇を掴ませようという魂胆。

もうひとつLAK療法に関して「異端医師の独り言」から紹介します。LAK療法を考案したS.A.Rosenberg氏はNIH(国立衛生研究所)の外科部長で、レーガン元大統領の主治医でもあったのですが、

20人の末期がん患者を対象に臨床試験が許可された。一人目の患者、悪性黒色腫を患った若い女性が「LAKと IL2併用療法」で治癒した。彼女が美人で、はつらつとした性格の持ち主だったこともあり、全米が騒然となった。当時のレーガン大統領が「10人治癒させ たら、いくらでも研究費を拠出する」と公約した。
Rosenbergは、しばしばテレビに出演し、Times誌の表紙も飾った。しかし、彼は一貫して「決して魔法の弾丸でないこと」「臨床試験は、まだ始 まったばかり」と謙虚な態度をとり続けた。その後、Rosenbergのグループは、多くの末期患者を対象とし「LAKにIL2やインターフェロンを組み 合わせた療法」を試みたが、無効と判明したため、プロジェクトは解散した

LAK療法の考案者が「無効」だと結論したものを、日本ではいまだに大々的に宣伝して治療しているのですね。試験管で簡単に3日間培養液のなかに入れておけばよいのですから、簡単な設備で商売が始められます。相手は末期がん患者ですから、効果がなくても死ぬ運命だと本人が考えてくれます。何人かに一人でもプラシーボ効果で治った(改善した)患者が出ればしめたもの。宣伝材料が増えます。

振り込め詐欺はお金だけを盗っていくのですが、LAK療法はお金と命の両方を奪います。これを詐欺といわなければ世の中に詐欺は存在しません。

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2009年4月16日 (木)

がんペプチドワクチン 中村研究室

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権現堂堤の桜(5)


がんペプチドワクチンの中村研究室で、膵癌のワクチン療法実施病院が更新されています。久留米大学は希望者が殺到して募集を中止したニュースは紹介しました。リストからなくなっています。

・ 膵癌に対するワクチン療法

千葉徳洲会病院 消化器内科 TEL: 047-466-7111(施設HPをご参照下さい。)
責任者 浅原 新吾

札幌医科大学 第一内科 TEL: 011-611-2111
  責任者 篠村 恭久
  担当医 細川 雅代
九州大学 先端分子・細胞治療科 TEL: 092-641-1151
  責任者 谷 憲三朗
  担当医 伊賀 睦了
川崎医科大学 臨床腫瘍科 TEL: 086-462-1111(施設HPをご参照下さい。)
  責任者 山口 佳之
東北大学 がん診療相談室 TEL: 022-717-7115
  責任者 森 隆弘

(臨床研究準備中)
福島県立医科大学 第一外科 TEL: 024-547-1111
  責任者 後藤 満一
  担当医 木村 隆
東京女子医科大学東医療センター 外科 TEL: 03-3810-1111
  責任者 小川 健治
  担当医 塩澤 俊一、金 達浩
東京女子医科大学 消化器外科 TEL: 03-3353-8111
  責任者 山本 雅一
  担当医 有賀 淳
(治験実施中)
和歌山県立医科大学 第二外科 TEL: 073-447-2300
  責任者 山上裕機
  担当医 谷眞至、宮澤 基樹

2009年4月15日 (水)

『からだの知恵』-W・B・キャノン

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権現堂堤の桜(4) 一面の菜の花畑


からだの知恵 この不思議なはたらき (講談社学術文庫 (320))

身体におけるホメオステーシス(生態における恒常維持)の概念を確立したことでよく知られている生命学者キャノンの『からだの知恵-この不思議なはたらき』にこんな記述がある。

スペアのない器官の安全度
膵臓は、からだが糖を適切に利用するために必要な内分泌物インシュリンを作る。前に述べたように、膵臓を完全に取り除くと、ひどい糖尿病がたちまちに起こる。しかし、膵臓の五分の四を切り取っても、糖尿病にはならない。すなわち、からだに必要なインシュリンを供給するには、わずか五分の一があればよいのである。

キャノンのこの著作は、初版が1932年で、70年も昔のものである。その後の生物学の進歩は著しいが、キャノンの業績は決して古くさくなってはいない。

私の膵臓も残っているのは五分の一程度であるが、インシュリンを分泌するにはこれで十分だということである。「ランゲルハンス島は膵体部と膵尾部に多く存在しているから、膵頭部だけではインシュリンは分泌されない」という一般的な解釈は誤りだということだ。(70年も前に分かっていたことじゃないか!!) いや、確かにランゲルハンス島の分布はそのようになっているかもしれないが、失われた臓器の部分になりかわって、残された部分で役割を果たそうとする機能が備わっている。これは肝臓や胃などの臓器でもよく知られていることである。

しかし、これは考えてみれば非常に不思議なことだ。残された細胞は、「同じ臓器の同種の細胞が失われたことを知ることができる」ということである。「部分が全体を知る」ことができるということである。細胞相互間に何らかの情報伝達回路があるということになる。キャノンはそれを「ホメオステーシス」の一部だといったのだが、その機序はまだ十分に明らかになっているとは言い難い。しかし、免疫学ではその仕組みが徐々に解き明かされようとしている。

心身自在 (角川文庫)

アンドルー・ワイルは『心身自在』のなかで、「治癒系」としてその機能を説明している。DNAの自己修復システムから、損傷を受けた細胞膜のリソソームによる認識と除去・置換(治療)、けがの治癒(創傷治癒)にみられる組織の再生。これらは人体では頻繁に起きていることであり、生物が生きのびるために獲得した仕組みである。リアリティの任意のレベルで観察された真実のパターンは、あらゆるレベルにおいても真実である。「上なるものは下なるものの如く、下なるものは上なるものの如し」である。DNA、細胞、組織レベルでの真実のパターン=自然治癒力あるいは治癒系は、からだ全体でも真実のパターンとして存在するはずである。

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2009年4月14日 (火)

がんを治す性格、悪くする性格

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権現堂堤の桜(3)


あるブログ「予後占い」にこんな記事がありました。

精神状態は、明らかに患者さんの予後に大きな影響を与えます。

現在、ほとんど同じ状態、同じ年で、好対照の患者さんもいます。
とても予後の悪い病気ですが、お一人は、腫瘍マーカーの動きに一喜一憂し、それが上がると、大きく落ち込みます。
もうお一人は、大凶「半年」の似非占いから、すでに3年を過ぎましたが、腫瘍マーカーの数字などまったく気にしたこともなく、検査データの結果の紙は、まったく見ずに、すぐに同伴のご家族に渡してしまい、「お食事は美味しく食べられますか?」に対して、「美味いっすよ!」の一言。

楽しく長生きしてくれているようです。

性格をみれば、その患者の予後が相当な確率で当たるというのです。

冠動脈性心疾患に関するパーソナリティの包括的な研究として、フリードマンとローゼンマンによるA型、B型性格の研究があります。A型の特徴は「過度の競争意識と、いつも期限に間に合わせなければならないという、慢性で持続的な時間への切迫感」の持ち主である。臨床試験と調査により、A型性格と心疾患の相関性は多くの研究者が認めるところとなっているようだ。

がんに関してもパーソナリティの関与があるのだろうか。グリーンとミラーらの心理学的テストによると、ガン患者の特徴として、

  • 成年期までに深刻な感情的問題を経験している(家族との繋がりの崩壊など)
  • 他人の気に入るように振る舞い、これによって愛情を得ようと過剰な埋め合わせをする。
  • これらの試みが失敗すると、怒りや孤独、絶望や自己嫌悪、不安やうつ状態が続く。

彼らに対する友人らの評は、「並外れて立派で、思慮深く、優しい、不平を言わない、ほとんどあり得ないほど善良な人」というのが多かったという。

A型性格は、物事がうまくいっているときは、積極的で行動的、仕事のできる人などの肯定的評価を受けやすく、本人もそのように思っている。しかしいったん歯車がうまく回らなくなると、失望、焦りなどの否定的感情が表われやすい。A型の性格はがん性格でもあると思います。私も典型的なA型人間でした。

アメリカがん協会の会長ユージン・ペンターグラスが1959年に既にこんなことを書いています。

がん治療の経験のある方なら誰でも、患者たちの間には大きな違いがあることに気づいておいでだろう。(略)
私は、治療がうまくいき、何年も具合良く生きているがん患者をみてきた。その後彼らの病気を突然悪化させ、死に至らしめる要因となったのは、第二次世界大戦で息子が亡くなったとか、義理の娘が信じられないとか、長期間失業していることの重荷とかいった、感情的なストレスであったと思われる。(略)
病気の進行は、感情的な苦痛によって影響を受けるという確固とした証拠がある。従って、私たちは医師として、患者が患っている病気だけでなく、丸ごとの人間としての患者の治療にも力を入れて良いのである。(略)
細胞内だけでなく前進的な影響を通して、がんの成長をコントロールする新しい方法の探究を私たちが前進させていくにあたり、この病気の進行を早めたり止めたりできる力が人の心のなかにあるのだという、明らかな可能性にいたるまで、探究を広げることができるよう、私は心から望んでいる。

がんは「気持ち」で治るのか!?―精神神経免疫学の挑戦 (三一新書)

『がんは気持ちで治るのか?』という本があります。副題は「精神神経免疫学(PNI)の挑戦」。こうした本にも近年のより確固とした研究成果を元にして、「がんは気持ちで治ることがある」のだと明言しています。

現在のがん治療の最前線にいる医者も、半世紀前のアメリカの医者も、そしてPNIの研究者もみんな一致して同じことを言っているのですから、こうした『真理』を利用しない手はない。がん患者には大いなる希望です。

飼い猫が交通事故で死ぬ、息子が戦死する、こんな大きなストレスが、病気を悪化させることがあるのですから、ストレスへの効果的な対処方法を身につけることは、長生きした胃がん患者には必須の学習課目でしょう。じゃあ、どうしたらがん性格を変えられるか、明るい気持ちで治療を勧めるためにはどんな方法があるのだろうか。私はサイモントン療法やその他の瞑想法、リラックス法を、患者のそれぞれが自分にあった者を探すことが大事だと思う。他人の評価よりも、自分で納得できる方法を探すべきでしょう。

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2009年4月10日 (金)

膵癌切除後、ゲムシタビン+S-1術後補助化学療法が有効【外科学会2009】

浸潤性膵管がんに対する術後補助化学療法としてゲムシタビン(ジェムザール)が有効であることはASCO 2008の大規模な臨床試験において既に明らかになっているのですが、再発後の有効性に関しては明確なデータがない状態でした。

先週開催された第109回日本外科学会定期学術集会で、信州大学消化器外科の中田岳成氏が、ゲムシタビンとS-1の再発時治療成績を紹介し、有用性を強調した報告を行なっています。

再発後の五年生存率を比較すると、ゲムシタビン単独群とS-1併用群の間には、43.2%と18.2%という明らかに統計的に有意な差があったということです。浸潤性膵管がんの再発後の治療方法として期待されます。

癌Expert より

S-1は大鵬薬品工業の経口抗がん剤。TS-1と同じもの。(商標登録の関係で、大鵬のTを頭に付けている)

2006年8月に抗がん剤S-1が膵癌に対しても保険適応となりました。切除不可能な進行膵癌に対して施行された第2相臨床試験における奏効率は32%(19/59)とかなり良好でした。

  この奏効率32%は、ゲムシタビンの膵癌に対する奏効率約10%よりかなり高い数字です。そして、S-1によって約1/3の膵癌が半分以下に縮小するので すから、当然一定期間の生存延長が認められる可能性は極めて高いと思われます。しかし今後、転移性膵癌および局所進行膵癌に対するS-1の生存延長効果を 科学的に証明するためには、大規模な無作為化比較試験で確認することが必要です。

鎌田医師と北里大学生命科学研究所客員教授 白坂哲彦氏のS-1開発の秘話はこちら

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アップルCEO 膵臓がんサバイバー

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権現堂堤の桜(2)


アップルのCEO、スティーブ・ジョブズ氏が膵臓がんであるというニュースで、アップルの株価がどうのとか言うニュースが以前から流れていますが、ショブス氏の講演内容がアップされています。 彼の膵臓がんは島細胞神経内分泌腫瘍という非常に希な、外科手術可能な癌だったということですね。こんな幸運もあるのです。膵臓がんには20種類くらいあるそうですが、最も多いのが腺管癌で75%がこの膵臓がんだそうです。私の場合も『高分化侵襲性腺管癌(Well-differentiated Invasive ductal carcinoma)』です。

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2009年4月 9日 (木)

サイモントン博士の講演会

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菜の花と桜を撮ってやろうと、朝の4時に自宅を出発して幸手市の権現堂堤に出かけました。何回かに分けて紹介します。


サイモントン博士の講演会に行きました。写真で見るよりご高齢で、杖をついての登壇でした。
「治癒への道」で必要なことは、幸せを感じて生きる、その日を精一杯生きること。その話しの中で、博士は自宅でポメラニアンを飼っているそうで、長期の海外講演から帰ってくると、妻・息子・孫たちはみんな忙しくて立ち働いているが、「ポメラニアンの彼女だけはただただ嬉しそうにしっぽを振って喜びを表現してくれる。こんなに長くほったらかしにして等という恨みや素振りはみじんも見せません。」と博士の生きる喜びを紹介してくれました。

小鳥・草花は「ただ生きている」 。死ぬかもしれないなどと悩んだりはしない。毎日が楽しそうに「いのち」を謳歌している。博士のポメラニアンに限らず、我が家のヨークシャーテリアも、本当に嬉しそうに腰の全体を使って短いしっぽを振ります。

「私は立派な仕事をやってきたと思っているが、しかし仏教などの東洋思想ではすでに私がやってきたことを数千年も前に確立している。」 瞑想や禅においては、病気はすべて心が原因だとして、深いリラクゼーションに導くことで病を治癒しようとしている。

現代社会とストレス (叢書・ウニベルシタス)心が生かし心が殺す―ストレスの心身医学

ストレスと病気の関係は、ハンス・セリエの古典的労作『現代社会とストレス』で科学的根拠を与えられたのはご承知の通り。ケネス・ペルティエの『心が生かし、心が殺す』は、ストレスと病気の関係、パーソナリティと病気の関係(例えば癌を作るパーソナリティ)を具体的なデータで論証していて、またストレスへの対処方法についても瞑想法・自律訓練法・バイオフィードバックなどを取り上げて説明しています。サイモントンの『がんのセルフ・コントロール』を読むときの科学的根拠として補ってやればより理解が深まるでしょう。

「希望を持つ」ということは大事なことだが、ややもすると希望ではなく「執着」になってしまう。「私の癌は治癒するだろう」と希望するのはよい。治癒しないかもしれないが、希望を持とうということ。「私は癌を治す」さらには、「私は癌を治さねばならない」「絶対に治してみせる」となると「執着」だ。一見ポジティブシンキングで、こちらの方がより積極的で良さそうに見えるが、自分の希望=執着がかなわなくなったときにポジティブシンキングは脆いのです。

老子の言葉に「勝とうとしなければ負けることはない」というのがあります。癌の治療にも同じことが言えるということです。「何が何でも癌に勝ってやる」という闘争心は、ちょっと躓いたときに疑心暗鬼になりやすい。「今の治療法で大丈夫だろうか。なにか魔法の特効薬があるのではないか。気持ちで癌が治るはずがない」ということになります。

「そうか、勝とうとしなければ良いのだな。よし、今日から勝つという気持ちは捨てよう。そうすれば癌が治るに違いない」 このように考えたら、あなたは既に取り逃がしています。
勝つか、治るかどうかは「成り行き」なんです。成り行きだから目標にしてはいけない。目標にすることは「執着」することです。また、「勝とうとするな」というのは、現代医学をすべて拒否して、心のあり方や食事療法などの代替医療で治そうというのではありません。ここは微妙なところです。治す努力はしなければなりません。しかしそれだけに執着しては治るものも治らなくなるのです。

癌に勝つとか負けるとか、そんなことから心を遠ざけて、今生きていることに感謝して喜びとともに過ごすことです。負けるかもしれません。明日死ぬかもしれません。それでいいじゃないか。というのがサイモントンでありペルティエであり、老子、仏陀、道元、良寛などです。洋の東西を問わずに偉大なマスターはみんな同じことを言っているのです。

奇跡的治癒とはなにか―外科医が学んだ生還者たちの難病克服の秘訣

そして、癌の奇跡的治癒あるいは自然退縮が起きた患者の多くに、こうした『実存的転換』が起こっているのだという報告が、『ガンになりやすい性格―奇跡的にガンを自然退縮させた実例集 (主婦の友健康ブックス) 』(中川俊二)や『奇跡的治癒とはなにか―外科医が学んだ生還者たちの難病克服の秘訣 』(バーニー・シーゲル)などに紹介されています。中川俊二さんは日本における心身医学の先人である池見酉次郎先生の元で研究していた医者ですが、ご自身が胃がんになられて、それを契機に自然治癒例に興味を持って研究されたという方です。「実存的転換」の意味は中川俊二さんの言葉を借りると、今までの生活を心機一転し、新しい対象を発見し、満足感を見出し、生活を是正するとともに残された生涯の一日一日を前向きに行動しようとするあり方です。

私がこのブログで「生かされるままに生きよう」とか、「がんとは闘え、しかし死とは闘うな」とか書いているのも同じことの別の表現なのです。

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2009年4月 6日 (月)

膵臓がん治療用ワクチンの臨床試験始まる

■膵臓がん治療用ワクチンの臨床試験始まる(日本外科学会学術集会より)

膵臓がんの進行を、ワクチン療法によって遅らせようという臨床試験の第Ⅱ/Ⅲ相試験が全国の25箇所の医療機関で開始されました。第Ⅱ/Ⅲ相試験は新薬臨床試験の最終段階に相当する試験で、日本国内のみならず世界中が注目する試験です。この試験の詳細は、4月2日から4日まで福岡で開催された第109回日本外科学会定期学術集会で報告されました。試験の中心になっているのは、和歌山県立医科大学第2外科教授の山上裕機先生、宮澤基樹先生と東京大学医科学研究所教授の中村祐輔先生のグループです。

血管新生を標的にしたワクチン

このワクチンは膵臓がんが行う血管新生をストップさせることを狙っています。がんは急激な増殖を続けるために栄養と酸素を必要とします。そこで、がん細胞自らが血管を新生させる物質を分泌します。この物質の1つが血管内皮細胞増殖因子(VEGF)というものです。VEGFが血管にある“受容体”に結合すると、「血管よ伸びろ」という命令が血管細胞に送られ、血管の新生が起こります。

この臨床試験の内容は、私も参加した先日の国立がんセンターでの講演で、中村祐輔教授が話された「PEGASUS-PC(ペガサス・ピーシー)」と名付けられた臨床試験で、このブログの昨年12月17日の記事でも紹介しています。

2009年4月 5日 (日)

リンパ球の拡大培養法を用いたがん細胞免疫療法の臨床研究

■タカラバイオ、「レトロネクチン」によるリンパ球の拡大培養法を用いたがん細胞免疫療法の臨床研究を開始

レトロネクチン(R)で活性化するリンパ球の拡大培養法に基づくがん細胞免疫療法の臨床研究を京都府立医科大学で開始します

  タカラバイオ株式会社(社長:加藤郁之進)と京都府公立大学法人京都府立医科大学(学長:山岸 久一)消化器内科 吉川敏一教授・古倉聡准教授のグループ は、消化器がん(食道がん、胃がん、結腸がん、直腸がん、膵がん、胆道がん、肝細胞がん)及び肺がんを対象として、当社が開発したレトロネクチン(R)に よるリンパ球の拡大培養法を用いたがん細胞免疫療法の臨床研究を平成21年4月6日に開始します。

 当社は、リンパ球の拡大培養時にレトロネクチン(R)を用いると効率よくリンパ球の拡大培養(細胞を増やす)を行うことができるだけでなく、その増殖した細胞中には未分化な細胞であるナイーブT細胞が多く含まれていることを既に確認しています。

 このナイーブT細胞は、従来法で拡大培養したリンパ球と比べ、体内で持続的に働くことができるという特徴があるため、レトロネクチン(R)を使わない従来法と比べて、より高い治療効果が期待されます。

 本臨床研究では、レトロネクチン(R)を用いて拡大培養したリンパ球の反復投与の安全性を評価することを主要評価項目(エンドポイント)とし、副次的エンドポイントとして腫瘍縮小効果を評価します。症例数は9例で、期間は1年間を予定しています。

全文はこちら

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2009年4月 4日 (土)

快適寝具「パシーマ」

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                三ツ池公園の桜がちょうど満開でした。


寝るときにはパシーマとサニセーフという寝具を使っている。こP1000334れは三層構造になったシーツのような布で、添加物の全くない脱脂綿とガーゼで作られている。中野孝次が『閑のある生き方』の中で紹介しているのが前々から気になっていて、最近買って使ってみたが、これが本当に気持ちが良い。

買ったのは洗足池の近くにある「こうえつ庵」という焼き物の店。どうして焼き物の店に寝具があるのだろうと電話で確認してから出かけた。応対していただいたのは質素な風情の麗人。この店の主人が使ってみて気に入ったので、店に置くようになったということでした。

これは『一念八十年「綿」にかけた男』の著者、梯禮一郎氏が考案した寝具で、中野孝次の『清貧の思想』を読んだ氏が、「『清貧の思想』を寝具にすると、こういうものになるんじゃないですか」と送ってきたのだという。純粋で無垢、混じり気がなく、見てくれに気を遣っていない。確かに『清貧の思想』だ。「よき老年は長持ちする本はだか快眠健康法―向健快楽物だけを伴侶とし、数は少なくとも、日々使って楽しい日常を送ることこそふさわしいと思う」と書いている。この寝具で素っ裸で寝るのがいちばん良いと『はだか快眠健康法』という本まで書いている。さすがにはだかで寝るには少し躊躇して、パジャマのズボンだけにしているが、肌触りも快適で目覚めもすっきりする。

「自分の権能下にないものを頼るな、あてにするな。これがいつでも哲学の第一の教えだった」と中野孝次は言う。「自分の権能下」にないものとは、妻であり、子供である。なるほど、これらは思い通りにはなってくれない。親が期待するようには子供は育たないものと相場は決まっている。妻も同様。自分の命、これも己の権能下にはない。だからそんなことに頭を悩ませるなという。癌になった。死ぬかもしれない。しかし「命」は自分の権能下にはない。では自分の権能下にあるものは何か。それは自分の「心」である。例え奴隷の身であっても自由な心を持つことができる。

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

「生きることの最大の障害は期待をもつということであるが、それは明日に依存して今日を失うことである。運命の手中に置かれているものを並べ立て、現に手元にあるものは放棄する。君はどこを見ているのか。どこに向かって進もうとするのか。将来のことはすべて不確定のうちに在する。今直ちに生きなければならぬ。」と、セネカも『生の短さについて』でいうように、癌=死の恐怖におびえ、死から逃れる名案はないかと右往左往している間に「今日」という時間は逃げ去っていく。

「今ここに」この時間を生きなければならない。わくわくする時間を生きることだ。人生は癌との闘いのためにあるのではない。闘いに勝って幾ばくかの時間を得たとして、その時間をどのように使おうというのか。

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2009年4月 3日 (金)

サイモントン博士の無料講演会

サイモントン療法」の提唱者、カール・サイモントン博士の無料講演会が下記の日程で開催されます。サイモントン療法のプログラムは伊豆で開催されますが、夫婦同伴、費用が19万円ですから、手軽に参加するということができませんが、この講演なら聴いてみたい。

市民講座サイモントン博士無料講演会『がんとこころの関係』
                        【 日 時 】4月8日19:00~20:30
                        【 場 所 】日本大学医学部記念講堂(板橋キャンパス図書館棟3階)
                        【 定 員 】200名
                        【 共 催 】日本大学医学部附属板橋病院
                        【参加費】無料

がんのイメージ療法

朝晩2回、ときには昼食後もイメージ療法を行なっています。サイモントン療法といわれているものです。
『念じるだけでがんが治るなんて、迷信だろう』とか、『そんなことができるのなら、オーム真理教の麻原のように身体が浮き上がることだってできるのじゃないか』と考える人がいるかもしれません。

私だって念じるだけでは目の前のペンを一ミリ足りとて動かすことはできません。ニュートンの物理法則に反することは絶対に不可能だということは分かっているのです。しかし、ヒトが脳で何かを感じるというとき、神経細胞は化学反応によって情報を伝達するのです。そしてさまざまなホルモンや情報伝達物質が複雑に連携して、脳からは遠く離れた器官にも影響を与え、細胞を活性化させたり、脈拍を速くしたり、血圧を上げ下げします。右手を動かそうと思えば<念じれば>右手が動くのであり、他人の右手が動くわけではないのです。念力ではなく自分の意志で自分の身体の一部を動かす、当たり前のことです。

プラシーボ効果が存在するということは、「心」が身体に作用することができということであり、医学はその事実を認めているわけです。医師法にも、暗示的効果(プラシーボ効果)を期待し、処方箋を発行する事がその暗示的効果の妨げになる場合に、処方箋を処方する義務がないと規定されています。

[ 処方箋の交付義務 ]
第22条  医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当っている者に対して処方せんを交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当っている者が処方せんを必要としない旨を申し出た場合及び次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。
  一 暗示的効果を期待する場合において、処方せんを交付することがその目的の達成を妨げるおそれがある場合

つまり頭痛だとか胃の不調とかを年中訴えてくるような、ちょっとうるさい患者に対して、毒にも薬にもならないものを処方する。しかし患者が処方箋を見たらばれてしまうので、こうした場合は処方箋を交付しなくてよろしいというわけです。

たくさんのガン患者を診ている医者は共通して、癌が治癒に向かう患者には、前向きであり、楽天的であるなどの性格的特徴があるといいます。待合室で大声で笑い、他の患者を励ましたり、相談に乗ったりしている患者はやはり長生きしているのだと。

乳がんの患者に精神的介入を行った実験では、生存率に有意な差が出たという研究があり、クロッファー博士のクレビオゼンという薬の実験などたくさんの例があります。

『○○を飲んだら癌がきれいに消えたそうだよ』
『それはプラシーボじゃないの』

これが世間の反応ではないでしょうか。しかし、ガン患者にとってはプラシーボだろうがなんだろうが、治りさえすればよいのです。いえ、逆に上手にプラシーボ効果を引き出して治ればよいでしょう。そうして何が悪いのでしょう。心が身体の免疫系に影響を与えることを信じて(これはもう科学的事実だといって良いのだから)、大きなプラシーボ効果を引き出すこと。私が今もっとも力を入れていることです。

川畑伸子さんの『がんのイメージ・コントロール法』、カール・サイモントンの『がんのセルフ・コントロール』『がん治癒への道』、ペルティエの『心が生かし、心が殺す』等の有意義な書籍があります。私はもっぱら川畑伸子さんの本を手引きにしてイメージ療法を行っています。(Amazonでは『がんのイメージ・コントロール法』は品切れのようです。現在改訂版を準備中とのこと)

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2009年4月 2日 (木)

久留米大がんワクチン治療 応募殺到で打ち切り

昨年の12月4日のブログで紹介した、国内で唯一がんペプチドワクチン外来を開始した久留米大で、受け付け開始90分で1500人の応募があり、受付を打ち切ったというニュースが飛び込んできました。
私も再発予防で考えていたのですが、ものすごい人気ですね。

久留米大(福岡県久留米市)は1日、がん患者それぞれに最適なワクチンで治療する全国初の「がんペプチドワクチン外来」の受け付けを始めた。午前10時からのインターネット上などでの受け付け開始直後から、申し込みが殺到。1時間半で1500件に達し、同大は「このまま続けても受け入れできない」として打ち切った。

同大によると、同外来の受診は、受け付け後、患者それぞれの主治医の承諾を得て、さらに同大で適応状況の審査がある。半年間で60人程度の患者受け入れを予定。次の受け付け開始は半年後をめどとしている。

同治療法は、外科手術や抗がん剤、放射線治療に比べて、副作用が少ないのが特徴で、通院治療も可能という。

同外来は、昨年12月に開設を発表後、全国から約1000件の問い合わせがあったという。(2009/04/02付 西日本新聞朝刊)


国内初の「がんワクチン外来」を1日開設した久留米大医学部(福岡県久留米市)が午前10時から資料請求の受け付けを始めたところ、申し込みが殺到、受け入れ可能な患者数を超えることが予想されたため、約1時間半後に中止した。

担当者は、「反響があまりにも大きく、受け入れ態勢をオーバーした。治療を希望する患者に迷惑を掛けて申し訳ない」と話している。半年後に受け付けを再開する予定。めどが付き次第、大学のホームページ(HP)や専用電話0942(31)7350で案内する。

大学によると、HPと自動応答による電話で受け付けをしたが、午前11時半までに1600人を超え、大学の代表電話もつながらない状態になった。第1期で受け入れられるのは約60人で、受け付けを中止した。

同外来は患者の免疫特性に合わせてがんワクチンを投与する。自由診療扱いで治療費は高額だが、抗がん剤や放射線治療などに比べて体の負担が軽いという。臨床試験に当たり、治療は主治医の承諾や大学側の審査を経る必要がある。(2009/04/01 21:13 共同通信)

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