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2010年5月

2010年5月23日 (日)

茶長さんのご冥福をお祈りいたします。

ルイ茶長の膵癌先達日記」の茶長さんが昨日13時35分、肝不全により急逝いたしました。まだ余命は2週間はあると書かれた直後だっただけに、ほんとうに驚いています。

私のブログにもよくコメントをいただきました。同じすい臓がんでステージも同じ。再発したときからいつも気にかけていました。抗がん剤による治療を拒否された彼女の決断は、人によれば「馬鹿なことを!」と思われるのでしょうが、自分の命の最後を自分の決心の通りにやり遂げた彼女です。どのような最後を迎えるかの選択肢くらいは持っていたいものです。だれであれ彼女の選択を非難することはできません。

中島梓の『転移』を読まれて、「そうか、このようにブログを書いていけばいいのだ」といわれた彼女でした。その通りに闘病をし、私の記憶にあざやかな足跡を残して逝ってしまわれました。

茶長さんのご冥福をお祈りいたします。

2010年5月21日 (金)

食事療法の基本的考え方

また、久留米大の関連情報です。

「久留米大学ペプチドワクチン事務局」のサイトの「よくいただくご質問」ページがあり、「がんワクチン外来Q and A 5」に「がんと食事について第1回目」という記事が掲載されました。ペプチドワクチン療法に限らず、がんと食事療法一般についての基本的考え方が要領よくまとめられていると思います。要点をまとめると、

  1. がんは食事と深く関係している。がんの原因の35%は食事に由来する。
  2. ワクチンや抗がん剤でがん細胞を排除しても、食事が不適切だと新しいがん細胞が次々に生まれる。
  3. がん細胞は栄養血管から栄養を補給している。「がんに効く食事」を摂ることは、治療と予防の両方に大切なこと。
  4. 「日本人のためのがん予防法」や米国のがんと食事についての研究成果に基づく提言があるが、最新の研究成果を反映したものではない。
  5. がんと食事に関する西洋医学的な無作為化比較試験には限界がある。そもそも食事に関して、条件を一定にしての比較試験は至難の業である。
  6. 1997年以降のサルを使った実によれば、カロリー制限はがんの予防や治療に有効だと言える。
  7. がん細胞は炎症反応とそれに関する免疫反応を巧みに利用して増殖している。したがってむくみや腫れを抑える食事はがんの予防と治療に有効であろう。
  8. がん細胞が好きな食事は「糖分を多めに摂る。むくみや腫れを起こしやすい食事」である。むくみや腫れを防ぎ炎症を抑えるビタミン類や微量栄養元素は野菜に良く含まれている。しかし、野菜を多く食べればがんが治るとかがんにならないとかという保証はない。

がんと炎症の関係については、このブログでも何回か紹介しています。2月9日2009年12月1日
シュレベールの『がんに効く生活』ではこのように書かれています。「炎症は、治癒のために新しい組織の形成を支えていると見せかけて、がんの成長を促す役回りをしていることもあるのだ。」日本でもやっとがんと炎症との関係の重要性が認識されてきたように思う。そして、炎症を抑制する食事は、地中海料理、インド・アジア料理、混合穀物(玄米)オリーブオイル、亜麻仁油、オメガ3脂肪酸を多く含む魚(イワシ・サバなど)という。更に、快活さ、楽天主義、平静さ、とこころの有り様が大きな影響を与える。50分のウォーキングを週3回、清潔な環境。

変なサプリメントなどの”がんに効く魔法の弾丸”を探すのではなく、こうした当たり前の健康的な生活を継続することこそががんの予防、再発を防ぎ、治癒への大きな支えになることはまちがいない。これをやったなら必ずがんが治るのかというとそんなことはいえない。しかし、こうした生活に切り替えないでがんが治ることはないだろう。

統計についてもこのQ&Aの言うとおりだ。統計的手法には限界がある。母集団が均一であるという統計的条件を完璧に満たすことは、臨床の現場では不可能に近い。だから、ある食物に対しての統計的結果に一喜一憂することはない。いくつかの試験で有効だという結果が出たのなら、重篤な副作用がなく、高価でなく継続できるのならやってみればよい。なぜなら、我々すい臓がん患者は「エビデンスがでるまで待ってはいれらない」のだから。

「高価なものは偽物だと思え」この点に関しては帯津良一氏と同じ考えである。

2010年5月18日 (火)

久留米大 がんワクチンの臨床試験開始

がんペプチドワクチンに関するニュースが連続していますね。前立腺がんといわず、すべてのがんについて「先進医療」としてくれれば、患者負担が相当低減されるのですが。

国内外とも未承認の薬に保険併用 専門家会議が初承認

2010年5月18日21時26分

 厚生労働省の先進医療専門家会議は18日、久留米大学病院(福岡県)で前立腺がんの患者に対するがんペプチドワクチン療法に公的医療保険の併用を認めることを決めた。

 この治療法は、がん細胞の表面にあるたんぱく質の断片(ペプチド)を患者に注射し、がん細胞を攻撃する免疫細胞を増殖させる。

 未承認の薬や医療機器で治療すると、本来保険が利く検査や診察も保険請求ができない。医療技術の開発を促すため、一定の条件を満たす医療機関には保険併用を認める高度医療評価制度が2年前にできた。今回は日本だけでなく海外でも未承認の薬で、こうした例の保険併用は初めて。

 抗がん剤が使えない進行前立腺がんで、特定の白血球タイプの患者が対象。保険が利かないワクチンの費用は1回6万円。平均的な回数である13回の場合、患者負担は保険が利く画像検査なども含めて約100万円かかる。

 同大病院は5年で55人の患者に対して有効性を確かめる臨床試験として行うが、データは薬事承認に使えない。終了後に同大発のベンチャー企業が改めて治験を行い、承認を目指す。

 

高度医療の新規2技術を承認―先進医療専門家会議

 厚生労働省の「先進医療専門家会議」(座長=猿田享男・慶大名誉教授)は5月18日の会合で、2月と3月の高度医療評価会議でそれぞれ承認された2技術を新たに「第3項先進医療」(高度医療)として認めた。これによって、一定の条件の下で保険診療との併用ができるようになる。

 承認されたのは、(1)5-アミノレブリン酸溶解液の経口または経尿道投与による蛍光膀胱鏡を用いた膀胱がんの光力学的診断(2)腫瘍抗原ペプチドを用いたテーラーメイドがんワクチン療法―の2技術。

 (1)は、筋層非浸潤性膀胱がんが適応症。光感受性物質の5-アミノレブリン酸を投与し、蛍光膀胱鏡など光力学診断システムを使って表在性膀胱がんを赤色に蛍光発光させることで、より高い精度で検出する診断方法。特に微小腫瘍や上皮内がんなど、従来の白色光源での膀胱鏡診断では視認が難しい平坦腫瘍で有用性が高く、膀胱内再発率の大幅な低下が期待される。
 (2)の適応症は、ドセタキセル不適格のホルモン不応性再燃前立腺がん(ただし、ヒト白血球抗原HLA-A24陽性に限る)。免疫性が高いと推測されるがんペプチドを、それぞれ患者ごとに適したものを選択し、テーラーメイドで治療することで、より早く、強力な特異免疫賦活効果を狙う治療法。患者自身のがん免疫機能を活発化することで、生命予後の延長やQOLの向上につながることが期待され、技術を申請した久留米大病院の臨床研究では、24%の患者についてPSA値が50%以上低下した。


読売新聞福岡版からのニュースです。

これは、久留米大学先端がん治療研究センターが行なっている臨床試験であり、久留米大学でおこなわれている保険外診療(自由診療)の臨床試験とは別です。つまり、こちらの方は自由診療ほどの費用はかからないということです。
久留米大学ペプチドワクチン事務局

がんワクチン臨床試験開始 久留米大

 新たながん治療法として注目を集めている「がんペプチドワクチン療法」の研究を進めている久留米大医学部は13日、ワクチンの実用化に向けた臨床試験を始めたことを明らかにした。ワクチン接種をした患者としない患者で治療効果を比べ、2013年度までに結果をまとめる。

 同大は文部科学省などの支援を得て、患者一人ひとりの特性に合わせたワクチン開発を進めてきた。これまでに1000人以上に投与し、大きな副作用をほとんど出さずに治療を進められるという成果が得られている。

 臨床試験は、肺がん、肝臓がん、ぼうこうがんで、標準的な抗がん剤治療では効果が得られなくなった進行性患者が対象。ワクチンを接種する人としない人に分け、病気の進行具合を比べることで効力を測る。

 この研究は10年度政府予算の事業仕分けで、いったんは「廃止」とされたが、最終的に継続が決まった。

 記者会見した同大医学部の伊東恭悟教授は「研究を続けるべきだとの患者の声が政府に届いた結果だ。ワクチンを一日も早く患者に届けるため、研究を進めたい」と意気込みを語った。

 同大は研究に協力してくれる患者を募集している。問い合わせは同大先端がん治療研究センター(0942・31・7983)へ。
(2010年5月14日  読売新聞)

■■■■ 札幌医科大学第一内科 ■■■■ (2010/05/13 19:53:49) ▽
オンコ・セラピーサイエンス株式会社の依頼による切除不能進行膵癌及び再発膵癌患者を対象としたOTS102の第Ⅱ/Ⅲ相試験      

は終了したとのアップデートがありました。

2010年5月17日 (月)

『がんと一緒に働こう』

がんと一緒に働こう!―必携CSRハンドブック

CSRプロジェクト編纂の『がんと一緒に働こう!―必携CSRハンドブック 』が出版された。櫻井なおみさん他がんサバイバーの方が協力して編纂したもの。

がんになったとたんに命の心配をしなければならなくなる。それに加えて、仕事がどうなるのか、生活の心配ものしかかる。専業主婦ならまだいい。一家の大黒柱ががんになったら、治療費の心配に加えて家族の今後の生活がどうなるのか、自分の命も心配だが、それ以上に一家の今後のことが脳裏を去らなくなる。治療法についてならネットで調べれば沢山ヒットする。しかし、がん患者の経済的な問題について書かれているサイトや書籍は多くはない。

がんと一緒に働こう!―必携CSRハンドブック 』は、そんながん患者の悩み・疑問に丁寧に答えてくれる。

がんと診断された人の76%は今後も仕事を継続したいと考えている。しかし、そのうちの30%は診断後に仕事を変わっている。4.6%の人が解雇されている。解雇はされなくても、退職勧告を受けたり、降格されたり、給与が下がったりという例がたくさんある。『NHKスペシャル 働き盛りのがん』でも、出演していた方の一人が解雇されたと言っていた。

この本では一般的な労働者の権利を紹介し、また病気になったときに使える制度も例を挙げて紹介するなど、がん患者にとって切実な問題の解決の糸口を見つけることができる。

5月1日に「がんと一緒に働こう 治療を続けながら働くコツ」というシンポジウムがあったが、その内容をオンデマンドでキャンサーネットジャパンのwebから見ることができる。こちらも参考にすると良い。

第1章 がん経験者が知っておきたい働く権利
第2章 企業の考え方はこう 「遠慮しないで伝えよう」
第3章 職場でのコミュニケーション 「一人で頑張りすぎないこと」
第4章 保険や社会保障制度はこう使う 「お金は大事だよ」
第5章 体をいたわりながら働こう 「無理はしないで」
第6章 ワーキンググッズ&生活術を大公開

こんな内容だ。2008年に施行された「労働契約法」は労働契約についての基本的なルールを定めた法律であるが、会社は労働条件を変更するときには、労働者の仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)にも配慮することを明文化している。しかし、この法律は労働基準法とは違い、罰則規定がない。企業に配慮を求めているに過ぎない。まだまだ弱者には冷たい日本だ。

2010年5月12日 (水)

HIFU(高密度焦点式超音波療法)は膵臓がんにも有効か

少しカメネタだが、5月9日のBS朝日で「医療最前線 がんに負けない」という番組を放映していた。番組のなかで、HIFU(高密度焦点式超音波療法)が膵臓がんにも有効だということだ。

HIFUは前立腺がんや肝臓がんには以前から適用されているが、膵臓がんにも有効だろうといわれていた。東京医科大学消化器内科の森安史典教授のもとで膵臓がんにも適用されているらしい。
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番組ではゼリーの中に収まった牛の肝臓にHIFUを照射していたが、米粒ほどの範囲に集中して超音波エネルギーを照射し、その範囲が80℃ほどになることで白く変色する様子が映されていた。
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HIFUの原理
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この装置、驚いたことに中国製らしい。内装式にはフランス製があるが、外挿式はイスラエルと中国が開発の先陣を切っているようだ。

がんサポート情報センターに、森安教授のHIFUについてのインタビュー記事が載っている。「体にやさしい」HIFU治療

原理的に考えれば、超音波エネルギーであるから、重粒子線や陽子線治療より遙かに安全であり、腫瘍部を焼き切るという点では効果は同程度ではなかろうか。そして、放射線とは違い、周辺の臓器への影響はほとんど考えられない。設備費用だって比較にならないほど安いだろう(中国製だし)。

日本では競って重粒子線や陽子線の施設を建設している。もちろんがん患者としては選択肢が増えることは望ましい。だが、試験的な施設できちんとしたエビデンスを蓄えてから増設するべきではなかろうか。HIFUと重粒子線あるいは陽子線との治療成績の比較も検討してみるべきだ。

番組では倉敷市のすばるクリニック、伊丹仁朗医師ががん難民問題について相談に乗る様子、国立がんセンター東病院での「再発予防目的のがんペプチドワクチン療法」にも触れていた。

がんペプチドワクチンは中村祐輔教授も公演などで述べているように、本来は再発予防への適用が望ましいし、より効果があるはずだ。再発を心配しているがん患者は多いはずである。がんペプチドワクチンの治験が「転移した膵臓がん、局部進行性がん」を対象として進んではいるが、官庁などが再発目的の治験を認めてくれないから仕方なしにやっている。役人のお堅い頭はどうしようもない。

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2010年5月10日 (月)

帯津良一のホメオパシーを批判する

書店に五木寛之と帯津良一の『健康問答』が平積みになっていた。「健康問答―平成の養生訓 」と「養生問答―平成の養生訓 」だが、文庫本になる元は同じ平凡社から2007年に出版された『健康問答』と『健康問答2』である。

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ざっと立ち読みしたが、最初は「うむ、うむ、なるほど」と感じたが、半ばまで読むと、これはいけない。ホメオパシー・エネルギー医学・気功を最大限に持ち上げる本である。買うのもばかばかしいから、図書館で借りてチェックすることにした。

●肉は、ほんとうに身体に悪いか
肉はやたらと食べるのではなく、ときどき、満を持して、ときめいて食べよう。ものごとには「適当」というのが大事なんだ。
---そのとおり。私もカレーライスに入った牛肉を残したりはしない。

●健康のため、一日三十品目食べなければいけないか
生野菜信奉者は、生野菜には野菜のエネルギーがそのままあるけれど、そのエネルギーが全部なくなるからといっているが、エビデンス(科学的根拠)があるわけではない。
---「野菜のエネルギー」などという、意味不明な言葉にも言及して欲しい。

●緑茶はガンを予防するか
カテキンがガン予防になるといったかと思うと、喉頭ガンのリスクが増えるといってみたり、良節がある。ココアが良いといわれればココアに走り、納豆がよいといわれればあっという間に売り切れる。どんな食材であれ薬であれ、効くか効かないかは個人差があるという認識が足りませんね。
食品の効き目に関する医学的根拠はあいまい。効果をあまり期待しないで楽しんで飲む方がよい。
---統計というのは所詮そうしたもの。ごくわずかの違いしかない場合、大規模な疫学調査で正反対の結果が出ることはたびたびあること。

●メタボリック症候群はほんとうに危険か
メタボリック症候群なんて、知らん顔をしていたほうがよい。
---そう、余計なお節介だと思う。高血圧患者を大量につくりだして医者に稼がせようという政策かも。

●身体の癖や歪みをただせば元気になるのか
野口整体の野口春哉さんは、最初は理想の体型に矯正していたそうだが、返って器官どうしのバランスが崩れて体調不調になることが分かって無理に矯正することはしなくなった。
---整体・カイロプラクティック批判ですね。これは。

●気功でガンは治るか
気功だけで、ガンが治るのではないが、「命の場」のエネルギーを高めるため、ガンの治療に貢献していることはまちがいない。
---このあたりからだんだんおかしくなる。「命の場のエネルギー」とはいったい何なのだ。「命」と「場」と「エネルギー」を定義して(帯津氏がどう考えるのかを明らかにして)その関係を説明しなければならないだろうに。

●代替療法は、ほんとうにがんに効くのか
飲尿療法はただだからやればよい。なにが自分に合うかは、直感で決めるしかない。ガンと闘う武器は、ひとつでも多い方が良いですから、うちの病院は代替療法のデパートですね。何でもある。
---なるほど、そしてそれぞれに本を書いていれば、いつまでも出版で稼げるしね。

●ガンの五年生存率の統計に、意味はあるのか
ガンは非常に個性的な世界ですから、私は、統計なんかまったく要らないと思っているんです。イギリスのホメオパシック・ホスピタルは、五年生存率を完全に捨てたんです。こういうものは意味がないと。
---そのイギリスではホメオパシーの保険適用が打ち切られようとしている。『代替医療のトリック』ではホメオパシーの推進者であるチャールズ皇太子をこき下ろしている。「個性的な世界」はガンに限らない。「統計」は限られた事実しか反映していない。『たまたま』あるいは『確率でいえば』などを読まれた方がよろしかろう。

●サプリメントは、ほんとうに有効か
プロポリス・ロイヤルゼリー・ウコン。効き目は人にもよる。エビデンスは乏しいが、自然界のスピリットが入っているから捨てがたい。
---やれやれ、白でもあり黒でもありか。

  • 高価なものはだめだよ。そんなに高いわけがない。
  • 断定的な言い方は信じるな。治癒率95%等というものは買わない。
  • 売っている人の人相がよければだったら買っても良い。

最初のふたつは私がいつも書いていることと同じ。同感。「人相」もまぁ、第一印象というのは大事だからいいでしょう。私は逆で、第一印象が良すぎる人は信用するなと言いたい。私の永年の経験則。ただ、昨今はインターネットで買うのだろうから人相までは分からない。

●ホメオパシーは、究極の医療法か
ホメオパシーはエネルギー医学である。人間の魂、スピリットの部分に働きかけて、自然治癒力を高めるものですから、西洋医学の科学的証明では、はかりきれないんです。完全に希釈したレメディは、本来のエネルギーを純粋な形で宿し、それが、人間の命の場にストレートにはたらきかけるのでは。
---こうなると、帯津先生も「波動」や「水の記憶」信奉者と何ら変わるところがないなぁ。

●瀉血療法は体によいか
瀉血はエントロピーを捨てるということだから、理にかなっている。
---おい、おい、エントロピーを理解しているのか? 尿だってつばだって、吐く息だって「熱」を排出するのだからエントロピーの増大を防いでいる。なにも瀉血する必要はなかろうに。それともデトックス効果ということか。悪い地を捨てるというのではホリスティック医療ではなく、オカルト医療といわれても仕方なかろう。

●医学界の中枢にいるかたというのは、代替医療を評価しないけれども、自分の家族がガンになったりすると、私のところへいらっしゃるんですよ(笑)。
---よく聞く話ですね。たぶんほんとうでしょう。標準治療ではガンは治らないとよく分かっているからでしょう。

●私たちは、電磁場や重力場のなかで生きているわけですが、電磁場や重力場は、外界から連続して、私たちの体内にも存在します。それだけでなく、まだ発見あるいは実証されていないとはいえ、もっと生命に直結する「気」のような物理量が分布して、たとえば「気場」を形成していることは、十分に考えられることですよね。わたしはこれを「生命場」と呼んでいます。
---「命の場・生命エネルギー・エントロピー」などを、自分の都合のよいように解釈して、さも分かったかのように宣伝するグルのような方だとお見受けした。

●現有の医学のなかで、人間をまるごと診て診断する、いちばんホリスティックなのが、ホメオパシーです。やはり、ハーネマンは天才だ!
---民主党の鈴木寛代議士がホメオパシーに心酔して保険適用まで主張している。世界の流れに逆行したこうした医療をホリスティックや人間的という名の下で推進しようとしている。それに大きな根拠を与えているのが帯津良一氏であろう。

●気功の遠隔治療の可能性は、まちがいなくあります。
---「場」を取り違えているからこんな考えになるのだろう。ユリ・ゲラーや魔術師とどこが違うんだい?

●安保徹氏の主張は500年もすれば認められるようになるかもしれない。
---永久にに認められることはないという批判なのか? 帯津良一氏の治療法も1000年後には認められるかもしれません。

帯津氏の主張には半分以上は賛同し、同感するのであるが、ホメオパシーや気功でガンが治せるかのように主張することは絶対に黙認できない。

2010年5月 3日 (月)

がん患者が考える生と死(3)

今日は憲法記念日。せめてこの日くらいは日本国憲法を読み直してみたいと、毎年気にかけている。今年はちょっと趣向を変えて、方言で憲法を読んでみる。もちろん、我が郷土、土佐弁の前文を読んでみる。
勝手に憲法前文をうたう会」で全国の方言を集めて憲法前文を紹介している。

おくにことば・土佐弁編(高知市周辺)
        訳した人・山猫母(F)           
        2007・6・12改
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日本に住みゆうわたしらあは、
わたしらあや孫子(まごこ)のために、
こじゃんとココロに決めました。
ちゃんとした方法でわたしらあの代表を決めて、
ほんでその代表を通じてこれからいごいていきます。

 

全部の国々となかようしよう、
自由の恵みが日本の隅々までいきわたるようにしよう、
お役人らあの勝手で二度と戦争がおこらんようにしよう。
この国で一番えらいがは、わたしらあひとりひとりながやきね
とふとい声でいうちょいて、この憲法をきめるがです。

 

国政いうがは、国のみんなあの信頼をいちばん大事。
権威はもともと国のみんなあのもんやし、
権限を使う人はみんなあの代表ながやき、
みんなあがそれから得た利益を受けるがは当然ながです。

 

こんなことらあは人間やったら誰でもがわかっちゅう本質やき
わたしらあの憲法はこのやり方でいくがです。
わたしらあは誰がなんと言うたち、
この考え方に合わんがやったら憲法やったち、法令やったち、
天皇さんの命令やったちいりませんということにします。
そんながは、従わんでえいがです。

わたしらあは、この先ずうっと平和でおりたいいうて
こじゃんと強うに思うがです。
やき、ひと同士の間で絶対大事にせんといかん高い理想を
いっつももっちょくことにします。
わたしらあは平和を大事にしゆう世界中の人らあが、
みんなあ正直でうそをつかんと信じます。
信じることで、わたしらあは平安に生きることに決めたがです。
わたしらあは平和を守って、
どっかを支配しちゃりましょうとか、言うことをきかんかったら痛い目に合わせるとか、そんなヘゴをこの世から無くすように頑張りゆう
ほかの国々のなかで「日本はしょう頑張りゆうやんか」いうて
尊敬されるばあの国になりたいと思うがです。

 

世界中どこの国の人も
怖がったり、ひもじかったりいう難儀をせんずつ
平和に生きる権利があるがやと思うちょります。

 

どこの国も、自分くだけがよかったら
ほかの国はどうでもえいわらあてことじゃのうて、
政治のモラルいうもんは持っちょかんといかんと思います。
自律した国として
ほかの国とつき合うときにはこの考えを
絶対腹にすえちょかないかんと思います。

 

わたしらあは、日本いう国の名誉にかけて
このげにえい理想と目的をほんとにするように
持っちゅう力を惜しまんと誓います。

坂本竜馬がこの土佐弁の憲法を聞いら、そりゃぁ涙を流しちょいて、顔を真っ赤にしいまくって、天を仰いで号泣するに決まっちょるがね。

今朝の朝日新聞によると、憲法九条の改正には反対が67%だという。安倍内閣当時は改正反対は49%だったことを思うと、先日亡くなった井上ひさし氏らの憲法九条の会などの活動が効果を現わしているのだと思って喜ばしい。

ニューヨークの国連本部で、今日からNPT(核不拡散条約)再検討会議が開催される。NPTは当時の核保有5カ国以外の核保有を認めないという不平等条約ではあるが、核廃絶への一歩を踏み出したという点では歴史的には一定の前進であろう。この条約の全身となったのがアメリカとイギリス、旧ソ連との間で締結された「部分的核実験禁止条約」である。ライナス・ポーリング夫妻は、赤狩りの嵐が吹き荒れた冷戦時代のアメリカで、政府の核政策を真っ向から批判した人物であり、不可能だといわれていたこの条約の締結に大きな影響を与えた。ポーリングはこれによってノーベル平和賞を与えられている。単独で異なるふたつのノーベル賞を受けた唯一の人物がポーリングである。もうひとつのノーベル賞は、タンパク質の立体的二次構造をつきとめたことに対して与えられた化学賞である。

彼の功績を挙げるときりがないほどだ。タンパク質の立体構造、SP3混成軌道の発見、イオン結合と共有結合、分子の電気陰性度、世界初の電気自動車の開発というものまである。そんなポーリングであるが、晩年は、我々がん患者にもなじみのあるビタミンCの大量摂取による健康法や分子矯正医学なるものを提唱してひんしゅくを買うことになる。

やっと今日の本題に入ることができる。

前回書いたように(ずいぶん前になったが)、柳澤桂子が「私たちは、死を運命づけられてこの世に生まれてきた。しかし、その死を刑罰として受けとめるのではなく、永遠の解放として、安らぎの訪れとして受け入れる ことができるはずである。」といい、田沼靖一が「ヒトは、進化の過程で可老可死を選択することで生き残ることができた生物の末裔なのです。」という。こうして死が悲惨な運命ではなく、種の保存のための積極的な戦略であることは分かった。

しかし、連綿と続くヒトという種の中で、この私というものの存在はなんなのか? ドーキンスが言うように単に遺伝子を運ぶ舟に過ぎないのか? という根本的な疑問は依然として解決されていない。肉体が滅ぶのは仕方がない。死とともに、私を構成している分子や原子は、超新星の爆発で生じた元の原子に 戻ってこの宇宙の構成要素となるはずだ。つかの間借りていた分子や原子を、元の持ち主に返すときが来るのは必然でもある。しかしそのとき、私の「心、意識、魂、アイデンティティ、精神」というものはどうなるのだろうか。唯物論的に考えれば、エンゲルスの言うように、単に「意識はタンパク質の存在の仕方」でしかないのだから、赤いバ ラが枯れてしまえば「赤い」という存在の仕方も、バラという存在とともにすべてなくなってしまうと考えるべきだろう。

それならそれでも良いのだが、しかし、もっときちんと理解したい。つまり、 意識はどこにあるのか。それはどのようにしてこの世界を認識できるのか、身体が死ぬと意識はどうなるのか、といったことをもっと深く知りたい、と思うのです。ゴーギャンがその絵に秘めた問い「我々はどこから来たのか 我々は何ものか 我々はどこへ行くのか」の、「我々は何ものか?」を問うことは、古代ギリシャに始まる脳と心の関係についての根源的な考察であり、結論が簡単に出せるような問いではないことは十分分かってるが、それでも問い続けないわけにはいきません。
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ボストン美術館所蔵のゴーギャンの作品→

<いまボストン美術館展をやっているなぁ>

現在の脳科学の定説によれば、脳に140億個あるニューロ ンのシナプス結合の強度の変化によって記憶が蓄えられるとしている。意識もこのニューロンの相互間の作用であるという考えが現在の主流です。こうした脳科学の主張にたいして、いくつかの新しい(新しくもないか?)仮説がある。

酒を飲むと酔っぱらって気持ちが良くなる。酒癖の悪い人もいて、酔っぱらっていたときのことを覚えていないことがある。アルコールがどういう仕組みで”意識”を奪うのか、その機序は分かっていない。脳にはアルコールの受容体がないのである。同じように、全身麻酔の機序も分かっていない。「脂肪溶解度説」が現在の麻酔学の定説であるが、これは脂肪に解けやすいものほど脳の中に入りやすい、脳の中に入りやすいほど麻酔効果が高いという比例関係を説明しているに過ぎない。

脳のなかの水分子―意識が創られるとき

ポーリングがキセノンの全身麻酔に関する講演を聴いたとき、不活性ガスであるキセノンに麻酔効果があることに興味を持った。どんな物質とも化学反応を起こさないから「不活性」なのである。そのキセノンが、どのようにして脳に作用して意識を奪い、麻酔効果を生じるのか。

ポーリングが考えたのは、キセノンが水のクラスターを安定させて、小さな結晶のようなものを作るのではないか、ということだった。そして全身麻酔効果のあるすべての薬品が水のクラスター形成を安定化し、小さな結晶水和物を作り出すことを見つけた。水分子どうした互いにくっつきやすい状態を作ることが全身麻酔効果の分子機序であることを発見したのである。

ヒトのこころの原点である”意識”をとる全身麻酔の効果が水分子の振る舞いに依存しているのなら、"こころ"は脳の中の水分子が示す何らかの現象ではないかということになる。しかし、ポーリングの研究はこれ以上は進まなかった。

ポーリングの考え発展させ、複雑系の概念を導入して「脳の渦理論」を提唱しているのが中田力である。『脳のなかの水分子―意識が創られるとき

水分子、ヒドロニウムイオン、水素イオン、水酸化物イオン、大小さまざまな水分子のクラスターが、それぞれの形態と役割とを常時変化させながら存在する水という物質は、全身麻酔薬によって作られる結晶水和物というもうひとつの構造を獲得することによって、意識を操作する現象を引き起こす。

脳は水を管理することでニューロンネットワークを保護する発泡スチロールのような緩衝材を作り上げ、同時に熱の流れを、大脳の機能素子として利用することに成功したのである。そこから”意識”が生まれた。情報学的にいえば、大脳皮質はエントロピー空間を作っている。そして情報を扱う空間には等価のノイズが必要である。最大のエントロピーであるニューロンのランダムな発火があり、そのランダム性を下げることによって情報が意味を持ちうる。そして、物理学的にいえば、熱とは最もエントロピーの高いエネルギー形態である。熱は等価のノイズを大脳皮質全体につくりだす材料として都合がよい。熱放射の作り上げる大脳皮質全体の等価ノイズ、これが意識の根源であると、中田は主張する。

脳のグリア細胞、それの多く存在するアクアポリンと呼ばれる水分子の通路、グリア細胞のマトリックス構造による緩衝作用によって衝撃から守られている脳、マトリックス構造の中の、アクアポリンによる水分子移動によって乾いた空間となり、脳の冷却装置としての役割をする脳の形態が熱放射による等価ノイズを与え、脳が情報を受け入れる準備を整える「覚醒」した状態をつくりだしている。こうして脳の渦理論が完成する。

私のはしょった説明ではよく分からないかもしれない。松岡正剛がもっと良くまとめているので参照されたい。

「脳の渦理論」はNHKの番組「爆笑問題のニッポンの教養」でも放映されたらしい。トンデモ科学扱いをされたりもしている。あくまでも仮説である。

2010年5月 2日 (日)

牛蒡子が膵臓がんに有効かも、の報道について

4月25日のよみうりオンラインで、牛蒡子が膵臓がんに有効との記事が流れた。この報道に関して、ネットでは盛んにブログが立って。私のブログ(4/9)にも陶さんがコメントとして紹介されている。

私もGoogleニュース検索で拾って知ってはいたが、何となく違和感を覚えたので紹介はしなかった。まず、読売だけの報道であり、他の新聞が追随していない。国立がんセンター東病院の院長ともあろう方が、学会発表ではなくプレスリリースで情報を出したのも変だ。

 国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)は、漢方薬の解熱剤などに使われるゴボウの種子「牛蒡子(ごぼうし)」に、抗がん剤が効きにくい膵臓(すいぞう)がんの増殖を抑える作用があることを、マウスの実験で突き止めた。

 患者を対象に臨床研究を行い、新しい治療法の実現化を目指す。

 がん細胞のうち、酸素や栄養分が少ない環境で生き残るタイプは、抗がん剤が効きにくく、がん再発の原因になる。江角浩安院長らは、酸素や栄養分が少ない環境で培養したがん細胞に、牛蒡子に含まれるアルクチゲニンを加えると、がん細胞が激減することを発見。膵臓がんのマウスは通常、生後55日ですべて死ぬが、牛蒡子を1回50~100マイクロ・グラムずつ週5回投与すると、生後100日を過ぎても半数が生き残った。

 江角院長は「膵臓がんの患者にも効果があるか、早く検証したい」と話している。
(2010年4月25日09時56分  読売新聞)

CiNiiで「牛蒡子」で検索すると5件ヒットした。「P-62 牛蒡子エキス中に含まれるインターロイキン6活性阻害物質 」の表題の論文もあり、炎症性疾患での牛蒡子のIr-6に関して論じている。がんとの関連もありそうだという気はする。漢方医療の分野では温熱療法の効果を高めるとの記事もある。

PabMedで「Arctium lappa L. Cancer」のキーワードでも11件ヒットした。詳細は読んでいないが乳がんという語句も見えるから、がんとの関連が研究されているようだ。とすると、国立がんセンター東病院の研究はそんなにニュースバリューのあるものかどうか疑わしい。まして試験管とマウスでの実験段階である。そんなものをマスコミに流すのは何か事情があるのかもしれない。あるいは読売が特ダネ扱いした勇み足とも考えられる。

江角浩安院長はがん研究に関して次のように考えている方である。なにはともあれ、まずは学会発表をするのが研究者としてのまっとうなやり方ではなかろうか。

がん研究であり疾患の克服のための研究であるが、がんは数十年とは言え極めて短い間に進化を遂げる特別な生物とも考えられ、がんの組織の"機能"を解明することは正常細胞或いは組織の理解に止まらず、進化のメカニズムを解明することにも匹敵する。我々の研究室は、一方ですでに我々が発見したキガマイシンのような新しいがん治療法を開発すると共に、このような観点で、がん組織の"機能"を生化学、細胞生物学、分子生物学的に解明することを目指す。

がん患者のあきらめない診察室」では、希望者に対して牛蒡子を使った治療を行なってくれるという。気になる方はこのサイトを覗いてみてはどうだろうか。副作用がなく高価ではなさそうで、ある程度の確からしさがあればチャレンジしてみるというのが私の考え方だが、学会発表があるまで待つことにする。

2010年5月 1日 (土)

オーケストラ!

ゴールデンウィークは毎年遠くに出かけるのは諦めている。千円渋滞が余計に出かける気をそぐ。

だから、映画『オーケストラ!』を観315x210に行った。毎月1日は「映画の日」 で入場料は1000円である。もっとも60歳以上はいつでも千円だから、敢えて一日に行くこともないのだが、天気も良いし風もさわやかだし、出かけることにした。

ルーマニア出身のラジュ・ミヘイレアニュのフランス映画。アンドレイはボリショイ交響楽団の元主席指揮者であるが、今はボリショイ劇場の清掃員である。ブレジネフ政権時代のユダヤ人排斥のあおりを受けて、彼の育てた楽団員とともに楽団を追われた。30年前に、コンサートでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏中にKGBが「公演中止」を叫んで彼の指揮棒を折る。そのときのヴァイオリニストは西側のマスコミのインタビューを受けたことが反国家的犯罪だとしてシベリア送りになる。死を覚悟した彼女は、生まれたばかりの女の赤ん坊を、チェリストのサーシャとアンドレイに頼んでチェロケースに入れてフランスに逃す。

劇場監督の部屋を清掃中のアンドレイは一枚のファックスを偶然見る。パリのシャトレ座からの緊急の公演依頼である。アンドレイは、昔の仲間を集めてニセの楽団を結成してフランスで公演することを思いつく。30年前に楽団を追われた彼らは、救急車の運転手、市場の商人、エロ映画の制作などをしているが、彼らを説得して、ニセのボリショイ交響楽団としてフランス行きを企てる。

交渉を引き受けたのが、彼を首にした人物というのもおもしろいが、彼は彼で、フランスの共産党大会で演説をするという「夢」を抱いている。

前半はドタバタ風で、パリにやってきた元楽団員はOrchestra2公演などそっちのけで、買い物や観光に夢中。リハーサルもすっぽかす始末である。しかし、アンドレイの指名した世界的名ヴァイオリニスト、 アンヌ・マリーが、実は30年前に彼らが逃がしてやった赤ん坊だと知り、すっぽかすつもりの公演に集まってくる。ここまでははらはらどきどきの連続である。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲も、出だしは音がばらばらで聴いていられないくらい。しかし、徐々に30年前の中断された公演を思い出すかのように(何しろシベリア送りの女性ヴァイオリニストの娘が演奏しているのだから)、オーケストラと独奏ヴァイオリンの息があってくる。最後の15分は圧巻である。カメラはヴァイオリニストの左手のアップ、指揮者の顔、ヴァイオリニストと指揮者の目配せを交互に追う。ソリストとオケの息が合ってくる。ハーモニーが珠玉の音となって跳ぶ。映画の中の聴衆も、映画を見ている観客もぐいぐいと引き込まれていく。第3楽章のフィナーレ、怒濤のようなオケと、それに煽られるように高揚していくヴァイオリンが、指揮者の最後の一振りで最後にきっぱりと閉じられる。

演奏が終わったアンヌ・マリーは感極まって指揮者に寄り添うようにして涙まで流している。見ている私も、この演奏にはほんとうに感動してしまった。映像の魔力というか、CDで聴いているだけではこんなに感動することはないに違いない。

すばらしい映画であり、深い感動を与えてくれる演奏でした。

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