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2010年11月 4日 (木)

ウコンが膵臓がんに効く?

追記:『がんに効く生活』にもターメリックの効用が書かれていました。こちらにアップしてあります。


Akiukon100 本日の産経ニュースから

ウコン、がんにも有効 世界的研究者が報告

2010.11.4 07:41

 酒の悪酔い防止に効果があるとされるウコンが、がんや心臓病の予防・治療にも効果を持つ可能性が高い-。医薬品メーカー「セラバリューズ」(東京都千代田区)が1日に行った研究発表会「ウコン成分“クルクミン”の多様な機能と応用研究の最前線」で、日米の研究者がこのような報告を行った。

 

 都内で行われた発表会には、クルクミン研究の世界的権威で米テキサス州立大MDアンダーソンがんセンター教授のバラット・アガワル氏や日本人研究者ら計5人が参加した。

 

 この中で、アガワル氏は「クルクミンを摂取すると、がんのリスクが低減するほか、肥満、糖尿病、高脂血症などほとんどの慢性疾患を予防できることが実験で示されている」と強調した。

 

 秋田大大学院医学系研究科の柴田浩行教授も「大腸がんの治療中にクルクミンに出合った。クルクミンは数多くの病気の因子を標的にできる成分として期待できる」と報告した。

 このほか、静岡県立大薬学部の森本達也教授が「心臓病にも効果がある可能性が高い。現在臨床を進めている」と説明した。

 

京都大医学部の金井雅史助教は、膵臓(すいぞう)がん治療の新薬としてクルクミンが注目されていることや自然由来の成分であり安全性が極めて高いことを紹介した。

「ウコンのヒミツ」などの商品を販売している企業が開催した研究発表会だから(メーカーに不利な発表はしないだろうから)、信頼性の程度は低いかもしれない。しかし、京都大学医学部附属病院の金井雅史教授らは、クルクミンの膵臓がん患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相試験を行なっており、UMINによれば既に「試験終了」とアナウンスされている。この試験の目的は「安全性の評価」であるが、金井教授の発表はこの試験の結果を受けたものだと推測できる。詳細は不明だが、ある程度の効果があると示唆するようなデータが得られたのではないか? 今後の発表に注目したい。当面はウコン・ターメリックを多く含んでいるカレーライスでも食っておくか。

「がんに効く」民間療法のホント・ウソ―補完代替医療を検証する (シリーズCura) 大野智著『「がんに効く」民間療法のホント・ウソ』にはウコンについて「近年、肝臓を保護する作用をはじめとする健康増進効果が見直され、注目されている素材です。」と書かれている。さらに、「PubMedでの検索結果では、4件の論文があるが、ウコンががん患者のQOLを向上させたり、副作用・再発防止効果、余命延長を示す論文は一つもありません」とある。しかし、これは大野さんが検索したキーワードがよくない。「Curcuma」ではなく、「Curcumin」(クルクミン)で検索したら(Human,Clinical trialで)14件の論文があり、中には大豆イソフラボンとの併用で前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAが顕著に改善したという論文もあった。

また、研究会に参加したMDアンダーソンがんセンターのアガワル氏の論文「進行膵がん患者に対するクルクミンのフェーズⅡ試験」もヒットした。クルクミンが進行性膵がん患者において、がんをはじめとする炎症性疾患の転写因子であり、細胞のアポトーシスにも関係しているといわれる核内因子κB(NF-カッパB)を抑制することで腫瘍抑制効果を期待できると評価している。ひとりの患者では18ヶ月以上にわたってがんの進行が抑制され、さらに73%の腫瘍縮小効果を見た患者もいる。

健康食品の安全性・有効性情報」でクルクミンは安全ではあるが一部に肝機能障害や皮膚炎の報告もある。抗腫瘍効果とは逆の発がん性を有するとの論文もある。摂取には注意が必要だろう。

今回の金井教授らの臨床試験も、クルクミンのヒトに対する試験としては注目されるものであることには違いない。あくまでも補完代替療法だから、ウコンで進行膵がんが治るなどという期待はすべきではない。だが、がんは複雑系だ。「ウコンの力」で砂山の形状が少し変化しないとも限らない。そして雪崩を止めることができるか、進行を遅らせることは可能かもしれない。

大野智医師は10月1日付で早稲田大学 先端科学・健康医療融合研究機構 客員准教授となり、所属が変わりましたとご自身のブログで明らかにしている。代替医療・サプリメントに関して活躍された大野医師の今後にも期待したい。


より詳細な情報がこちらにあります。

2010年11月06日

セラバリューズ、ウコン成分「クルクミン」の機能の多様性と医療分野での最新応用研究を紹介

セラバリューズは11月1日、ウコン成分である「クルクミン」のもつ機能の多様性と医療分野での最新応用研究を紹介するメディア向けセミナーを開催した。 講師には、テキサス州立大学 M.D.アンダーソンがんセンター 教授のバラット・アガワル先生、秋田大学大学院医学系研究家臨床腫瘍学講座 教授の柴田浩行先生、京都大学医学部外来化学療法部助教の金井雅史先生、静岡県立大学薬学部分子病態学講座教授の森本達也先生、筑波大学人間総合科学研究科スポーツ医学専攻講師の前田清司先生を迎え、それぞれの専門分野におけるクルクミンの可能性について紹介した。

クルクミンは、ウコンに含まれるポリフェノールの一種。悪酔い防止に効果的な成分として知られており、飲料やサプリメント、香辛料として広く一般に親しまれている。その一方で、クルクミンは、メタボリックシンドローム、うつ病・アルツハイマーなどの精神疾患、がん、筋肉疲労など、様々な疾患に対する効果が確認されている。最近では、こうした食品がもつ生体作用について医療への応用が注目されており、疾病の発症予防効果や、既存治療薬との併用による 補完効果について研究が進められているという。

セラバリューズでは、クルクミンの欠点である生体吸収性を大幅に改善。クルクミンの可能性を拡げる製剤「セラクルクミン」を開発したとのこと。そして、こ のセラクルクミンを使用した機能性食品の開発、および国内外の研究機関・大学との共同研究を通じて、クルクミンのもつ可能性を追求してきたという。

今回、メディア向けセミナーを開催し、クルクミンに秘められた多用な機能性と応用研究の最新状況を紹介することで、認知の向上とさらなる活用範囲の拡大につなげていきたい考えだ。

セミナーで最初に講演を行ったのは、米国におけるクルクミン研究の第一人者で、がんにおけるクルクミン利用の研究に取り組んでいるテキサス州立大学 M.D.アンダーソンがんセンター教授のバラット・アガワル先生だ。「クルクミンが含まれている植物として広く知られているのがターメリック。沖縄でも栽培され昔から薬剤として使われてき た」と、クルクミンは古くから私たちにとって身近な存在だったという。

「クルクミンの効能としてまず確認されたのが、慢性的な炎症予防に有効であるという点だ」と、絆創膏などにクルクミンが活用されていると話す。 「また、クルクミンはがんの侵襲を防ぐということがわかってきた。とくに膵がんに有効であることが確認されている」と、医療現場でもクルクミンが活用され始めているとのこと。「その他、クルクミンは加齢や肥満にも有効で、心臓の肥大治療にも使われている。このようにクルクミンは多くのターゲットをもっている」と、クルクミンは様々な病気に効く成分のようだ。「クルクミンは、様々な病気に効果を発揮するだけに、生活の中に積極的に取り入れていくことをすすめ たい」と、クルクミンを摂取することで、私たちを苦しめる様々な病気から身を守って欲しいと訴えていた。

次に、秋田大学大学院医学系研究家臨床腫瘍学講座 教授の柴田浩行先生がクルクミンによるがん分子標的治療について講演を行った。柴田先生は「クルクミンに関しては、がんを分解して作用することが世界的に 権威のある雑誌に掲載されているのを見て興味をもった」と、クルクミンの可能性に魅せられたという。「まず、がんにもアキレス腱があり、それを薬で抑える ことはできないかと考えた。そして、分子標的薬というものにたどり着いた」という。「例えば、進行性の大腸がんの治療に分子標的薬が使われ、がんの抑制に貢献している」と実例を紹介。「がんはシングルターゲットではなく多分子的なもの。それだけに、クルクミンは多くのターゲットを制御してくれるので、がん 治療に有効であると考えた」と、クルクミンががんの治療薬に適している理由を説明してくれた。

「従来のクルクミンには血中濃度を維持しづらいという欠点があったが、吸収性を増すセラクルクミンの登場によって、がんの治療薬に使える可能性が出てきた」と、セラクルクミンの登場はがん治療において多大なインパクトがあったと指摘する。「クルクミンは低毒性で、複数の標的分子を制御し、新しい抗腫瘍性化合物として高いポテンシャルを有している」と、クルクミンのさらなる可能性に期待を寄せていた。

京都大学医学部外来化学療法部助教の金井雅史先生は、膵がん患者に対する新規治療法としてのクルクミンの可能性について講演を行った。「膵がんは、日本での死亡原因で第5位になってい る。5年生存率は5%未満で予後は非常に不良である」と、膵がんに関する基本的な部分を紹介。「膵がんの治療には、ゲムシタビンという抗がん剤が切除不能・再発した膵がんの治療に用いられているが、その効果はまだ不十分」と、膵がんには効果的な治療法がない点が、高い死亡原因となっている所以のようだ。

「現在海外では、膵がん患者を対象とした臨床試験が3つ行われている。クルクミンを服用したことで、がんが縮小したという報告もある」と、クルク ミンはがんに有効であるとのこと。「日本でもクルクミンを用いたがん患者に対する臨床試験を行った。これは、膵がん患者を対象に1日8gの高用量のクルクミンを継続して服用することの安全性と忍容性を検証する試験」と、日本で初めて行われたものであるという。「その結果、クルクミンは日本人の膵がん患者に対しても安全で、高い忍容性が確認された」と、クルクミンが膵がん治療に有効であるという結果が得られたとのこと。「しかし、クルクミンの効果を得るには血中クルクミン濃度の向上が不可欠であることも、臨床試験で明らかになった」と、改めて従来のクルクミンの欠点が浮き彫りになったという。「今後は血中ク ルクミン濃度が向上したセラクルクミンを用いた新たな臨床試験を計画中だ」と、さらなる試験で膵がん治療に応用していきたい考えを示した。

アガワル先生の講演にもあったように、クルクミンはがんだけでなく、心臓病予防などにも有効であることがわかってきている。この点について詳しく解説してくれたのが、静岡県立大学薬学部分子病態学講座教授の森本達也先生だ。「クルクミンが心不全の進行を抑制できるかについて、高血圧ラットや心筋梗塞ラットにクルクミンを投与して効果を検討した」とい う。「その結果、クルクミンは高血圧性心疾患モデルラットの生存率を有意に改善した」と、クルクミンが心不全治療薬として用いられる可能性が示されたと森 本先生は説明する。「さらなる試験として、クルクミンは標準心不全治療薬に加えて効果があるのかを、ACE阻害薬とクルクミンを心筋梗塞ラットに投与することで確認した。その結果、クルクミンは標準心不全治療薬に加えても効果があったことがわかった」と、クルクミンは心不全の治療に有効であることがはっき り示されたという。

「そこで、クルクミン治療が臨床に応用できるよう臨床試験を展開している。まず、クルクミンの内服の安全性の評価と血中濃度測定を見るため、健常 成人ボランティア10名にクルクミン規定量2gを12週間内服してもらった。その結果、ラットの治療域に比べ高濃度の血中濃度を得ることができ、クルクミ ンは安全であることがわかった」と、副作用は認められなかったようだ。「そして、天然クルクミンに比べて、血中濃度が約60倍となったセラクルクミンが登場した。これを受けて、現在セラクルクミンによる臨床試験を開始している」と、セラクルクミンを使った試験を通じて、心不全治療に用いられるレベルにまでもっていきたいと述べていた。

最後に、筑波大学人間総合科学研究科スポーツ医学専攻 講師の前田清司先生が、運動による筋疲労とクルクミンと題した講演を行った。「メタボリックシンドロームは、糖尿病や脂質異常症、高血圧などを誘因することが広く知られ、その予防として厚生労働省では運動を行うことを推奨している。しかし、運動習慣のない人が急に運動をすると、筋疲労や筋肉痛を引き起こし、継続的な運動をあきらめてしまう人が多く存在する」と、運動することによって生じる痛みが、運動が続けられない要因であると指摘する。

「運動による筋疲労や筋肉痛を抑制することができれば、運動の継続が無理なくできると考え、マウスにクルクミンを摂取し、運動後の筋疲労を調査した」という。「その結果、クルクミンを摂取すると、摂取しなかったマウスに比べ筋疲労を抑制することがわかった」と、クルクミンが継続的な運動の救世主に成り得る可能性があるとのこと。「クルクミンの摂取で運動による筋疲労抑制をヒトで確認する試験を開始した。ヒトでもマウスと同様の効果を確認することができれば、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防につなげることができると考えている」と、前田先生はクルクミンが予防医療の現場で活用されること に大きな期待を寄せていた。

以上5名の先生の講演を受けて、セラバリューズの今泉厚CSOが総括を行った。「当社はクルクミンの課題である難吸収性を改善した画期的なクルクミン製剤 『セラクルクミン』の開発に成功。セラクルクミンの開発技術は、難溶解性の機能性食品素材および医薬品の吸収性向上技術として、広く応用可能だ」と、セラクルクミンの登場で、応用領域が広がるとの見解を示す。「また、セラクルクミンは、ウコンやクルクミンと同様に、安全性についても立証されている」と、急性経口毒性、反復経口毒性、変異原性について問題ないことを確認しているという。

「健康志向が高まる中、予防医学に対する要望が高いにもかかわらず需要は潜在化しているのが現状だ」と、医薬品に比べ機能性素材分野においてエビデンスが少ない現状に警鐘を鳴らす。「当社は、消費者、患者に理解、納得してもらい、予防医学に高い意識をもつ潜在顧客を顕在化するために、今後も多くの研究機関や大学などと協力してエビデンスを取り続けていく」と、クルクミンの可能性について追求していく考えを示した。

セラバリューズ=http://theravalues.com/
クルクミンに関する情報を提供するサイト「クルクミンなび」=http://www.curcumin-navi.jp/

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コメント

初めまして・・・
私の夫も、膵臓癌で、今、抗がん剤治療中です。
今日の記事には、夫が、お世話になってる、京大病院の先生の事が出ており、びっくりしました。
いつも、化学療法の時は、金井先生が、診察などしてくれています。
夫にも話したら、何となく、嬉しそうでした。
少しでも、良い治療が見つかると、良いなと、日々願っています。

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