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2011年8月

2011年8月28日 (日)

中川恵一 × 近藤誠 (1)

私が東京新聞に変えてのは3.11の前だが、NHKニュースや朝日などの全国紙の鑑定垂れ流しの記事を読むよりはずっと精神的に良い。首都圏に住んでいるのなら、新聞は東京新聞に変えることを薦めます。

今日の東京新聞「こちら特報部」は「反骨の言語学者・小島剛一氏」である。少数民族弾圧というもうひとつの顔を持つトルコ政府に抗したことで「永久国外退去」中の、フランス在住の言語学者である。この記事に中で、

「日本は深刻さ分かっていない」

 サスペンス小説のような極秘の調査旅行では、放射能汚染禍も目の当たりにした。八六年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故による大規模な健康被害は、トルコの黒海沿岸一帯でも起きていた。
 欧州の放射能汚染地図からトルコは消えているが、隠れた「ホットスポット」が存在したのだ。
 「例えば、北東部にあるラズ語域のリゼ県メカーレスキリット村では、事故翌年の八七年に生まれた十七人の子ども全員が、九〇年代後半になり、白血病で命を落とした。その中には、私のひざの上で遊んでいた子どももいました」
 同村を含めた黒海沿岸で二〇〇〇年以降、がん患者の発生率が以前の十倍以上に増えたという。
 原発から千三百キロ超も離れた土地で、十数年後に被害が顕在化している。

<福島第一の事故で日本でも>いずれ各地で健康被害が明らかになるだろうが、政府も東京電力も「因果関係は証明できない」と主張するのではと危惧している。

と語っている。フランスの各メディアは、震災2日後の時点で「福島第一原発のメルトダウンは避けられない状況」であると断言していたという。アメリカ政府も同じ頃に無人機による調査でメルトダウンを確信していたから自国民の80キロ以遠への避難を勧告したのだ。

小さな村で同じ年に生まれた子どもの全員が「白血病」で命を落とす。しかし、こうした例はIAEAの統計には表われてこない。御用学者らは「被害が増加したことは証明されていない」という。しかし、非常に珍しい事例は、何らかの異常事態が起きていることをいち早く知らせてくれる。次のような例もある。

  • 1981年にカリフォルニア州からカリニ肺炎の症例が5例報告された。これだけなら珍しいことではなかったが、その患者全員がゲイだったのである。これがその後のエイズ禍が展開するサインであったのであるが、米国疾病予防管理センター(CDC)の週報のトップ記事にはならなかった。
  • 1974年、米国のある塩化ビニル製造工場の産業医が、自社の従業員3人が肝血管肉腫に罹ったと報告をした。産業医自身もその3名に含まれていた。肝臓がんの一種である肝血管肉腫は非常に珍しい癌であり、ひとつの工場で同時に3名が罹患したことだけで、塩化ビニル製造との因果関係を決定づけることができると言える。

011 エビデンスレベルの考え方で右のような図が良く紹介されている。代替療法を否定的に解説するときにもよく利用される。ランダム比較試験がもっとも信頼性が高く、下になるほど信頼性が低いと説明される。症例報告などは下から3番目である。

しかし、ランダム化比較試験でも乱雑に計画されたり、製薬企業の思惑などによるバイアスが入り込む余地があることは、このブログでも紹介した通りである。近藤誠氏もそうして指摘をしている。しかし、患者対象研究や症例報告が決め手となった例はたくさんある。人体への発がん性を分類している国際がん研究機関(IARC)で取り上げられている研究デザインは、後ろ向きコホート研究や患者対象研究が圧倒的に多く、ランダム化比較試験はむしろ少数なのである。

東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦氏の国会証言は、同じことを言っているのだ。

国立のバイオアッセイ研究センターという化学物質の効果をみる福島昭治先生という方が、ずっとチェルノブイリの尿路系に集まる物を検討されていまして、福島先生たちがウクライナの医師と相談、集めて500例以上の、前立腺肥大の時に手術をしますと、膀胱もとれてきます。
こ れをみまして検索したところ、高濃度汚染地区、尿中に6ベクレル/リットルという微量ですが、その地域ではP53の変異が非常に増えていて、しかも、増殖性のぜん癌状態、我々からみますとP38というMAPキナーゼと、NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)というシグナルが活性化されているんですが、そ れによる増殖性の膀胱炎というのが必発でありまして、かなりの率に上皮内のがんができているという事が報告されております。
それで、この量に愕然といたしましたのは、福島の母親の母乳から2~13ベクレル、7名で検出されているという事が既に報告されている事であります。

セシウム137が6Bq/リットルという微量が尿中に検出されたが、そのかなりの患者に増殖性の膀胱炎があり、上皮内がんができていた。こうした確率的に希な特異現象がある。そして、母乳から放射能が検出され、10人の検査した全員の子どもの尿からは放射性セシウムが合計で0.8~2.4Bq/lが検出されている。

食中毒事件が起きたとき、保健所は病原菌を検出して特定できるまで待ってはいない。患者の多くがその業者の弁当を食べたことが分かれば、直ちに回収して営業停止処分を出す。それが被害を拡大しない方法だからである。因果関係のメカニズム(この場合は病原菌)が証明されなくても良いのである。

福島第一の原発事故では、広島長崎の被ばく者にはがんが増加したと証明されていないとか、チェルノブイリでは小児甲状腺がん以外のがんはなかった、あるいは住民に健康被害を与えたという結論は出ていない、とか説明をする学者がいる。

中川恵一氏が『放射線のひみつ』を出版し、近藤誠氏が『放射線被ばく CT検査でがんになる』を出している。次回はこの両者を対決させながら考えてみたい。

                      <(2)に続く>

2011年8月27日 (土)

「百万回の永訣」再放送

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柳原和子さんの再発後の闘病を記録したドキュメント「百万回の永訣」が、NHK BSプレミアムで再放送されます。

9月1日9:30~、9月2日1:00~の2回

収録時間/120分   初回放送日/2007.03.04
ノンフィクション作家の柳原和子さんは47歳で卵管がんを患い、4年前に転移が見つかった。医師からは「短くて半年、長くて2年の命」と宣告された。それ から柳原さんは、納得のいく治療法を求めて様々な専門医を訪ね、徹底的に対話し、「患者に希望を与える医療とは何か?」を問い続けていく。これは一人の患 者にカメラを密着させ、医師たちのやりとりを見守り続けた壮絶な3年半の記録である。

百万回の永訣―がん再発日記 (中公文庫) 初回放送は2007年3月らしいから、当時がん患者でなかった(直腸がんは完治していた)私には興味がなかったのでしょうね。見ていません。しかし、同じ題名の著作『百万回の永訣―がん再発日記 (中公文庫)』は読みましたが、なんというか、彼女のがんへの向き合い方が、いまいち釈然としません。卵巣がんを完治して、その闘いの過程を綴った『がん患者学』の彼女とどこか違うような違和感があります。

初発のがんの時に知り合った、日本のがん治療界におけるそうそうたる先生方に相談や診察を受けることができるという幸運な立場にいることが、がんに対する知識が豊富にあることが、逆に悩みを多くしているような気がします。それにがんと向き合うのに真剣すぎる。死を受容しているかのような文章があり、随所に挿入された歌にもそのような覚悟が表現されているのですが、一方で腫瘍が縮小せず効果がないと感じている北陸のオステオパシーの治療師のもとに通い続ける。

誤解を怖れずに書けば、がんとの闘いに生き甲斐を感じているようにも受け取れるのです。私の勘違いかもしれません。しかし、暗い。第二章の導入部は「再発である。さわやかな秋晴れの朝だった。」で始まる。文章はうまい。でも一所懸命つま先立ちしている感じがするのです。笑いやユーモアがない。これでは精神的にも疲れてしまうでしょう。

やはりがんが再発・転移したときには、『がん患者学』というすばらしい著作を書いた彼女にしても、同じように悩み、迷うのだと。私だったらどのように判断するのか、そうした視点で読んでみました。

ま、こんな疑問が解消されることを期待して、9月1日の再放送を見ることにします。

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2011年8月25日 (木)

オメガ3サプリメントを摂ってみるか。

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いつもの散歩コースで車庫をふさいでいるアンパンマンも「夏休み」の装いです。


ここしばらく、福島第一原発の関連や、がん一般の話題にかかりっきりで自分のことを書いていません。

チェロのこと:
今年は一度も休まずにレッスンに参加しています。自宅での練習量も増えているはずで、それでも平均すれば週に5時間くらいですか。プロの練習量にはとても及びませんが、なかなかまとまった時間がとれないアマチュアならこんなものかもしれません。先生も「仕事をしながらならそんなものですよ」とおっしゃっています。プロなら指先にタコができ血が出るほどレッスンをするのでしょうが、私も少しは練習量も増えたのか、左手小指の先にタコができかけています。

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今の課題はトリル(tr)。秋の発表会の課題曲にもトリルが良く出てくるので、これを攻略しなければなりません。足の指の次に動作の鈍い左手の小指、これのトリルが超難関です。全音の差があるトリル(第一弦のドとレなど)では中指でドを押さえて小指でレを叩くのですが、間の薬指を使うか使わないかの選択ができます。奏者によっても違うようですが、小指だけだと押さえが弱くなるし、薬指と小指が同時に”着地”してくれないと、音が不自然です。

プラルトリラー(~~)も何カ所かあり、こちらは1回だけのトリルのようなもの。その音ー2度上の音ーその音となります。ドイツバロックの奏法では、トリルもプラルトリラーも「2度上の音」から弾き始めていたようです。

体のこと:
体調は良いです。最高気温が出た数日は除いて、それ以外は汗をかきながら歩いています。「毎日15分の運動で寿命が3年延びる」というデータもあります。「ともかく、歩け歩け」が私の推奨するがん攻略法の第一です。ヘモグロビンA1cが、先の検査で7.0に上昇。思い当たる原因は朝食がトーストになったことかな。息子がサマータイムで1時間早く家を出るので、妻がトーストにしたら楽だからというので。トーストにはターメリックとオリーブ油を塗って、バターやマーガリンは摂っていないのですが。アマリールを少し増量して処方してもらいました。これでしばらく様子を見てから対策を考えますが、そもそも膵臓がほとんどないのだから、この程度で済んでいるのが幸いと思うべきかもしれません。

体重は62キロで変化なし。よく寝るし寝付きも良い(これはメラトニンの効果も)。

近所の商店街にあった魚屋が4月に閉店。東日本大震災の津波で岩手県にある本店が被災し、漁も自粛しているので魚の入荷がない、事業が継続できなくなったのだとか。こんなところにも地震・津波の影響があります。乾物を扱っている店はあるのですが、生きの良い魚が買いにくくなりました。オメガ3脂肪酸を豊富に摂ることはシュレベールも勧めているし、米国ではオメガ3のサプリメントがよく売れているとも。魚を食っているからサプリメントは必要ないと、これまでは興味がなかったのですが、放射能の汚染も考えると生の魚よりサプリメント、という選択が安全になるのでしょうか? 取りあえず一瓶のオメガ3サプリメントを入手してみました。

茨城の波崎漁港と千葉の銚子漁港は、利根川をはさんで向かい合っています。茨城は漁を自粛で千葉はOK。しかし、漁場は太平洋ですから重なり合っているはず。500Bq/kg以下の魚が市場に出回っているとしても不思議ではないでしょう。3.11以降は放射能汚染されたものを食べるしかないのです。みんなが避ければ漁業も農業も酪農もたち行かない。かといって誰しも放射能に汚染されたものは避けたいのが人情です。内部被ばくの驚異について書いているが、1mSv/年の内部被ばくでも危険だと思っています。しかし食べ物は汚染されている。全数検査ができる体制を作って、より安全なものは妊婦や子どもにという仕組みを作るべきです。チェルノブイリでもできたのだから、日本にできないはずがない。

魚介類の放射能検査はきちんとやられているのでしょうか。あまり報道されませんが。時事通信によると中国海洋局の調査で福島県沖のホタルイカからストロンチウム90や銀110mが検出されたと。

【北京時事】中国国家海洋局は24日までに、福島県沖でサンプルとして採取したホタルイカから中国沿海生物の29倍に当たる放射性物質ストロンチウム90を検出したと発表した。中国沿海生物では通常検出されないセシウム134や、ガンマ線を放出する銀110mも検出された。

同局は「福島県の東から東南方向の西太平洋は明らかに原発事故の影響を受けている」として、この海域の水産物に対する放射性物質の検査を強化するよう関係部門に求めた。[時事通信社]

銀の放射性同位体 Ag-110mは自然界には存在しない核種です。原発では銀が中性子線を良く吸収するので使われています。半減期は250日ですから検出されても不思議ではないです。血液色素としてヘモシアニンを持つイカなどの軟体動物や節足動物では銀が濃縮されますが、ヘモグロビンを持つ人間の臓器にはほとんど蓄積されることはないようです。

2011年8月20日 (土)

予防原則-過去の過ちから学ぶこと

フロンがオゾン層を破壊して皮膚がんが増えると、使用を制限するためのモントリオール議定書が結ばれようとしたとき、日本政府は「科学的に証明されていない」として批准をせず(のちに批准)、BSE(牛海綿状脳症:狂牛病)がヨーロッパに広がりつつあったとき、日本政府は「科学的根拠にかける」として、調査にも応じなかった。

原爆の集団訴訟ではこれまで多くの一審判決で認定基準を改めるように勧告されたにもかかわらず、厚生労働省は既存の基準を頑なに改めようとしない。海外では70年代にアスベストの危険性が指摘されていたにもかかわらず、日本では75年に吹き付け作業の禁止措置をとっただけで、発がん性が特に強いとされる青石綿、茶石綿の使用も95年まで放置してきた。アスベスト製品の原則禁止は2004年まで放置され、がんやじん肺で500人以上者作業員が死亡した。なおかつ石綿訴訟の原告らの救済も進んでいない。イタイイタイ病、水俣病、カネミ油症、四日市喘息などの被害は常に小さく見積もられ、経済的損失ばかりが強調されてきた。そして、その時点での「科学的根拠」の名の下に被害は「証明されない」として被害者は救済されないばかりか、第二、第三の攻撃すら行なわれた。

これらの例は、原因に対して結果が一対一に対応していないかぎり「科学的には証明できない」という態度であり、あいまいな点が少しでもあれば「科学的根拠にかける」として切り捨てる発想であった。気候や環境問題、生態系などは、その系を構成する要素がたくさんあり、その要素間に複雑な相互作用がある「複雑系」である。解決すべき問題の各要素を理想的に取り出して分析する「要素還元主義」のこれまでの科学では、明確な判断が下せない分野である。さらに複雑系の最たる人間への影響が絡んでくると、一層混沌としてくる。問題を要素に分解して分析する「分析的手法」では分からないから、そこから「科学的根拠がない」と断定し、結果に対してプラスにもマイナスにも働くことを持って「どちらとも言えない」と不可知論に持ち込む。原因を単純化して分かったつもりになってしまい、何ら影響がないと対策を先送りすることになる。

早い段階で予防原則を適用して成功した例がある。1854年に猛威をふるったロンドンにおけるコレラの流行を止めるために、ジョン・スノー博士は、ブロード街の井戸からハンドルを外してしまうことを勧告した。彼はある”下水で汚染された”井戸の水を飲んだ人以外にはコレラ患者が出ていないことを突き止めていた。当局は彼の勧告に従って井戸のハンドルを外し、その結果コレラは収束した。しかし、当時の主流の科学者で構成される王立医科大学はスノーの理論に対して「指示し得ない」と反対し、衛生総評議会も「この考えを採用する理由を見出し得ない」と結論した。彼らは、コレラは汚れた空気が原因である(ロンドンの大気汚染は有名だ)と信じていたのである。コッホがコレラのヴィブリオ菌を発見したのは30年後であった。

こうした問題には「予防原則」で対処すべきだというのが、欧レイト・レッスンズ―14の事例から学ぶ予防原則州環境庁(EEA)の提言である。
欧州環境庁(EEA)は、過去の14の事例を調査して『レイト・レッスンズ―14の事例から学ぶ予防原則』という環境レポートを出版している。環境問題や今進行中の福島第一原発による放射線・放射能の影響もそうであるが、人間が関わる多くの問題は、その影響が明確に証明されるには10年単位の長い期間が必要になる。結果が分かったときには「時すでに遅し」であり、被害を回復することは不可能である。そしてこれらの問題には常に「早期の警告」を発した人がいたし、その警告は多くの場合「科学的根拠にかける」として無視された。

過去の14の失敗の事例をレポート:

  1. 漁業:資源の評価
  2. 放射線:早期警告・遅れて出る影響
  3. ベンゼン:米国と欧州の労働基準設定についての歴史的考察
  4. アスベスト:魔法の鉱物から悪魔の鉱物へ
  5. PCBと予防原則
  6. ハロカーボン、オゾン層、予防原則
  7. DES物語:出生前暴露の長期的影響
  8. 成長促進剤としての抗生物質:常識への抵抗
  9. 二酸化硫黄:ヒトの肺の保護から遠い湖の回復まで
  10. 鉛の代替としてガソリンに入れられたMTBE
  11. 予防原則と五大湖の化学汚染に関する法規警告
  12. トリブチルスズ(TBT)防汚剤:
  13. 成長促進剤としてのホルモン
  14. 狂牛病:安全の強調がいかに予防を防げたか

例えば「PCBと予防原則」を見てみる。次のような早期の警告があったが、問題は先送りされてきた。

1899年 塩素化有機化学工業の労働者にクロルアクネが発症
1929年 PCBの大量生産が始まる。
1936年 より多くの労働者がクロルアクネルと肝臓障害を発症する
1937年 ラットによる実験でクロルアクネルと肝臓障害にPCBの関与が疑われた。
1968年 日本でPCBに汚染された米ぬか油よるカネミ油症事件が起きる。PCBが人間に有毒である最初の警告となった。
1970年代 不妊アザラシに高濃度のPCBが検出される
1973年 日本がPCBの製造・使用・輸入を禁止
1976年 米国がPCBの使用を「完全密閉型」に限定する
1979年 再び台湾で米ぬか油による中毒事件が発生。中毒の母親から生まれた子どもの25%が4歳前に死亡していることが追跡調査で判明する。
1980年代 PCBが母乳を汚染している証拠が出る。
1990年代 PCBに汚染された食事を摂った母親の胎内で曝露した子どもが知能指数(IQ)と脳に影響を受けていることが分かる。
1996年 EU指令が2010年までを目標としてPCBの除去を求める。
1999年 ベルギーでPCBによりニワトリの飼料が汚染される。

これらの事例を研究して「事例から学ぶ12の遅ればせの教訓」を挙げている。その最初と最後だけを紹介する。

①不確実性のみならず、無知にも配慮すること。これらの事例は、不確実性に対して何らかのリスク評価を行なっていたが、リスクの外側に”無知の領域”があることを忘れていたか無視していた。いかに精緻な知識であろうと、常にある程度の無知があることは受け入れるべきである。科学者は無知に対して謙虚であらねばならない。<放射能が生命におよぼす影響のほんの一部しかわれわれは知らないのである。>

⑫分析による麻痺に陥らないようにすること。米国最高裁がベンゼンの規制のために幾重もの情報を求めて金縛り状態になった例がある。より多くの情報を求めることが常に分別のある態度とは限らない。

福島第一原発の事故について考えてみよう。巨大地震と津波について「早期の警告」は多く存在した。原発のシビアアクシデントが起こり得ることも、小出助教らが以前より「早期の警告」をしていた。地震の多発地帯に54基もの原発が稼働していることに警鐘を鳴らした学者らがいた。そして、チェルノブイリ事故による放射能によって、子どもたちをはじめとして、多くの健康被害が発生していると指摘する「早期の警告」がある。しかし、「科学的に証明されていない」とするのが文部科学省や政府の見解である。

今必要なのは、予防措置原則による対策である。セシウムの除染であり、妊婦・子どもたちの保護である。早期に除染することが将来のコスト削減になり得るし、そうすべきである。もっとも、住民の健康をコストで比較することが倫理に反する行為であり、憲法25条の生存権に反する行為であろう。

内部被曝の発がん作用に関してさまざまな主張がある。しかし、このレポートでも言われているように、ICRPの歴史を振り替えれば、放射線の被害が明らかになってから数年後に規制を強化する内容の勧告を出してきたのである。常に現実から遅れて勧告を出してきた。ICRPが「早期の警告」に無関心であることは、チェルノブイリの被害を見ようとせず、現在の勧告にも反映していないことで明らかである。

「無知」を自覚してなのか、地震学者の纐纈一起・東京大教授が、東京電力福島第1原発事故を受け、原発の耐震安全性を検討する国の作業部会の主査と委員を7月末に辞任した。<毎日新聞8月13日付

 --辞任した理由は。
 ◆ まずなぜ引き受けたかということからお話しします。原発への批判が多いことは大震災前からわきまえていました。ただ、作業部会の委員になった07年には国内54基全てが既に造られており、こうした原発の耐震安全性を改めて検討することは、税金で地震を研究する者の責務と考えました。引き受けるからには、科学的に正しい耐震安全性が適用されるよう信念の下、努力したつもりです。しかし、東日本の太平洋沖で全く想定外のマグニチュード(M)9・0の超巨大地震が発生し、信念の根拠となるべき科学に限界があることが明らかになった。この現実を考え、職を退くのが適当と思った次第です。

学者は己の無知を恥じればそれですむが、放射能を浴びた住民は生涯おびえて暮らさなければならない。リスク評価や費用と便益の比較とかは、学問の上だけの話だ。

疫学調査の結果が出るのは数十年後であり、今被ばくしている子どもたちが成人してしまってから結果が判明するだろう。したがって、今取るべき行動は「早期の警告」に耳を傾けることである。それはチェルノブイリでのいくつかの症例であるかもしれないし、福島県での住民の健康状態であるかもしれない。あるいは昆虫や樹木などの何らかの異変であるかもしれない。

私のこのような考えなど、優秀な日本の官僚がとっくにご存じであった。環境省に「環境政策における予防的方策・予防原則のあり方に関する研究会報告書」がある。

環境省では、環境影響の発生の仕組みや影響の程度などについて科学的な不確実性が存在する場合に環境政策決定者はどのように取り組むべきかという問題に対し、近年国際的な議論の対象となっている予防的取組方法(precautionary approach)ないし予防原則(precautionary principle)の考え方について、環境政策分野におけるあり方の検討に資するため、委託研究会において、内外の基本的な情報を収集・整理・検討し、研究会の成果を報告書として取りまとめました。

と。そしてEEAレポートの5章と15章、アスベストと狂牛病の章が参考資料として配付されており、PDFでダウンロードすることができる。

政府は研究報告書の内容をぜひ福島の現場で実行して欲しいものだ。求められているのは、19世紀ロンドンのジョン・スノー博士の智慧と決断ではないだろうか。

2011年8月19日 (金)

癌エキスパート:ゲムシタビンとS-1を使い切る

癌エキスパートに「膵癌の治療戦略:ゲムシタビンとS-1を使い切る【消化器外科学会】」と題する記事が載っています。7月13日から開催された、第66回日本消化器外科学会総会でのセミナー「膵癌化学療法~最新の話題、GEST study 結果報告~」(共催、大鵬薬品工業)で、横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター内科の杉森一哉氏が解説した内容です。すでに個別に紹介されたものですが、全体を概観する上で参考になるでしょう。

切除不能、転移性の膵臓がんに対する抗がん剤の治療戦略を、現状の最新データに基づいて解説しています。ゲムシタビンとS-1の使い方を詳細に説明するとともに、ゲムシタビンを超える効果が期待されるFOLFIRINOXについても紹介しています。膵臓がん患者の今後の治療戦略を考える上で参考になるかと思われます。

癌エキスパートの会員登録をしていない方のために、PDFファイルをリンクしておきます。ただ、共催がS-1の開発・販売元の大鵬薬品ですから、ある程度のバイアスがあるかもしれないと考えて読んだ方が良いかも知れません。「GEM+s1.pdf」をダウンロード  内容を一部抜粋します。

FOLFIRINOX による有意な生存期間延長
 米国NCCN診療ガイドライン(2011年2月版)に、FOLFIRINOXはゲムシタビンと同じcategory 1に位置づけられている。現時点では症例を選ぶことが必須だが、「PS良好な転移性膵癌に対しては、今後の標準治療となる可能性は十分ある治療法だと考えられる」と杉森氏は述べた。
 FOLFIRINOXの日本人での安全性を検証するため、第2相試験が進行中だ。「日本人もFOLFIRINOXという有効な治療法が安全に行えるのか、イリノテカンを180mg/m2使っても大丈夫なのかどうか、その結果が注目される」と話した。

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ゲムシタビンに対する S-1 単剤の非劣性を証明
 試験の結果、生存曲線はゲムシタビン群とS-1群は重なり、MSTはゲムシタビン群が8.8カ月に対してS-1群が9.7カ月だった。(図4)。ハザード比は0.96、97.5%信頼区間における上限が1.18だった。事前に上限が1.33を下回れば非劣性が証明されるという仮説を定めていたため、非劣性は証明され、S-1は単剤でゲムシタビンに対して非劣性を示した初めての薬剤となった。
 一方、GS療法群の曲線はゲムシタビン群を上回っていたものの、統計学的な優越性は証明できなかった。MSTはゲムシタビン群が8.8カ月、GS療法群が10.1カ月だった。この試験では「仮説の段階で、ゲムシタビン群のMSTを7.5カ月と仮定していたが、実際のMSTは既報の試験成績と比べても予想以上に良好だった」という。
 PFS中央値は、ゲムシタビン群は4.1カ月、S-1群は3.8カ月、GS療法群は5.7カ月で、S-1群のゲムシタビン群に対するハザード比は1.09、p=0.02、GS療法群のハザード比は0.66、p<0.001と、PFSでは優越性が証明されている。奏効率は、ゲムシタビン群の13%に比べてS-1群は21%、GS療法群が29%で、両群ともゲムシタビン群に対して有意差があった(p=0.02、p<0.001)。

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ゲムシタビンと S-1 を上手に使い切る
 「ゲムシタビンとS-1の関係について非常におもしろいデータが2つある」と、杉森氏が紹介したのは、S-1の承認前後の治療成績を比較した研究だ。S-1承認前は、ゲムシタビンを一次治療で使った患者は、その多くが次にBSCに移行し、S-1を使っていたのは5.7%のみ。しかしS-1承認後は、一次治療としてS-1をゲムシタビンとの併用で27.1%の患者が使用し、二次治療としては23.7%がS-1を使っていた。
 生存期間を比べた結果、S-1承認前に比べて、承認後は有意に延長し、MSTはそれぞれ9.5カ月、13.3カ月だった(図6)。
 もう一つは、ゲムシタビンの承認前後での二次治療移行率を、S-1の第2相試験の前期試験と後期試験で比べたデータだ。ゲムシタビンが承認されたのは2001年4月だが、前期試験は2000年6月から2001年1月に、後期試験は2003年1月から2004年4月に症例を登録した。このゲムシタビン承認前の前期試験では、二次治療移行率が26%だったのに対し、後期試験では90%に上昇した。MSTも5.6カ月から9.2カ月に延長している。
 これらのことから杉森氏は、「ゲムシタビンとS-1を上手に使い切ることが、最も大切なのではないかと思う」と話した。

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2011年8月15日 (月)

『がんに効く生活』のシュレベール氏が死去

また悲しいニュースです。『がんに効く生活』の著者ダビッド・シュレベール氏が7月24日に脳腫瘍で亡くなっています。50歳だったそうです。
ニューヨークタイムスの記事

30歳のとき、MRIで偶然に脳腫瘍が見つかり、その闘いの記録を『がんに効く生活』として著わしました。以来20年間、Anticancer等のサイトやブログで患者の相談活動も行なっていました。アメリカの国境なき医師団の創立メンバーでもあった多彩な活動家でした。

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彼の『がんに効く生活』からはがんとの闘いに関して多くのことを学びました。科学的根拠に基づいた治る希望と、闘う勇気をいただきました。このブログでもしつこいほど内容を紹介させてもらいました。ありがとうございました。

2011年8月12日 (金)

遺伝子改変T細胞で白血病が全快

期待できるニュースです。

【8月11日 AFP】患者本人のT細胞(免疫細胞)を遺伝的に改変してキラー細胞とする新たな白血病治療法で、末期の白血病患者3人のがん細胞が死滅または激減したとの研究結果が10日、米医学誌「サイエンス・トランスレーショナル・マガジン(Science Translational Medicine)」と同「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」に同時発表され、驚きをもって受け止められている。
 まだ開発途上ながら、この遺伝子導入治療は将来、卵巣がん、肺がん、乳がん、皮膚がんの患者にとっても希望の光となるかもしれない。

■2人でがん細胞が死滅
 米ペンシルベニア大(University of Pennsylvania)の研究チームは、患者から採取したT細胞に遺伝子操作を施し、CD19たんぱく質(がん細胞もこれに含まれる)を発現させる全細胞を攻撃するよう改変した。また、副作用を伴わずがん細胞を早期に死滅させるため、他のT細胞とがん細胞が結合した瞬間にT細胞の増殖を促す改変も行った。

 この治療法を適用した3人の慢性リンパ球性白血病(CLL)患者のうち、1人は64歳男性で、血液と骨髄に3キロ分のがん細胞があった。治療後2週間はほぼ何の変化もなかったが、その後吐き気、悪寒、高熱を訴えるようになった。検査の結果、改変T細胞の数が急増しており、吐き気や熱はがん細胞の死滅時に現れる腫瘍(しゅよう)崩壊症候群の症状だと分かった。治療開始から28日目までにがん細胞は死滅し、1年後の検査でもがん細胞は検出されなかった。
2人目の65歳男性でも同様の結果が出た。

 3人目の77歳男性では、腫瘍崩壊症候群の治療のためステロイドを処方された後わずかではあるが、がんが再発した。それでも、がん細胞の量は治療前をはるかに下回る状態が続いた。

 カール・ジューン(Carl June)研究員によると、3人とも改変T細胞の数が少なくとも1000倍に増えた。改変T細胞は平均して1個あたり数千個のがん細胞を死滅させていた。

■急性リンパ性白血病でも有効性を調査へ
 白血病の主な治療法である骨髄移植は、死亡リスクが最低でも20%あり、治癒率も50%程度でしかない。今回の方法ががんの再発をどれほどの期間抑えられるのかは不明だが、改変T細胞ががん細胞死滅後少なくとも1年は残存すること、つまり体が防御態勢を維持することに、研究者らは興奮している。

 次は、この治療法を小児患者2人とCD19陽性の成人患者少なくとも13人に試す予定だ。非ホジキンリンパ腫、急性リンパ性白血病、中皮腫、卵巣がん、すい臓がんに有効かも調べることにしている。

 実験に参加した患者の1人は、「今は健康そのもの。永遠にこの状態が続くわけではないことも覚悟しているが、勝利を宣言したい」とのコメントを出した。

以前はキラーT細胞と呼ばれた細胞障害性T細胞(CTL)は、がんペプチドワクチンやその他のワクチン療法でも、CTLが発現したから効果があったなどと説明されることがあります。今回の研究は、そのCTLを遺伝子操作で作り上げたということのようです。おとなしいT細胞を殺人鬼に変えるわけです。なるほど、がんワクチンの助けを借りてCTLを増やすより、こちらの方が直接的ですね。

免疫療法も、ますます多様化しそうです。抗がん剤治療は、所詮過渡的な治療法です。将来は患者の免疫力をベースにしたこのような治療法が主流になるのでしょうか。

一方、昨年前立腺がんの画期的な免疫療法としてFDAが承認した「Provenge」ですが、当時は日本でもこれを持ち上げる論調が多数でした。

  4月29日、米国FDAはデンドレオン社が開発した前立腺がん治療ワクチン、プロベンジを承認しました。これは、世界で初めて承認されたがん治療ワクチンです。

 デンドレオン社がFDAに提出した資料によれば、512人の転移性の前立腺癌患者を対象に、プロベンジ群の生存期間中央値は25.8か月、プラセボ群は21.7か月と、プロベンジの投与で生存期間は4.1か月延長しました。進行がんの生存期間を4.1か月延長したことは驚異的です。この研究成果は、NEJM 7月29日号のトップに掲載されました。

 発売当初、プロベンジがどれだけ普及するか、多くの臨床医は疑問を持ちました。それは、プロベンジの費用が9万3000ドルと高額だからです。しかしながら、臨床医の懸念は杞憂だったようです。6月28日のブルームバーグの報道によれば、プロベンジの製造が需要に追いつかず、デンドレオン社は2011年中旬を目指し、製造設備を拡張します。

しかし、8月4日に開発元のデンドレオン社の株価が60%もの大暴落とのことです。

  従来の抗がん剤とは違って、"まったく異なる原理"による"世界で初めて"の、"副作用がない"、"いままでの薬が効かなかった前立腺がんに効く"、"ものすごく高価な"細胞医薬というイメージを、開発者の意図におかまいなく市場に振りまいてしまっていたと考えられます。
 あたかも「魔法の薬」のようなイメージが独り歩きした結果、Provengeで治療すれば"みるみるうちにがんは治る"と医師も患者様も思い込んでいたのではないでしょうか。

まだまだ道は通しという感じです。がん治療に「魔法の弾丸」はないのでしょう。

2011年8月11日 (木)

日吉ミミさん、膵臓がんで死去

Enc1007271622005n11 ビックリしました。手術をして経過が良いと聞いていたのですが。6月11日の肝胆膵学会にゲストとして参加するとかの噂もあったようですが、その様子もないのでおかしいなと思っていました。すでにその頃は入院されていたのですね。享年64歳で、私よりひとつ上です。「男と女の数え唄」は記憶にありますね。70年の紅白にも出ました。

昨年7月にはZAKZAKにこのような報道がありました。

 体調不良から訪ね歩いた4カ所目の病院で昨年4月、すい臓がんと診断されたとき、日吉ミミさんの脳裏に妹の姿がよぎった。妹は余命1カ月の食道がんを宣告されながら、一昨年5月25日に帰らぬ人となるまで約半年間闘病生活を送った。

 4年前には母を亡くしていた。打ち続く不幸に絶望のふちに立たされた思いがした。

 手術は、何の巡りあわせか妹の命日の5月25日。8時間にわたる大手術は成功したものの、丸2日間もこん睡状態が続き、ようやく退院できたのは約1カ月後だった。

 「その後も定期的に検査と抗がん剤の点滴を受けており、今は2週間に一度通っています。自宅療養中はいろんなことを考え、落ち込むこともあったけど、私には歌がある、って思ったら気持ちが楽になりました」

 「イヤなことはすぐに忘れる。傷ついても翌日に引きずらない…こう言い聞かせて生きてきたら、いつの間にか常に前へ向くように、心のスイッチの切り替えが自然とできるようになってました。今はもう一度紅白に出ること、レコード大賞歌唱賞受賞が目標ですね」

昨年6月には新曲「いのちのしずく」を出しているのですね。

いのちのしずく

歌:日吉ミミ     作詞:田久保真見     作曲:浅野佑悠輝

風のない おだやかな午後
ふと人生を ふり向いたら
私がこの世で 一番
愛した人は あなたでした

泣かせて… もう 心のまま
生きても いいでしょう


涙は いのちのしずく
泣くのは 生きてるあかし
だから悲しくても だから苦しくても
涙は あたたかいの…

絶望は 終わりなどなく
そう果てしない 闇のようで

私に小さな あかりを
灯した人は あなたでした

泣かせて… もう 強がらずに
生きても いいでしょう


涙は いのちのしずく
泣くのは 愛したあかし
だから悲しくても だから苦しくても
泣くたび うまれ変わる…

いつか 大地に帰ったら
そこから花が 咲くでしょう

心にうめた 想い出たちが
たくさん花を 咲かすでしょう…

涙は いのちのしずく
泣くのは 愛したあかし
だから悲しくても だから苦しくても
泣くたび うまれ変わる…

だから悲しくても だから苦しくても
泣くたび うまれ変わる

勝手に赤を付けましたが、抗がん剤の副作用と闘いながら歌っていたのでしょうか。覚悟を決め、自分の運命を見定めているかのように感じるのですが。

大地に帰って、きっと大きな花を咲かせてください。

ご冥福をお祈りします。合掌

2011年8月 7日 (日)

ストロンチウム90はNK細胞を不活性化する

内部被ばくにより骨髄に取り込まれたストロンチウム90は、免疫系の細胞にダメージを与える。さらにナチュラルキラー(NK)細胞の正常な活動を妨げるという。

ストロンチウム90は、β線を出してイットリウム90となり、さらにβ線を出してジルコニウム90となる。2回のベータ崩壊するので影響は2倍になる。イットリウム90からのβ線は228万電子ボルトという高エネルギーで、水中を10mmまで届くことができる。ICRPの計算では、骨髄に”均等”に被曝するとされるが、カルシウムと似たストロンチウム90は、骨髄細胞が必要とするところに集まるのであり、いわゆるホットパーティクルとなり、均等に分布するのではない。

1968年のStokkeらの研究では、0.01mGyの線量で骨髄細胞への障害が現われた。さらに1977年にWigzellらはストロンチウム89がNK細胞を非活性化すると発表している。

J Immunol. 1977 Apr;118(4):1503-6.

Suppression of natural killer cell activity with radioactive strontium: effector cells are marrow dependent.
Haller O, Wigzell H.

Abstract

NK cells with lytic capacity for Moloney leukemia virus-induced lymphomas have previously been found to occur spontaneously in spleens from nonimmune adult mice. Here, 89Sr-treatment is shown to suppress NK cell function in adult mice without similarly affecting other cell-mediated immune reactions. Thus, selective 89Sr-sensitivity distinguishes NK cells from other killer cell types. The present results indicate that in vivo a functional bone marrow is needed for generation and maintenance of NK activity.

関連研究:

Impact of 90Sr on Mouse Natural Killer Cells and their Regulation by Alpha Interferon and Interleukin 2

私のこれまでの考えを変える必要があるかもしれない。「今直ちに影響が出るレベルではない」とは政府の常套句であるが、今被ばくをしても発見されるほどのがん細胞に成長するには20年はかかる。だから、高齢者や私のように数年後の生存率が明らかに低いがん患者にとっては、内部被ばくもたいした脅威ではないと思ってきた。それは内部被ばくによる細胞のがん化は、DNAの損傷だけであるとされてきたからだ。

しかし、放射性ストロンチウムは、DNAではなく、細胞膜を破壊することによってNK細胞の正常な働きを阻害する、というのがWigzellらの研究だ。NK細胞ががん細胞を発見して破壊するチャンスが少なくなり、がん細胞が生き残る確率が大きくなる。骨髄内で前駆細胞から絶え間なく再生されるリンパ球の数も少なくなる。この仕組みには、細胞膜に対しては、低線量率の放射線が高線量率のときよりも5000倍も大きな効果を与えるという「ペトカウ効果」が関わっている。

今はがん細胞が見つからないが、体のどこかにがん細胞がある、あるいはがんの再発・転移はないけれでも、どこかにがん細胞があれば、体内ではNK細胞をはじめとした免疫細胞とがん細胞が拮抗して、危うい状態でいることもあるだろう。そこに放射性ストロンチウムによる免疫力の低下が加わることになる。

溺れそうになって、やっとの思いで泳いでいる人の背中に、あと1kgの荷物を載せたらどうなるか。なかには耐えきれずに溺れる人も出てくるに違いない。ストロンチウム90がその1kgの荷物に相当するかもしれない。20年後ではなく、再発の瀬戸際にいるがん患者にとっては明日にも影響が現われる、ということもあり得る。

内部被ばくについては、未だによく分かっていない。ほとんど何も分かっていないと言っても良いくらいだ。今日のNHKBS1の「内部被曝に迫る~チェルノブイリからの報告」では、25年経った今でも住民には、原爆ぶらぶら病」と同じような疲労・倦怠感を訴える人が増えている、心臓疾患も増えていると放映されていた。内部被曝の脅威を否定する主張もあるが、下のグラフのように明らかな相関関係が読み取れるとする主張もある。

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人間と環境への低レベル放射能の脅威―福島原発放射能汚染を考えるために ストロンチウム90はセシウム137のあるところには一緒にあると考えた方が良い。その割合は、1/10~1/1000まで、いろいろなデータがあって、実際はよく分からない。政府も測定していないが、福島原発から60kmの地点で検出したというニュースもあった。

ごくわずかであっても内部被曝が避けられないとすれば、がん患者は何をすれば良いか。ラルフ・グロイブは『人間と環境への低レベル放射能の脅威』で、ストロンチウム90の細胞膜への攻撃を防ぐために、

  • 特に食事を通して摂取しなければならないビタミンA(βカロチン)、ビタミンEとC、酵素の働きを守るセレニウム、亜鉛、銅、マンガンなどの微量栄養素

を摂ることを勧めている。

ビタミンEは非常に重要である。確実に細胞膜に定着し、急激な連鎖反応はビタミンEが存在する細胞膜場では止まってしまう。ビタミンCとセレニウムもまた細胞膜の防御には事情に重要である。

活性酸素・フリーラジカルの働きを抑える抗酸化作用のある食べ物、栄養素をこれまで以上に積極的に摂ったほうがよい。それによって内部被曝による発がんやさまざまな身体的影響を低減できる可能性がある。私が毎日飲んでいるマルチビタミンにはこれらの要素が過不足なく含まれている。もちろん食事から摂る方が良いが、その食物が放射能で汚染されているとしたら、どうすべきか、答えに窮してしまう。

ペトカウ効果

低線量の放射線による影響は、高線量の場合のDNAの損傷とは異なる仕組みで現われるのであり、その主役は活性酸素による細胞膜の破壊であるとするのがペトカウ効果である。

ペトカウ効果について日本のWikipediaはまだ登録がないが、英語のWikipediaには説明がある。<Petkau Effect> ノーベル賞に値する発見だと言われているが、発見されて40年も経つが、日本では認知度が低い。

1972年にカナダ原子力公社のアブラム・ペトカウが偶然に発見した効果である。細胞膜に似たリン酸脂質の人工膜にエックス線を照射して破壊するには、260mSv/分で合計35000mSvを照射する必要があった。ところが、水に放射能を持った食塩(放射化されたNa-22)を溶かして、0.01mSv/分という低線量率で長時間照射したところ、全量でわずか7mSvで細胞膜は破壊された。つまり、ごくわずかの線量を長時間照射すると、5000分の1の放射線量で同じ効果があることを発見したのである。この現象は次のように説明されている。

放射線によって生じる活性酸素は、細胞膜の脂質と作用して過酸化脂質を生成し、細胞を損傷する。低線量では活性酸素の密度が低く、再結合する割合が少なく効率よく細胞膜に達し、細胞膜に達すると連鎖反応が起こるため、放射線の影響は低線量で急激に高まる。

より詳しくは肥田舜太郎さんの『内部被曝の脅威  ちくま新書(541) 』に丁寧に説明されている。

2011年8月 5日 (金)

がんも放射能も複雑系

100万アクセスを超えました。ありがとうございました。このところ、急激にアクセスが増えていました。


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放射能汚染の広がりが止まらない。肉牛の汚染は全国に広がり、秋に収穫される米の汚染も心配されている。放射能は同心円状に広がるわけではない。人間が決めた県境も半径20キロの避難地域も無視して広がる。大気の拡散はカオス的であり、マンデルブロ集合に代表されるフラクタルである。フラクタルでは部分を拡大した図形が、もとの全体とほぼ同じ形状をしている。

放射能の拡散も複雑系であるから、汚染の程度が同心円状で均一になっているのではない。福島県内で汚染がまだら模様を形成し、その一部である福島市内でも場所によって違い、まだら模様を作る。市内の学校の校庭でも高いところと低いところが生じる。チェルノブイリの例では、ベンチの中央だけがセシウム137で危険なほど汚染されていたという例がある。ホットスポットとはそうした現象である。一定の汚染度の範囲により大きな汚染部が含まれているのである。

牛の体内に取り込まれた放射性物質も、牛の部分によって汚染度が違ってくるのは当然である。

 宮城県は28日、1頭の牛の肉で、部位によって国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超えたり、下回る検査結果が出たことを明らかにした。
 この牛は仙台市内で6月21日に解体され、肩肉(二十数キロ)が流通した横浜市が検査した結果、規制値未満の380ベクレルだった。ところが、もも肉(37・7キロ)の流通先の北海道が肉を調べたところ、530ベクレルを示した。
 宮城県から6月1日、東京都内に出荷された、別の牛の肉では同じ部位で検査値の食い違いがあった。都内の食肉卸業者が、この牛の肩肉(12.9キロ)を自主検査し、1150ベクレルを検出。しかし川崎市が、この肩肉の残りを調べたところ、618ベクレルだった。

食卓にあがった放射能 この結果を聞いた厚生労働省の幹部は、「セシウムは筋肉に均等に蓄積されると言われている」と、他人事のように答えている。しかし、故高木仁三郎さんの『食卓にあがった放射能』では、新聞記者のSさんが、チェルノブイリの放射能で汚染されたトナカイの肉が、背中の部分とおしりの部分で違い、一方は輸入されたが片方は輸入を拒否されたことに疑問を持ったことから始まっている。

児玉龍彦・東京大学アイソトープ総合センター長の衆議院での証言が話題になっているが、「チェルノブイリ原発事故から甲状腺癌の発症を学ぶ」という論文にはこう書かれている。

“エビデンス”という言葉が臨床研究で用いられる。だがチェルノブイリ原発事故が甲状腺癌を増加させるというコンセンサスをつくるのに 20 年かかった歴史は忘れてはいけない。<そこからの教訓は>

第一は、安易な“エビデンス”論への疑問である。アメリカ型の多数例を集めるメガスタディを行ってもエビデンスとはならず、その地域における疾患の全体を長年をかけて網羅的に把握することのみがコンセンサスを得るエビデンス発見法であったことである。

第二は、ある原因での疾患の発症は特定の時間経過でのみあらわれ、すぐ消えていくため、注意深い観察が必要である。我々の想像を上回る長い時間の経過が関わり、対策の求められているその瞬間には「エビデンスはないということがしばしば起こる事である。

逆システム学の見方でいえば、 「統計より症例報告」という法則が重要である。多数例の軽微な変化より、極端なしかし端的な特徴をもつ少数例を現場でつかむことが、同時代の患者のために役立つ情報をもたらす可能性が強い。エビデンスがないということは、証明不能を語るだけで、因果関係の否定ではない。エビデンスを確立するには多数例の長い時間が必要であるため、短期においてはある地域に従来みられない特殊な患者が現れた時に即時に対応することが重要である、例えばベラルーシに 1991 年、肺転移を伴う小児の甲状腺乳頭癌が次から次とみられた。これらの患者から次第に RET プロトオンコジーンの変異が見つかったということが、実はチェルノブイリ事故と甲状腺癌をつなぐ“同時性”をもったエビデンスであり、甲状腺発癌のダイナミズムを教えてくれるサインだったのである。
 
性質が特徴的である小児の甲状腺癌といっても、ウシとヒトの 2 段階の生物学的濃縮と、2 段階の遺伝子変化を経て発症までには長い時間がかかっている。こうした場合に、数万人集めて検診を行っても、なかなか因果関係を証明できない。エビデンスが得られるのは 20 年経って全経過を観測できてからである。これでは患者の役には立たない。

それでは、病気が実際に起こっている段階で、医療従事者はどのように健康被害を発見したらいいのか。 ここで、 普通で起こりない 「肺転移を伴った甲状腺癌が小児に次から次とみられた」という極端な、いわば終末形の変化を実感することが極めて重要になってくる。軽微な変化を多数みるのでなく、極端な現象に注意する、ということが警報としてもっとも大事であろう。

もっとも早く変化の意味を知るには、極端な状態をみるとよい、という複雑系の問題の解き方と極めて類似している。 エントロピーという概念は、10℃から 90℃の水の変化をいくらみても分からないが、氷が水になるときの融解熱や、水が蒸発するときの気化熱から簡単に類推することができる。いわば気化熱にあたるのが、子供の肺転移を伴った甲状腺乳頭癌の増加であり、その分子機構として RET 遺伝子変異の増加が放射線障害を示唆することに気づくことが重要である。

氷が水に、水が蒸気になるときとは、臨界状態にあるときです。極端な状態を観察することが重要とは、臨界状態を見なさいと言うこと。がんなら、エビデンスのごくわずかの違いを云々するのではなく、奇跡的治癒とか驚異的回復と言われている現象を良く研究するべきだとなる。

さらに、児玉さんの「チェルノブイリ膀胱炎-長期のセシウム137低線量被曝の危険性」では次のように述べている。

すでに福島、二本松、相馬、いわき各市の女性からは母乳に 2~13 ベクレル/kg  のセシウム137 が検出されることが厚労省研究班の調査で報告されている。この濃度は、福島博士らのチェルノブイリの住民の尿中のセシウム  137 にほぼ匹敵する。福島博士の報告では、表 1 のように、6ベクレル/L とほぼ同じレベルである。

そうすると、これまでの「ただちに健康に危険はない」というレベルではなく、すでに膀胱癌などのリスクの増加する可能性のある段階になっている、ということである。そもそも、母乳にセシウム  137 が検出されることが異常だと思わなくなっている行政当局、研究者の判断に猛省を促したい。

チェルノブイリの発がんに関するWHOの公式見解も、証明できないと言っているのであり、因果関係を否定しているわけではないのである。しかし、中川恵一らは「甲状腺がん以外の癌は生じていない」と、言い続けている。特異的な事象・症例から将来を予測し、市民の健康に役立てることが真の”科学的態度”であるが、彼らにはそのような考えは思い浮かばないようだ。それどころか「怖がりすぎても健康被害」と、「野菜不足によるがん死亡のリスクは100ミリシーベルトに相当する。塩分の取りすぎは約200ミリシーベルト、運動不足や肥満は400ミリシーベルト程度の被ばくと同じリスクだ。喫煙や毎日3合以上の飲酒はがんで死亡するリスクが約2倍になり、2千ミリシーベルトの被ばくに等しい」など、比較が適当でないものを比較して、心配する方が悪いとまで言う始末である。ICRP勧告しか知らず、内部被ばくを過小評価している中川氏ならではの説明である。

チェルノブイリ原発の事故でも「体の具合が悪くなるのは、放射能を怖れすぎてのストレスからくるものだ」という専門家が多くいた。さしずめ日本では、山下俊一と中川恵一がその先導役を果たしているようだ。しかし、こうした論理には次のような問題点がある。

  1. ストレスを起こすような原発事故を起こした責任はどこにあるのかという問いを、彼らは決して発することがない。
  2. 現に8万人の住民が、避難民という名の「難民」生活をしているのであり、ストレスが生じるのはあたりまえである。
  3. ストレスにより活性酸素が生成され、それが身体的障害に繋がることがある、と医学・生物学は証明している。
  4. 放射能には発達中の脳に精神的・神経的障害を引き起こす作用がある。
  5. 原爆ぶらぶら病と言われたように、現に身体的障害が生じて、それが精神的ストレスになることがある。がん患者にはうつ病が多いのである。

複雑系においては、原因と結果が複雑に絡み合い、一対一に対応しない。線形ではないのである。心配のしすぎ、ストレスが病気を進行させることはあるから、言っていることには一面の真理はある。心ががんに及ぼす影響も非常に大きい。だからといって、がんになるのは心の有り様が悪いからという、一元論は成り立たないのと同じである。

チッソの廃液以外に考えられないという住民の直感に対して、原因物質が特定できないからとの理由で、水俣病の原因が有機水銀だと確定するまでに長い年月が必要であった。科学的には「原因不明」で「証明が不十分」であっても、泥や患者の体内からは有機水銀は検出されていたにもかかわらずである。福島原発事故由来の放射能による病気に対して、イタイイタイ病、四日市喘息などの公害病の轍を踏まないようにと願っている。

2011年8月 4日 (木)

これは見逃せない! 児玉龍彦(東大先端研教授)×津田大介をUSt生中継

急遽決定!8月5日午後3時より児玉龍彦(東大先端研教授)×津田大介(ジャーナリスト)をUSt生中継

 『現代ビジネス』は、8月5日午後3時より津田大介さんと児玉龍彦東京大学先端科学技術研究センター教授、東京大学アイソトープ総合センター長との対談を実施します。そして、当日、この模様をUstreamで生中継します。

 児玉教授が、先日の衆議院厚生労働委員会に参考人として出席。「国会は何をしているのか」という直言が話題になりました。
参考:http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo

 今回、被災地での取材を重ねてきたジャーナリスト津田大介さんとあらためて、国会では語りきれなかった放射能の問題、対応、そしていますべきことについて、とことん話し合います。

 ぜひご意見、ご質問をお寄せください。

中継日時:8月5日午後3時開始予定
都合により開始が遅れる場合もあります。

URL:http://www.ustream.tv/channel/gendai-biz

公式twitterは@gendai_biz。ハッシュタグは#gendaitvです。
ご意見、ご質問をお寄せください。

見逃した方はこちらからどうぞ。

膵癌特異的ワクチンOCV-105第Ⅰ相試験開始、千葉徳州会病院でも

オンコセラピーのOCV-105の第Ⅰ相試験が始まっていますが、(こちら)千葉徳州会病院でも1~2名の参加者を募っているようです。全国で4施設6名程度の募集です。

   当院では、東京大学医科学研究所との共同研究として、膵癌に対するペプチドワクチン療法の臨床試験をH21年3月から2年間行いました。このとき使用したペプチドワクチンは膵癌に特異的な腫瘍抗原の一部であり、この投与によって一部の患者様でがん細胞を攻撃しうるリンパ球の数が増えていました。

   この度、そのときのペプチドと同様のものを用いて、治験が開始されることになりました。治験の名称は【OCV-105の標準療法不応/不耐膵癌に対する第Ⅰ相臨床試験】といいます。今回の治験の主な目的はOCV-105の安全性の評価です。また第Ⅰ相試験ですので、参加できる人数も少なく、全国で当院を含めて4施設のみで行われ、当院では1~2名の参加を予定しております。
   ただし、この治験に参加していただくためにはいくつかの条件があります。以下は条件の一部です。

  1. 腺癌または腺扁平上皮癌であることが組織診または細胞診で確認されている
  2. 標準的治療法(ゲムシタビン塩酸塩)により効果がえられなかった、又は副作用等で標準的治療が実施できなかった
  3. 同意取得時の年齢が20歳以上80歳以下である
  4. HLA-A*24:02(OCV-105の効果が期待できる白血球の型)を有する

そのほかにも多数の参加条件がありますが、詳しくは以下の連絡先へご連絡をお願いします。

医療法人沖縄徳洲会 千葉徳洲会病院
連絡先   047-466-7111(病院代表)
担当窓口   医事課 影山

時  間   
   10:00~16:00(祝祭日以外の月曜~金曜日)
   10:00~12:00(祝祭日以外の土曜日)

2011年8月 3日 (水)

OTS102の一般名は「エルパモチド」

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東扇島東公園からみたフレア・アタック


オンコセラピー・サイエンス株式会社の膵臓がんのがんペプチドワクチンの一般名が「エルパモチド」に決まったそうです。
1年延びたのですが、早く使えるようになると良いですね。
どのような結果が出るか、注目していますが、ビックリするような効果はなさそうです。

新生血管阻害作用を期待したがん治療用ワクチンOTS102 一般名取得に関するお知らせ

 当社が臨床試験(治験)を実施中の新生血管阻害作用を期待したがん治療用ワクチンOTS102について、医薬品一般名を取得しましたのでお知らせいたします。

医薬品一般名取得は、承認申請に必須であり、臨床試験(治験)終了後の早期承認申請を視野に入れ取得したものです。

OTS102は、現在、膵臓がんを対象とした第II/III相臨床試験(PEGASUS-PC study)および胆道がんを対象とした第II相臨床試験を実施しております。特に、PEGASUS-PC studyにつきましては、既に予定された患者さんの登録は終了しており、現時点で本年12月末までに終了する予定となっております。世界初のがん治療用ペプチドワクチンの承認取得を目指し、契約提携先である扶桑薬品工業株式会社および大塚製薬株式会社と承認申請の準備を進めております。

                                        記

JAN(Japanese Accepted Name)(注1):(和名)エルパモチド (英名)Elpamotide
INN(International Nonproprietary Name)(注2):elpamotide

(注1)薬事・食品衛生審議会日本薬局方部会の下に設置されている医薬品名称調査会が定めている国内における医薬品一般名

(注2)世界保健機関(WHO)が設定する医薬品の非独占的・一般的名称

2011年8月 1日 (月)

「脱原発」に右翼も左翼もない

日章旗を先頭に、右翼が脱原発デモ。これにはいささか驚いた。「田中龍作ジャーナル」の記事である。しかし考えてみれば、国土を放射能で汚染し、子どもたちを犠牲にしてはばからない原発事故に対して、麗しき日本の国体を護持しようと主張する右翼がこうした行動に出るのは当然と言えば当然である。学校給食で福島産の食材を拒否しようとする生徒に、担任教師が「食え」と強制する現状が国難を象徴している。

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統一義勇軍のサイトにはこんなことばがある。

故野村秋介先生のお言葉に
「友よ山河を滅ぼすなかれ!」
という言葉がある。まさにいま我々民族派に突き付けられている言葉と、私は思っている。
八百万の神々のおわすこの麗しき山河、日本。この我が国の野や山、そして海までが、いままさに危機に直面しているといえよう。
反&脱原発運動は今まで左の運動と捉えられていたが、現在それは既に過去の話となった。脱原発運動はこの麗しき大地に住む我々全員の運動となったといえよう。
我々民族派も、その前衛としての役目から、この運動に携わる必要があると心より感じた。
そこでまずは、右から考える脱原発ネットワークを立ち上げる事とした。

右から考える脱原発ネットワーク」なるものもできている。呼びかけ人には一水会顧問の鈴木邦夫氏ら。もはや「脱原発」はイデオロギーではなく、全国民の切実な要求になったことを如実に表わしている。それだけの国民的広がりをもってきたということだ。

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