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2012年3月

2012年3月31日 (土)

震度7、21mの津波が浜岡原発を襲う

内閣府有識者会議の今日の発表で、太平洋側のほとんどの地域で30m前後の津波を予想。震度7の地域も大幅に増えました。

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浜岡原発のある御前崎市は震度7で、21mの津波が想定されています。ところが今建設中の防潮堤は高さ18m。高さだけを考えても津波が超えてしまうが、浜岡原発では「防水扉を閉めるから原発は浸水しない」と呆れるようなコメントだ。震度7で建物が無事であるはずがないし、福島第一を襲った津波が扉を押し破った映像は誰もが見ている。防潮堤と言ったって、ただの鉄筋コンクリートの壁だ。プールの壁じゃないんだよ。海水だけでなく、巨大岩石や貨物船が突進してくるんだ。

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有識者会議の今日の発表前の中部電力のホームページにはこう書かれている。(記録として残しておく)

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防潮堤をかさ上げすればすむ話ではない。津波高さが違えば津波のエネルギーが違ってくるということ。人間の力に及ぶエネルギーではないのだから、諦めて浜岡原発は廃炉にすべきだし、今ある使用済み核燃料は、急いで別の場所に移すべきだ。原子炉は止まっていても使用済み燃料が冷却できなければ福島第一の4号炉と同じ運命だ。

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2012年3月30日 (金)

原発の再稼働、バカなこと言うな

このところ地震が多い。今日も13:40頃に福島沖でM5.5(実際はM5.0)の地震があった。Signalnowexpressをインストールしてあって、緊急地震速報がパソコンの画面に表示された。

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すぐに「ふくいちライブカメラ」につないで数秒待つと、画面が揺れ出した。4号機は大丈夫なようだ。震度6強の地震が福島原発を襲えば、4号機は倒壊するだろう。このような建物が大地震で倒壊しないはずがない。
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その時は日本は「おわり」である。1500本以上の使用済み核燃料が冷却できなくなれば、チェルノブイリの数倍の放射能がまき散らされる。高温になった燃料からは、プルトニウムのウランもセシウムも大量に放出される。つくば市の気象研究所が融点210度のテクネチウムを検出しているということは、3月の爆発は核分裂であった可能性が高い。4号機が次の地震で同じようになったの何が起きるか。首都圏は阿鼻叫喚の地獄絵となるに違いない。それにしても、都会の人間たちのなんと悠長なことか。

首都直下型地震も怖いが、福島をはじめとする原発での地震も怖い。3.11の東北地方太平洋沖地震は、牡鹿半島の沖130kmで起きたのであり、それでも最大で40m近い津波を記録している。浜岡原発ではM9クラスの地震が真下で起きるのである。庭先の塀のような防波堤を築いたからといって再稼働するなどというのは正気の沙汰ではあるまい。このような津波岩が、岩手県でもごろごろと転がっているのである。御前崎沖でM9が起きれば、40mを超える津波がやってくる。防潮堤などは「屁の突っ張り」にもなりはしない。

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浜岡原発に計画中の防潮堤

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ストレステストをやったから安全が確認できた? 冗談でしょう。ストレステストというのは、いわゆるコンピュータ・シミュレーションであり、地震の方向、距離によって地震波の周波数は違うが、それらの条件を適当に仮定して計算するのである。構造物の共振周波数は建物の高さによって違う。実際に3.11の地震で大阪ではある高さのビルだけが大きく揺れて被害を受けた。ストレステストで仮定した地震だけがやってくるのではない。

ストレステストの信頼性を確認する好都合な現物がある。福島第一原発の4つの原子炉である。まずこの原子炉でストレステストをやってみて、実際に起きたように水素爆発、メルトダウンが起きるかどうかを計算してみれば良い。現実と同じ結果が計算できたのなら、ストレステストがある程度信頼できると考えられる。コンピュータシミュレーションが正しいかどうか、現物と対比しないで「再稼働ありき」とは恐れ入る。

東北地方太平洋沖地震によって日本列島はひん曲がっているのだ。プレートに応力が掛かり、残留応力を打ち消そうとして地震が多発している。犬吠埼沖で多いのはそのためである。首都圏直下だけではなく、どこで大地震が起きても不思議ではない。青森県の六カ所には北半球を全滅されることができるほどの高濃度放射性廃棄物が集まっている。ここも3.11では間一髪で危機を脱した。女川原発も余震で危うくメルトダウン寸前だった。福島第二も報道はされなかったが、津波で危機的な状況になり、禅電源喪失寸前だった。東海第二原発も直前にかさ上げされた防潮堤のおかげで危機を免れたが、工事用に開けてあった穴から海水が浸入した。もんじゅで同じことが起きれば関西経済圏は消滅する。琵琶湖の水は飲めないから、大阪、京都に人間が住むことはできなくなる。

1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというハインリッヒの法則は正しい。労災事故なら、亡くなるのは個人であり、被害の程度は小さい。これが原発事故となれば、回復は不可能である。福島の放射能は300年経っても1000分の1であり、1万年経たなければ人が住めるようにならない。

電気がなくなると困る? 快適な生活をするためなら死んでも良いということか? 日本に住めなくても快適な生活の方が大事か? ほんの少しの不便を受入れれば原発はなくても間にあるのである。

2012年3月26日 (月)

樋口強さんの「いのちの落語独演会」参加募集始まる

毎年恒例の樋口強さんの「いのちの落語独演会」は今年は9月16日に開かれます。

昨年は東日本大震災の後でもあり、当日はデモに参加するために講演会をキャンセルしました。今年は是非樋口さんの落語を楽しみたいと思います。

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2012年「第12回 いのちに感謝の独演会」

お待たせしました。2012年の参加申込要領を下記にご案内します。

3年生存率5%のがんと出会って16年。「笑いは最高の抗がん剤」が信条の樋口強が一年に一度だけ開催するいのちの落語独演会です。

同じつらさや苦しさを知った仲間だからこそ笑えることがたくさんあります。
今年も「いのちの落語」で思いっきり笑って希望と勇気をお持ち帰りください。
毎年早い時期に満席になります。早めにお申込ください。

●日時:2012年 9月16日(日) 午後1時~ (約3時間)
●場所:東京・深川江戸資料館小劇場
●参加対象:がんの方とそのご家族に限定(各枠毎に先着順)
●木戸:ご招待 (事前申込が必要)

■申込要領:以下を書いて封書またはeメールでお申込ください。(全項目必須)
各枠毎に先着順で「通行証」をお送りします。

①参加希望者全員の名前とがんとの関わり(合計2枚まで)
(対象はがんの人とその家族に限定)
②代表者の〒・住所・名前・TEL(通行証送付先)
③近況・メッセージ ④「私が楽しくなれる今年のイチオシ」
(④は樋口強の次著作に匿名で引用させていただくことがあります。)

上記各項目をすべて書いて下記方法でお申込ください。

申し込みはこちらから。早くしないとすぐに「満席」になりますよ。

2012年3月25日 (日)

サプリメントの真実

パソコンの引っ越しも2台ともやっと終わりました。Core i7は快適ですね。マルチモニターでパソコンをつかった作業もはかどります。


誰も知らないサプリメントの真実 (朝日新書)サプリメントに関してはいろいろな本が出ています。多くはその効用を一方的に述べたものであり、臨床試験の結果を科学的に検証したものは少ないのです。一応公平に作用と副作用、成分、その効用を指示するいくつかの試験結果が羅列されているだけです。高田明和氏の『誰も知らないサプリメントの真実 (朝日新書)』はそうしたものとは一線を画した著作です。

代表的なサプリメントについて、国際的に評価の高い一流雑誌に発表された論文のメタアナリシスの結果を説明している本は他には見当たらない(と思う)。メタアナリシス=エビデンスをなんの疑問もなく信用することにも警鐘を鳴らしています。例えば否定的な研究結果が出た論文は公表されないことがある。「具合の悪いデータは発表しない」のは何も原子力保安院や東電だけではない。FDAに登録された抗うつ剤の74件の研究のうち、38件が「効果あり」で36件が「効果なし」であった。しかし、「効果なし」のうち23件は公表されていなくて、3件はFDAの判定に反して「効果あり」とされていた。つまり、論文の数ではほぼ同数であるが、公表されたものだけでメタアナリシスを行うと、ばらつきの程度を表す標準偏差が小さくなり、「効果サイズ」が大きく有意差があるかのように見えてしまう。ここでも利益相反=金の力で研究結果が左右されている(バイアスが掛かっている)ことが想像されると述べています。

また高田氏は、サプリメントの場合は、薬剤と同じようにエビデンスをとらえるべきではないという。メタアナリシスの結果「効果が微妙である」場合でも個人にとっては意味合いが違う。40%の人に効果があり、60%には効果がなければ、薬としては認可すべきではないが、サプリメントなら別の考え方をしても良い。副作用がなく自己負担する費用も高額でなければ、本人が良いと思ったら使用すれば良いのだと。

こうした立場で代表的なサプリメントについてメタアナリシスの結果を照会しています。ビタミンの作用機序などの説明は、図も適切で素人にも分かりやすい。細胞内でも電荷作用にまで深く立ち入って説明している。アマゾンのページで「なか身!検索」で目次が表示されるので、紹介されているサプリメントが分かるでしょう。

私が摂っているEPA、メラトニン、ビタミンDも含まれているが、ビタミンDについては非常に肯定的な評価を与えています。

(ビタミンDが増えて)血中の25Dが増やすと、がんの死亡率はどうなるのでしょうか。

実は多くのがんで死亡率が減ります。もっとも減るのが口腔咽頭がんで、約7割減るのです。食道がんや膵臓がんで約6割、胃がん、大腸がん、腎臓がんで約5割、前立腺がん、肺がんで約2割、膀胱がんは1割減ります。

がんの死亡率は、血中の25Dが増加したグループでは、発症の危険率が0.83となりました。つまり危険率が17%減少したということです。また死亡率の危険率は0.71で約30%減少しました。

この傾向は消化器がんではなお顕著になります。消化器がんの発症率の危険率は0.57、死亡の危険率は0.55で、約半分に低下するのです。

多くのサプリメントでは、ある病気による死亡は予防しても、全死亡率には変化がないものがほとんどでした。しかしビタミンDでは明らかに全死亡率が低下するというメタアナリシスの結果があるのです。

この本を読んで、私がこれまで摂ってきたサプリメントの選択は、ほぼ間違っていないと再確認できます。

前後しますが、冒頭にはプラシーボ効果について、脳内の作用を最近の知見も含めて、一般にも分かりやすく説明されています。「効くと信じて飲んでいれば効く」というのは、科学的にも証明された真実であり、サプリメントについては「プラシーボ効果も効果のうち」だと書かれています。「プラシーボで治って何が悪いか」と私も以前にこのブログに書いていますが、我が意を得たりという心境です。

気になるサプリメントが、微妙な「効果なし」のものであっても、重篤な副作用がなければ試してみれば良いのです。

サプリメントに関心を持つがん患者が一読すべき著作として紹介します。

著者の高田明和氏は生理学・血液学・脳科学の専門家であるとともに、『魂をゆさぶる禅の名言』『人生が開ける禅の言葉』という著作もあります。こちらにも興味が湧きます。

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千葉徳州会病院 治験開始

千葉徳州会病院のサイトに、膵臓がんに対するがんペプチドワクチン治験開始のお知らせがアップされました。

現在、当院で標準療法不応膵がん患者さまに対して「がんペプチドワクチン療法」の第Ⅲ相治験を実施しております。    

  膵がんの治療薬として開発中の注射剤です。3種類の有効成分が含まれており、それぞれの有効成分は、投与することにより体の中で免疫反応がおこり、リンパ球の一種である細胞傷害性T細胞(CTL)が活性化します。
   このことは、国内で実施された3種類の有効成分を含むペプチドの臨床研究の結果から確かめられています。この活性化したCTLが直接的にまたは間接的にがん細胞を攻撃して、がんの増大や進行を抑えたり、がんを小さくしたりすることが期待されています。

標準療法(ゲムシタビン塩酸塩(ジェムザール)による治療)に対して効果がなかった膵がんの方が対象となります。
ただし、治験を安全に行うため、この治験に参加していただく患者さまの条件が設けられております。そのため同意をいただいても、残念ながら参加していただけない場合がありますので、ご了承ください。
   下記項目に、該当しているかご確認ください。    

    ①     当院に通院できる方    
    ②     「膵がん」であることが確認されている方    
    ③     標準的な治療法によって効果がなかった方    
    ④     20歳以上で80歳以下の方    
    ⑤     白血球のHLA型がA*24:02の方(当院で検査します)    
その他上記以外にも、参加いただけない条件もございます。    

基本的に週1回当院に通院していただき、膵がんペプチドワクチンの皮下注射を行います。    

ワクチン注射部位に発赤、硬結、時として発熱、悪寒、頭痛、不快感などが認められることもあります。
   またその他にも認められておりますが詳細となりますので、ご参加いただける条件に一致した方に対してご説明させていただきます。    
治験に参加できるかを確認するための診察・事前検査・薬剤費用は、通常保険診療の負担となります。    
治験に参加されることになりましたら、がんペプチドワクチン投与に関わる費用および、治験期間中の検査(血液検査・画像)についての費用は、治験依頼者が負担します。    

2012年4月~2013年12月(予定)   ※登録状況によって募集期間が変更になることがあります。    

    千葉徳洲会病院 治験センター 担当者:古賀
TEL:047-466-7111(代表)
【お問い合わせ時間】平日(祝日除く)9:00 ~ 17:00

2012年3月24日 (土)

すい臓がん治療の実力病院

日経実力病院調査2011のデータが公開。手術例50以上。

脾(ひ)臓を含む膵臓のがんの「手術あり」が2010年7月から11年3月に136例と全国で最も多かったのは大阪府立成人病センター(大阪市)。しかし大東弘明・消化器外科部長は「4b期で手術できない患者も多い」という。

 肉眼的には切除できても完全に切除できなかったり、肝臓に転移したりして再発することが多く、5年後の生存率は10~20%程度。他のがんに比べて治療成績が悪い中、手術前に抗がん剤と放射線の治療を行うことが注目されている。

 手術前は膵臓への血流が保たれていて放射線の効果が大きい。また「膵臓がんの手術は特に身体的負担が大きく、術後に抗がん剤や放射線治療ができないこともある。術前ならば必要なだけ治療できる」と大東部長。同センターでは肝臓での再発を抑える治療法も導入。手術前後の抗がん剤、放射線治療と組み合わせ、手術5年後の生存率が56.2%に上った。「難しいがんの代表とされてきたが、手術前後の治療を併用すれば5年以上生存できる患者が増えてきた」という。

 こうした治療成績の向上を支えているのが膵臓がんで使える抗がん剤の増加。01年にジェムザール、06年にTS―1が承認され、同センターの消化器検診科の井岡達也副部長は「進行した膵臓がんの5年生存率を10ポイント以上改善した」と話す。昨年7月にタルセバが承認され、海外に比べて承認の遅れ(ドラッグラグ)が目立っていた膵臓がんでも選択肢が増えてきた。

 ただ、それぞれ効果や副作用に特徴があり、タルセバは生存期間を25%延ばす結果がある半面、湿疹や1割弱の患者に重篤な間質性肺炎が起きている。ジェムザールは副作用が少なく重篤患者にも使いやすいが、効果はタルセバには及ばない。TS―1も肺の副作用が少ないが、下痢や食欲不振を起こす患者もいる。

 井岡副部長は「抗がん剤をどう使うかは患者の状態や希望で異なる。患者と相談しながら決める」という。さらに手術不能だったがジェムザールとTS―1を併用して放射線治療を行った結果、がんが縮小して手術可能となった患者もおり、「今後の可能性に期待している」(井岡副部長)。

 抗がん剤の使い方については、「手術なし」が157例と多い県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)が中心となり07年に設立した研究グループ「JASPAC(ジャスパック)」も取り組んでいる。現在34医療機関が参加。「膵臓がん患者は施設ごとでは少ない。複数の医療機関が協力して、手術に加え、どの抗がん剤をどのタイミングで使うか研究している」と同センターの上坂克彦副院長(肝・胆・膵外科)。

 手術後に抗がん剤や放射線治療を実施する医療機関も多く、術前治療は注目を集めているものの「抗がん剤単独と放射線併用のどちらが有望か、まだ分かっていない」(上坂副院長)。このため4月にも術前治療として抗がん剤単独と放射線併用の各治療成績を比較する臨床試験を始める。

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難治性がん新薬 実用化 第1弾久留米大などでがんワクチンの治験

難治性がん新薬 実用化を後押し

 研究段階にとどまっている難治性がんや希少がん治療薬の実用化を後押しするため、厚生労働省は2012年度から、大学などが始める新薬承認に向けた治験の助成に乗り出す。患者の少ないがん治療薬の研究開発を治験段階に引き上げる新たな取り組み。第1弾として6月にも久留米大(福岡県久留米市)などでがんワクチンの治験が始まる見通し。

 助成対象の疾患は、難治性の膵臓(すいぞう)がんや肺がん、肉腫、小児がん。同省は九州に患者が多い難治性血液がん・成人T細胞白血病(ATL)も含める方針で、12年度予算案に関連予算28億6千万円を盛り込んでいる。

 難治性がんや希少がんの新薬開発は、患者が少なく研究投資に見合う収益が得られにくいことから「製薬会社が二の足を踏みがち」(同省研究開発振興課)。大学などが研究開発に取り組んでも、臨床データを収集する治験段階に進めず、足踏みしているケースが少なくないとされる。

 このため、助成対象は企業ではなく大学などの研究グループから選抜。新薬承認に必要な3段階の治験のうち、安全性や有効性を確認する第2段階までの経費を同省が負担する。治療の成功率を調べる第3段階は名乗りを上げた製薬会社に引き継ぎ、新薬研究を実用化につなげる狙いだ。

 全国八つの研究グループが取り組む第1弾は、患者の免疫力を活用してがん細胞だけを攻撃する「がんペプチドワクチン」の実用化を目指す。このうち久留米大では先端癌(がん)治療研究センター臨床研究部門の野口正典教授のグループが、有効な治療法がない前立腺がんの一種について6月にも治験を始める。

 同省はがん細胞特有の分子を狙い撃つ「分子標的薬」を中心とした新型抗がん剤の実用化研究も対象にする方針。同省がん対策推進室は「第2段階の治験まで終えて有効性を確認できれば企業も手を出しやすい。新薬を研究段階で終わらせず、治療薬を待ち望む患者に届けられるよう後押ししたい」としている。

=2012/03/23付 西日本新聞朝刊=

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中村祐輔教授講演会

22日の講演会に参加しました。目黒駅から東大医科研まで歩いて行く途中、自然教育園のとなりの公園で一本だけ咲いている桜を見つけました。ソメイヨシノではないでしょう。早咲きだから河津桜? 色からすると小彼岸桜? 種類は分かりません。
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東大医科研の1号館前も、気の早い春の訪れが来ていました。
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注目の講演ですが、会場には座りきれないほどの聴衆が集まり、立ち見の人もでるほど。しかし、内容は私の期待したものではなく、これまでの中村教授の研究の集大成を一般向けに易しく解説したものでした。その研究成果からすれば、当然すばらしい結果になるはずですが、先日のオンコセラピーの、「がんワクチンの有効性は証明できず」との乖離を説明してはいただけませんでした。テレビカメラが2台入っているので話す内容にも限界があったのでしょう。

講演内容はこのブログでも紹介を超えるものではないので省略しますが、千葉徳州会病院の臨床試験で一人の長期生存例があるのは、ペプチドワクチン単独の投与であり、抗がん剤との併用ではなかったことが影響しているのではないかと思いました。
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中村教授も講演の中で政府と官僚を激しく批判するとともに、抗がん剤で痛めつけてからペプチドワクチンを投与しても効果が小さいと強調していました。先の「有効性証明できず」との発表もそれが一番大きな原因でしょう。分かりきったことですが、日本の法律上では抗がん剤と併用でないと治験がなかなか認められません。この点でも欧米に後れをとっているというのが中村教授が怒りをもって強調していた点です。

一つ希望の持てる内容は、東大病院長の挨拶で、「先日がんワクチンのCaptivationネットワークの会議があり「熱気に溢れていた」と紹介されたことです。臨床試験を行っている医師はこのワクチンに大きな希望を持っているのだろうと推測できます。

4月からの40施設はまだ公になりませんが、この58のCaptivationネットワークの病院のほとんどが対象になるのだろうと思います。
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2012年3月21日 (水)

OCV-C01国立がん研究センターで募集開始-消された!

がんペプチドワクチンOCV-C01の臨床試験を行なう40施設の発表がありませんね。千葉徳州会病院も今月中旬にはと言っていたのですが、今日時点でも臨床試験に参加するかどうか公表されていません。中村教授のサイトも同様です。

私が掴んでいる範囲で実施施設を書いておきます。これらの機関以外の情報をお持ちでしたら、公表できる範囲内で結構ですのでコメント欄で紹介していただけるとありがたいです。

3月13日にコメント欄に国立がん研究センター中央病院が募集を開始していると紹介しましたが、がんとは関係のない記事へのコメントだったため見逃されたようです。改めて紹介します。

国立がんセンターのサイトからはは消されてしまったようです。勇み足で発表した?? 治験全体のページをリンクしておきます。

  • 国立がん研究センター中央病院で実施している治験など
    膵癌 T3876 OCV-C01
  • 静岡がんセンター
  • 岩手県立医大附属病院(年末に開始予定?)
  • がん研有明病院
  • 千葉徳州会病院(未発表だが4月から予定?)

何人かの方からの情報に基づくものであり、私が直接確認したものではありません。不確かな情報だとご承知ください。

また、東大系のがんワクチンが注目されていますが、それ以外にも阪大、久留米大のワクチンもあり、ペプチドパルス樹状細胞療法などの治験もあります。がん情報サービスの「がんの臨床試験を探す」を参考にしてください。

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パソコンの引っ越し

今使っているパソコンが4月で5年になる。ときどきハードディスクエラーが生じたりするので(その都度リカバリーしているが)そろそろ買い換え時だろうと、新しいパソコンを購入した。

このパソコンを買ったのが2007年4月19日。その2ヶ月後に膵臓がんの告知を受けて情報収集やブログを書くのに使って、ともにがんとの闘いをくぐり抜けてきたいわば「戦友」である。がんとの情報戦において、よく働いてくれたと感謝している。XPのセキュリティープログラムのサポート機関が2年後の2014年4月だから、いずれは買い換えなければならないので、ここで役割を終えてもらうことにした。

実は、このXPパソコンをずっと使い続けて、これを最後のパソコンと考えていた。膵臓がんでは2014年のXP Professionalのサポート終了までは生きていられないだろうと予測できたからだ。しかし幸いにもこの予測ははずれそうだから、買い換えることにした。

新しいパソコンの構成は、

  • 【 OS 】Windows 7 Professional 64ビット
  • 【 CPU 】インテル Core i7-2700K プロセッサー (4コア/3.50GHz/TB時最大3.90GHz/8MBキャッシュ/HT対応)
  • 【 CPUファン 】水冷CPUクーラー
  • 【 メモリ 】8GB メモリ [ 4GB×2 (DDR3 SDRAM PC3-10600) / デュアルチャネル]
  • 【 HDD1 】1TB SerialATAII 7200rpm
  • 【 マザーボード 】インテル H61 Expressチップセット
  • 【 VGA 】◎NVIDIA GeForce GTX550 Ti /1GB/Dual DVI
  • 【 ドライブ 】ブルーレイディスクドライブ(ブルーレイ書込対応/DVDスーパーマルチ機能搭載)
  • 【 拡張カード 】3波(地デジ/BS/110度CS)対応ダブルチューナー/リモコン付 [PIXELA PIX-DT230/高画質10倍ダブル録画対応]

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と、これ以上の構成はオタク系のゲームマシーンであろうという内容である。それでも10万円を少し超える価格。安くなったものだ。スペックを抑えれば10万円以下にして青色申告で一括償却が可能だが、今年も住宅ローン控除のおかげで少ししか払っていない所得税が全額還付される予定だから、これ以上減価償却を増やしてもムダである。一括で償却するよりは3年の均等償却できた方が都合がよい。そのためには10万円を少し超える価格になるようにという理由もあった。

OSは今からなら64ビットだろう。対応しないドライブはほとんどないから、写真データを扱うには8GBは魅力的だ。CPUをCore i7-2600にするか2700Kかと迷ったが、4000円くらいの違いでこちらにした。こだわったのは水冷CPUクーラー(写真で蛇腹の付いている)。CDはすべてFlacフォーマットに変換してネットワークHDDに保存してあるから、音楽を聴くにはPCのファンの音が耳障りにならない程度であって欲しい。だから水冷CPUクーラーである。

昔NECから水冷パソコンがでたときにも欲しかったのだが、当時はバカ高くて手が出なかった。今ではアマゾンでも水冷CPUクーラーユニット が7000円くらいで販売している。自作PCでも可能な値段になってきた。 GTX550 Tiはマルチディスプレイにするため。これも結構発熱するので大きなファンが付いている。マルチディスプレイに慣れると元には戻れない。とにかく作業が楽である。私の部屋にはテレビがないが、3波対応のダブルチューナーを拡張ボードに入れて、原発やがん関係の番組を観るだけだから、このテレパソで十分である。

古いPCは娘が使うことにしたので、2台のパソコンの引っ越しに忙しい。引っ越しは全て手作業である。対応したソフトもあるが、これまで満足に引っ越しできたものはない。32→64ビットへの引っ越しならなおさら、自動では危なっかしくて任せられない。

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2012年3月18日 (日)

チェロアンサンブル合同練習

昨日は6月のフェスティバルに向けての合同セミナー。雨でしたが車でなく電車で行きました。直腸が無くても、膵臓が無くても、還暦をすぎたがん患者でも、俺は元気だぞ! とハッパをかけ、チェロケースを背負って駅の階段を上り下りしましたが、やはり今日はひざが痛い(´д`)。

チェロが60台も揃うと壮観で、音合わせでは地響きがするかと。飼い犬の病気のせいもあってほとんど練習していかなかったのですが、他のみなさんは結構弾きこんでいる様子で、いささか慌てました。
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サン・サーンスの「白鳥」をいきなり通しで演奏させるし、「夜のストレンジャー」は、これも譜面には♩=90と書いてあるのに「♩=100でいきましょう」と、私からすると"速度違反"かと思うほどのテンポで、しかも初見に近い状態で弾かされ、泡を食ったようにあっぷあっぷでした。

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モーツアルトのレクイエムから第8曲「ラクリモーサ(涙の日)」。これはモーツアルトの絶筆で、未完成だったのを弟子が完成させたもの。今回のチョロアンサンブル用に4パートに編曲されたものですが、重厚さもあって良い編曲です。バイオリンだと4パートにしてもこのようにはならないでしょうね。チェロの音域の広さと低音部の特徴を引き出した編曲です。

2時間の練習を全てPCM録音したので、これを聴きながらみなさんに追いつかねばなりません。関東全域から集まっているようで、遠くの方は車で2時間かけてやってきたといっていました。50~60代の方が多そうです。6対4で女性が多く、退職した年代と家庭の主婦層が大部分ではないかと感じました。

指揮は私の先生である石黒豪先生。的確な指導で弾き方を指示すると、みなさんみるみる音が変っていく様が分かります。良い演奏会になりそうな予感がします。

<<6月までチェロ特訓だ!! >>

2012年3月15日 (木)

ペットの安楽死は中止

我が家のヨークシャーですが、なんとか安楽死を免れています。
先の日曜日には、獣医の先生からも「そろそろご相談をしなければと思うのですが・・・」と言われました。しかし、次回の検査結果が出てから考えることにして、「もうしばらくお願いします」と返事をしたのですが、その後急に元気になってきました。

慢性腎不全はあいかわらずで、膵臓の機能も落ちている。超音波検査では明らかな腫瘍らしき影は見えません。たぶん膵炎だろうと。そして治療の効果が出てきたのか、食欲も旺盛になり、ぐったりしていたのが点滴の注射をするときには先生に噛みつこうとするくらい元気が戻ってきました。元のようにとはいきませんが、よたよたしながらも部屋の中を歩き回っています。

もうダメか? と思っても余命というのは本当に分からないものですね。毎日日帰り入院が続いていたのですが、一昨日からは自宅でリンゲル液の注射、内服薬のみで治療を続けています。こんな毎日だったので、申し訳なくも3.11の一周年だというのに、どこの集会にも参加することができませんでした。

治療をどこで止めるか? 回復の見込みがなく、苦痛があるのならその時には安楽死を選択する、と考えていたのですが、明らかに回復の見込みがないとの判断は難しい。むしろ、こちらの経済力が限界になってきたらその時かも。入院が数ヶ月も続いたら経済的にも続けることは困難でした。

人間の場合も似たようなものですね。ペットとは違って一応健康保険があるとは言え、高額な医療費が負担できるかどうか、緩和ケア病棟やホスピスに入院するには経済力も必要です。自宅で最後を迎えることが叶うのは、往診してくれる医者がいて在宅ケアに対応できる介護が受けられて、家族が一定の世話ができることが必要条件だともいわれます。また、住居もそれなりの広さがなければならない。

私も経験がありますが、ペットとは違って、人間の介護は体重が大きい分たいへんです。それにボケがあると用もないのに夜中に起こされることもがたびたびだと、家族も体が続かなくなります。「ぴんぴんころり」は願っても必ず叶うものではないし、死を迎えるのは、当人にとっても家族にとっても最後の大きな仕事です。

乳がん 後悔しない治療──よりよく生きるための選択 乳がん患者であり、抗がん剤を拒否してきた方で、ブログ「暗川」の渡辺容子さんがいまその最期を迎えようとしています。彼女の苦しみをしっかりと受けとめるためにも、ここに掲載させて戴きました。

「死ぬまでには大変な苦労がいるものだ」

「きょうで死にたい」と言いました。この痛さに耐えてまで生きることはないんだと思いました。食べ物は食べたいと思わないし、食べ物を食べる必要がない、生きる必要はない、と思いました。人間、食べたいと思わないのは、死んでもいいということだと思います。みんなが「ちょっとでも食べろ」と言いますが、私はそうは思いません。食べられないということは、死ぬことだと思います。網野先生にそう言ったら、「死ぬまでには大変な苦労がいるものだ」と言いました。前に私は、人間の死ぬ時を決めるは人間だと思いました。だから、「みんな生きていてほしい」と言ってくれるけど、それはみんなの押し付けだと思います。もうすぐ死にたいです。でも、みんなが生きていてほしいということで、点滴されちゃったわけです。網野先生が「まだ点滴しよう」というので、しょうがなくて。とにかく死んでもいいほど痛いです。もう終わりにしたいです。頭が麻薬でバカになっちゃたから考えるの大変です。とりあえず、いまの状態を報告しておきます。なお、この文章は口述で代筆してもらいました。こういう状態なのでメールは送らないでください。

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2012年3月11日 (日)

3.11 私達が変らなければこの国は変らない

がんは生活習慣病だといいます。これまでの不摂生な生活ががんになった一つの要因だというのです。だからがん患者は即刻生活を180度変えなければならないと。脂っこい食事を止め、運動不足を解消するために歩いたり、規則正しい生活、ストレスを溜めない生活をし、きまじめな責任感の強い完全主義的な仕事のやり方も改めることです。

1年前の東日本大震災によって引き起こされた福島原発事故は、これまでの日本人のありように対する大きな警告でした。誰かの犠牲のもとでの当座の豊かな生活、資源を惜しみなく投入する大量消費の経済、いやなものは金を払って誰かに押しつけるという金持ち根性。いずれやってくる破局を予期しながらも、今日一日の贅沢に目を奪われてきた私達。まさにがん患者ががんになるべくしてなったように、フクシマは起きるべくして起きたのです。

だとすれば、私達は変らなければならない。しかし、この1年、この国は変ろうとしてきただろうか。ストレステストなるもので「安全が確保できる」と称して原発の再稼働を進めようとしている。「科学的に安全が担保できると証明されているのに、安心できない大衆は無知だ」と言わんばかりである。福島原発と同様の事故が起きる確率は500年に1回だとか、1000年に1回だとか計算してみせるが、現に福島原発は4基の原発が破局的事故になったのだから、事故の起きる確率は100%なのだ。事故が起きてしまったのに、事故の起きる確率を計算するというばかげたことを、専門家と称してやっている。これは逆の例えであるが、3億円の宝くじに当たった人を捕まえて「宝くじに当たる確率はこれこれで、限りなくゼロに近い。だから買うのはばかげている」と説教しているようなものではないか。

セシウム137の半減期は30年だから、1000分の1になるには300年である。原発は一度事故を起こせば300年は立ち直れない。そして「起きる可能性のある事象は必ず起きる」のだから、回復不可能な事故に対しては、確率論では判断できないのだ。

「安全」は、残余のリスクを無視することによって確率を計算できるかもしれないが、「安心」はシステムに対する信頼性の問題である。そしてわが国の原発を推進しようとする人たちの無責任・無能力は十分に証明されたのであるから、このシステムにはまったく信頼が置けない。

あなたの家の地下深くに、先の戦争中にアメリカ軍が投下した不発弾が埋まっていることが分かったとしよう。専門家が来て「これまで60年間爆発しなかったのだから、爆発する確率は限りなく小さい。安全だから安心してください」と言うだろう。しかし、こんな家に安心して住めるはずがない。

先日公表された米原子力規制委員会(NRC)の内部文書に寄れば、4号機の使用済み核燃料プールが爆発することをアメリカは最も恐れていたという。今でもM8クラスの地震が来れば4号機の使用済み核燃料プールは倒壊する可能性が大きいと内外の専門家は危惧している。私もその時に備えて逃げる準備はしているが、逃げ切れるかどうかは分からない。たぶん関東と東北一帯に人は住めなくなるだろう。チェルノブイリの数倍の汚染事故になるだろう。

この4号機はたまたまWshot00281運良く大事に至らなかっただけであると、3月8日の朝日新聞が報じている。なんと、ミスによりシュラウド取り替え工事が遅れたので、本来はないはずの格納容器の上部に大量の水が残っていた。事故後、その水によって使用済み核燃料を冷却することができたというのである。

東京電力福島第一原発の事故で日米両政府が最悪の事態の引き金になると心配した4号機の使用済み核燃料の過熱・崩壊は、震災直前の工事の不手際と、意図しない仕切り壁のずれという二つの偶然もあって救われていたことが分かった。

4号機は一昨年11月から定期点検に入り、シュラウドと呼ばれる炉内の大型構造物の取り換え工事をしていた。1978年の営業運転開始以来初めての大工事だった。

工事は、原子炉真上の原子炉ウェルと呼ばれる部分と、放射能をおびた機器を水中に仮置きするDSピットに計1440立方メートルの水を張り、進められた。ふだんは水がない部分だ。

無用の被曝(ひばく)を避けるため、シュラウドは水の中で切断し、DSピットまで水中を移動。その後、次の作業のため、3月7日までにDSピット側に仕切りを立て、原子炉ウェルの水を抜く計画だった。

ところが、シュラウドを切断する工具を炉内に入れようとしたところ、工具を炉内に導く補助器具の寸法違いが判明。この器具の改造で工事が遅れ、震災のあった3月11日時点で水を張ったままにしていた。

4号機の使用済み核燃料プールは津波で電源が失われ、冷やせない事態に陥った。プールの水は燃料の崩壊熱で蒸発していた。

水が減って核燃料が露出し過熱すると、大量の放射線と放射性物質を放出。人は近づけなくなり、福島第一原発だけでなく、福島第二など近くの原発も次々と放棄。首都圏の住民も避難対象となる最悪の事態につながると恐れられていた。

しかし、実際には、燃料プールと隣の原子炉ウェルとの仕切り壁がずれて隙間ができ、ウェル側からプールに約1千トンの水が流れ込んだとみられることが後に分かった。さらに、3月20日からは外部からの放水でプールに水が入り、燃料はほぼ無事だった。

東電は、この水の流れ込みがなく、放水もなかった場合、3月下旬に燃料の外気露出が始まると計算していた。(奥山俊宏)

1年前のこのブログには、メルトダウンが起きている可能性を考えていたと書いている。3月16日には、東京を脱出するか目張りをしてプルームが行きすぎるのを待つかとも書いていた。逃げ切れないだろうから数日間は屋内に立てこもり、そのための食糧と水は確保していた。私の心配のしすぎではなかった。複数の幸運が重なって、たまたま「最悪のシナリオ」に至らず、今こうして東京に住み続けていられだけのことだった。

このような「運任せ」のシステムに命を預けて「安心」していられるとしたらよほどの脳天気である。

今日で大震災から丸一年が経った。大震災が起きる前と同じ生活を続けるつもりなのだろうか。考え方も生活も見直さなければ、また同じことが起きると分かっているはずではないか。

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2012年3月10日 (土)

オーダーメード医療に希望はあるか?

「オーダーメイド型医療」がさかんに言われています。これまでの医療が患者の個別性を無視してきたことへの反省もあるのでしょう。オーダーメード医療にも二つあると思います。一つは患者の遺伝子を調べて、薬の効果が出やすいかどうかを事前に知った上で投与する意味でのオーダーメイドです。例えばロハス・メディカルでは「あなたにオーダーメード医療を」と題して、12回にわたって連載しています。これは中村祐輔教授が紙面に連載したものをウェブで公開しているものです。

人間のDNA配列は人種差や個人差(遺伝的多様性)があり、細胞内で作られる物質の種類や量に個人差があります。これが病気を起こしたり、薬の効果や副作用の出方に影響を与えると考えられています。乳がんの術後補助化学療法に使われている「タモキシフェン」は、ある種の酵素活性の弱い人ではタモキシフェンを薬効成分に変えることができず、治療効果が見込めません。これが遺伝子を調べることで事前に分かっていれば「オーダーメード医療」が可能となり、ムダな治療をせずにすむわけです。

もうひとつの側面は、がん細胞に特異的なタンパク質を見つけて、それを免疫細胞に教え、免疫力でがん細胞をやっつけるという「がんワクチン療法」です。これは、がん細胞の遺伝子構造は同じ腫瘍なら同じ構造をもっているはずだということが前提になっています。しかし、先日報道されたように、第3相試験では、がんペプチドワクチンは生存期間の延長を証明することができませんでした。その理由はいくつか考えられます。患者の免疫力を低下させる抗がん剤ジェムザールと、免疫力を高めようとする「がんワクチン」を同時に使うというのは、素人が考えてもおかしい実験です。しかし、有効だと認められているジェムザールを使わないという方法は人道的に考えれば選択することはできません。

これが別の理由になる得るかもしれないというニュースがあります。ウォール・ストリートジャーナル日本語版の3月8日付の『がんの「オーダーメード医療に躓き』記事です。

8日付のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に掲載される研究報告の中で研究者らは、腫瘍の遺伝子構造は同じサンプルでもいくつもある場合もあることを明らかにした。がんのオーダーメード医療での課題を示す研究成果だ。
 この研究は、患者の腫瘍の単一のサンプルだけの分析―現在のやり方だが―では、病気の経過に影響する重要な遺伝子の変異を見逃す可能性があることを明らかにした。これは翻って言えば、腫瘍に影響する変異をターゲットとする薬を見つけるというオーダーメード医療の研究を妨げる可能性があるということだ。
 研究者らは、こうした腫瘍の遺伝的な研究が、がん治療を変えられるという期待をしぼませるものではない、と指摘しているが、オーダーメード医療がこれまで以上に複雑になり、費用もかかるものになる可能性はある。

腫瘍細胞ごとに遺伝子変異が違うとしたら、分子標的薬やペプチドワクチンの効果も一部の腫瘍細胞にしか効果がないということになります。このような話は、立花隆の『がん 生と死の謎に挑む』でも既に取り上げられていました。がん細胞の方がはるかに利口です。100年経ってもがんの征服はできないだろうと、立花隆も言っていましたが、しかし、科学は一進一退、こうして進歩するしかないのです。

膵臓がんの場合は、新生血管形成を阻害するワクチンの方が効果があるだろうと先に臨床試験をしたのですが、その結果は残念なことになりました。だから次は腫瘍に直接作用するワクチンをということですが、それは以前の説明と違うように思います。オンコアンチゲンを標的としたがんペプチドワクチンは、がん細胞そのものを攻撃するCTL(細胞障害性T細胞)を誘導するが、がん細胞がHLA分子の発現を引っ込めてしうと、がん細胞は攻撃から逃れることができる。だから、腫瘍新生血管を標的としたワクチンを開発したのが、今回の第3相試験だったはずです。

シカゴに赴任する前の中村祐輔教授が最後の講演が、『「がんペプチドワクチン療法」 ~がん患者に夢、希望、そして笑顔を~』と題して、3月22日に東大医科学研究所附属病院であるようです。この場で今回の治験の内容がある程度説明されるだろうと期待しています。時間が許せば参加したい。

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2012年3月 5日 (月)

がん研究センターの英断と民間調査委員会の胡散臭さ

もしも、がんが再発したら――[患者必携]本人と家族に伝えたいこと患者必携 がんになったら手に取るガイド』に続いて、『もしも、がんが再発したら [患者必携]本人と家族に伝えたいこと』の書籍出版に合わせてPDF版が無料公開されました。こちら

「もしも、がんが再発したら」作成の経緯』で作って戴いた方たちの想いを知ることができます。

再発に関する情報(冊子)については、がんと診断されて間もない時期に役立つ情報を取りまとめた「患者必携 がんになったら手にとるガイド」を作成している当初から、「がんになったときは大変、でも、再発したときも大変だった。ぜひ、再発したときにも支えとなる情報を取りまとめた冊子をつくってほしい」という声が多く寄せられていました。

2009年秋、この課題に取り組むことになった研究班が、がん対策情報センター「患者・市民パネル」に呼びかけ、再発がん、多重がんを経験された方を中心に8名が、がん専門医らとともにワーキンググループのメンバーとなりました。ワーキンググループでは、再発を告げられたときにどんな気持ちだったか、どんな支えが必要になるのか、体験者から伝えられることは何なのか、7回の検討会を重ねながら真剣に話し合いが行われました。がんの再発という事態に直面しても、「希望を持って生きる」助けとなりたいという願いを込めてつくられていきました。

多くの患者に活用して欲しいから無料のPDF版を書籍とともに公開するということは、歓迎すべき英断です。

一方で、こうした英断とはほど遠い出来事が、最近マスコミを騒がせました。(財)日本再検イニシアティブの福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)が2月28日に記者会見して報告書を出したとのニュースです。東京新聞はこのように報じていました。

 学者や元検事ら民間人でつくる「福島原発事故民間独立検証委員会」(民間事故調、北沢宏一委員長)は二十七日、報告書を公表した。菅直人前首相らから事情を聴き、東京電力福島第一原発の事故当時、政府内部が混乱していた状況を詳しくまとめた。問題点として、場当たり的な対応、規制当局の能力不足、縦割り行政の弊害などを指摘した。
 報告書によると、1号機の原子炉内の蒸気を放出するベント実施前に、避難区域が三キロとされたことについて、班目(まだらめ)春樹原子力安全委員長は「(放射性物質を含む気体を直接放出する)ドライベントは失念していた。ドライベントの場合、避難は三キロでは足りない」と述べた。
 1号機の水素爆発時、班目委員長は「あー」と頭を抱えるばかりだった。民間事故調の聴取に「水素爆発はないと首相に話していたので、水素爆発だと分かっても何も言えなかった」と答えた。

実際はその場で報告書はあっという間になくなり、参加した記者からも苦情が出る始末。事故調のウェブには次のようなお断りが載せられています。

記者会見後、多くの方々から入手方法についてお問い合わせをいただきました。当初は、非売品として部数を限定して作成しておりましたが、できるだけ多くの方に読んでいただけるよう株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンから書籍・電子書籍として実費にて緊急出版させていただくことにいたしました。

「非売品として限定作成」との口上もおかしい。記者会見の場にはカラー印刷された立派な報告書があったというから、この時点ですでに版下ができていたのではないだろうか。書籍が1575円、電子書籍が1000円で3月11日に発売されるようですが、あまりにも手回しが良すぎます。最初から販売する計画がなければ、2週間程度で書店に並べることはできないはずです。

そもそもこの組織が胡散臭い。理事長は朝日新聞の元主筆で、朝日新聞の経営の屋台骨が傾き出すとさっさと退職金ももらって逃げ出した船橋洋一です。委員長は北沢宏一・前科学技術振興機構理事長、そのほかにも遠藤哲也・元国際原子力機関(IAEA)理事会議長など、親米・原発推進論者の集まりです。元外交官・天木直人氏もブログでその胡散臭さを指摘しています。

(財)日本再検イニシアティブの理事には近藤正晃ジェームスという名前もあり、Twitter日本代表の肩書きです。実業家であり学者、世界経済フォーラムのヤング・リーダーで、かつ福島原発の原子炉を製作したGEの役員!という、絵に描いたような国際エリートです。

国民の関心が大きい福島原発事故の報告書なら、「できるだけ多くの方に読んでいただけるよう」に無料でPDF配布をすれば良いのではないか。事故原因を世間に知っていただくことが「調査委員会」の本来の役目であるならそうすべきです。資金源も不明ですが、このような団体が「民間」の名で出す報告書に信頼性はありません。自衛隊と米軍の救援活動をことさらに持ち上げている親米新自由主義論者の元記者と、御用学者、原発推進論者の私的な報告書にすぎないでしょう。

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2012年3月 4日 (日)

安楽死

2匹のヨークシャーテリアの年上の17歳のほうですが、死が近いようです。1年前に慢性腎不全になり、毎日輸液を皮下注射して頑張ってきたのですが、ここ数週間で体重が激減。さらに膵炎になっており、それも相当厳しい検査結果です。水も飲めない。飲んでも激しく嘔吐する状態が続いて下痢も頻繁にしています。水を飲もうとしてもがくのは見ていてもかわいそうなくらいです。毎日9時半に病院に連れて行って点滴、痛み止めの注射をし、夜8時に連れ帰っています。このような状態をいつまでも続けられるはずもなく、いずれ近いうちに安楽死を考えてやらなくてはならないと思っています。

大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書) たまたま今読んでいる本が、中村仁一さんの『大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)』で、よけいに延命治療、死に際のことを考えるのです。

「百歳まで生きてがんで死ぬ」のが理想だと、ブログの副題にも書いていますが、中村仁一氏も同じように言っていますね。がんの患者さんには是非とも薦めたい本です。中村さん本人が「自分は変人」と言うだけあって、生前葬はやる、実際に(できるなら寝る前に毎日)段ボール製の棺桶(エコクラフィン)に入ること推奨しています。ご本人もやっていると。

末期がんでも、何ら攻撃的な治療をしなければ、ほとんどモルヒネも必要なく、気分良く「自然死」をすることができるそうです。実体験に裏付けられた主張です。中村仁一氏は老人ホーム「同和園」の附属診療所所長で、そうした「自然死」の例をたくさんみたことで、今の医療が逆に”穏やかな死”を邪魔しているのではないかといいます。

このような考えから「がん検診」も不要だと主張しています。この点は近藤誠氏と同じですが、老年にさしかかったらがんで死ぬのは幸運だと思うべきだし、がんはあの世からのお迎えの使者なのだと。

ホスピスで安易に「心のケア」を言うのにも辛口の苦言を発しています。心理学をかじっただけ、カウンセリングの技法をつけただけの「畳の上の訓練」で読んだ覚えもないのに傾聴と称してやってき、したり顔で頷いたり「お気持ちは分かります」なんて言うな。死んだこともないのに末期がんの患者の気持ちが分かってたまるか、というわけです。

現代医療は、治せない病気に対して、治すためのパターン化した医療措置をやっているのではないか。胃瘻で栄養を強制的に入れたり、脱水だと点滴注射で水分補給、貧血なら輸血、利尿剤や吐き気止め、血圧が下がれば昇圧剤など。今我が家のヨークシャーがまさにそんな医療措置を受けています。

これらは、せっかく自然が用意してくれている、ぼんやりとして不安もおそろしさも寂しさも感じない幸せムードの中で死んでいける過程を、ぶち壊しているのです。

このような拷問医療、拷問介護”死”に合わないためにリビングウィルを書いておく方が良いが、日本尊厳死協会のひな形はまずいらしい。「延命処置は一切お断りします」と書いておいても「延命処置」とは何かが人によって違う。具体的に書くべきと言います。例えば(1)心肺蘇生(心臓マッサージ、電気ショック、気管内挿管)(2)気管切開(3)人工呼吸器(4)強制人工栄養(鼻チューブ、胃瘻、中心静脈栄養)(5)人工透析(6)輸血(8)強力な抗生物質。これらを「事前指示書」に書いておけばよいそうです。

もっとも中村さんが死ぬ準備を薦めるのは、それによって現在をよりよく生きるためです。我が家の飼い犬をみていると、犬にとってよりよく生きるとはどういうことか。1日1日を家族と共に過ごす。普通の生活を普通に送る。それだけのような気がします。しょせん人間にとっても同じではないでしょうか。癌であろうとなかろうと、今日という日をただ普通に過ごすこと。「有意義に日々を生きる」なんてしかめっ面しく考えずとも、だだ普通の1日があればよい。

家族との食事がおいしくて、少しの晩酌ができ、自分で自分のおしりが拭け、自分の足で歩け、少し不自由な体であってもそれなりに自分の意志で動かせる。こうした普通のこと、あたりまえのことが”有り難い”ものだと、がんになったらよく分かります。

延命治療をどこで諦めるか、その場になってみれば結構判断が難しいものですね。自分自身のことなら簡単に決められます。しかし家族やペットのことであれば、判断が難しいものだと、しみじみと感じました。

幸せなご臨終―「医者」の手にかかって死なない死に方

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2012年3月 1日 (木)

オンコセラピー・サイエンスの今後の方針

オンコセラピー・サイエンス株式会社の今後の開発方針がでています。
今後は「オンコアンチゲン」由来のペプチドを重点的に研究開発する。4月から予定のOCV-C01を用いた膵臓がんに対する臨床試験(COMPETE-PC Study)は予定通り実施するとのこと。

          

今後の開発方針についてのお知らせ

本日、〔新生血管阻害作用を期待したがん治療用ワクチン OTS102(Elpamotide、エルパモチド)第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(PEGASUS-PC Study)の進捗に関するお知らせ〕にてリリースいたしましたPEGASUS-PC Studyの結果を受けまして、当社としましては、今後の開発計画を以下の方針で行うことといたします。

当社のがんペプチドワクチンの開発パイプラインは、提携先が開発を行うパイプラインを含めて、2ページのとおりとなっております。これらには今回のOTS102とは作用が異なる、ゲノム包括的解析などにより見出された、正常組織にはほとんど発現せず、がんに高頻度に高発現する腫瘍抗原を標的とする「オンコアンチゲン」由来のペプチドワクチンが多数含まれております。今回の結果を踏まえ、今後は「オンコアンチゲン」由来のペプチドワクチンの開発、および複数のペプチドをカクテルワクチンとして開発することを優先します。さらには提携先製薬会社とこれまで以上に緊密な関係を構築することにより、各開発パイプラインの進展ならびに拡充を目指してまいります。

具体的には、まず、既に平成24年2月6日〔がんペプチドカクテルワクチン療法剤OCV-C01第Ⅲ相臨床試験(治験)開始のお知らせ〕にてリリースいたしました当社と大塚製薬株式会社が共同開発するOCV-C01は「オンコアンチゲン」を含み複数のペプチドを含有したカクテルワクチンであり、膵臓がんに高い抗腫瘍効果が期待されます。このOCV-C01を用いた膵臓がんに対するCOMPETE-PC Study(コンピートピーシースタディー:COMbined PEptide ThErapy for Pancreatic Cancer)は、承認申請を目指した第Ⅲ相試験であり、すでに臨床試験を開始しております。今後、早期の承認をめざし、開発を促進させてまいります。

次に、当社がライセンスアウトし、塩野義製薬株式会社が開発している膀胱がんワクチンおよび食道がんワクチンも複数の「オンコアンチゲン」由来のペプチドを用いたがん治療用ワクチン製剤であり、現在第Ⅰ/Ⅱ相試験が順調に進行しております。

さらに、自社開発である胃がんに対するワクチン(OTSGC-A24)は、複数の胃がん特異的「オンコアンチゲン」由来のペプチドを用いたがん治療用ワクチン製剤であり、現在、シンガポール大学にて第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施中であり、順調に進行しております。

小野薬品工業株式会社にライセンスアウトした肝細胞がんワクチンは、肝細胞がん特異的「オンコアンチゲン」由来のペプチドを用いたがん治療用ワクチン製剤であり、現在、本年中の臨床試験開始を目指し、非臨床試験を実施中であり、順調に進行しております。

なお、平成24年3月期の業績予想につきましては、当初の予定通りに推移すると見込んでおり、平成23年5月13日に開示しております業績予想に変更はございません。

以上、当社の創業以来の企業使命である「有効性が高く、より副作用の少ないがん治療薬・治療法を一日も早くがんに苦しむ患者さんに届けること、がんとの闘いに勝つこと」を可能な限り早期に実現すべく、今後も研究開発を進展させてまいります。                          以上

20120229_02_2

(※)オンコアンチゲン
 がん細胞に特異的に発現し、増殖能などがん細胞に必須の機能を有する一方、正常細胞には極めて発現の低い分子で、細胞傷害性T細胞から認識される抗原性を持った腫瘍特異的な標的分子を指します。

放射能汚染された山や川や魚は、私たちが生きている間はもとには戻らない。

久しぶりの原発ネタです。もちろん忘れていたわけではありません。書きたいことも書かねばならないこともたくさんあるのですが、追いつきません。

釣りファン向けの雑誌「フライの雑誌社」のサイトにある「あさ川日記」に、関東地区のヤマメ・イワナの放射能汚染が下がらないと書かれています。私も東京のみずがめである群馬、奥多摩の山間地の汚染が気になっていましたが、多摩川も丹沢水系もセシウムによる汚染が続いています。あさ川日記の2月26日の記事を紹介すると、

渓流魚の放射能汚染を釣り人としてどう受け止めるかについて編集部の考え方

(各県の汚染度が書かれているが、群馬、東京、神奈川だけを転載する)

群馬県 2/27発表
桜川 ヤマメ 299ベクレル/kg
沼尾川 伊香保町 ヤマメ 336ベクレル/kg
烏川 イワナ 166ベクレル/kg
薄根川 ヤマメ 257ベクレル/kg
※群馬県の対応
_______ 
東京都 2/23発表
多摩川水系秋川 あきる野市 ヤマメ 81ベクレル/kg
_______ 
神奈川県 2/21発表
相模川水系本谷川 清川村 ヤマメ 33ベクレル/kg
酒匂川水系狩川 南足柄市 ヤマメ 27ベクレル/kg
酒匂川水系皆瀬川 山北町 ヤマメ 37ベクレル/kg
_______ 

釣り人がいくら腕をみがいて、道具にこだわって、ムシを勉強したところで、釣り場がなくなったらどうしようもない。メーカーはスクールやって、新しい道具を作って売ったところで、どこでなにを釣ればいい。地元観光業者があの手この手でがんばって釣り人を集めても、放射能で全てがおしゃかになる。イワナやヤマメを増やそうと努力してきた水産研究者も、なんのために増やすのか分からない。気持ちのいい釣り場作りに携わってきた釣り人たちも同様。川から子どもたちの歓声が聞こえない。

放射能は差別しない。しかもまだ出てる。

河川がいったん放射能汚染されたら、20年以上たっても魚の汚染は消えない。それはチェルノブイリ事故で明らかだ。かといって河川や山を除染するのは不可能だ。きわめて残念なことだけれど、福島第一原子力発電所の事故で放射能汚染された山や川、そしてそこに棲んでいる魚たちは、ぼくたちが生きている間はもとには戻らない。

だから、せめて、もうこれ以上の放射能汚染を引き起こすような原発はやめましょう、という結論になる。ごく単純な理屈だ。そもそも原発が出す核のゴミ捨て場さえ決まっていないのだ。「リリースなら釣らせてくれてもいいんじゃないか」と喧伝するひとは、こういうことになった根本要因を見つめなおさないと、本当に釣り場がなくなる。根っこを見つめてこなかったら、こうなった。私たちの代で日本の釣り場をなくしてしまっていいはずがない。

チェルノブイリ事故および、世界各国の原子力施設による淡水魚の放射能汚染のデータは、たくさん残されている。対して、日本ではほとんど研究されてこなかった。そこで世界の淡水魚汚染のデータを読み解いて、日本の淡水魚の現状を知り、未来を予測する。

フライの雑誌社では近く、日本と世界の淡水魚と放射能汚染について考察した、水口憲哉氏の書き下ろし新刊を発行する。

東京都の水道水はまだ大丈夫のようですが、NDではあっても3.11以前に比較すれば数十倍の汚染度にはなっているはずです。

1000年に一度とか、原因は津波か地震かとか、マークⅠ型でなければ起きなかったとか、あれこれ理屈を並べ立てなくても、子どものような素直な目で見て考えれば、「これ以上山や川、国土を汚染する原発は止めよう」となる。確率は小さくても事故は必ず起きる。原発だって飛行機だって同じだ。原発事故と航空機事故が違うのは、原発事故は、自然と”多数の”人間に、何世代にわたって回復不可能で深刻な影響を与えるという点だ。電気が足りるか足りないかなど枝葉末節な話なのだ。

これからどうなる海と大地―海の放射能に立ち向かう 放射能がクラゲとやってくる―放射能を海に捨てるってほんと? 海と魚と原子力発電所―漁民の海・科学者の海 (人間選書)

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