« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »

2012年5月

2012年5月31日 (木)

セシウム137の体内放射能(1)

4月からの「食品中の放射性物質に係る新たな基準値」が施行されて2ヶ月が経とうとしている。100Bq/kg以下の食品は「安全」であるとして、年間の被ばく線量も1mSv以下だと公表されている。福島県ではホールボディカウンターの測定結果を、これもシーベルト単位で公表しているが、1mSv以下と以上で分けて人数でしか発表していない。南相馬市立総合病院の坪倉正治医師はアピタルで次のように言っている。

しかしながら、事故後1年経った今では、検出されたセシウムがいつ摂取したものかわからず、Sv値を正確に計算することが不可能です。実はSvの計算方法(仮定の置き方)が数種類あり、どのような仮定をおくかで、Svの値が2桁ぐらい変わってしまいます。

これでは福島県のホールボディカウンター測定結果も信憑性がない。むしろベクレルのままで公表すべきだが、なぜかそうしない。内部被曝線量を小さく見せたいという思惑が感じられる。セシウム137を経口摂取した場合の、ベクレルからシーベルトへ換算するための「実効線量係数」は1.3×10^-5とされており、これにはストロンチウムやプルトニウムなどの寄与も含んでいるというが、根拠もはっきりせず、ブラックボックスである。実効線量係数は、内部被曝を過小評価する道具となっていると言っても良い。

放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ そこで、何回かに分けて内部被曝をベクレル(Bq)のままで考察してみる。使用する資料は、ICRP Pub.111『原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用』という長~い書名で日本アイソトープ協会から翻訳が出ている。現時点では無料でPDFファイルが閲覧できるようになっている。もう一冊は、ユーリ・I・バンダジェフスキーの『放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ』です。

汚染の特性

ICRP Pub.111の「2.2 汚染の特性」には、詳細な説明抜きで下のような図2-2が載っている。

1000Bqを1回摂取してその後は摂取しない場合、毎日1Bq摂取を1000日間続けた場合、同じく毎日10Bqを1000日間続けた場合の、体内放射能の推移をグラフ化している。本文にはセシウム-137の生物学的半減期としてどんな値を採用したかなどの詳しい説明はないが、

同じ総摂取量に対して期間末期における全身放射能は著しく異なる。これは、汚染された食品を日常的に毎日経口摂取する場合と、断続的に1回摂取する場合との負荷が本質的に異なることを示している。

と書かれている。

Image_000_2

10Bq/日は、成人の1日の食品摂取量を1.6kgとすれば、6.25Bq/kgの食品汚染度に相当する。これは多くの食品放射能測定器においてはほぼ検出限界でNDとなる値である。この食品を1年間摂取した場合の内部被曝線量(預託実効線量)はだいたい0.1mSv程度となるであろうから、ICRPに準じれば「健康への影響はない」レベルとなる。もちろん食品の新規制値100Bq/kgよりもはるかに小さい汚染度である。経口摂取したセシウム137の放射能値に実効線量係数をかければ預託実効線量が求まる、これがICRPの論理である。

更に詳しく検討するために、この図にいくつかの計算値を追加してみた。

Zu2_2

追加したのは、色付きの線で描いた

  • 初期値=1000Bqで1Bq/日の摂取→青
  • 初期値=1000Bqで10Bq/日の摂取→赤
  • 初期値=1000Bqのままで増減しない6.9Bq/日の摂取→オレンジ

の3組のデータである。

Pub.111の図2-2は実効半減期としていくつを採用したのか不明だが、私の計算では100日を採用した。ICRPと同じグラフができたので、こちらも100日を採用していると思われる。

実効半減期とは

体内に取り込まれた放射性物質は、その同位元素の物理学的半減期と生物学的半減期にしたがって減衰する。1日に減衰する量は、体内に蓄積されている量に比例する。したがって減衰は指数関数となる。

Image_003 の関係がある。セシウム137の物理学的半減期は約30年であり、生物学的半減期は70~100日と言われている。また年齢別では次のようなデータがある。

 0~1歳     9日
 2~9歳    38日
 10~30歳  70日
 31~50歳  90日

セシウム137の場合は、物理学的半減期>>生物学的半減期であるので、物理学的半減期は無視しても良い。ここではICRPに倣って100日として話をすすめる。

考察

このグラフから、次のことが言えるだろう。

  1. ICRPも書いているが、1000Bqを1回摂取することと、1Bqを1000回摂取することは、総量は同じであっても最終の体内放射能は同じではない。1000日後、前者は0.98Bqであるが、後者は145Bqとなり、著しく異なる。
  2. 最初の体内放射能が0Bqでも1000Bqでも、継続的摂取の結果はある同じ値(平衡値)に漸近する。1Bq/日なら145Bq。
  3. 10Bq/日では同じように平衡値1448Bqに接近していく。
  4. 体内放射能が増減しなくなる1日の摂取量(a)は、初期の値(A0)と実効半減期(D)に依存する。A0=1000Bqのとき、a=6.9Bqである。(オレンジの線)

    Image_004
  5. 平衡値(Amax)は初期値には無関係で、1日の摂取量によって決まる。仮に初期の体内放射能が大きくても、2年ほどすれば平衡値に近づいていく。したがって、毎日の食事の汚染度は重要であり、10Bq/日以下であれば平衡値は1500Bqを超えることがない。

    Image_006

バンダジェフスキーの病理解剖データ

バンダジェフスキー氏は先に挙げた著作で次のように述べている。

とくに、心血管系疾患で死亡した患者の心筋には、消化器の疾患で死亡した患者より、確実により多くのセシウム137が蓄積していた。感染症で死亡した患者の肝臓、胃、小腸、膵臓には、心血管系、消化器系の疾患(おもに胃潰瘍や十二指腸潰瘍)で死亡した患者に比べて、はるかに多くのセシウム137が蓄積していた。感染症の子どもは、先天性欠損のある子どもより多くのセシウム137を骨格筋に蓄積していた。

チェルノブイリ事故で汚染されたゴメリ州(37~185kBq/平方メートル)の生後14日から14歳までの子どもを対象に心電図検査をおこなったところ、年齢層により55.9~98.1%の子どもに心電図異常が認められた。おもに不完全右脚ブロック洞結節伝導系の自律神経障害による異常であった。
ゴメリ医大に在籍する18~20歳の大学生では48.7%に明確な心電図異常が認められ、この学生たちのセシウム-137の平均濃度は26.00±2.00Bq/kgであった。
突然死した患者の部検標本を検査したところ、99%に心筋異常が存在し、心筋にはおよそ26Bq/kgのセシウム-137が取り込まれていることが分かった、としている。

体内に取り込 まれた放射性セシウムが平均 40- 60Bq/kgの場合、心室の心筋細胞に微細だが明確な損傷が認められた。全細胞の 10- 40%が非代償性の病変を起こし、規則的収縮ができなくなった。心筋の収縮機構が破壊され、組織溶解を伴わない萎縮性病変が観察された。筋小胞体網の細管が拡張し、ミトコンドリアの膨隆、巣状の筋小胞体の浮腫が認められたが、これらの病変は、細胞膜の浸透性の異常とイオン代謝の重大な変化を意味する。

Banda0

Banda1 セシウム137が、体重1kgあたり26Bqを超えると、危険な領域に入るとバンダジェフスキーは警鐘を鳴らしている。そして上のグラフによれば、毎日10Bqのセシウム137を取り込み続ければ、2年ほどで1450Bqとなる。体重が60キロの成人ならば24Bq/kgとなり、心血管系の異常が起きうる危険な蓄積量になる。1日の10Bqとは、食品の摂取量を1.6kgとして、食品の汚染度は6.25Bq/kgである。これはNaシンチレーターによる食品の放射能測定器の測定限界程度である。

(続きます)

続きを読む "セシウム137の体内放射能(1)" »

2012年5月30日 (水)

初夏

P1020341

梅雨入り前だというのに、まるで初夏のような暑さ。いつものウォーキングコースのアンパンマンも夏祭りの装いです。カラッとしているからまだ歩いてもそれほど汗はかかない。
もっとも政治の方は、まったくうっとうしいかぎりです。

1日に5キロを歩き
6杯のミル挽きの緑茶を飲み
まっ、こんなものかと、ストレスには無縁で
あってもTwitterとブログで発散し
毎晩欠かさず、糖質ゼロの『濃い味』と焼酎で良い気分になって
下手なチェロを、自分では感心しながら弾いている

良いと思ったことを ただ淡々とやるだけ
転移・再発? それを心配してどうなるのよ
人間の力の及ばない範疇だろう

原子力は、宇宙の根源のエネルギー そんなものがコントロールできると
おもいあがったから こんな事故になった

宇宙よりも複雑な人間の躰 思い通りになんかなるはずがない

癌だって 力の及ぶ範囲と及ばないことがある
「欲」があるから 悩みが尽きないのさ

さぁ、いよいよチェロアンサンブルの本番まであと二日。我ながら練習すれば何とかなるものだと、これは欲を出しても力の及ぶ範囲だ。
P1020347

続きを読む "初夏" »

先進医療実施機関の一覧

Twitterにも書きましたが、重粒子線治療が先進医療として承認されています。これは放医研だけではなく、兵庫県立粒子線医療センター・国立大学法人群馬大学医学部附属病院の重粒子線治療も同様です。

先進医療とは、先進医療分は自費で、それ以外は保険診療となる制度で、いわば厚労省が認めた「混合診療」です。生命保険会社では、特約で先進医療への給付を設けている例が最近増えています。これに加入していれば先進医療の自己負担分が生命保険でまかなえます。厚生労働省の「先進医療の概要について」では、費用について次のように説明されている。

Imageyositakapc001

さて、この先進医療実施期間の一覧が厚生労働省のサイトにあります。(概要や要件はこちら

重粒子線については上に書いた通りですが、その他、がん患者として関心のあるものを挙げると、第2項先進医療技術では久留米大のがんワクチンなど多数があります。久留米大だけではなく弘前大、近畿大、獨協医大で受けられることが分かります。

久留米大のテーラーメイドがんワクチン

  • 福岡県    久留米大学病院
  • 青森県    弘前大学医学部附属病院
  • 大阪府    近畿大学医学部附属病院
  • 埼玉県    獨協医科大学越谷病院

陽子線治療

  • 千葉県    国立がん研究センター東病院
  • 兵庫県    兵庫県立粒子線医療センター
  • 静岡県    静岡県立静岡がんセンター
  • 茨城県    筑波大学附属病院
  • 福島県    財団法人 脳神経疾患研究所附属南東北がん陽子線治療センター
  • 鹿児島県    財団法人メディポリス医学研究財団 がん粒子線治療研究センター
  • 福井県    福井県立病院

樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法

  • 大分県    九州大学病院別府先進医療センター
  • 滋賀県    滋賀医科大学医学部附属病院
  • 東京都    東京女子医科大学病院
  • 福島県    公立大学法人 福島県立医科大学附属病院
  • 大阪府    大阪大学医学部附属病院

自己腫瘍・組織を用いた活性化自己リンパ球移入療法

  • 山梨県    山梨大学医学部附属病院
  • 福岡県    久留米大学病院
  • 東京都    東京医科歯科大学医学部附属病院
  • 愛知県    愛知医科大学病院
  • 東京都    北里大学 北里研究所病院

自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法

  • 千葉県    千葉県がんセンター
  • 広島県    広島大学病院
  • 山口県    山口大学医学部附属病院
  • 岡山県    川崎医科大学附属病院

など多数がある。また、第3項先進医療技術には経皮的ラジオ波焼灼療法の実施期間が癌腫毎に多数登録されている。

インターネットで苦労して検索しても見つけることが困難な医療機関の一覧が一挙に閲覧できる貴重な情報である。

続きを読む "先進医療実施機関の一覧" »

2012年5月29日 (火)

今日の「あさイチ」 お茶ミルの方がましだと思った

今日のあさイチ。氷だしのお茶が香り、風味が良いと。でもそれはカテキンが出なくなるから。がん患者としてはカテキンがたくさんあり、しかも風味、香りが良いお茶の淹れ方を消化して欲しかった。カテキンをたくさん出すには80度以上、熱湯でぐらぐら煮てください、とのこと。私の今の淹れ方で良いらしい。掛川の習慣、湯飲みを回して残ったお茶の葉もすべて飲むのが健康の秘訣と紹介されていた。

Imageyositakapc095
Imageyositakapc097
Imageyositakapc101

お茶の葉にはビタミンAが多く含まれており、このビタミンAは、細胞のカテキン受容体(レセプター)を増やす働きがある。つまり、抗がん効果が更に高まる。

Imageyositakapc116
Imageyositakapc114

毎日5~10杯は飲んで欲しいと言っていました。毎食後と10時、15時で5杯になります。

私の飲み方、お茶ミルで挽き立てのお茶(香り、コクがある)を熱湯で溶かして、お茶の葉もすべて飲むほうが、より効果があるはずですね。冷水や氷を使わなくても渋みの気になりません。カテキンの少ないお茶なんて、がん患者の役にはたたないなぁ。

P10105191

私のお勧めのお茶と「がんに効くツールセット」は、これ。

価格も手ごろでたくさん飲むのに最適です。味と香りは、毎日飲んでいる私の保証付き。もうひとつは宇治田原製茶場さんが毎年春先限定で販売している「深蒸し茶 蔵ざらえ」。1kgで4千円弱、粉茶ですがお茶ミルで挽くには問題なく、さすがに宇治茶で(掛川よりも放射性セシウムも少ないはず)味も良いです。(もう完売です)大飯原発に事故があれば、宇治茶も全滅だよな。

緑茶関係のほかの記事

  1. 緑茶の放射能と抗がん作用、どちらを選ぶ?
    常にやっかいで怖い放射性同位元素である。緑茶のタンニンがこのストロンチウム90の吸収を防止する効果があるとの情報が流れている。どうやら情報もとはこちらのお...
  2. 新茶から放射性セシウムが検出されたから、私はお茶を飲む
    茶」のブランドで販売されており、県内産の緑茶を一斉に出荷停止にする。同市以外の産地の生葉も早急に検査する。また、静岡県の茶葉とタマネギからもセシウムが検出...
  3. 緑茶はがんに効くか?(2)
    れまで分かっているデータから、がん患者は緑茶についてどのように対応すれば良いのでしょうか。緑茶に限らず、補完代替医療のすべてに対しても、私たちは時には正反...
  4. 緑茶はがんに効くか?
    す。膀胱がん、食道がん、膵臓がんの予防に緑茶の経口摂取で有効性が示唆されている。緑茶の飲用がある種のがん(膀胱がん、食道がん、膵臓がん)リスクを低減させる...
  5. ためしてガッテン 掛川茶
    掛川スタディのホームページ 掛川市HP「緑茶の生活習慣病予防研究」市民への研究協力のお願い(PDF)10万人あたりのがん死亡率上位15都市にはお茶の産地が...

源宗園 楽天市場店の深蒸し茶が、苦みの中にも甘みがあり、コストパフォーマンスも優れています。巴富士・錦富士が私の定番です。

   単品購入ならこちらから

  1. 深蒸し茶 静岡県産 道場六三郎監修 深蒸し煎茶 巴富士
  2. 【お試し用・送料無料】道場六三郎監修 深蒸し煎茶錦富士

続きを読む "今日の「あさイチ」 お茶ミルの方がましだと思った" »

Twitterも使ってみようか

気になった情報はEvernoteに保存して「ブログの種」のタグをつけておき、あとで記事に書くようにしているが、なかなかまとまった時間がないと書けない。そのうちにネタが古くなってしまう。ことがよくある。

それでTwitterで簡単につぶやいておけばと思いたち、サイドバーに私のTwitterログをガジェットとして配置してみました。

なかなか使い勝手が良い。「この情報は書いた」と、頭の中でチェックマークをつけることができる。あまりのめり込むつもりはないが、Twitterで済まして本文を書くことが少なくなるかもしれない。

今後は、情報の紹介はTwitterで、意見や考え、がんとの付き合い方などはブログの本文でと、使い分けます。

ときどきTwitterのガジェットをスクロールしていただくと、気になるニュースが見つかるかもしれません。

2012年5月28日 (月)

大往生なんか、せんでもええやん!

大往生なんか、せんでもええやん! (介護ライブラリー) 治らないがん患者に、いずれ訪れる末期になったらどうするかという選択。「もう治療法がありません」と言われ、胃瘻(いろう)をつけて放り出されることになる。5月17日の「クローズアップ現代」では『人生の最期 どう迎える? ~岐路に立つ延命医療~』では胃ろうを処置された患者の延命医療の問題を扱っていた。脳梗塞の患者の「連れて帰って!」と筆談で書いた映像には身につまされた。ETV特集でも『食べなくても生きられる ~胃ろうの功と罪~』が昨年放映されたことがある。

私は末期がんになったら在宅ターミナルケアを望んでいる。しかし、それが必ずしもかなえられるとは限らないと不安もある。在宅ターミナルケアの現状はどうか。使える制度は? 費用は? 救急時にはどうすれば良いのか? これらの疑問に答えてくれるのが、尼崎市のさくらいクリニック院長 桜井隆先生の著書『大往生なんか、せんでもええやん! (介護ライブラリー) 』だ。

第一部は自宅で最期を迎えた3人の患者のエピソード。末期がんでも念願の墓参りを九州まで飛行機で行って成し遂げたしずばあさん。

第二部は、具体的な手続きや知っておくべきことが書かれている。在宅ターミナルケアの条件では、

  1. 帰宅・在宅を希望する本人の意思
  2. 往診(訪問診療)する医師(在宅医)
  3. 医療、看護、介護の24時間サポート
  4. 痛みのコントロール
  5. 家族の了解、支援

をあげている。しかし、「なぜ家に帰るのに条件がいるのか」と疑問をぶつける。

結論から言うと、私は定まった条件なんて何も必要ないと思っている。誰でも帰れるし、「なぜ家に帰るのに条件がいるのか」という気持ちが強い。家に帰りたいのであれば、思い切って帰ればいい。もともと住んでいたところに帰るというだけのこと。たとえば、あなたが仕事や用事を終えて帰宅の途につくのに、何か条件があるだろうか。それと同じで、人生という仕事を終え、家に帰るだけだ。

軸足を病院から家に変えて考えなさい。そのための障害は、周囲の助けを借りて解決すれば良いときっぱいりと断言してくれる。人生を終えて「死」を迎えるために家に帰るのだから、必要なのは最後の医師の死亡診断書だけだ。ほかの条件など何も必要ない。

最近はインターネットで検索して、本人から直接ターミナルケアの依頼も来るそうだ。そのような時代になったということか。

Image_022

さくらいクリニックのホームページ

ほかにはこんな本がお勧め。

がんの最後は痛くない 大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書) 自宅で大往生 (中公新書ラクレ)

続きを読む "大往生なんか、せんでもええやん!" »

2012年5月25日 (金)

福島県でトリチウムが増加

福島第一原発事故で放出された放射能は、セシウムだけが注目されている、例えば毎日新聞4月23日付にはこのように報道されている。

福島第1原発:井戸で地下水くみ上げ 汚染水低減へ

毎日新聞 2012年04月23日 20時53分(最終更新 04月23日 21時18分)

 政府と東京電力は23日、福島第1原発の建屋の地下に地下水が流れ込んで放射性物質による汚染水が増えるのを防ぐため、14本の井戸を掘って地下水をくみ上げ、直接海に流す方針を決めた。最大で1日当たり約400立方メートルとみられる地下水の流入を半分程度に減らせるという。(中略)

 計画では、1~4号機の原子炉建屋から80~200メートル山側の高台に、井戸(直径30センチ、深さ32メートル)を14本掘り、今年秋から地下水のくみ上げを始める。ただし、試験的に掘った井戸3本のうちの1本の地下水では、ごく微量の放射性物質トリチウムが検出されたため、経済産業省は「海に流す前に地元自治体や漁協に理解を得たい」としている。

トリチウムは三重水素といわれる水素の放射性同位体で、普通の水素が1個の陽子と1個の中性子でできているのに対して、中性子が2個になったものである。科学的には水素と区別できず、水(H2O)を構成する原子となった場合は、この水は普通の手段では分離できない。

NHKで放映された「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」
では、アメリカ・イリノイ州で原発から漏れた微量のトリチウムが地下水を汚染し、周辺地域で癌が急増した。特に小児癌は2倍の増加した。

5月21日、政府の原子力災害現地対策本部・放射線班、福島県災害対策本部・原子力班が「河川水等の環境放射線モニタリング(トリチウム)調査結果について」を公表した。そして「考察」において、

今回の調査結果は、平成14年度に実施したトリチウム調査結果と比較し、測定値が変動した地点が認められたものの、平常時の全国データの範囲内であった。
また、上水の放射性核種分析の結果少量のトリチウムが検出されたが、このトリチウムを含む水を乳幼児で1日1リットル、成人が1日1.65リットル、1年間飲み続けた場合の預託実効線量は、乳幼児の場合で0.000025ミリシーベルト程度、成人の場合で0.000015ミリシーベルト程度と評価され、放射性物質を含む食品の基準設定に際し、許容された年間1ミリシーベルトの4万分の1程度以下と非常に小さかった。

と、例によって自然界に存在する量と比較して安全論を振りまいている。しかし、発表データを見ればわかるように、トリチウムは平成14年度には河川水で16地点で「不検出」だったものが、今回と測定では「不検出」はわずか4地点に激減している。湖沼・ダム水にいたっては不検出が4地点からゼロになっている。確かに数値としてはばらつきがあるが、測定誤差範囲も明示していない測定結果であるから、検討することはできない。

除染した水、山や田圃からの水が地下水となり、その水にはセシウムはもちろん、トリチウムや多くの核種が含まれている。わずかな放射能濃度であっても水は人間にはなくてはならないものである。

119_120523_2

2012年5月22日 (火)

久留米大 山田亮先生の講演会が青山で

差し迫っていますが、25日、東京青山で久留米大学の山田亮先生のがんワクチン講演があります。

以前お知らせしましたが、今月の25日(金)に東京青山でがんワクチンの講演会を開催します
興味のある方はお越しください

「カフェで学ぼう がんのことin東京」

日時:5月25日(金) 15:00~17:00

場所:青山フルール(渋谷駅より徒歩5分、ヒカリエそば)

テーマ:がんワクチン

講師:山田 亮 (久留米大・先端癌治療研究センターがんワクチン分子部門・教授)
参加費:1500円(ケーキセット付き)

参加申し込み方法などの詳細はこちらをご覧ください

翌26日(土)には、脱毛に悩む女性がん患者さんを対象としたウィッグの無料レンタルサロンも開催します。

2012年5月20日 (日)

余命宣告を受けながら放射能と闘う医師

福島県南相馬市にある原町中央産婦人科医院の高橋亨平先生を描いたドキュメンタリーが、2012年5月30日(水)深夜26時20分~27時15分(福島テレビ・フジテレビ系)で放映されます。

見えない放射能の恐怖によって人口7万人の南相馬市からは多くの住民が避難を余儀なくされた。そもそも医療過疎が進んでいた地域では医療崩壊が現実のものとなっていた。妊婦は住み慣れた南相馬市を離れて行かざるを得なかった。「子どもが生まれない町に未来はない」と話す高橋医師は国や行政からの支援が得られない中、南相馬市で暮らす妊婦の被ばく量の管理を始めた。

「南相馬除染研究所」を設立して地域の放射性物質を取り除く除染活動を先頭になって進めていた。そんな高橋医師の活動には共感する仲間が増え支援の輪は大きくなっていった。 高橋医師が、がんを告知されたのは震災から2カ月後のこと。直腸で見つかったがんはすでに肺と肝臓にも転移していて余命半年の宣告を受けた。それでも患者の診察と除染活動を続ける高橋医師は決して弱音を吐くことはなかった。

高橋先生の活躍に列挙すると、

などに紹介されています。住民の健康を守るために行政と果敢に闘ってきた方です。ホールボディカウンターもご自身で購入されて子どもたちの検査をしてきました。玄侑宗久さんもブログで「同志」で親愛を込めて紹介していました。

 およそ一時間半にわたり、じつにさまざまなお話を伺ったのだが、ここでは少しだけその成果を申し上げておこう。「低線量放射線の問題は、すでに哲学的な問題」ということ。「被曝影響が蓄積するという誤解は、なんとしても解かなくてはならない」ということ。そして先生の持説でもある「子どもの被曝影響についての見直しの必要性」について、などである。
 すでに南相馬には先生によって除染研究会という組織も立ち上げられているが、今度は南相馬市立病院に、放射線のメンタルケアを専門にする科が設けられるそうである。この問題はすでに、そういう問題なのだ。
 面談後、夕日を浴びて帰る道もじつに美しかった。
 高橋先生は私が帰る直前にお寺に電話をくださり、戻ってすぐに掛け直すと、「同志を得たような気持ちですよ」とおっしゃった。どうもそれだけ言うために、お電話をくださったようなのである。

がんサポート情報センターにも、鎌田實氏との対談『放射線との闘いはわが余命との競争です』が載っています。すごい先生です。気骨の人とはこういう人を言うのでしょう。

鎌田  先生は、先ほどの放射線量の問題が浮上する前から、1台5000万円もする、内部被曝検査のできるホールボディカウンターを、個人的に購入する意志を表明されていましたが、あれは本気でそう言われていたんですよね。

髙橋  もちろんです。

鎌田  私はその話を聞いたとき、この医師は普通の医師会の先生ではなく、鬼気迫るものがあるな、と思ったわけです。そこで話は冒頭のがんの話に戻るわけですが、それはご自身の病気と関係しているんですか。

髙橋  してます。いのちとの競争です。私はがんと診断されたとき、全然驚かなかったし、何にも感じませんでした。主治医とは、私のがんのことよりも、この福島県をどうするかということについて、論争ばかりしていました。それが1つの救いだったかもしれません。危機に立つ福島県を、そして南相馬市をいかに良くするかで頭がいっぱいで、そのために政府と闘い、厚労省と闘い、県と闘ってきました。

やるべきこと、目標があり、それに熱中していれば癌の告知もそれほどショックではないですね。というか、このさきどうなるのか、いつ死ぬのか、死への恐怖なんぞを感じている余裕がない。いまやるべきこと、今日でなければできないことで頭がいっぱいでした。

高橋先生、昨年11月に病気治療のため辞められたようですが、いまでも原町中央産婦人科医院のサイトに文章を書き続けています。「I'll BE BACK」にはこのようなことを書かれています。

しかし、一方で思えば、今の日本は正しく「獅子身中の虫に泣く」と云う状態で、主が滅びるまで虫は食い続けるという実態も分かりました。取り返しのつかない所まで来てしまった状態で、この大きな東日本大震災・原発事故が起きました。このことは本当に悲しい出来事ですが、神が与えた大きな試練の場であるかもしれません。現場の人々は身を粉にして、日々戦い続け、へろへろの状態の中でも、何とか頑張れたのは、全国からの励ましと支援、応援があったからだと思います。ただ気になるのは、そんな中でも虫達は平然と増殖し続けている事です。そんな人生あっていいのでしょうか? 国民の幸せとは何だろうか? 早く市民、現場の目線に立つ事の重要性に気付いてほしい!

検証 福島原発事故・記者会見――東電・政府は何を隠したのか もうひと方、胆嚢末期がんと闘いながら政府や東電のマスコミ発表を監視し続けてきた弁護士の日隅一雄氏。東電や政府の欺瞞もご自身の癌との闘いもブログで書き続けています

 消費税賛成派の急先鋒である藤井裕久党税制調査会長は、元大蔵省(現財務省)の官僚で、エリートコースにいた人物。つまり、彼は、財務省の擁護者に過ぎない。彼の発言は、財務省の意向を汲んだものになっているというほかない(●末尾に財務省出身議員リスト掲載●)。

 したがって、消費税を直ちに決定しないと日本が国際社会から経済的に弱体化したものとみなされるなどという彼の「脅し」は、言って見れば、「原発を再稼働しないと日本から企業が逃げていく」という脅しと似たようなものだ。

 電気代が上がったからと言って、日本から逃げていくはずがない。それよりも、為替の問題の方がよほど影響が大きいからだ。

 消費税の問題だって、予算の健全化を先に検討したうえで、消費税を検討するということになるだけなのだから、国際的に見捨てられるはずがない。

 アメリカが日本のヤクザに対して厳しい判断を示したが、日本の予算は、ヤクザの問題も含め、特別会計にメスを入れない限り、健全化しない。そして、健全化しないまま、消費税を増税しても、そういう闇の部分に増税した分が回るだけで、納税者にメリットがないのは明らかだ。

こうした方たちをみていると、使命感を持っている人間は強いと改めて感じます。もちろんお二人とも考えられるかぎりの治療は行っています。しかし、その結果を受け入れる心の準備ができている。がんと戦うことと、自分のやるべきことをやる、これは両立できるし、ある意味ではまったく別次元の問題です。

がんであれ、仕事、人生のすべてについてに言えることですが、「最善と思うことをやる。結果は受け入れるだけ」。これが、たとえがんが治らなくても、がんに負けない極意です。

続きを読む "余命宣告を受けながら放射能と闘う医師" »

東京でも黒い物質 高濃度の放射性セシウム

今日の東京新聞で報じられた黒い物質のことは、以前から南相馬市の大山弘一市議がブログで取り上げていました。
№Bq/kg-dry採取場所試料名
_____________________
①1,320,000原町区牛越土壌
②1,960,000鹿島区橲原土壌
⑥5,570,000小高区金谷土壌
⑧   16,200原町区国見町土壌
⑪ 793,000小高区上町土壌
⑫ 430,000小高区本町土壌
⑬ 583,000小高区本町土壌
⑭2,970,000小高区金谷土壌
⑰ 522,000小高区金谷牛ふん

この黒い藍藻類にはなんと、最高で557万Bq/kgの放射性セシウムが含まれています。神戸大学の山内知也教授が100万Bq/kgの資料を分析した結果がこれです。
518479309
スペクトルには、Cs-134の6本のピークとCs-137の1本のピークが出ています。本格的なきちんとした分析でしょう。

日刊SPA!が「24万Bq/kgという高濃度の「黒い粉」が東京でも見つかった!!」と報じました。「江戸川区のJR平井駅周辺で『黒い粉』らしきものを見つけ、採取したサンプルを神戸大学の山内知也教授に検査してもらったところ、最大で1kgあたり24万3000Bqという数値が出たんです」と。江東区でも9万Bq/kgの測定値です。

首都圏でもいたるところでこのような状態だと想像できます。

一般ごみとして廃棄しても良いクリアランスレベルは超えており、Cs-134、Cs-137はともに10Bq/g(10,000Bq/kg)を超えるものを「放射性物質」として扱うと法律で決めているのですから、その557倍もの放射性物質です。普通なら文部科学省の係官が飛んできて、周囲を囲って安全な場所に移動させなくてはならないはずです。昨年11月に世田谷区のスーパー駐車場付近でラジウムが発見されたときには大騒ぎしてそのような対応をしたのです。福島原発事故を受けて、政府の都合で勝手に新しい法律を作ってごみの焼却基準を作ったのですが、それさえも超えています。厳重に保管廃棄しなくてはならない濃度です。

2011年8月に成立した放射性物質汚染対処措置法は、原発施設から発生する放射性廃棄物に含まれるセシウム137のクリアランスレベルの基準値を100ベクレル/kgから、8000ベクレル/kgに緩めたのです。

ただ、ネット上では、この黒い物質の放射能濃度を「チェルノブイリの強制移住エリア」並みだという書き込みが多数ありますが、これは間違った計算に基づく誤解です。Bq/kgからチェルノブイリの避難区域の区分であるBq/m2(平方メートル)に換算するには「65倍すればよい」と言いますが、その前提となる試料の採取方法を確認しなくてはなりません。

結論だけを言えば、この黒い物質に関して体積から面積に換算すること自体、意味がありません。しかし、この物質が都内の至る所にあると覚悟して、風に飛ばされたものを吸い込めば内部被ばくにつながるのですから、少なくとも風の強い日には花粉症用のマスクをすべきです。

南相馬市の汚染は深刻です。セシウムでこれほどあるのですから、ストロンチウム、プルトニウムなどの他の核種もそれなりに存在しているはずです。内部被ばくを考える市民研究会は、19日の声明「原発なき社会の実現のために」で次のように指摘しています。

3号機の使用済み核燃料プールには、燃料交換機と呼ばれる大型クレーンが落下していることを4月13日東電は発表しました。3号機の使用済み核燃料プールの中心部にはMOX燃料というプルトニウムを強化した核燃料が貯蔵されていたことがわかっており、昨年3月14日の3号機の爆発はこの使用済み核燃料プールの真上で起きたこと、つまり、使用済み核燃料プールの冷却水が失われ、MOX燃料中のプルトニウムが溶融、部分的に臨界に達したことによる小規模核爆発であった可能性が濃厚になりました。南相馬市で発見されている、アルファ線を強く出す「黒い物質」は3号機から爆発の際に飛び散った核燃料そのものである可能性もあります。

興味がある方は下の計算根拠を見てください。


計算の前提:

  • 土壌の密度:1.3g/cm3
  • 土壌の採取は深さ5cm
  1. 土壌1kgの体積は、体積(cm3)=1000(g) / 1.3(g/cm3)=769 (cm3)
  2. これを深さ5cmの容器に入れたとしたときの表面積は、769 / 5=154(cm2)
  3. 単位表面積(cm2)当たりのBqはその逆数で、1 / 154
  4. 単位をm2当たりにするために10000を掛けて、1 / 154×10000=65

Bq/kgをBq/m2に換算するために65倍すればよいのは、密度と採取深さが上記の場合だとわかります。しかし、この数字だけが一人歩きしているようです。

では、黒い物質の場合はどうなるか。藍藻類だとしてその密度を仮に0.5(g/cm3)、表層部分1cmをはぎ取ったとします。同じ計算方法で、

1 / (1000 / 0.5)×10000=5倍

100万Bq/kgの黒い物質なら、5倍して500万Bq/m2。これなた確かにチェルノブイリの「強制避難区域」に該当します。しかし、表層部分を1cmでなくて1mmとしたら、0.5倍ですから50万Bq/m2で「希望すれば移住が認められる」区域になります。

密度と試料の採取深さによって、どのようにもなる計算です。

単純に換算してチェルノブイリと比較することに合理性はありません。もちろん「危険ではない」わけでもありません。

日本全体が、多かれ少なかれ放射能で汚染されており、気候や生物濃縮によって、その放射能がまだら模様に広がり、流動しているのです。どこにでも高濃度の放射能が見つかる可能性があります。3.11以後は、日本人はみんなこうして放射能に曝される「ヒバクシャ」となったのです。

2012年5月19日 (土)

牛丼で糖質制限食?

Image_003 江部先生のブログに「すき家の牛丼ライトは糖質制限食OK食品」との記事が出ました。??本当か? 牛丼なんて、糖質が多いのでは? と疑問でした。

早速すき家のサイトを見ると、「栄養成分を見る」とPDFがあり、確かに「牛丼ライト」の炭水化物が15.6gとなっています。ご飯の代わりに豆腐があり、キャベツと牛肉がのっているどんぶりです。ご飯でないと物足りないという方もいるかもしれませんが、豆腐(大豆)は抗がん作用が期待できるのですよ。『がんに効く生活

Image_002

糖質制限食も短い期間でずいぶんと認知されてきたようです。来週すき家に行ってみよう。

居酒屋にも糖質ゼロの発泡酒を置く店が少しはあるようです。こちらも増えるに違いありません。
江部先生の記事には、本日までパシフィコ横浜で開催されていた「第55回日本糖尿病学会年次学術集会」では糖質制限食に対するコンセンサスが得られたとのコメントも付いています。

第55回日本糖尿病学会年次学術集会のDebate to Consensus 5にて,(1)糖尿病食事療法は一律ではなく,患者に応じたオプションがとられるべき (2)糖質制限食はその一つの選択肢となりうる (3)糖質制限食における糖質量は 130g/day程度を目安とする,の以上3点につき,Consensusが得られました.

私のプチ糖質制限食もたぶん130g/Day程度だと思います。

外食産業は、こうした商機を見逃さないでしょうから、今後は外食でも糖質制限食の選択肢が増えるに違いありません。

糖質制限食と癌の関係を知りたい方は、江部先生のブログか著作で。このブログにも少し書いていますが、繰り返しません。

続きを読む "牛丼で糖質制限食?" »

チェロアンサンブルセミナー最終回

今日はチェロアンサンブルの最終回の合同練習でした。回を追うごとに、みなさん上手になります。指揮の石黒先生の指導も適格なんでしょう。

全員のハーモニーがきまった瞬間の背筋がぞくっとする感覚を久しぶりに味わいました。音楽を聴くことも良いですが、演奏することの醍醐味はここにあります(下手でも)。おかげで今日はたぶん免疫力が3割は上がった(と思う)。実際気分が良いのです。チェロを弾くのは結構重労働ですから、体全体を気持ちよく動かすことで、リンパ液も駆け巡ってくれたでしょう。白血球もNK細胞も生き生きと活動したに違いありません。脳内ドーパミンも活発になったはずです。

以前にNHKで、アメリカ在住の女性ギタリスト、肥後谷梓さんがホスピスで音楽療法士として活躍している番組が放映されましたね。チェロの響きなら、もっと効果があるのかもしれないなどと思ってしまいます。

レパートリーのラクリモーサは、東日本大震災でなくなったたくさんの方、赤ん坊を抱いたまま発見されたお母さん、いまだに遺体の見つからない人、身元のわからない人たちのことを思い浮かべながら弾いていました。

隣になった方が、偶然このブログを見ていただいている方だそうで、これも音楽の取り持つ縁ですね。よろしくお願いします。

がんがあるおかげで、大切な時間を思う存分に楽しんでいると、感じることができます。何が大事か。不確かな明日のことを思い煩うより、”いまここに”に対して、どのように関わるのかです。

本番まで、もう一押し練習です。

続きを読む "チェロアンサンブルセミナー最終回" »

2012年5月17日 (木)

がんサポート情報センター 膵癌の記事3件追加

がんサポート情報センターに、膵癌の記事が3件追加されました。

膵がん丸わかり完全図解

(2012年01月号)

他には、

樹状細胞ワクチン療法の治療効果向上のカギを握る「エレクトロポレーション法」

がん細胞の目印を免疫細胞に覚え込ませて体内に戻し、がん細胞を効率的に攻撃させる樹状細胞ワクチン療法。その治療効果を高めるため様々な技術開発が進んでいる。

(2012年06月号)

2012年5月16日 (水)

がん患者のためのインターネット活用術 (16)

がん患者のためのインターネット活用術 2017年 第2版: 私はこれで膵臓がんを克服した ネットの情報はすぐに古くなります。Kindle本『がん患者のためのインターネット活用術 2017年 第2版: 私はこれで膵臓がんを克服した』では最新の情報に書き直して出版しています。


がん患者だけに役立つのではないが、Evernoteの新しいAdd-onがすばらしい。

インターネットで情報を集めているとあっという間に時間が経ってしまう。情報の洪水から必要なものだけを拾い出す作業が必須です。私が活用している便利なツール(Add-on)を紹介。ただし、ブラウザーはFirefoxです。IEでは有益なAdd-onがほとんどない。

1. Read It Later
DeffbrowserやGoogleリーダーで検索したページを「後で読む」ことにして、Read It Laterに登録する。この段階ではあまり深く考えずに、気になるページはどんどん「後で読む」にしておきます。

2. Cleary
こちらはChromeでも使えるようです。Read It Later でチェックしたページ、新聞記事、ブログなどの余分な情報は切り捨てて本文だけを表示してくれる。バックも目に優しい色調でフォントも大きさを変えることができます。Read It Laterに登録したページを、読みやすい画面でさっと流し読みして、読むに値するかどうか判断します。必要ならそのままEvernoteに保存登録。

自宅でも会社でも、出先ならスマートフォンで気になるページをRead It Laterして、それをまた自宅で会社で、出先で呼びだし、Clearyで読みやすくして表示、そのままEvernoteにアップロード。できあがったアーカイブからブログの種を探す。必要な情報を検索するなど、多いに活用しています。

情報の処理が格段に早くなります。

Autopagerをインストールしている場合は無効にした方が良さそうです。Clearyにも同じ機能がありますので。

Image_013

これをClearyで表示すると、

Image_014

こんな感じ。これをEvernoteにアップロードしたて、このように一元管理する。

Image_012

続きを読む "がん患者のためのインターネット活用術 (16)" »

2012年5月13日 (日)

がん告知後 1週間内、自殺による死亡リスクが12.6倍

アピタルに坪野吉孝氏の『「がん」と診断、自殺や心血管疾患のリスク高まる』との記事が載っています。スウェーデンでの調査ですが、がんと診断されたグループは、「自殺により死亡するリスクが、がんの診断から1週間以内では12.6倍と大きく高まった。がんの診断から1~4週では4.8倍、13~52週では2.5倍、53週以降では1.8倍と高かった。」と結果が出ました。同様に心血管疾患リスクも「がんの診断から1週以内では5.6倍と、やはり大きく高まった。がんの診断から2~4週では2.2倍、5~26週では1.5倍、27~52週では1.1倍、53週以降では1.2倍と高かった」。

生存率の低いがん(肺がん、肝臓癌、膵臓がん)ほどよりリスクが大きかった。しかも「死亡リスク」のみの調査であり、自殺未遂や心血管疾患の発症リスクに注目すれば、より大きな数字になるだろう。

こちらもスウェーデンの研究です。

がん患者の配偶者は心臓病や脳卒中を発症しやすい
スウェーデン研究

スウェーデン・ルンド大学のJianguang Ji氏らは、がんに罹患した夫または妻を介護する配偶者は心臓病や脳卒中を発症しやすいと、米医学誌「Circulation」(2012; 125: 1742-1747)に発表した。なお、これまでも近親者の死別が心筋梗塞を誘発するという研究結果が報告されている(関連記事)。

死亡率の高いがんでより顕著

 Ji氏らは、がん患者を介護する配偶者の心理的、肉体的負担が心筋梗塞などの冠動脈疾患や脳卒中の発症リスクと関係するかどうかを検討した。

 スウェーデンのがん登録からがん患者を特定し、その配偶者に関する情報を検索。がんの診断日から2008年まで患者の配偶者を追跡し、夫または妻ががん患者ではない配偶者と冠動脈疾患と脳卒中の発症率を比較した。

 その結果、妻ががんと診断された夫の冠動脈疾患、脳梗塞、脳出血の発症リスクはそれぞれ1.13倍、1.24倍、1.25倍、がん患者の夫を持つ妻はそれぞれ1.13倍、1.29倍、1.27倍と、いずれも高かった。

 夫または妻が膵がんや肺がんなど死亡率の高いがんだった場合、配偶者の冠動脈疾患と脳卒中の発症リスクはより顕著になったという。

「治らないがん」を告知されたとき、本人は自殺あるいは心血管疾患になりやすく、その配偶者も冠動脈疾患、脳梗塞、脳出血になりやすいわけです。

日本人でもほぼ同じ傾向ではないかと想像しますが、あまりこうしたことは報道されませんね。自殺未遂も加えたら25倍くらいになっているかもしれません。告知されたとたんに頭の中は真っ白、医者の言葉もほとんど記憶に残っていないと、闘病記にもよく書かれています。今日のNHKプレミアムドラマ「おもろい夫婦の”がんフーフー物語”」も同じ場面がありました。

告知後の患者の精神的サポートも重要ですが、患者自身も自衛して自分で対策を立てなければ・・・。『患者必携 がんになったら手に取るガイド』や『もしもがんが再発したら』にも「患者のこころに起こること」や「患者同士の支え合いの場を利用する」ことなどが紹介されています。あるいは樋野興夫先生の「がん哲学外来」も役立つのではないでしょうか。

死を見つめる心 (講談社文庫 き 6-1) 「死」についても、自分なりに考えておくことが衝撃を和らげるかもしれません。岸本英夫『死を見つめる心』など、がんによる死を前にした先達たちがどのように考えていたのか。死とは何か。そんなことも整理しておくべきです。(難しいけど)

治らないがんでは、生きる意欲をなくすのでしょうか。それでもまだやること、できることはたくさんあると思うのです。

人ごとではないですね。私自身もいつでも再発の可能性があるのですから。しかしうちのかみさんは大丈夫だろう。全然ストレスなど感じていそうもない。どうやら我が家では、私はがん患者と認められていないような気配がするなぁ。

放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ 話は放射線による影響に変わりますが、ICRPなどは、白血病とがんだけを放射線によるリスクとして計算しています。広島・長崎、チェルノブイリでも同様です。しかし、リスクはがんだけではないのです。セシウム137による心血管疾患もバンダジェフスキーらによって警告されています。原発の危険から子どもを守る北陸医師の会が翻訳した「チェルノブイリの健康被害」では、

      チェルノブイリ事故の放射線被ばくで予想される病気/健康被害

  • まず、がんが挙げられる。とはいっても、多くのがんは25~30年の潜伏期間があることを銘記しておかなければならない。現在のところ、甲状腺がん、乳がん、頭蓋内腫瘍だけが明らかになっている。しかし、汚染除去作業員では、すでに甲状腺のほかにも、さまざまな臓器-前立腺、胃、血液、など-で、がんを発病している。
  • 遺伝子の異常として、奇形、死産、不妊症などがある。
  • がん以外の病気でも、多くの臓器で疾患がみつかっている;中枢神経系疾患、老化の促進、精神疾患などである。

チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害: 科学的データは何を示している と紹介されています。同じ内容は『チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害: 科学的データは何を示している』にはより衝撃的に書かれています。ICRPなどは「疫学的に証明されていない」ことを、あたかも被害がないかのように言いますが、「科学的合理性」が被害をないものとしてしまっています。これが誤っていることを説明し、対処するには「予防原則」だけでは難しい。

続きを読む "がん告知後 1週間内、自殺による死亡リスクが12.6倍" »

2012年5月 9日 (水)

川崎医大 ワクチン臨床試験の受付中止

ワクチン希望の患者様へ

東京大学医科学研究所がんペプチドワクチン新規受付中断のご連絡

東京大学医科学研究所がんペプチドワクチンは、2012年2月6日の報道以降、当方に問い合わせが殺到し、この連休をもって当方の取り扱い限界に達してしまいました。

東京大学とも協議させていただきました結果、大変、不本意ではございますが、本日(2012.05.08)より新規の受け入れを中断させていただかざるをえない現状となってしまいました。ここにお詫び申し上げます。

再開の目途が経ちましたらHP等にオープンさせていただきますので、今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。

    2012年5月8日

    川崎医科大学臨床腫瘍学 山口佳之

相当の希望者が殺到したようですね。千葉徳州会病院も中止していますから、希望するがん患者は主治医を通して探すしかなさそうです。

中村祐輔研究室のリストも同時に更新され、川崎医科大学は「規定数を超えたため、現在登録を中止しています」と出ています。

続きを読む "川崎医大 ワクチン臨床試験の受付中止" »

ウコン、ターメリック、クルクミン

今朝は全粒パンに目玉焼き、野菜にはバージンオリーブ油の食事。

Image_001 全粒パンはBoulangerie Bonheur(ブーランジェリー・ボヌール)でいつも買う。これに秋ウコンをたっぷり塗って、ひとつまみの黒コショウをかけ、さらにオリーブ油で重ね塗りをして食べる。

以前はウコン(ターメリック)を成城石井で買っていた。30g入で300円位だったと思う。いまはアマゾンで井藤漢方製薬製の200g入パックが886円のものを使っている。相当割安でたっぷり使える。送料も無料だからありがたい。クルクミンの含有量を表示してあるのはこのメーカーだけだ。

秋ウコン粉末100% 200g 秋ウコン粉末100% 200g

リックジャパン 秋ウコン粉末100% 220g 秋ウコン末100% 160g 沖縄純正ウコン粉末 120g 純ウコン粉末 OSK 粉末春うこん 300g

by G-Tools

今日のAFB Newsで「カレーのスパイス、大腸がん治療に有効か 英大が調査へ」の記事があった。

【5月8日 AFP】進行性の大腸がん治療で、カレーに用いられるスパイス成分クルクミンに効果があるかどうかを調べる研究が、英レスター大学(University of Leicester)で実施される。

クルクミンは、数百年も前からインド料理やタイ料理に用いられてきたスパイス、ターメリックの成分。鮮やかな黄色をしており、カレーなどの色や香り付けに使われる。

レスター大のがん医療研究センターECMC(Experimental Cancer Medicine Centre)の研究チームは、標準的な大腸がん治療にクルクミン錠剤の処方を安全に追加することが可能かどうかを調べる予定だ。

英国立健康研究所(National Institute for Health Research)とともにECMCに共同出資している英NGO、Cancer Research UKによると、これまでの研究で、クルクミンが、抗がん剤の持つ大腸がん細胞の殺傷力を高めることが実験室レベルで確認されている。

ECMCのウィリアム・スチュワード(William Steward)所長によれば、大腸がんでは、副作用を伴う抗がん剤治療は患者への負担が大きく長期間は続けられないため、転移が広がった後では治療が難しいという。

「クルクミンにがん細胞を抗ガン剤に効きやすくさせる効果があるという見通しは刺激的だ」とスチュワード氏は語る。仮にそうであれば抗がん剤の量を減らすことができ、その結果、患者の副作用も減って治療を今までより長く続けることが可能となる。

大腸がんは世界で3番目に多いがんで、2008年には124万人が大腸がんと診断されている。英国では2番目に多いがんで、2010年には1万6000人が大腸がんで死亡した。(c)AFP

安全性の確認試験が始まったというニュースだから、効果があるかどうかこれから試験をするのだが、少なくとも実験室レベルでは抗がん剤との併用で効果が期待できるようだ。

このブログでも過去にクルクミンに関して紹介している。<こちらこちら> 重篤な副作用がなくて、ある程度のエビデンスがあるものなら試してみようというのが、私の代替療法に対する基本的姿勢だと、いつものように書いている。ウコンもその一つである。

健康食品の素材データベース」でウコンを確認しても、

・健常成人14名 (平均29±1歳、スウェーデン) を対象としたクロスオーバープラセボ比較試験において、ウコン6 gの単回摂取は、75g糖負荷試験の血清インスリン濃度を上昇させたが、血漿グルコース濃度やGI (グリセミック・インデックス) 値に影響は与えなかったという報告がある (PMID:20937162)

そうだから、糖質制限食とも矛盾しない。ただ、がんに関してはまだ明確なエビデンスは揃っていない。『がんの補完代替医療ガイドブック 第3版』にも次のように書かれている。

がん患者さんによく利用されている健康食品のキチン・キトサン、レイシ、ウコン、クロレラ、フコイダンに関しても同様に、米国立医学図書館のデータベース(パブメド)を用いて、抗がん効果を検討した臨床試験が行われているかを調べました。
 その結果、健康食品の摂取によってがん患者さんの免疫機能が活性化されたり、がんに伴う症状や抗がん剤の副作用が軽減されたりする効果を検討している臨床試験結果が数件あり、その有効性も一部の健康食品では認められていました。しかし、健康食品の摂取だけでがんが縮小した、もしくは生存が延長したということをヒトで証明した臨床試験は、いずれの健康食品においても検索されませんでした。
 ですから今のところ、健康食品は標準的がん治療に対する補完的な意味合いが強く、健康食品の抗がん効果に過大な期待を抱くことには注意が必要です。

ただ、10人に1人に効果があるものを10種類試せば、私にも効果が期待できると考えることも可能だ。高価でなければ、副作用がない範囲で試せば良い。

日経サイエンスの2007年5月号にも同じような記事が載っている。クルクミンについては相当以前から研究されているようだが、いまだにはっきりした効果は認められていない。

これでがんが消えてなくなるなどと、代替療法に過剰な期待をしてはならないが、一方で”がんを育てない体内環境を作る”ためには、代替療法を「無視するのは勿体ない」。

Cl_6_2

Cl_7

Cl_8

 

続きを読む "ウコン、ターメリック、クルクミン" »

2012年5月 8日 (火)

原発再稼働と電力需給

「一定の安全が確認されたから、再稼働させる」と言いますが、これも東大話法でしょう。”一定の”というのもよく使われる欺瞞的であいまいな言葉です。”一定の”の中身がわからない。どうやら「ある程度の」の意味で使っているようだが、村上陽一郎氏にこんなエッセイがある。

話が飛ぶが、最近の「一定の」という言葉の誤用は目に余る。「一定の評価が」とか「一定程度の」などと使われる。別段NHKを特に信頼しているわけではないが、NHKのアナウンサーでも平気でそう言う。しかし、もともと「一定の」というのは「ある値に定った(変動しない)」という意味で、「ある程度の」(英語で言えば<a certain>)とか「多少の」というような「ぼやかす」意味は持たなかったはずだ。

あいまいな表現にしておいて、ことが起きれば責任はとらない。まさに東大話法。とは言え、言葉も所詮は時代に応じて変化する。「自分的には」なども、これを聞くと私はどうにもがまんがならないのだが、いつの間にか壮年の人間まで使うようになった。

ともあれ、「一定の安全が」とは「ある程度の安全が確認されたら」という意味で受け取ってね、ということだろうが、そもそも「安全」は確認できるものなのか?「右を見て、左を見て、横断歩道を渡りましょう」と小学生には教えているが、てんかん発作を起こした車が突っ込んできたらどうにもならない。原発の安全が「ある程度の」でも困る。だってあなた方は「原発は”絶対に”安全だ」と言ってきたのではないか。

今日の東京新聞「こちら特報部」は『政官電~停電恫喝ネットワーク』と題した記事で、経済産業省計の匿名の研究者に取材し、「電気が足りないは原発再稼働への脅しだ」として、医療機関や冷凍冷蔵倉庫、データセンター、半導体工場のクリーンルームも、電気の制御システムの変更で10%以上は節電できると証言させている。日本IBMは省電力ビジネスに取り組んでおり、クリーンルームで38%の節電をした実績があるとも書いている。

小出裕章氏は、さらに「節電する必要もない。それでも電気は足りる」と述べている。

Setuden

これは小出氏の電力需給グラフだが、2010年(猛暑だと言われた)までの瞬間最大需要電力量である。ごらんのとおり、水力発電と火力発電で足りている。原発はなくても、更に企業の自家発電分が余力としてある。電力会社は、本当に電力安定供給の責任を果たそうとしているのか疑わしい。

昨年5月19日の佐賀新聞で九電の社長は、燃料確保ができないから「この夏最大で15%の節電が必要」とし、「これは脅しではない」と言っていたが、5月27日の西日本新聞で『石油連盟の天坊昭彦会長(出光興産会長)は26日の記者会見で、九州電力が調達が難しいとしている火力発電用の燃料について「全体的には足りている。今から、夏の手当てができないとは考えられない」と述べ、九電の主張を真っ向から否定した。』と報じられ、嘘っぱちの『脅し』だったことがばれてしまった。もちろん節電など必要なかった。

このように、多くの国民が電力会社の言うことなど爪の垢ほどの真実もないとわかっているのだから、おぞましい想像だが、彼らとしては、この夏はどうしても電力不足が生じて大停電が起きて欲しに違いない。彼らなら、火力発電を故意に故障させ、揚力発電をサボタージュしかねない。

それを心配して、田中優が警鐘を鳴らしている。拡散希望だというから全文を紹介する。

■□■□◆◇◆◇■□■□◆◇◆◇■□

<緊急拡散希望!>

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇■ 田中優より ■◇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「偽装停電の夏」をくいとめよう

5月5日の今日、北海道電力の泊原発が停止し、42年ぶりに原発の稼働していない日を迎えた。

うれしい日に申し訳ないのだが、この先の不安を伝えたい。

ぼくとしては珍しく、拡散してほしい話だ。

何かというと「偽装停電」の不安だ。市民が「原発なしでも電気は足りる」と言っている最中、停電させるのは「やっぱり原発が必要なんだ」というPRに使える。
電力会社と政府は、去年も「計画停電」を偽装した。

その前に「需給調整契約*」を使って大口契約者の電気を止めれば足りたのに、それをしなかった。しかもピークの出ない土日や平日の夜間、街路灯まで消した。

これは偽装だろう。そこまでする人たちが、この「原発は不可欠」と訴えたいこのタイミングを逃すだろうか?

もともと家庭の電気消費は少ない。2010年で年間わずか22%にすぎない。
しかも足りなくなるのはピーク消費のある、ごく一時的だけだ。
ピーク時の「夏場・平日・日中」は、家庭の三分の二は不在で、ピークの電気消費に対する家庭消費の割合は1割にすぎないのだ。
だからそもそも家庭の問題ではない。節電すべきなのは事業者なのだ。


しかし大阪市の橋下市長はすでに、「産業には影響を与えず、家庭に冷房の温度設定など負担をお願いすることになる。安全はそこそこでも快適な生活を望むのか、不便な生活を受け入れるか、二つに一つだ」と話し、大飯原発3、4号機を再稼働の問題を、人々のライフスタイルの問題にすり替えている。
それは橋下が2月に経産省や民主党幹部と隠密裏に意見交換した後のことだ。とっくに橋下は心変わりをしている。

E6a98be4b88b


偽装停電させれば、人々の「原発必要神話」は復活する。なんとステキなプランだろうか。
電気消費の半分を占める上位200社は守られて、中小零細では停電して、コンピュータの重要なデータを失う。しかし原発で豊かになるのは200社の側なのだから、これは魅力的な作戦ではないか。

ぼく自身、その問題があるので、無制限に「原発なしでも電気は足りる」とは言って来なかった。
「こうすれば足りる」と、具体的な節電策やら料金設定やらを提案してきたのはそれが理由だ。
日本の電力業界は信用に値しない。日本でなら偽装は可能だと思う。他の先進国よりはるかに情報が公開されておらず、昨年の「計画停電偽装」の実績もあるのだ。日本で隠しおおせる可能性は高い。

ピーク時に電気が足りてしまう危険性は大きく四つある。

1.揚水発電の緊急電力
2.他の電力会社からの融通
3.電力需給調整契約
4.自家発電などの余剰電力 だ。

ぼくが電力会社だったらこうする。

まず、揚水発電所が使えないようにするために発電所の稼働数を減らす。揚水発電は単なるバッテリーだから、前日までの電気があれば貯めておけば足りてしまう。

ここに水を貯めておく余裕はなかった、夜間の深夜電気に余裕がなかったと言っておけばいい。すでに関電は使うことのできる緊急用の老朽化した火力発電所は一基だけだと発表済みだから、この点はカバーできている。

次に、他の電力の融通を受けない仕組みにすることが大事だ。関西電力は、実は中電・北陸電力・中国電力と送電線がつながっていて、余剰電力を受け取りやすい位置にある。
実際には、この融通電力は非常に高くつくことが問題だ。「受け取るより原発を動かしたい」のが再稼働を求める本音だ。だから他の電力会社もひっ迫していることにする。
それはすでに各社発表済だ。

三つ目に大口の大手会社に協力してもらい、停電しない根拠とされてしまう「電力需給調整契約」を結んでおく。東京電力はこれで計画停電を避けられたはずのに、それをせずに計画停電を実行した。ばれないならそのままでもいいかもしれない。でも万が一のことを考えて契約数を増やして、「大口の大会社も努力してくれているんです」と主張できるようにしておく。

四つ目に大企業が持っている自家発電を頼れないものにする。これは電力会社以外の電気を買い取る実績になるからもともとしたくない。東京電力もしなかった。とすれば「系統が不安定になる(電圧が不安定になる)」とでも言っておけばいいかもしれない。
もしくは邪魔になる自家発電を停止させるのがいいかもしれない。「自家発電電気のひっ迫」や「緊急時の発電機は不安定」と言っておけばいいかもしれない。

そして偽装停電させる。中小零細企業は特にバックアップ電源を持っていないから、当然騒ぐだろう。「どうしてくれるんだ、市民がバカみたいに原発なしでも電気は足りると騒いだ結果、我々の業務には大きな被害が出た(実際に大きな被害が発生するだろう)。
やっぱり原発なしでは雇用も守れない、原発再稼働は生命線だ」と怒りだす。
しめしめ、これで原発は当分不滅のものになる。

これが偽装停電のシナリオだ。橋下市長は上に見たようにすでに主張を変え、現実には関係のない「市民のライフスタイル論」に責任をなすりつけている。すでに大阪市を手伝っている市民活動家は梯子を外されている。彼らの面子に配慮したりはしないだろう。

このことを多くの人たちに知らせてほしいのだ。もちろんテレビも新聞もあてにはできない。
後になってから「検証」なんて言うだけだ。
しかし今の私たち市民には、インターネットとSNSがある。彼らが偽装停電ができなくなるくらいに多くの人に知らせよう。ここは市民の伝達力と、原子力マフィアの伝達力の勝負になる。
もちろん彼らの方が物量ともに圧倒的だ。しかし市民の小さな伝達が何度も繰り返し行われることで、彼らの偽装停電を止められることになるかもしれない。

可能ならチュニジアのジャスミン革命のような伝達力を持って、彼らのもくろみを失敗させよう!

* 「需給調整契約」とは、大口企業の電気代を割安にする代わりに、電力需給がひっ迫した際に、電気利用の削減義務を負う契約。具体的には数時間前に連絡を受けて、工場を止めたり、冷房を切ったりする義務を負う代わり、電気料金を安くしてもらう契約。

続きを読む "原発再稼働と電力需給" »

がん患者と老子


『老子』 2013年5月 (100分 de 名著) NHK Eテレ5月の「100分 de 名著」は「老子」です。テキストも買って、どのような老子論が展開されるのかと放映を楽しみにしている。第1回は明日放映です。

手術後に、ICUで許された1日にたった一杯の水を飲めることが嬉しく、ベッドで足を伸ばして上向きにゆったりとできることが嬉しく、窓ガラスに、台風による雨滴が流れる様に見とれていたものだ。

老子の漢文は難解ですが、幸い加島祥造の現代語訳を知ることができ、加島訳の老子は私の胸にすとんと落ちました。このブログでも何度も紹介してきました。

老子はニヒリズム(虚無主義)だと言われるが、老子の虚無主義は絶望ではなく、自由であり希望です。この世も人生も”本質的に”無意味だと言うことであり、宇宙レベルで見て、私や人類の存在には根源的な意味がないということだ。だから逆に、自分の人生は自分で勝手に意味を見出せば良いし、たとえ癌であっても、こう生きようと自由に決めて良い。本来は意味のない”無”であるはずの”この私”が”存在している”という”奇跡”が、希望なのだ。大いなる”タオ”に生かされている私という希望なのです。

寺田寅彦が「電車で老子に会った話」に書いているが、老子には「無限」の概念がある。「大方無隅・・・」を「無限に大きな四角には角がない、無限に大きい容器は何者をも包蔵しない、無限に大きい音は声がない、無限に大きな象には形態がない」と訳している。「無限の遠方は復帰である」などはアインシュタインの「真っ直ぐに進んだ光は帰ってくる」閉じた宇宙を連想させる。

「故至数車無車 ゆえに車を数えることをいたせば車なし」を「部分の総和は全体ではない」と訳すことで、老子の中に複雑系や自己組織化の思想すら読み取ることができる。

「無欲、足るを知る」を説いた老子だが、仏陀もキリストも根本的には同じことを言っている。欲望を捨てないかぎり幸福にはなれないと。マルクスにおいても「資本論」において資本主義を頭から否定しているわけではない。むしろ歴史的にも必然的な制度であり、「蓄積欲」を利用して経済発展を遂げるというシステムにより人類は長く悩んできた飢えからも解放されたと説いている。しかし、その欲望から解放されない限り人間の幸福は訪れないとも説いている。

15万人の福島県民が故郷を追われているにもかかわらず、原発を再稼働させて、更に輸出までしようという「経済至上主義、新自由主義」は、人間の欲の果てしなさを表している。

続きを読む "がん患者と老子" »

2012年5月 6日 (日)

原発ゼロ 脱原発への第一歩

昨夜北海道電力泊原発3号機が停止して、42年ぶりに稼働する原発がゼロになった。記念すべき日だ。関西電力は夏場の電力が、15%足りなくなる恐れがあると脅している。であればその根拠となる数字を公開すべきだろう。足りないという一方で、関電の完全子会社がオール電化住宅の販売促進策を継続していると報道されている。なにをか言わんやである。

足りなくなるとしても、夏場の数日間、しかも午後の数時間である。これが過去のデータからの本当の数字だ。ならばこの時間帯をみんなで節電すればよい。テレビの電波を止め、夏の甲子園大会は夕方にビデオで流す。それも2,3日の数試合だけで済むはずだ。

国内26基の原発が定期点検を終えて核燃料を装填していると、3日付の赤旗が報じている。19基は、3.11の福島第一原発の事故後に装填されている。再稼働を淡々と狙っているのだ。

国民の節電意欲は電力会社や政府の予想以上に進んでいる。LED天井照明器具は売上の50%を超えるまで増えている。扇風機が飛ぶように売れている。昨年は計画停電対策として扇風機を買った人も多かっただろうが、今年は「節減のために」購入している。

我が家も寿命がきたものから順に、フィラメントの電球は電球型の蛍光灯に、蛍光灯はLEDにと交換している。量産効果でLED照明もずいぶんと安くなった。

アメリカではオバマ流のニューディール政策として、スマートグリッドへの移行が進められていると聞く。電力網とインターネットが融合して「賢い電力網」なるというものだ。一軒ごとの電力使用量がインターネットを介してたちまちわかる。将来的にはすべての電化製品が無線でインターネットにつながり、全国でパソコンにどれだけ、エアコンにどれだけの電力が消費されているかがわかるようになる。これによって電気使用量のピークを緩和する効果が期待されている。高速道路や幹線道路に設置されているVICSとカーナビが連携して渋滞緩和をすることにたとえればわかりやすいだろう。「情報網」が問題を解決する手段となるのである。

スマートグリッドに対応するには、各家庭にスマートメータが必要だが、東京電力はその計画を進めている。しかし、インターネットではなく自前の光通信網、ネット回線を構築してからはじめるのだという。

我が家も以前は東電の光通信網を利用していたが、道路改修の後に東電は光回線を撤去してしまったので、やむなくNTTフレッツに変えた経緯がある。実質上経営破綻した企業が、広大なエリアに光通信網をしくことは明らかなムダである。すでにあるインターネット回線を利用すれば良いはずだが、東電にはその気がない。スマートメータに関しても世界標準でなく、東電独自の仕様で調達しようとしている。国内の他の電力会社とも整合性がない。

東電は3月21日に「スマートメーター通信機能基本仕様に関する意見募集の開始について」と題して意見を募集している。(募集は既に終了)それに対して、4月20日にスマートメーター研究会が「スマートメーター通信機能基本仕様に対する意見」を提出し、4つのてんで反対している。

  1. この仕様は現在の垂直統合・地域独占の電力構造を固定するものであり、国の定めた電力改革の方向に逆行する。
  2. スマートメーターは電力網と情報通信網が融合する時代の中核となることが期待されるが、今回の仕様にはその配慮がなく、特にインターネットとの相互運用性に欠ける。
  3. 通信規格が東電の独自仕様で他社と互換性がなく、国際標準にも配慮していない。これはメーターの「ガラパゴス化」をもたらし、日本の電機・通信産業の競争力を失わせる。
  4. スマートメーターは国の方針として電力需要抑制(Demand Response)のツールとして使われる予定だが、現行の仕様にはDRへの配慮がない。

さすがは東電、転んでもただでは起きない。

スマートグリッドは、今後の日本の電力需給を大きく変えるシステムとなるはずだ。投資による経済効果も大きい。地域分散型の発電設備、自然エネルギーを使った発電とスマートグリッドを組み合わせれば、将来にわたって原発は要らない。そうすれば電気料は下がる(これについては以前に書いたが、原発があるから日本の電気料は世界一高いのである)。

たかだか夏場の数時間の電力不足のために、こんなにも危険な原発を再稼働させようとする脳みその構造を持っている人たちを、私は理解できない。今日も福島第一からは放射能が拡散して、子どもたちの体を被曝させている。

「起きる可能性のあることは、どんなに確率が小さくても、必ず起きる。明日起きるかもしれない」ことを、福島原発事故から学んだはずである。

2012年5月 4日 (金)

糖質制限食を続けています

久しぶりに糖質制限食の話題。もちろん(プチ)糖質制限食は続けています。朝は玄米と味噌汁、納豆、焼き魚、野菜の炒め物。夕食はご飯抜きのおかずだけ。おかずは肉に魚、タンパク質をしっかり摂るようにしています。もちろん、毎晩 糖質ゼロの『濃い味』もしくは焼酎は欠かしません。

困るのは昼食。外食ではどうしても糖質満載食になりがちです。好物の蕎麦を食べるのは、たまには仕方ないとしても、ラーメンや牛丼ではあまりにも糖質が多くて避けています。ヒントは江部先生の著作にもあったコンビニのおかずコーナーです。ローソン100なら、結構豊富なおかずが揃っています。私の定番はこれ。ゆで卵とヨーグルト、それにベビーチーズ。黒胡椒味がお気に入りです。

P1020315
他にも温泉卵、昆布豆、インゲンの煮付けなど糖質の少ないものが結構あります。

HA1cも正常値を維持しています。アマリールも0.5mgを一日に一錠だけ。低血糖症状も出ていません。アマリールも止めてよいほどですが、すい臓のほとんどがない私の場合、止めてしまうのは躊躇すると先生が言っています。ま、薬の方はその先生にお任せです。

体調も良いですね。先に書いた通り、朝の4時からドライブで高遠のさくら見物。奈良井宿など往復600キロを走っても居眠りをするようなことはありませんでした。しかし、先日の7名の方が亡くなった関越道の高速バス事故ですが、670キロまでは一人乗務でも良いとの国土交通省の基準だそうです。これはおかしい。こんな基準で良いとは、深夜に高速道路を670キロを走ったことのない官僚が作ったに違いない。東京から岡山までがほぼ680キロですよ。私ならせいぜい名古屋までが限界です。確かに居眠りした運転手は悪いが、単調な夜間の高速道路を運転してみれば、注意力が散漫になることはよくあるとわかるはずです。

規制緩和が事故の元凶です。バス会社は15万円で請け負ったそうですが、高速料金、燃料代、バスの減価償却費を引いたいくら残るのか。結局しわ寄せはバスの運転手にいくしかない。二人乗車では経営が成り立ちません。運転手は中国残留孤児の子弟だと言います。ここには二重の弱者へのしわ寄せが見て取れます。運転手も犠牲者です。

安ければ良い。市場に任せておけばすべてうまくいく、という新自由主義の規制緩和が、この事故の大本の原因です。そしてそれはまた、福島第一の事故も同じ構図なのです。
航空機も格安航空会社が台頭していますが、大丈夫か?

続きを読む "糖質制限食を続けています" »

2012年5月 3日 (木)

放影研の寿命調査(LSS)第14報

放影研の寿命調査(LSS)第14報が出ています。3月にPubMedに発表されていたものが、やっと日本語の概要が読めるようになりました。概要の要点は、

  • がん死亡の17%増加、特に被爆時年齢10 歳未満の群で増加した(58%増加)
  • 全死亡のリスクは、放射線量と関連して有意に増加した。
  • 固形がんに関する付加的な放射線リスク(すなわち、10^4 人年/Gy 当たりの過剰がん症例数)は、線形の線量反応関係を示し、生涯を通して増加を続けている。
  • 全固形がんについて、線形モデルに基づく男女平均の1 Gy 当たりの過剰相対危険度は、30 歳で被爆した人が70 歳になった時点で0.42(95%信頼区間[CI]:0.32, 0.53)であった。
  • そのリスクは、被爆時年齢が10 歳若くなると約29%増加した(95% CI:17%, 41%)
  • 全固形がんについて過剰相対危険度が有意となる最小推定線量範囲は0~0.2 Gyであり、定型的な線量閾値解析では閾値は認められなかった。すなわち、ゼロ線量が最良の閾値推定値であった。

タイトルにもあるように、1950~2003年の被爆者のデータであり、1945年8月の広島・長崎の被ばく後5年間に死亡した人は対象となっていない。また、県外に移住した人なども対象外である。更に遠距離被爆者を比較対象とする、特に問題なのは、内部被ばくをほとんど無視している研究です。多くの問題点が指摘されている研究であるが、それでもなお0.2Gy以下でも統計的に有意であり、閾値は「ゼロ」が最良の推定値だというのだから、「100mSv以下の被ばくは影響ない」との政府・御用学者らの見解の嘘がわかろうというものです。

武田邦彦先生もブログで取り上げているが、「被爆と健康に関する研究ではもっとも権威のある機関でもあります。被曝と健康 決定版!」などと最大限に持ち上げていますが、過去のレポート13報や12報からみても大きな変更はありません。

続きを読む "放影研の寿命調査(LSS)第14報 " »

2012年5月 2日 (水)

梅ちゃん先生

朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の舞台は、終戦直後の蒲田。私の住む街である。梅子の通う城南女子医学専門学校のモデルは、帝国女子医学専門学校、現在の東邦大学医学部である。近所の80歳より上の年寄りは、いまでも東邦医大のことを「女子医専」と呼んでいる。

Image_020

大田区は昭和20年の4月から5月にかけての度重なる大空襲によって、蒲田から大森にかけての90%が焼け野原となった。それは当時、東京都内の軍需工場の25%が大田区に集中し、日本の兵器廠としての役割を担っていたからである。この空襲で池上本門寺も被災し、五重塔等の一部を残して消失した。いまでも徳川家の墓石など黒く焼けた跡が残っている。

日本工学院で梅ちゃん先生の番組展をやっているというので出かけた。撮影に使った小道具も展示されていたが、細かいところまで当時の姿を再現している。竹夫が級友に学費を貸すために教科書を質に入れた質札、梅子の卒業証書、下村家の米穀通帳まである。

P1020260P1020261 P1020262

米穀通帳には、下村家は「本蒲田第拾班」とある。我が家の地籍も本蒲田(住居表示は戦後蒲田○丁目になった)だから、下村家はこの近くという設定だ。

ジオラマも実に精巧にできていた。妻が言うには、呑川の両岸にはジオラマのような店がたくさんあったと。

P1020268_2

P1020279_2

P1020281

P1020295

P1020296_2

P1020273

 

続きを読む "梅ちゃん先生" »

2012年5月 1日 (火)

行者蕎麦「梅庵」と奈良井宿

高遠は高遠蕎麦で有名だが、天保年間、高遠城の殿様(保科正之)は、辛くて、甘いまろ味がある大根と焼味噌で作る"からつゆ"で食す「行者そば」が大好物だった。その行者そばを食ってみようと「梅庵」へ。梅庵は木曽駒ヶ岳の登山口、伊那市上伊那の小黒川上流、内の萱地区にある。

大きな地図で見る

3326eec 比叡山の千日回峰では五穀を断たなくてはならないが、そばは五穀(いね、むぎ、あわ、きび、まめ)に入らないので修行中でも食べてもよいそうだ。1300年前、役小角(えんのおづぬ)が内の萱の里人から手厚いもてなしを受けたお礼に一握りのそばの種を贈ったという。行者そばと名付けて里人が伝統を守ってきた。ここは日本の蕎麦の発祥地である。

P1020215 国替えになった殿様が行者そばを会津若松藩に伝え、いまでは会津もそばの有名な産地である。先日行った幸手市の「ふくろう」は会津の蕎麦を使っていた。

十割蕎麦だが、コシがあり田舎蕎麦風の黒い蕎麦である。しかし、香がいまいちだった。「ふくろう」の蕎麦の香があまりにも鮮烈だったので、行者そばがなんだか物取りない。有名になり客が増えると、注文を受けてから蕎麦を打つわけにはまいらないのだろう。蕎麦の香りは飛んでしまっていた。

宿は早太郎温泉の一番奥にある「山野草の宿 二人静」。千畳敷カールへの登山口にある。この4月10日にリニューアルしたばかりの和洋室に部屋を取った。湯も良し食も良し、もてなしも良し。

P1020247 _dsc3661翌日は奈良井宿へ。馬籠、妻籠は訪れたので、中山道の宿場町で大きなところはここを残していた。確かに大きな宿場町だが、馬籠などと比較すると閑散とした印象である。

古民家カフェ 風花で飲んだ珈琲は、田舎にしては(失礼!)すばらしい香りだった。薪ストーブも雰囲気がある。

お気に入りのショットをスライドショーでアップしました。↓クリック

_dsc3678

 

続きを読む "行者蕎麦「梅庵」と奈良井宿" »

« 2012年4月 | トップページ | 2012年6月 »

がんの本-リンク

  • がん患者が選んだがんの本

サイト内検索

膵臓がんブログ・ランキング

膵臓癌 お勧めサイト

アマゾン:商品検索

がんの本「わたしの一押し」

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想