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2012年6月 6日 (水)

セシウム137の体内放射能(3)

子どもの場合は?

子どもは大人と比べて、実効半減期が短いから内部被曝は小さいと説明されている。はたしてその通りなのか?

6歳の小児と成人を比較してみよう。

6歳児  体重=20kg、実効半減期=38日
成人    体重=60kg、実効半減期=100日

とする。最初の体内セシウム137はともに1000Bqで、1Bq/日、10Bq/日を摂取したときの1000日間の推移をグラフ化した。確かに小児は急速に排泄されていく。

Hikaku

飽和値は初期値に無関係に決まるから、初期値1000Bqは重要ではない。10Bq/日を継続的に摂取したときの飽和値は、成人が1447Bq、小児が553Bqで、小児は成人の約1/3である。

しかし、飽和値での体重1kg当たりの放射能は、成人が24.1Bq/kg、小児が27.7Bq/kgとなり、小児の方が大きな放射能濃度となる。バンダジェフスキーの病理解剖データが述べている影響は、その頻度と重篤度がBq/kgに比例している。大事なのはBq/kgである。

実効半減期が短くても、体重1kg当たりで比較すればその違いは帳消しとなり、成人と小児はほぼ同じである。さらに言えば、子どもは大人の2~3倍の放射線感受性を持っている。幼児なら10倍以上だ。放射線感受性を考慮すれば、小児は成人の3倍程度の内部被曝による影響を受けるとの結論になる。

5月20日の「余命宣告を受けながら放射能と闘う医師」で紹介した原町中央産婦人科医院の高橋亨平先生、それをブログで紹介している玄侑宗久さんがいう「内部被曝で異常値はない」「子どもは排泄が早いから(実効半減期が短い)」「子どもの被ばく影響の見直しの必要性がある」との主張には納得しかねる。

昨年の3月20日、福嶋第一原発事故直後の早い時期に、ドイツ放射線防護協会が出した「日本のおける放射線リスク最小化のための提言」において、

評価の根拠に不確実性があるため、乳児、子ども、青少年に対しては、1kgあたり 4 ベクレル以上のセシウム 137 を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1kg あたり 8ベクレル以上のセシウム 137 を含む飲食物を摂取しないことが推奨される。

と述べていることは、ドイツにおける年間許容線量が0.3mSvであることと、これまでに私が説明してきたことが根拠となっているのである。

セシウム137を飽和値まで摂取しない、つまり徐々に体内放射能を減らすためには、この提言を守ることが必要です。その根拠は「実効半減期」という、低線量被曝や内部被曝の評価に対する立場とは関係のない数字によって計算できるのであり、仮にバンダジェフスキーの研究に否定的見解をもっていたとしても、体内放射能を減らす必要性にまでは反対しないであろう。

(続く。次回で終わりにします)


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