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2012年6月 9日 (土)

セシウム137の体内放射能(4)

これまでの議論は、ICRP Pub111の図2-2を出発点としている。そしてセシウム137の実効半減期と1日の摂取量だけを使って計算をした。摂取量と排泄量とがある拮抗点(飽和値)になることは、これらを前提とすれば低線量被曝に対する見解とは関係なしに、誰でもが同意できる結論である。(ICRPも図2-2を載せているのだし)

意見が異なるとすれば、ICRP(とその信奉者)はベクレルをシーベルトに換算して「影響の生じるレベルではない」と言うだろう。それに対しては、チェルノブイリの被害者の病理解剖データから、生じている被曝の現実から体内被曝の影響を評価すべきである、と言うのみである。(現場から学べ!)

体内にはカリウム40が6000Bq存在するから、それと比較すれば安全である、という反論が出ることが予想される。しかし、カリウム40はほぼ体内に均一に存在するのであり、60兆個の人体を構成する細胞の一つが連続してカリウム40からのベータ線に撃たれることはまずありえない。一方のセシウム137は筋肉組織、甲状腺、膵臓、心筋組織などにより多く集積し、なおかつ微粒子を構成しているので体内のホットパーティクルとなっている。これから出るベータ線はごく近傍の細胞を集中的に何度も撃つのである。例えてみれば、10万人のサッカースタジアムに向けてライフル弾を10発撃つのと、10人がいる部屋に向けてライフルを10発撃つことの違いである。吸収エネルギーを臓器全体で平均してシーベルトに換算するというICRPの過小評価である。

毎日10Bq(Bq/kgではない!)の食物の摂取を継続的に続ければ、1~2年で成人では1450Bq、子供では550Bqの平衡値に達する。この値は、体重1Kgにして約24~28Bq/kgとなり、50%に心電図異常が出るレベルとなる。

4月から施行された新基準値の食物を摂取し続ければ、13~18歳の子供の飽和値は270Bq/kgになり、バンダジェフスキーの病理解剖で示されている慢性心疾患患者の体内放射能値 138Bq/kgの2倍もの値となる。

  • 内部被曝をシーベルトで表して「100Bq/kg以下だから安心です」との報道、政府の発表を鵜呑みにしてはならない。ICRPは「がん死」のリスクしか考えていない。
  • 新基準値 100Bq/kgは突然死を招きかねない汚染度である。(原子炉等規制法では、この物質はドラム缶に入れて厳重管理する汚染度である)
  • 流通している食品には検査をすり抜けたものがあると覚悟すべきである。
  • 食品は、10Bq/kg以下の物を選ぶようにする。
  • 特に妊婦と18歳以下の子供にはND若しくは未検出の物を食べさせるべきである。
  • NDと表示されているときでも、検出限界値を確認する。
  • 福島を応援するために福島産を食べる行為は、命がけだと覚悟のうえで行え。

同じように瓦礫を全国に拡散して焼却処理することも、日本全体の放射能レベルを押し上げ、最後はわれわれの体に蓄積することになる。

わずか10Bqだと侮ってはいけない。再掲するが、ICRPもPub.111でこう言っている。

同じ総摂取量に対して期間末期における全身放射能は著しく異なる。これは、汚染された食品を日常的に毎日経口摂取する場合と、断続的に1回摂取する場合との負荷が本質的に異なることを示している。

最後に
なるべく数式を使わない説明をしてきたが、それでは納得できないという人のために、計算方法を記しておく。数式を見ると頭が痛いという方は飛ばして欲しい。

                                                           (終わり)


放射性同位元素は、その核種に固有の一定の確率(崩壊定数)で崩壊して別の核種になる。t時間後の放射能A(Bq)は、崩壊前の放射能をA0、崩壊定数をλとして、

Imageyositakapc001_2となる。元の放射能の半分となる時間tを半減期(D)といい、
Imageyositakapc002
の関係がある。したがって(1)式は半減期を使って、
Imageyositakapc003 と表示することができる。このときのDは、原子核の崩壊による物理学的半減期である。

人体内の放射能も、その総量に比例して減っていくのであるから、同じく指数関数で(1)や(3)式と同じになる。このときの半減期を実効半減期といい、実効半減期と生物学的半減期、物理学的半減期の間には次の関係が成立する。
Imageyositakapc004_2

セシウム137の物理学的半減期は約30年であり、生物学的半減期は成人で70~100日である。生物学的半減期に比べて物理学的半減期は非常に大きいので無視してもよい。したがって、セシウム137の場合は実効半減期≒生物学的半減期と考えることができる。以後、Dを実効半減期として表示する。

実効半減期がD(日)の成人で、0日目のセシウム137の体内放射能をA0(Bq)とし、毎日 a(Bq)を継続的に摂取した場合を考える。

n日目の体内放射能値は、その日の摂取量 aにn-1日目の残存放射能値を足したものである。
実効半減期で表せば、(2)式を考慮に入れて、
Imageyositakapc005
Imageyositakapc006

と次々に計算していけばよい。エクセルに計算式を入れてやれば、即座にグラフ化できる。

Imageyositakapc007_2
となる。初期値には依存せず、1日の摂取量と実効半減期で決まる。

次に、体内放射能が初期値のままで変化しない場合は、
Imageyositakapc008 であるから、
Imageyositakapc009
となる。このとき、体内放射能は増減しない。


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