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2013年2月

2013年2月28日 (木)

TPPで、がん患者は殺される

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安保徹とコンビの船瀬俊介ばりのタイトルですが、これは誇張ではない。早速安倍晋三の嘘がほころびだした。26日の産経新聞が『焦点に医療保険浮上 厚労省「国民皆保険制度」崩壊に危機感』と次のように報じている。

安倍晋三首相が参加に向け調整を開始した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、焦点の一つに医療保険分野が急浮上し、所管する厚生労働、総務両省は「国民皆保険制度」が崩壊するのではないかと危機感を強めている。

 田村憲久厚生労働相は26日の記者会見で、交渉参加が国民皆保険制度に及ぼす影響について「何としても避けなければならない。首相も『絶対ない』と言っているので、交渉の中で壊れていくことはない」と強調した。

 首相は、今月19日の参院予算委員会で「国民皆保険は守っていく。わが国の主権の問題だ」と述べた。25日には、官邸を訪ねた日本歯科医師会の大久保満男会長らに対し、交渉に参加しても国民皆保険制度を維持する考えを伝えている。

 それでも、厚労省は「米側が交渉中に絶対に俎上に載せないという保証はない」(幹部)と不安を隠せない。昨年までの民主党政権が当初、医療保険制度について「議論の対象外」と説明してきたのにもかかわらず、途中から「可能性は否定できない」と態度を変化させてきたからだ。

 同省は、国民皆保険制度が廃止されると、自在に価格を設定できる自由診療が基本となり、外資の民間保険加入者と未加入者との間で医療格差が広がる可能性が高くなると強調する。同省も米国側の動向を独自に収集し、同制度の存否が交渉案件にならないよう、与党議員に働きかけを強めることにしている。

これは危惧でも何でもない。TPPとは本来そうしたものだからだ。NHKをはじめとしたマスコミは、関税の問題だけのように報じ、解説しているが、アメリカの一番の目的はいわゆる「非関税障壁」の撤廃なのである。この中にはサービス、つまり医療も含まれるのだ。

下のポスターは宮城県医師会が作成したものである。

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Q:なぜ日本の公的医療保険がTPPの対象になると思うの?

A:米国はこれまで10年間、日本政府に対し「混合診療の全面解禁」「医療への営利企業参入」「米国に有利なルール改定」などを要求し続けているからです。

とある。まさに正鵠を射たポスターで、それが現実になろうとしている。米国が狙っているのは、混合診療の解禁を皮切りに、世界に誇るべき日本の皆保険制度を解体し、米国の民間保険会社は自由に参入できるようにすることです。更に営利企業が自由に病院経営に参入できるようにすることも含まれている。

営利企業が医療へ参入することで問題に点として、日本医師会は、

  1. 医療の質の低下
  2. 不採算部門等からの撤退
  3. 公的医療保険範囲の縮小
  4. 患者の選別
  5. 患者負担の拡大
を挙げている。

介護保険が導入されたときのことを思い出してみよう。全国的に展開した会社が、不採算地域からはすぐに撤退した。営利企業なら当然の判断だ。営利企業が医療に参入したら、不採算地域、不採算診療科の医療はやらない。医療過誤裁判になるようなリスクのある診療、小児科・産婦人科などは絶対にやらないだろう。患者を選別し、儲けの期待できる診療しかやらない。

ところが、共同通信社の世論調査によると、TPPに賛成が63%だという。

マスコミにだまされての調査結果だ。なぜならNHKも他のマスコミもTPPの大事な点を一切報じないからだ。大事な点とは何か。それは、宮城県医師会のポスターにもある「ISDS条項」「ラチェット規定」だ。

ラチェットとは、「爪歯車」で一方方向にしか回らない工具であり、ラチェット規定は、締約国がのちに何らかの事情により市場開放をし過ぎたと思っても、規制を強化することが許されない規定なのだ。元には戻れない。

ISDS条項は「投資家対国家の紛争解決条項」の略であり、国家が自国の公共の利益のために制定した政策によって、海外の投資家が不利益を被った場合には、世界銀行傘下の「国際投資紛争解決センター」という第三者機関に訴えることができる制度である。次のような問題点が指摘されている。

  • 「国際投資紛争解決センター」の審査対象は「その国の政策によって投資家がどの程度の被害を被ったのか」という点だけであり、「その政策が妥当なものかどうか」は問われない
  • 審査は非公開であり、判例による拘束は受けない
  • 審査結果だけが公開され、その理由は開示されない
  • 審査結果に不服があっても上訴できない

中野剛志(京都大学大学院工学研究科准教授)によれば、実際に米国・カナダ・メキシコ間の自由貿易協定NAFTAのISDS条項に関しては次のようなことがあった。

  • カナダでは、神経毒性のある物質の燃料への添加を禁止していた。米国のある燃料企業が、この規制で不利益を被ったとして、ISDS条項に基づいてカナダ政府を訴えた。審査の結果カナダ政府は敗訴し、巨額の賠償金を支払い、さらにこの規制を撤廃せざるを得なくなった。
  • ある米国の廃棄物処理業者が、カナダで処理をした廃棄物(PCB)を米国国内に輸送してリサイクルする計画を立てたところ、カナダ政府は環境上の理由から米国への廃棄物の輸出を一定期間禁止した。これに対し、米国の廃棄物処理業者はISDS条項に従ってカナダ政府を提訴し、カナダ政府は823万ドルの賠償を支払わなければならなくなった。
  • メキシコでは、地方自治体がある米国企業による有害物質の埋め立て計画の危険性を考慮して、その許可を取り消した。すると、この米国企業はメキシコ政府を訴え、1670万ドルの賠償金を獲得することに成功したのである。

混合診療がいったん解禁されたら、ラチェット規定により、元には戻せない。営利企業の病院経営を認めたら、外国企業の参入を拒否できない。条件を付けたら「不利益を被った」として損害賠償を請求され、それは国内法ではなく、国際投資紛争解決センターでTPPによって裁かれる。つまり、日本国憲法も国内法も一切無視されるのだ。

結局は今の米国と同じ医療保険体制になっていく。金があれば第一級の治療を受けられるが、経済的負担のできない患者は「臨床試験」に頼るしかなくなる。

米国では、がんサバイバーの破産率は、診断を受けてから5年間で4倍になるというこちらの記事を読むと良い。

ワシントン州西部の14年間分の成人癌症例登録データ約232,000件を連邦破産裁判所の報告書と関連づけて解析したところ、生存のための隠れたコストが明らかになった。生存期間の延長とともに破産率が上昇しているのだ。「平均して破産率は診断後の5年間で4倍になります」。

一般集団と比較すると癌患者では破産率が診断後1年で約2倍に増加しており、破産に至るまでの期間の中央値は診断後2.5年である。

破産率が癌の種類によって大きく変わることがわかった。肺癌、甲状腺癌、白血病/リンパ腫の患者では破産リスクが高くなる。

破産したら、たぶんその後の治療は受けたくても受けられないだろう。生活保護へのバッシングも激しくなっているし、生活保護すらも非関税障壁と判断されかねない。

TPPを受入れ、混合診療を解禁し、営利企業の医療参入を許したら、日本のがん患者も同じ憂き目に遭うことは確実だ。だから、”TPPでがん患者は殺される”と言うのだ。

日本では膵臓がんに使える抗がん剤は3種類だけだが、アメリカでは9種類も認可されている。それも金があれば使えるというだけのことだ。TPPに参加したら、もっと抗がん剤の承認を簡単にして、アメリカで許可されたものは、すぐに使えるようにしろと言ってくるかもしれない。一見するとドラッグラグの解消になりそうだ。しかし、人種が違えば薬の安全性も効果も違う。これはイレッサに確認済みだろう(アジア人には効くというがんセンターなどの説明を信じるならばだが)。何でもかんでも早期承認すれば良いってものではない。混合診療解禁で、金があれば未承認の抗がん剤がどんどん使える。貧乏人は指をくわえて三途の川を渡るしかないのか。

もっとも、抗がん剤(毒)をてんこ盛りにするよりは、抗がん剤を使わない、あるいは低用量で使う方がQOLも良くて長生きしそうだとしたら、金のないがん患者の方が、結果的に幸せになる。これは愉快なブラック・ユーモアだ。

もうひとつのブラック・ユーモア? はこちら。昨日26日参議院予算委員会における共産党の井上哲史議員の代表質問の画面。パネルは共産党の言ったことではなく、自民党の総選挙時の公約です。間違いのないように。

  • ウソつかない
  • TPP断固反対
  • ブレない

ここまで堂々とウソをつかれると、呆れて目が点になり、腹立ちを通り越して笑ってしまった(@_@)

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2013年2月26日 (火)

低血糖が起きた!

昼食前に急に汗ばんできた。何度か経験した低血糖の症状だと確信したので、血糖値を測定しところ 70mg/dLだった。明らかに低血糖です。
急いで、いつもバックパックに入れて持ち歩いている固形タイプのブドウ糖を口に放り込みました。

少し治まってきたので、昼食は糖質制限をせずに海老天蕎麦を、これ幸いと食べた。2時間後にふたたび測定したら278mg/dL。今度は若干高すぎだが、まっ、いいか。ブドウ糖を補給した後だったから、天ぷらと蕎麦では糖質を摂りすぎだったかもしれない。

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昨日は1日厳格な糖質制限食を続けたうえに、アマリールを朝晩0.5mgを2錠だから、それが原因かもしれません。しかし、今朝は久しぶりに玄米ご飯を食べたのだから、低血糖になるとは考えてもいなかった。変動が大きいことは余りよい傾向ではないなぁ。

「低血糖を起こさない範囲で」空腹時が140~150を目標にしているのだが、少し厳格すぎたようだ。と言って気を抜くとすぐに食後の値が250を超えてしまう。

明日からアマリールを1回だけにしてみる。一般には糖尿病薬を勝手に減量するのは危険だが、私の場合は低血糖が起きたら自己判断で半分までは減らしても良いと、主治医のお墨付きを貰っている。

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2013年2月25日 (月)

シグマ SPP5.5 のモノクロモード

心待ちしていたSIGMAのSPP5.5がダウンロードできるようになり、早速使ってみた。私はデジカメの初期からデジタル・モノクロに関心を持っていたので、エプソンのインクジェットプリンタでなんとか銀塩並みのプリントができないものかと、試行錯誤した時期があった。もう10年以上も前の話で、当時のプリンタは確かPM4000だったと思う。そのころ考えた技法を「デジタル&モノクロ写真技法」としてホームページを立ち上げてアップしてある。今ではここの情報も古くなってしまったが、闘病と多忙にかまけて更新もしていない。

ライカのモノクロ専用デジカメ「ライカMモノクローム」は、モノクロ愛好家には垂涎の的だが、84万円では手が出ません。そこでMerrillのFOVEONセンサーならライカMと同等かもしかするとそれ以上のモノクロ写真ができるのではないかと、期待していたのです。桐島ローランドがSD1 Merrillで撮って、写真展「TIMESKAPE」に展示されていた廃棄された機関車の写真は、「デジタル・モノクロもここまで来たか!」と思わず唸ってしまうほどの圧倒的な迫力があった。Photoshopでの加工は一切していないというから、FOVEONセンサーのクオリティーがよくわかる作品だった。RGBの各素子が垂直に構成されているFOVEONセンサーなら、原理的には解像感を損なわずに輝度情報だけを取り出せるはずだからだ。

口上はこれくらいにして、とりあえずモノクロ化した作品を見ていただく。最初の一枚は先日のブログにカラーで載せたものをモノクロ化した。

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簡単に高品位なモノクロ写真ができる。しかし、不満もある。例えばこちらのお地蔵さまの写真。できれば赤い「よだれかけ」を黒っぽく表現したいとします。

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しかし、SPPのモノクロモードでは、カラーミキサーを使って調整しても下の画像が限界です。Image_004

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ところが、私のサイトで紹介している「高機能なモノクロ化」を使えば下のようモノクロ化が可能です。(現在のPhotoshopとはダイアログが少し違いますが、想像力で補えば使えるでしょう)

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どちらが良いかということではなく、Photoshopのテクニックを使えばここまでできるという例です。SPPのモノクロモードはブログ用の画像に、気に入った写真はPhotoshopを使って納得できるまでモノクロ化する、というのが上手な使い方でしょう。SPPにはフィルムの粒状性を簡単に付加できるので、これは重宝します。

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2013年2月24日 (日)

鎌田實:甲状腺検診、加速させよ

がんばらない医師:鎌田實先生の毎日新聞連載「さあこれからだ:49」です。たいへん重要で時期に適った指摘です。鎌田医師は、最初の甲状腺がんが見つかったときは『原発事故とは関係ない可能性が高いと思いつつ、しかし、慎重に考える必要があると思い、なんでも「だいじょうぶ、だいじょうぷ」という人たちとは違う構え方をしてきた。』と書いていました。ここにきて、たいへん危惧するようになったと書いていますね。

島薗進氏もTwitterで「チェルノブイリで甲状腺がんが早く出て驚いたという山下俊一氏は、どうも昨年6月段階で放射線影響による甲状腺がん発症を予想していた。」とつぶやいています。だとすると、これは犯罪ですよ。

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膵癌患者の糖尿病対策:緩やかな血糖値管理で良い

膵臓がん患者にとっては、がんの治療と同時に糖尿病対策も大切です。糖尿病を併発する場合が多いからです。膵臓を全摘出している場合はインスリンの注射が欠かせませんし、部分摘出あるいは手術ができなかった場合も、膵臓の機能に何らかの影響が及ぶことが多いのですから、日常的な血糖値の管理が重要です。

私の場合では、膵頭部をわずかに残して膵体部・膵尾部を切除し、インスリンを分泌するβ細胞が多く存在する部分を切り取ったわけです。それにもかかわらず必要な量のインスリンが分泌されていました。それはごく少量のSU薬・アマリールを服用していたためかもしれません。しかし昨年末頃から食後血糖値が300mg/dLを超えることがありました。考えられるのは、甘いものやビールを摂りすぎたこと、食事が糖質の多いものに偏っていたことが一つ。もしかするとアマリールの二次性無効(長期間飲み続けると次第に効かなくなる)によるものかもしれません。今後どのように糖尿病への対策・血糖値の管理をしていくべきなのか、そのためにも、ここで糖尿病に関する基礎知識を再確認しておこうと思います。

結論めいたことを箇条書きにします。

  • 2型糖尿病とは、その人にとって必要な量のインスリンが産生されず、その結果三大栄養素である糖分・脂質・タンパク質の利用が妨げられて起こる全身病である
  • インスリンは「ホルモンの王様」といわれる。ブドウ糖の吸収、糖質をエネルギーに変えるたり脂質に変換する、アミノ酸からタンパク質を合成する、などのために絶対に必要で、健康であるためには重要なホルモンである
  • 血糖値は、あくまでも一つの指標であり、血糖値が高いとその影では脂肪やタンパク質の利用も悪化しているということを意識すること
  • 血糖値を下げることは”目的”ではなく、必要なインスリンが作られるようにする、あるいは、インスリンの必要量を少なくて済むような身体、生活をすること

この点を誤解している糖尿病専門医や患者が多い。がんの治療において腫瘍マーカーを下げることが目的だという医者はいないだろう。目的は腫瘍を大きくしないこと、できうるならば治癒したいのであって、治療の効果が出ているかを確認するために腫瘍マーカーやCT撮影をするのです。血糖値測定も同じです。

  • 血糖値を下げるのはインスリンだけであり、100種類以上の遺伝子に作用するのもインスリンだけである
  • 血糖値を上げるのは糖質だけである
  • 身体に必要な栄養素を欠かさずに血糖値を下げるには糖質制限食が良い

がん患者の糖尿病治療(血糖値管理)における重要点

  • 食事:糖質制限食あるいは地中海食を中心に、必要な栄養素とカロリーを摂る(野菜ジュースだけという極端なゲルソン療法などは論外)
  • 運動:運動によって血液中のブドウ糖を消費する。また、少ないインスリンでも代謝がコントロールできる身体になる
  • 睡眠7時間以上の睡眠を確保する。1日だけの睡眠不足でも、耐糖能が悪化してインスリン抵抗性ができる
  • ストレス:長時間のストレスは筋肉以外を虚血状態にし、膵臓のβ細胞が損傷されてインスリンの産生が悪くなる
  • 以上のことを徹底的におこなってもなお血糖値が高すぎるときにだけ、インスリンを注射する。他の糖尿病薬はできる限り服用しない。

アマリールを飲んでいる私が、このように書くのは矛盾していると思われるかもしれません。理由は、まだまだ食事・運動(睡眠は充分でストレスはない)でコントロール可能だと考えていること。インスリン注射は、そのときどきの必要量ぴったりにすることが難しく、確実に過大量になる期間がある。そしてインスリンには細胞分裂を促進する作用があり、体内にがん細胞があった場合に再発、増大を誘発する恐れがある、と考えられるからです。アマリールなどのSU剤にも発がん性や別の副作用があるのですが、どちらを選ぶかは迷うところです。食事と運動で、インスリンも何も使わずに済むことがいちばん良いのです。

血糖値とHbA1cの目標値

  • HbA1c:7.0 %
  • 空腹時血糖値:150 mg/dL
  • 食後血糖値:250 mg/dL (できれば220 mg/dL)

これは厳格な血糖値管理よりも、緩やかな管理の方が良いというアメリカで2008年におこなわれたACCORD試験の結果によるものです。この試験に関しては江部康二先生のブログこちらも)と日経メディカルオンラインの記事をリンクしておきます。江部先生の話の方がわかりやすいですね。

簡単に言ってしまえば、厳格な血糖値管理を続けると低血糖による死亡率が高くなり、そのデメリットが血糖値管理のメリットを上回るということです。

DPP-4阻害剤を使うことも主治医と検討しましたが、このインクレチン関連製剤には、T細胞の活性化を妨げて免疫機能を阻害するという作用があります。またインスリン様成長因子(IGF-1)の分泌に関連し、がんとの関係の深い炎症作用とも関連しています。これらから発がん性が疑われます。実施に動物実験では肝臓癌が優位に増加したと報告されています。身体に膵臓がんの腫瘍が残っているかもしれない癌患者としては、愉快な話ではないです。

(一介のがん患者の考えですから、鵜呑みにしないで、治療には主治医とよく相談してください)

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2013年2月23日 (土)

指を立てないと重音は鳴らない

久しぶりにチェロの話題。

木曜日のレッスン日には、そじ坊で「季節の野菜天ざる」で一杯やってからが私の習わしだ。しかし、天ぷらに蕎麦では血糖値には悪影響だ。この日は、だから冷や奴にニシンの煮付け、もちろんそば湯割りの焼酎は抜けない。最後に締めのざる蕎麦を半分だけ。

レッスンはエチュードから始まって、今日からヴィヴァルディのチェロソナタ。エチュードで引っかかるのが3番線(G線)を、特に小指で押さえて隣のD線とスラーでつなげるとき。D線が開放弦の場合は弦の位置が指板から高い位置にあるので、小指が触れてしまう。CやGとDの重音は、これでは鳴らない。
Img それぞれの小節の2ブロックが問題の部分。左の肘を前に出して、指は指板に垂直に近くなるように押さえないと、D線に触れてしまう。弦を指で引っ張る癖もついているのか、これがなかなか難しい。腕全体に、つい力が入ってしまう。
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これくらい指を立てないと、まともな音にはならない。他の指でも同じ傾向があるのだが、小指が一番の問題児だ。抑える力も弱いし、他の指よりも短いから手のひら全体を使って小指を前に出すようにしている。
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しかも、爪に近い部分で抑えなければならないので、慣れないうちは痛い。

このあたりのことは「よしけん」さんのサイトにある「重音への配慮」を参考にさせていただいた。

まず、指を弦の上に並べた時の形を考えてみます。となりの弦に指が当たらないようにするには、関節の曲げ方を大きくして指を「立てた」状態で押さえる必要があります。全体的に見れば、親指と他の4本の指のつくる輪が、より○に近い形になります。

指を立てると、弦が指に当たる場所が変わってきます。具体的には、より指先に近いところで押さえないといけなくなります。慣れないうちは痛いですが、この方が腕の重みが弦に乗りやすくて音の輪郭がくっきりし、また指が機敏に動きやすくなるので、普段から指の先寄りで弦を押さえる奏法にも慣れていた方がよいと思います。爪が邪魔になる人は、短く切っておきましょう。音質の問題でいえば、指の腹で押さえた方が音質が柔らかくなるので、この二つの押さえ方は曲想によって使い分ける必要があると思います。

誠に、言われてみれば物理的にもその通りなのだが、力まずに脱力して指先にはしっかりと重さを乗せる、これが難しい。練習あるのみか。

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2013年2月21日 (木)

アクセス数が低迷している

最近このブログへのアクセスが減ってきました。以前は1500/日程度あったのが、このごろは1000/日程度です。それでも闘病記ブログでは多い方だと思います。アクセスが減ってきた原因が気になります。

Googleで「膵臓がん」で検索すると、以前には10番目くらいにヒットしたのですが、現在では275番目にやっと一部のページが出てくる始末です。これでは初めての訪問者は増えないはずですね。

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Googleで上位にヒットしなければ、そのサイトは「ないも同然」です。ちなみにbingだと21番目にヒットしています。原因は、Googleが検索エンジンの評価基準を変えたのかもしれませんね。となると、SEO(Seach Engine Optimization)対策を考えなければ。

Google検索結果には、にほんブログ村などに登録してある闘病記が上位に来ているようです。私自身はアクセス・ランキングやコメント数を競う気などはさらさらないので、これまで登録はしませんでした。気が進まないが、こちらに参加するという手もあります。

(ということで、登録してしまいました)

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2013年2月20日 (水)

膵癌術後化学療法は、GEMからTS-1になるだろう

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久しぶりにDP1 Merrillで散歩。自販機の背景の絵は新潟県十日町市の美人林でしょうか? どらえもんの「どこでもドア」のようです。


膵臓がんの術後化学療法はGEMよりもTS-1が優位であると、先日JASPAC-01試験の結果が出た。Abstractに関してはこちらに書いたが、「癌Experts」誌には杏林大学医学部主要な医科学教授:古瀬純司先生の解説「日本人における膵癌術後補助化学療法の標準はS-1に」が載っている。こちらには生存率曲線もあり、古瀬先生の見解も知ることができる。
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  • ゲムシタビン群の2年生存率は53%(95%信頼区間:46-60)
  • S-1群の2年生存率は70%(95%信頼区間:63-76)
  • 全生存率(OS)のハザード比が0.56で、死亡リスクを44%下げることを意味するが、これは驚異的な数字である。
  • プラセボ対照試験のように大差がついたのは大きな驚きです。

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  • 無再発生存期間(RFS)中央値はゲムシタビン群が11.2ヶ月
  • 同様に、S-1群は23.2ヶ月
  • ハザード比はこちらも0.56

結論は、

  • この結果は、S-1の術後補助化学療法としての有効性をしっかりと示した
  • CONKO-001試験のOS中央値は約23カ月。JASPAC-01試験では25.5ヵ月であり、ほぼ同等
  • 無再発生存期間中央値は、JASPAC-01試験の方がやや悪い。ですから、特に良い症例だけを登録した試験ではないことになります。
  • 進行癌で同程度の効果を示した薬剤同士が、術後補助化学療法では大きな差がついた理由の1つは、直接の抗腫瘍効果の差、つまり、
  • S-1の方が、肉眼では検出できない微小な遺残癌をきちんと排除する力がある。

CONKO-001試験はヨーロッパでの試験であり、今回は日本人を対象とした試験ですから、民族の差があるのかもしれません。TS-1がアジア人に対してより効果があるという情報がどこかにあったような気がします。

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2013年2月18日 (月)

確定申告が終わった

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久しぶりの撮影です。いまいち納得できない作品ですが、またぼちぼちと。


本日から確定申告の受付でした。8:30に税務署の入口が開くのを待ちかねて早々に提出してきました。一番乗りでした。

税務署が嫌がる「税金0円」の裏ワザ (双葉新書) 今年もしっかりと所得税を取り戻します。今の政府の税金の使い方を見ていると、正直に収めるのがばかばかしくなりますね。

とはいっても、私は不正な脱税をしているのではなく、合法的に節税をしているだけなんです。そのためには「やよいの青色申告」でしっかりと帳簿も作成し、領収証は確実に保管しています。医療費控除も100%活用します。経費は事業用と家事消費分に正直に按分計算して、税務署に突っ込まれないように気をつけています。

所得税から住宅ローン控除を挽ききれなかった場合、市区町村へ別途申告すれば住民税が少なくなったのですが、これを知らない人が多かったのです。しかし、平成22年度分からは市区町村への申告は必要なくなりました。国税庁の「確定申告書作成コーナー」で確定申告を作れば、市区町村向けのページも自動的に作成して印刷することができます。国税庁もずいぶんと親切になったものです。ここで作成したものを提出すれば、計算ミスはないはずですので、税務署の窓口では素直に受け取ってくれました。

上のような元税務署員の書いた本もあり、参考にはなりました。これ以上書くと差し障りがあるので、今日はこのへんでおしまいにします。

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2013年2月17日 (日)

糖質の少ないブラン(ふすま)パン

137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史 クリストファー・ロイドの世界的ベストセラー『137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史』では、「地球の生命を脅かす脅威トップ10」で第1位が「隕石の衝突」です。6650万年前に、ユカタン半島に大きなクレーターを作った隕石が恐竜を絶滅させた(という仮説が有力)のですから、400基以上もの原発を抱えた今では、それほど巨大な隕石でなくとも、人類と全ての生物を絶滅させることもあり得る大きな脅威です。

まぁしかし、私が生きている間には、そのようなことは起こらないだろう(と、3.11前は、誰もがそう考えていた)。


話は変わります。

Imageyositakapc051_2 たくさんの糖尿病のブログで人気になっているブランパンシリーズがローソンで販売されています。製造元は山﨑製パンです。しかし、近所のローソンを何カ所か探したのですが、どこにも置いてなく、近くのローソンで店長に「取り寄せ」を依頼しました。店長曰く「これは知らなかった。良い勉強になりました。今後置くようにします」と感謝されました。

ブラン=小麦のふすまを使ったパンで、糖質もカロリーも相当少ないものです。「ブランパン2個入り」は製造中止になったそうで、他の3種類を試してみました。

味も食感も、ほとんど普通のパンと変わりません。私の好みは「ハチミツ豆乳クリームブラン」ですね。しかし、少々値段の高いのが・・・。糖質制限食は一般的にエンゲル係数が高くなりますね。

豆腐ハンバーグブランが一番糖質が少なくて、8.9g/個です。ほろにがショコラブランが11.8g。ハチミツ豆乳クリームブラン:11.0g。

1回の食事で摂る糖質を20gに抑えるのが理想的です。2個なら食後血糖値が60mg/dL上がる計算です。(1gあたり3~4mg/dLの上昇)

このパンを食べた2時間後の私の血糖値は、

  • ブランパン2個、ゆで卵:163 mg/dL
  • ブランパン3個、サラダ:172 mg/dL

でした。3個でも大丈夫そう。非常に良い成績です。これなら食後血糖値の目標である200mg/dLも楽勝です。あんドーナツの好物だったのですが、今後はこのパンで代用できそうです。

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2013年2月16日 (土)

隕石は核再処理施設の近くに落ちた!

ロシア・ウラルの都市チェリャビンスク付近に落下した隕石の動画が、多数YouTubeで流されています。音速を超えたときの衝撃波の音もすさまじいです。

被害は州都チェリャビンスク市を中心に半径約100キロと広範囲に及ぶことが判明。周辺のクルガン、スベルドロフスク、チュメニ各州でも被害が出た。被災した建物は約3300棟、被災総額も10億ルーブル(約31億円)に上る見込み。チェリャビンスク州西部の凍結した湖面上では、爆発後に粉々となって数十カ所に落下した隕石の小片の一つによるとみられる直径8メートルの穴も確認された。

米航空宇宙局(NASA)は、隕石が秒速20キロのスピードで落下し、爆発前の直径は約15メートル、重さは約7千トンだったとの推定値を公表した。(2月16日 東京新聞)

ベルリン在住のジャーナリスト梶村太一郎さんが「隕石はロシアの封鎖核施設都市からおよそ50キロ地帯に落下。紙一重で免れた巨大核災害」と題した記事をアップされています。これを読んで背筋が冷たくなりました。

チェリャビンスクの北西70kmには、巨大な核汚染事故をたびたび起こし、現在でも核燃料再処理施設などが稼働している閉鎖都市オジョルクスの核兵器製造コンビナート・マヤク(Majak)があるのです。http://goo.gl/maps/kBalg

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最下部の黄色いエリアが、今回隕石の落下で報道されているチェリャビンスク市で、北西方向に「ウラル核惨事(Wikipedia)」として後年知られるようになったオジョルスク市(Ozyorsk)にある「マヤーク」(灯台の意味)核プラントがあります。

今回の隕石がこの施設に落ちていたらどうなったのか。世界は三度目のチェルノブイリ・フクシマの恐怖を味わうことになったでしょう。幸いにもほんの少しだけそれてくれたのですが、もう少しだけ北西にずれていたら・・・・!。六ヶ所村に落ちたら、もありえない話ではないのです。

このブログの2011年5月25日にこのように書きましした。

1974年に確率論による原子炉安全研究、通称「ラスムッセン報告」が出された。私も記憶しているが、当時「原子力発電所における大規模事故の確率は、原子炉1基あたり10 億年に1回で、それはヤンキースタジアムに隕石が落ちるのを心配するようなものである」とされていた。しかし40年の間に隕石は私の頭に落ちなかったが、 大規模原発事故はスリーマイル、チェルノブイリ、フクシマと続いた。福島の事故の前には「10万年に1回」とのリスク計算がされていた。椋鳥の毒は方便で あったが、原発事故は現実である。せめて千年に1回とでも言っておけば物笑いの種にはならなかっただろうに。

原発事故を心配するのは、ヤンキースタジアムに隕石が落ちることを心配するようなものだという、当時の確率的原発安全論を批判したものです。確かに私の頭に隕石は落ちなかったが、ウラルの核再処理施設のごく近くに落ちました!! 今や世界には400基以上の原発と、更に多数の核施設があるのです。テロや地震への対策を取ることはできても、隕石の直撃に絶えうる核施設はありません。

7月に施行される新しい原発の安全基準では、地震や津波、火山噴火、竜巻は考慮されていますが、隕石の衝突は確率が低いとして想定していません。「頻度が低く、考え出すときりがない」のが理由だそうです。つまり、隕石が原発に落ちてくることは「想定外」であり、想定外の事故に対しては、誰も責任を取らなくても良いということです。想定していたら原発なんぞは稼働できません、が本音でしょう。

これまでは「隕石が落ちる確率」を安全の代名詞として使ってきたのですが、今後は「いつでも起こりうる確率」と見なされることでしょう。

恐竜は隕石の落下によって絶滅したのですが、人類が同じ運命を辿る確率は、原発を抱えているがゆえに、より高くなります。

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福島の子どもたちの甲状腺がん

福島の子どもたちの甲状腺検査結果が公表され、話題になっています。毎日新聞2月13日付の紙面では、震災時18歳以下の子どもの甲状腺検査で、新たに2人が甲状腺がんと診断され、昨年9月に判明した1人と合わせ計3人になった。他に7人に甲状腺がんの疑いがあり、追加検査を行う、と報じられています。さらに、

疑いのある人を含めた10人の内訳は男性3人、女性7人で平均年齢15歳。11年度に受診した原発周辺13市町村の3万8114人の中から見つかり、地域的な偏りはないという。甲状腺がんと判明した3人は手術を終え、7人は細胞検査により約8割の確率で甲状腺がんの可能性があるという。7人の確定診断は今後の手術後などになるため、最大10人に増える可能性がある。

とされています。記者会見した鈴木真一・県立医大教授は、子どもの甲状腺がんの発生率は「100万人に1人」が通説だと言いながら、「今回のような精度での疫学調査は前例がなく比較できない」とし、「チェルノブイリ原発事故では最短で4年後に発症が増加している。元々あったものを発見した可能性が高い。(原発事故との因果関係は)考えにくい」と説明しています。

下の図は転移性肺がんで闘病中のstudy2007さんのTwitterからお借りしたものですが、

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受診者三万八千人中、二次検査を実施した者162名、その中で細胞診を実施した者が76名で、その中から10名の悪性または悪性の疑いということです。全員に細胞診を実施していれば、ということでグラフ化してあります。

がんセンターの年齢別データと比較すれば、いずれの仮定にしても10万人あたりの罹患率は高すぎます。鈴木真一教授は精密な検査をやったから、潜在的ながんが見つかったのだと言いたいのでしょう。過剰検査で見つけなくても良いものまで見つけたのでしょうか。ヨウ素131による被ばく量が一歳児でも100mSvを超えることはないという、SPEEDIによるシミュレーションがあり、「被ばく量は多くない」→ 「3人に甲状腺がん、7人に疑い」→ 「放射線の影響ではありえない」という誤った論理で考えているのでしょう。

しかし、ヨウ素131による被ばく量推定には問題があります。

2011年に、原子力災害現地対策本部はSPEEDI を用いた試算(3月23日公表分)で甲状腺の等価線量が高いと評価された地域として、いわき市、川俣町、飯舘村を選び、1080人の小児甲状腺の被ばく量をNaIシンチレーション式サーベイメータで測定し、その結果小児甲状腺被ばく(一歳児の甲状腺等価線量として100mSvに相当)を超えるものはなかったと報告しましたした。しかし、この検査はヨウ素131が放出するβ線を検出することができないNaIシンチレーションサーベイメータ(環境放射線測定用)での測定だったのです。甲状腺の被曝線量をガンマ線測定器で測るという、お粗末な検査でした。

弘前大学の床次教授らが、浪江町でヨウ素131のβ線を正確に測定できるγ線スペクトロサーべイメータという計測器を用いて測定した結果、大人の被ばく量から逆算すると、1歳児では800mSvほどまで被ばくしていることが推定されたのでした。

アメリカ国防省が、事故当時国内にいた米軍兵士や家族向けのウェブサイトで被曝線量をチェックできるようにしたものがありますが(こちらに紹介)、その推定値は東京の一歳児でも12.0mSvという甲状腺等価線量でした。

シミュレーションというものは、多くの仮定や前提を設定してコンピューター上で計算するのであり、仮定が違えば一桁くらい違った結果が出るのはありふれたことなのです。被ばく量は少ないはず、だから福島由来の放射線の影響ではない、というのは逆立ちした論理です。

9bfbfb577d4f3 上の図は、1986年のチェルノブイリ事故後に現地で甲状腺がんの治療にあたった菅谷松本市長が、昨年9月27日の北陸中日新聞の談話で説明に使った図です。事故後2年から増加し始めて、4年後から急増しています。これは検査態勢が整ったのが4年目くらいだったからだとも言われているのです。

平均的には4年目から発症するとしても、感受性の強い子ども、被ばく線量の多い子どもは早期に発症することを無視すべきではないでしょう。

「因果関係は考えにくい」という”科学的”発言は、水俣病などの公害訴訟でも持ち出されてきました。しかし、因果関係は厳密には決定できず、しかも数十年間の観察を経なければ確かなことは言えません。今は、「被ばくの影響かどうかはまだわからない。しかし、被ばくの影響であることを前提に万全の対策を取る」というのが、福島の子どもたちに対して責任のある態度であるはずです。

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2013年2月10日 (日)

二重盲検法のマジック

ふたたび『看取り先生の遺言 がんで安らかな最期を迎えるために』からの話題です。抗がん剤が効くか効かないかは、二重盲検法によって臨床試験を実施して、それがエビデンス(科学的根拠)となるのですが、そこには統計的な誤解=マジックが潜んでいます。岡部先生は次のような例を挙げています。

百人の母集団(被験者)に薬を投与したら六人に脳卒中が起きたが、薬を投与しなかった群は九人だったとする。これだと明らかに統計学的に差が出ない誤差範囲になってしまう。そこで母集団を五千にしてやり直すと、三百対四百五十になって、統計学的に有意差があったとなる。

比率は同じなのだから、ほとんど詐欺も同然なのだが、わずかな差でも母集団が多いと有意差がついてしまうのが統計のマジックなのである。
UFTという、昔はよく使われた抗がん剤があるが、これなど千とか五千というものすごい母集団で有意差をつけていた。私もUFTのトライアル(治験)に参加したが、当時は効くはずがないといわれていたのに、いきなり二重盲検で効くとなったのである。あのとき、効くはずがないものでも、これだけ数を集めると効くことになるんだと、ビックリした記憶がある。

二重盲検法で母集団が大きいのは、あまり有効ではなからであって、逆に少ない母集団で有意差があるという結果が出たら、その薬は効果が信頼できるということです。がんの痛みにモルヒネが効くか効かないかという、二重盲検法による臨床試験がなぜないかというと、必ず効くからです。必ず効くものに二重盲検法で治験をするバカはいません。

このブログでも何度も書いているように、二重盲検法による統計的手法は、「ごくわずかの差しかないときに、相手を説得するための道具」なのです。これをあたかも「科学的に効くことが証明されている(エビデンスがある)」かのように言う医者が多いから、患者も「先生がそれほど言うのなら、やってみようか」となるのです。有意差があることと、その薬が役立つかどうかは全く別の問題なのですが、それを知らせない(知らない)医者も悪いが、だまされる患者も悪い。

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2013年2月 9日 (土)

看取り先生(岡部健)の遺言

看取り先生の遺言 がんで安らかな最期を迎えるために看取り先生の遺言 がんで安らかな最期を迎えるために』を読みました。感動的でした。

看取り先生こと、岡部健医師は医療グループ「爽秋会」岡部医院の院長。宮城県名取市を中心に在宅ホスピスに取り組んで、年間300人の看取りをされてきたのですが、ご自身もステージⅣの胃癌と診断され、余命10ヶ月を宣告されます。それからの岡部先生の治療と死への確固とした信念のもとでの対応が感動的です。

岡部先生の最期の9ヶ月間、170時間に及ぶインタビューを、ジャーナリストの奥野修司氏が書き綴ったものです。

ヨミドクターにも2012年6月のインタビューが載せられています)

肺がん手術の専門医でありながら、ご自身はヘビースモーカーであり、がんになるとしたら肺がんだろうと思っていたのが、予想に反して胃癌がみつかります。しかしそれでも岡部先生はがん検診は一切受けようとしません。

肺がんは早期検診で分かっても、25%は助かるが、75%は助からない。つまり、検査しても4分の3は何もできずに亡くなっていくということだ。メイヨー・クリニックが胸部レントゲン写真と喀痰細胞診をするグループと何もしないグループを比較したら、有意差がなかったという研究もある。胃癌は精度が悪いから役にたたない。透視で早期胃癌が分かるなんて、誰も思っていないはずだ。胃カメラも腕の良い医者がやるのなら良いが、そうでなければ見落としや穿孔などのリスクがある。なんのためにやるのか分からない。

検査というのは未来を知る技術の一つなんだということを、あまりにも安易に考えてはいないだろうか。未来を知るということは、決していい未来を知るだけではない。知りたくもない未来を知ることなのである。

このような理由で、検査は一切受けないで過ごしてきたのです。

在宅医療の現場で先駆的な仕事をされた先生だからこそ、自分が治らないがんだと知ったときの毅然とした対処のしかた、生き方には、がん患者としてたくさん学ぶべきことがあります。

長寿信仰が苦しみを生む:人間は長寿であることが勝ちだ。長生きすることはトクだという欲張り文化はいつ生まれたのだろう、と長寿信仰を批判しています。

  • 患者さんが亡くなるとき、つらいということの大半は『何で自分だけが長生きできなかったんだ』という長寿信仰である。それが胃ろうやさまざまな延命治療を増やす原因になっているのだと思う。長寿信仰は患者さんを非常に苦しめるということだ。長生きがいいなんて誰が決めたのだろう。世界の長寿国になったことがなぜいいのだろう。人間、六十を過ぎたら死を覚悟すべきなのである。
  • 私は抗がん剤にあまり信頼をおいていない。抗がん剤治療というのは、効く人には効くが、誰に効くかわからないという、発展途上の学問である。
  • 患者さんは「この抗がん剤はよく効きますよ」と医者から言われると、「治る」と誤解してしまう。説明する医者も悪いが、「効く=治る」とはどこにも書かれていないのである。
  • シスプラチンについて:「あれはまともな薬じゃない。なにしろ血管から漏れて皮下組織に入ったら細胞が壊死を起こすのだからね」

と言います。

「その世界に降りてゆくのに、なんの道しるべもないんだ」ということに気付き、「臨床宗教師」の制度を作ることの奔走するのだが、ご自身の死に際では、岡部先生の考えに共感した曹洞宗の若いお坊さんが寄り添うことができた。

もっとたくさん紹介したい部分がありますが、治らないがんに対する最期の治療の戦略や考え方、抗がん剤の止め時、人が死ぬとはどういう状態になるのか、在宅医療でも充分看取ることが可能なのだということを、ご自分の命を賭けて証明してくれています。。

「死」は決して苦しいものでも、怖いものでもないことを納得できるように知らせようとしているようです。

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2013年2月 8日 (金)

血糖値の自己測定を始めた

先月25日に、自己血糖測定器「アキュチェック アビバ」を購入。一日置きに起床後と食後の血糖値を測定している。

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起床後は100mg/dl前後で安定している。食後2時間値は、だいたい140~200mg/dlの範囲である。1回だけ250近くになったが、このときは焼き魚と刺身の定食で、ご飯が250gほどあった。これを除外すると、グラフは徐々に下がってきている。

IDF(国際糖尿病連合)の「食後血糖値の管理に関するガイドライン」では、

  • 推奨:低血糖とならない限り、食後2時間血糖値は7.8mmol/L(140mg/dL)を超えてはならない。

とされているが、これには「正常耐糖能者では」という但し書きがついている。私のような膵癌術後の患者には140mg/dlは難しい目標である。主治医の意見も「160ならいいんじゃないか」とのことだった。起床後の100前後は、これはもう立派な「正常耐糖能者」ではなかろうか。

一時は300mg/dlを超え、不摂生の結果に驚いたが、膵頭部がわずかしか残っていない体にしては管理できている方だろう。この調子でいけばHbA1cも徐々に下がってくると思う。

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こうして毎日測定してみると、ご飯を食べた後のグルコース(ブドウ糖)スパイクがいかに急激に上昇するかがよく分かる。3回とも主食を食べないという日はあまりないから、プチあるいはスタンダード糖質制限食になっている。この程度で血糖値が下がってくれるのなら上出来だ。

蕎麦は良質な油を使った天ぷらなら、天ぷら蕎麦でもそれほど上がらない。晩酌は焼酎を毎晩欠かさないが、翌朝の値には影響していないような気がする。もっとも飲まない日がないから、比較する対象データが存在しないのである。焼酎、ウイスキーは大丈夫なはずだ。定食・仕出し弁当、持ち帰り弁当が一番危ない。おでんも、魚肉製品、パンペンにはデンプンが結構入っているから糖質は多いので、卵・大根・がんもどきなどを食べた。

お好み焼きには、糖質制限食では禁忌の小麦粉に変えて、大豆粉を使っている。大豆粉の欠点は焦げ目がついて焼き加減が難しいことだ。しかし弱火で蓋をしてじっくりやればおいしく焼ける。すき焼きにはみりんは使わずに羅漢果から作った甘味料「ラカントS 顆粒 200g」を使う。すき焼きに限らず、砂糖の代替として常備しておいた方が良いでしょう。

精白糖は血糖値を上げるだけではなく、がん細胞の好物である。シュレベールは、戦後になって精白糖が大量に使われ出した時期と、がん羅漢率との相関関係を指摘している。

測定器の1回当たりのランニングコストは、日本純正品だと、チップと穿刺針で140円ほどになるが、私はアメリカからの個人輸入品を使うことにした。これなら200回セットを買えば100円ほどである。購入先はこちら

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2013年2月 6日 (水)

がんとエピジェネティクス(6)心ががんを治すには

がんを取り巻く微小環境に適切な影響を与え、がんの進行をエピジェネティックに逆転させられるならば、遺伝子の異常がそのままであったとしても、がん細胞を正常化できる。それでは、どのようにすればそれが可能になるのか?

シュレベールは『がんに効く生活』いおいて、「食事・運動・心の力」の3つを挙げている。彼は「心の力」の章で「私がたどりついたその考え方」を次のように書いている。

  • No1 心理的ストレスはがんの種子が成長していく土壌に大きな影響をおよぼしている。
  • がんと関係のあるストレスとは「ひどい無力感」である。
  • こうした状況はがん細胞の成長を促す可能性がある。
  • がんの成長を促す炎症性因子はストレスに強く反応する。
  • だが、誰でもがんと診断されたら、生き方を変えることはできる。そうすることが回復につながる可能性は高い。

より詳しくは、昨年のブログ「不安によって癌の重症度が高まる:スタンフォード大の研究」に書いた。上の図は、ストレスがサイトカイン・ホルモンなどの情報伝達物質を通じて免疫系に影響を与え、がん細胞との闘いを抑制する流れが書かれている。エピジェネティクス理論からはどのような説明ができるのだろうか。

エピジェネティクスの分野において、その研究の端緒を開いたとされる細胞生物学者ブルース・リプトン博士は、2009年に五井平和賞を受賞していて、そのときの記念講演が残されている。受賞記念講演「新しい生物学が明かす『心の力』」ではこのように述べている。

  • 環境こそが遺伝子の活動をコントロールする
  • ほとんどのがんは、遺伝子が悪かったからではなく、私たちの環境に対する対応ががんになる変異細胞をつくってしまったのが原因
  • 「自然回復」と呼ばれる現象についても説明がつきます。死が近いという人が、自分の人生に対する信念を大きく変えた瞬間、遺伝子が突然変化し、奇跡的に回復し、元気になってしまうことがある
  • 自分の知覚、つまり信条やものの見方を変えれば、脳から出る化学物質は変わり、自分自身の体も変えていくことができる

「思考」のすごい力 この講演内容は、博士の著書『「思考」のすごい力』の要約にもなっている。著書では量子物理学と生物学を橋渡しすることで、遺伝子のエピジェネティクスな変異を、量子物理学から説明する。アインシュタインが E=mC2 で物質とエネルギーは等価であると発見したように、物質はエネルギーの別の存在の仕方である。そこから、遺伝子のエピジェネティックなふるまいも、量子力学的なエネルギー場の影響を受けるはずだと博士は考える。

ただ、リプトン博士は量子物理学のこの原理から、無批判に手当療法・レイキ・気功などの「エネルギー療法」一般、超越瞑想などを全面的に肯定しようとしているが、これはいささか非科学的で先走りすぎだろう。『タオ自然学―現代物理学の先端から「東洋の世紀」がはじまる 』のようなニュー・サイエンスの臭いがしなくもない。

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2013年2月 3日 (日)

小椋佳と道元

昨日の東京新聞に興味を惹く二つの記事があった。ひとつは、小椋佳が、今年から来年にかけて「人生最後のアルバム」を出し、「生前葬コンサート」を予定しているというもの。

『辞世の心構え 「死は突然に」』と題した記事で、57歳で胃癌を、昨年は劇症肝炎を患った小椋佳は、76歳で死を迎えると感じているそうで、死に対して特段の考えはないが、「死ぬときは明るく」と覚悟しているそうだ。毎日1時間「歩禅(ほぜん):歩く禅」を続けているとも書かれている。

カバットジンの『マインドフルネスストレス低減法』でも歩行瞑想法について

毎日の自分の生活の中で注意を集中するためには、歩行瞑想法が手軽で最適な方法といえます。その名のとおり、歩行瞑想法とは、歩きながら”歩いている”という実際の体験に注意を集中するという方法です。歩きながら、歩くことに専念し、自分が”今、歩いている”ということを意識するのです。

瞑想をしばらく続けていると、”物事の本質は、ありのままの姿にある”ということが見えてくるはずです。歩くという行為にしても、同じことがいえます。

と、日常生活の中で、自分を取り戻す最適の方法として勧めている。

もうひとつは、お茶の水女子大学教授:頼住光子の「道元に学ぶ生き方(上)」である。今、禅が静かなズームだという。先行き不透明で閉塞感が重くのしかかる時代に、禅が「心の糧」として人々をとらえている。

道元が中国に留学中のこと、ある夏の日に仏殿の前で、背骨の曲がった老典座(修行増の食事を賄う役職の僧)が、苦しそうに喘ぎながらシイタケを干していた。道元が「そのようなことはお付きの者にさせたら良いでしょう」と声をかけると、老典座は、「他は是れ吾にあらず」(自分が修行せずに他の人にしてもらったのでは、自分のしたことにならない)と答えます。感じ入った道元は「その通りでありましょう。しかし、もう少し涼しくなってからなされてはいかがでしょうか」といたわりの言葉をかける。老典座は、「更に何れの時をか待たん」〔いまやらずに、いつするのだ)と応じる。

道元の「典座教訓」には、もうひとつの老典座とのエピソードもあるが、道元はここにこそ禅の神髄があるのだという。日常の一つ一つの行為こそが修行であり、座禅と同じ意味を持つのだ。

座禅も瞑想も、何かの目的のためにするのではない。座禅も瞑想も「何もしない」で、そのもの自身で充実し、完結した行為である。「何もしない」で「今ここに」ある「自分はなにか」を発見することである。

がんを治したいから呼吸法をマスターし、瞑想・座禅をするというのは、禅の精神とは全く逆なのだ。しなければならない、病を治したい、そのために・・・・という意識を捨てて、今この瞬間を大切にし、本来の自分を取り戻すことこそが、治癒への王道なのです。

結果として達成されることと、目的として行為をおこなうこととは、決定的に違う。そして目的への”執着”を捨てないかぎり、本来の目的を達成することは難しいだろう。治癒は(自然治癒でも)、医学や代替医療で獲得できるものではない。それは「成りゆき」です。だって、がんのこともヒトの身体のことも、私たちやほとんど分かっていないのです。分かっていないのだから、今の科学で確実に「治癒」を得ることは不可能だということは、明白でしょう。

シュレベールは『がんに効く生活』で「呼吸」の大切さについて述べる段で次のように言っている。

”究極の愛の行為”のコツは、関心を必要としている子どもに対するように、関心を自分自身に向けることである。こうした考え方が大事であると認め、自分が必要とされているときにはいつでも、思いやりを持って関心を払うことを約束し、今この瞬間に私たちを必要としている人のところーーこの場合は自分自身の内面ーーに戻ることなのである。

脳幹に位置し呼吸をつかさどっている部分は、感情脳と、免疫システムを含む体のすべての器官との間で常に交換されるすべての分子ーーキャンダシー・パートがいうところの神経ペプチドーーに反応しやすい。呼吸を整えることによって生命に不可欠な身体機能と拍動に近づき、思考とつなげることができるのだ。

Dr.ワイルも「がんとの闘いで、たったひとつだけ大事なことを選ぶとすればそれは何ですか?」と訊かれ、「それは呼吸です」と答えている。

ヨガ、気功、瞑想、座禅などの呼吸と集中のメンタルトレーニングは、衰えがちな身体機能のバランスを回復することに効果的である。身体機能のバランスを回復することは、

  • 免疫システムの正常な作動
  • 炎症の減少
  • 血糖値のよりよいコントロール

と関連がある。そしてこれらはすべて、がんの成長を妨げる主要な要因なのである。

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2013年2月 2日 (土)

がんとエピジェネティクス(5)微小環境と自然寛解

こちらに興味深い動画があります。カリフォルニア大学バークレー校のミナ・ビッセルのトークです。

ミナ・ビッセルのTEDトーク「癌の新しい理解につながる実験」(翻訳付き)

彼女たちのグループは、普通の乳房細胞の基本的性質を模した人工の乳房組織を構築した。そこに悪性の乳がん細胞を導入して経過を観察した。驚いたことに、がん細胞が正常化したのである。完全に分化した普通の組織によってがんが正常化することを明らかにしたこの実験の意義は大きい。

もうひとつの要素として、細胞が浸されているゲル状のマトリックス(基質)の化学組成も重要であった。このマトリックスは、正常細胞であれ、がん細胞であれ、細胞どうしの化学的な相互作用を支えている。彼女をはじめとする「組織由来説」の支持者は、細胞どうしの正常な相互作用が破綻した結果、がんが引き起こされると考える。

「組織由来説」は、第一に非メチル化などのがんの初期に起きるエピジェネティックな変化のメカニズムをうまく説明できる。第二に、がんの進行中に起きるジェネティックな変化とエピジェネティックな変化を理解する枠組みを提供する。また、組織由来説は、がんの成長過程の大部分が、正常な細胞の機能によって支えられていることに注目する。がん細胞と正常細胞の相互作用は、がんの進行に拍車をかけることもあれば、その進行を止めて自然寛解に導くこともある。がんの自然寛解は、体細胞突然変異説(SMT)では”奇跡”のように見えるが、組織由来説からみれば、がん細胞の正常なふるまいの範囲なのである。この自動修正は、幹細胞でも、完全に分化した細胞でも起きる。

がん細胞の周辺の微小環境に注目する組織由来説では、細胞間の相互作用が破綻すると、それによって細胞の内部環境が変化し、非メチル化などのエピジェネティックな変化が起きてがんが発生すると主張する。発がん物質は細胞の相互作用を破綻させ、その結果がんが引き起こされる。

がんの進行の第一段階はエピジェネティックな変化であり、それは逆行させることもできる。相当進んだがんでも、適切な条件を整えれば、エピジェネティックに逆行させることが可能である。微小環境論では、その適切な条件とは、免疫反応と、周囲の健康な細胞との相互作用であるとする。

がんを取り巻く微小環境に、適切な影響を与え、エピジェネティックに逆転させられるならば、末期のがん患者でさえも希望を持てるようになるでしょう。

癌が消えた―驚くべき自己治癒力 (新潮文庫) がん患者にとって、自然寛解は最後の希望ですが、ごくまれにしか起こりません。しかし、起こらないわけではない。『癌が消えた―驚くべき自己治癒力 (新潮文庫)』には自然寛解の例がたくさん紹介されているのです。これらを現在の新しいエピジェネティクス理論から研究すれば、あるいは何かのヒントが見つかるかもしれません。

ミナ・ビッセルはトークの最後のほうで、下のようなスライドを見せます。

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左はNASAがとらえた、浜辺に水量が流れ込む様子、右は珊瑚です。真ん中は入選を取り出してシャーレに広げ、脂肪を取り除いたものです。同じようなパターンを持っています。NASAの写真はあまり適当とは言えない気がします。このブログの「銀河系と治癒系」で取り上げた下の写真を追加したらどのように見えるでしょうか。

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これらは「フラクタル図形」です。そしてフラクタルと複雑系は密接な関係にあります。ビッセル女史は、こう言いたいのでしょう。細胞どうしが複雑に関係し合ったがんの微小環境においては、その系は複雑系であるから、遺伝子の変異などのようにたったひとつの要素だけで、がんのすべての動的ふるまいを記述することはできない、と。これらの系の中には、まだ私たちが知ることのできない秘密が多く隠されているはずだと。

形態と機能は切り離すことはできないし、それらは動的に相互作用するのです。

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2013年2月 1日 (金)

1月のツイートのまとめ

Twitterのつぶやきは2週間くらいで消えてしまうのでしょうか。特別の方法で過去ログをダウンロードはできるようですが、それはアカウントの持ち主だけに許可されています。で、がん関連の1月のつぶやきをまとめてみました。

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  • 手洗いもマスクも外したらどうかな。根拠はないのだから:厚生労働省「うがい」が、インフルエンザの予防に明確な根拠がないと、厚生労働省は、予防対策のポスターから外している。

  • 私は、マスクはしない、うがいも手洗いもしません。効果がないからです。エビデンスはありませんから、こんな対策は、世界からみたら笑いものです。満員電車ではウイルス飛沫を浴びないために付けることもありますが、罹るときには罹るのです。 http://ank-therapy.net/archives/1751667.html
    09:08

  • 岩村先生が早速カテキンとED薬併用の臨床試験希望者を募集しています。:対象は胃癌、乳がん、多発性骨髄腫、膵臓がん、前立腺がんで他にも条件があります。ED薬(バイアグラなど)は男性用ですが、この治験では女性でも可能とのこと。 http://2nd-opinion.jp/kinkyu/kinkyu_katekin130131.htm

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  • RT @asahi_apital: 一昨日のこの記事。6年間糖質制限を続けているという同僚がさきほど、編集部で熱く異議を唱えていきました。実際にものすごく調子が良いそうです。専門家の立場によって議論が分かれる問題なようで。:糖質制限ダイエット、長期は危険? 死亡率高まる恐 ...
    09:36 

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  • 免疫細胞が、膵がん細胞の脱分化と膵臓上皮内腫瘍性病変の形成に関与。Stat3は膵臓上皮内腫瘍性病変の形成の過程,および,膵臓がん細胞でのマトリックスメタロプロテアーゼ7の発現制御にかかわり,膵臓がんの進行および転移に重要なはたらき。

  • ③ウィルコ・ジョンソンが膵がん告知時の心境を語る:僕は素晴らしい人生を送ってきた。これまで起こったことややってきたことを考えると、これ以上望む人がいるとしたら欲張りだと思うね。僕は欲張りにはなりたくないよ。
    13:46

  • ②ウィルコ・ジョンソンが膵がん告知時の心境を語る:余命9~10ヶ月だと言われているそうだ。ジョンソンは受けたとしても2ヵ月延命するだけだという化学療法を拒否。いまの状態はすごく変だ。元気なのに、死が待ち受けているのがわかっている。奇跡の治癒なんか望んじゃいない。
    13:45

  • ウィルコ・ジョンソンが膵がん告知時の心境を語る:その場を離れたとき、魂の高揚を感じたよ。歩いていて突然、生を鮮明に意識したんだ。木や空、なにを見てもワオって思った。僕は惨めな人間だ。人生の大半が鬱状態だった。でも、それがすべて晴れた http://www.barks.jp/news/?id=1000086837
    13:43

  • オンコセラピー・サイエンス:新生血管阻害剤 OTS102(エルパモチド)を用いた膵臓がんに対する第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(PEGASUS-PC Study)の米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム(ASCO-GI)2013 での発表

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  • RT @FirstAuthor_bot: ヒトの膵臓がん患者の血清におけるマトリックスメタロプロテアーゼ7の濃度は転移と予後に相関する[2011年5月]

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  • 緑茶のカテキンに新たな抗がん作用:カテキンの一種EGCGが、がん細胞の細胞膜表面にあるたんぱく質と結合することで、がん細胞を特定して殺す仕組みを解明。男性機能不全治療薬がカテキンの抗がん作用を阻害する酵素の働きを抑制し、作用を高める。 http://jp.wsj.com/article/JJ12114285445177514271917603278903466748539.html

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