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2013年6月

2013年6月27日 (木)

定期検査6年目

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がん研のから


がん研での定期検査でした。腫瘍マーカーのCEA、CA19-9はともに正常値内。HbA1cも6.4(NGSP)と前回の6.8より改善。肝機能も良い方へ。まったく健康体です。次回は1年後になります。

先生曰く。「再発がんの場合は、早く見つけても長生きできるというデータはありませんから」私「早く見つけても抗がん剤治療で命を縮める患者もいれば、寿命が延びる患者もいるということですよね。」あいかわらず、にこにこしている先生でした。

誕生日と重なった。そういえば手術での入院も6年前の誕生日だった。

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今日はこれからチェロのレッスン。ヴィヴァルディのチェロソナタ第5番より「アダージョ」。速いパッセージで左手と右手をいかに合わせるか、しかも音楽的に。1弦から4弦へのミサイルのような移弦もある。土曜日のアンサンブル課題曲、パラディスの「シチリアーノ」の練習が進んでいないなぁ。

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2013年6月26日 (水)

微小カプセルで膵がん治療 東大チーム、マウス実験

ナノキャリアを利用したドラッグデリバリシステム(DDS)で、膵臓がんのマウスの70日後の生存率が100%という驚くような成績の記事が各社に載っています。

膵臓(すいぞう)がんの細胞に抗がん剤を直接届ける治療の効果を、マウスを使った実験で確認したと東京大学の研究チームが発表する。がんの進行や転移を抑制し、生存率が高まったという。膵臓がんは難治がんとして知られ、研究チームは「治療方法の確立につながる」と期待している。24日付の米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
抗がん剤は通常、血管の壁の隙間(すきま)から薬の分子が漏れ出てしまい、本来届いてほしい部分に十分な量が行き渡らない一方で、正常な細胞に悪影響を与えて副作用が出る。
チームは標的となる細胞だけに抗がん剤を届ける「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)」という手法を検証。DDSでは、複数の分子をまとめて球体にする。血管の壁からは漏れないが、がん組織の血管の壁は隙間が広いため、壁を通り抜けて標的の細胞に届く。
チームは、膵臓がんを自然発生させたマウス30匹を▽DDSによる治療▽通常の抗がん剤治療▽治療をしない??の3グループに10匹ずつ分けて調査。
DDS治療では、がんの進行が止まり全てが70日間生きた。2匹は56日目時点で肝臓への転移があった。他の2グループは56日で半数が死んだ。転移は、いずれも肝臓に8匹ずつ、消化管に7匹ずつあった。

これは25日付の毎日新聞の記事ですが、神奈川新聞・カナロコ『東大教授の研究グループが川崎特区事業で取り組み本格化へ』にはもう少し詳細に書かれています。京浜臨海部国際戦略総合特区・殿町地区(川崎市川崎区)に開設される「ものづくりナノ医療イノベーションセンター」のプロジェクトの一つとして計画されているようです。

2年前の2011年10月には、この技術開発の詳細がマイナビに載っていました。マイナビニュース『東大、膵臓がん治療も可能な精密粒径制御による高分子ミセル型DDSを開発
いよいよマウス実験にまでこぎ着けたというわけです。

固形がんでは、正常組織に比べて新生血管の増生と血管壁の透過性に加えて、組織から高分子物質の排出を担うリンパ系が未発達であるために、高分子物質が集積しやすい環境になっていることが知られており(Enhanced Permeability and Retention:EPR効果) 、ナノキャリアはがん組織に効果的に集積することができる。
実際に、ドキシルやアブラキサンなどのDDS製剤が日本においても承認され、実用化されているが、それらの使用はカポジ肉腫や卵巣がんなどに限定されており、難治がんとして知られる膵臓がんなどに対して有効なDDSは未だ開発されていないのが現状である。
これは膵臓がんが、物質の漏出性に乏しい血管構造を有しており、がん細胞を覆う線維組織がバリアとなり、薬剤やDDSの集積性が著しく低下しているためであると考えられている。つまり、90nmおよび130nmのナノ粒子製剤であるドキシルとアブラキサンは、膵臓がんにおいて血管から腫瘍組織に移行し、がん組織を浸透することが困難であるということが考えられるという。

膵臓の腫瘍細胞にまで抗がん剤が届かないのが、膵臓が難治がんといわれる一つの原因なのですが、この技術でヒトにも同じように効果があるのか。わくわくしますね。膵臓がん患者としては、1日でも早い実用化を期待したいところです。

この注目の論文は米国科学アカデミー紀要(PNAS)の6月25日号に掲載されており、こちらからAbstractFull Textを見ることができます。生存率曲線だけ掲載しておきます。

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2013年6月24日 (月)

都議選の結果に思う

東京都議選の結果は、大方の予想通りで、民主党が惨敗して自民党が議席を回復、公明党が全員当選で、自公で過半数を超えました。ここまでは私の予想もその通り。予想外(想定外?)で驚いたのは共産党が8議席から17議席へと倍増したこと。民主党を追い越して第3党になるとは、誰も予想していなかっただろう。共産党の目標自体も11議席を確保して議案提案権を得ることだった。それをはるかに超えたのだから、共産党幹部にしても”想定外”の支持が得られたということか。

予想通りで嬉しいのは、維新の会の惨敗だ。終盤になって石原慎太郎が橋下を非難したかと思えば、手打ち式まがいの演出をしたり、都民はそのような演技にはだまされなかった。タクシーの運転手が、蒲田駅前にも橋下が来ていたが「まだ人気があるのですかね」と言っていた。選挙結果を受けてのマスコミの取材には、橋下も石原も逃げ回って拒否。選挙結果にコメントするのは政党代表の当然の責任だろう。まったく子どものような連中(石原は90歳か?)だ。

民主党は菅直人の地元でも落選。それはそうだろう。菅直人こそが「消費税は上げません」と約束して、民主党が第一党になったとたんに消費税増税を決めた張本人だ。有権者はバカではない。民主党にしっぺ返ししなければ腹の虫が収まらない、との思いは私だけではなかったはずだ。しかし、ではどこの政党に入れるか、泡のようにできては消える「新党」では頼りないから、消去法で自民党ということだろう。「アベノミクス」というカタカナ語のキャッチコピーやイメージに騙されている有権者も多い。

自民党が圧勝して、円安もあるから今日の東京株式は上がるだろうとの予測が出ていた。しかし、市場が開いた当初は幾分上がったが、その後はじりじりと下げどおしで、終わってみると-167.35円という、これも予想外の展開だろう。市場はアベノミクスに以前ほどは期待していない。

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公明党は東京の選挙では「全員当選」を至上の目標としている。だらか候補者を絞ってでも「全員当選」に固執している。だからこれも予想通り。

投票率が前回よりも11ポイント下がったのは、もう政治には期待しないという有権者が増えたこともあるだろう。しかし、都心部や山の手を抱える区で低投票率だった一方で、台東区、北区、葛飾区、大田区などの下町では比較的投票率が高かった。これはアベノミクスの値上げラッシュで生活に困窮している有権者が「こんなことは許せない」と投票所に向かったのではないか。下町はそうした所得層が多い。それが共産党に投票した。それは今回返り咲いて当選したのが、文京区、中野区、練馬区、江戸川区であり、初議席を獲得したのが、豊島区、葛飾区、品川区、北多摩一区だったことに現れているように思える。

選挙の直前に国民健康保険料の通知が来たことも大きく影響したのではないか。23区全体で大幅な保険料率アップで、大田区でも年金暮らしの夫婦の保険料が2倍になった例があるという。区役所の窓口には「間違いではないか」と訪れる区民が一日で100人以上、電話も500件あったという。これは石原・猪瀬都政が、区市町村の国保財政への独自支援額を320億円から43億円に減額したのが原因で、その結果、国保料(税)の大幅値上げを招いたのだ。それらの知事提案の議案に、共産党以外の政党がすべて賛成してきたのだ。

保険料の値上げは、がん患者にとっては切実な問題だ。団塊の世代がリタイヤして年金生活に入る。その年齢から癌になる人も増える。自己負担もたいへんだしそのうえこの調子で保険料が上げっていけば、生活が困窮する。治療を継続できないがん患者が、これまで以上に増加するだろう。外環道路やオリンピック誘致に使う金はあっても、都民の命を守る金はないということだ。
社民党は消えゆく政党だから、もう共産党にがんばって貰うほかはない。

2013年6月23日 (日)

日本フィル 「きくくすり」

日本フィルハーモニー楽団がしゃれた広告をしています。題して「きく くすり」

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美肌には「ヴィヴァルディ 四季 春」、睡眠には「マーラー 交響曲第10番」、胃腸には「ロッシーニ セビリアの理髪師」、便秘には「ブラームス 交響曲第1番第1楽章」だそうです。

がんには?・・・いずれ処方されるかもしれませんね。

先月カンヌで開催されている世界最大の広告祭、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルでゴールド賞を獲得した作品の1つだそうです。

私なら、膵臓がんには「ドヴォルザーク チェロ協奏曲」、大腸がんには「バッハ ブランデンブルク協奏曲」、胃がんにはモーツアルト「交響曲第40番」、肺がんには「シベリウス ヴァイオリン協奏曲」としましょうか。どうして、と言われても根拠はありません。

2013年6月20日 (木)

医師主導治験の情報:牛蒡子(アルクチゲニン)

がん情報サービスに「公費助成を得て行われる医師主導治験の情報」が新たにUpされています。膵臓がんでは、

  • アルクチゲニン(牛蒡子の抽出物)国立がん研究センター
  • 術後再発予防のための2方向性新規ペプチドワクチン:和歌山県立医科大学
  • 進行・再発膵癌に対する新規エピトープペプチドカクテル療法:山口大学

が登録されています。UMINよりも情報が早いものもあります。

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国内の臨床試験データベースに登録されているがん関係の臨床試験については、「がんの臨床試験を探す」より検索することができます。

牛蒡子がどの程度効果があるのか、興味があります。すでに牛蒡子を摂っている方もいるのでしょうね。

牛蒡子からアルクチゲニンを高濃度で抽出する技術が、富山大学、国立がん研究センター、カラシエ製薬から特許出願されています。こちら

出願詳細を見ますと、

  1. 牛蒡子にはアルクチゲニンは0.6%しか含まれていない。
  2. しかも、煎じても水にはほとんど溶けない。
  3. 3.0%以上の高濃度エキスを製造するための技術を発明した。

とあります。牛蒡子を煎じて苦いのを我慢して飲んでも、アルクチゲニンはほとんど含まれていないかもしれません。もちろん国立がん研究センターの治験には3%の方を使っているのでしょう。

  • 近年、PANC−1、AsPC−1、BxPC−1、KP−3のような膵臓癌由来の細胞は、極度の栄養飢餓状態においても強い耐性が見られ、その耐性を解除することが癌治療における新しい生化学的アプローチとなる可能性が報告されている(特許文献1)。
  • 更に膵臓癌細胞株PANC−1を用いて、低栄養状態における腫瘍細胞の生存能力を解除できる物質のスクリーニングを行ったところ、アルクチゲニンが有効であることが報告されている。(非特許文献1)

と書かれているように、原理的には効果が期待できそうですが、さてどういう結果になるでしょうか。マウスで有効であっても人間には効かないという例はたくさんあるので、期待しすぎない方が良いとは思います。

国立がん研究センターのプレスリリースには、このように書かれています。

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2013年6月19日 (水)

『医者に殺されない47の心得』

医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法 近藤誠氏の『医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法』が売れているようです。大田区の図書館でもこの本の蔵書が35冊ありますが、今予約しても467番目という”超”人気です。週刊朝日でも6月21日号で『徹底検証 「医者に殺されたい47の心得」の真実』と題して、2週連続の特集が掲載されています。

私も近藤氏の著作のほとんどを読んできたが、今回の著作は少し違って、抗がん剤の問題のみを論じているわけではない。『「血圧130で病気」なんてありえない』とか、「血糖値は薬で下げても無意味で、副作用がひどい」「軽い風邪で抗生物質を出す医者を信用するな」などは、まったく同感で納得できる。健康のためにはまず歩くこと、がん患者であっても歩くことが第一、がんと戦うには体力なくてはならない、そのために必要な食事を摂る、これも私が実行していることである。

「がんの9割は治療するほど命を縮める。放置がいちばん」と近藤氏は言う。だいたい「9割は・・・」という文言が出てきたときは注意した方が良い。90.0%という意味ではなく、むしろ逃げ口を残しておきたいという心境だろう。『9割の病気は自分で治せる』なども同じだ。

抗がん剤に対する近藤氏の考えは、

  1. がんには本物のがんと「がんもどき」がある。
  2. 本物のがんとは転移するがんであり、抗がん剤は効かない。(治らないし延命効果もない)
  3. 「がんもどき」は、放置しておいても自然と治癒するがんだから、これも抗がん剤は要らない。副作用を被るだけ損である。
  4. 本物のがんは、早期発見しても手遅れ。早期発見で治るがんは「がんもどき」である。

だいたいこんなところでしょうか。そこで、近藤先生に質問したい。

がんと診断された私のがんが、本物のがんなのか、「がんもどき」なのかはどうすれば分かるのでしょうか?

これに対して近藤氏は「5年生存率が一応の目安になる」と書いている。例えば膵臓がん全体の5年生存率が10%だとすると、1割が「がんもどき」で残りの9割が本物のがん。さすがに近藤氏も、なかには例外もあるが、膵臓がんの場合はほとんどが本物のがんだろうと述べている。

すると、膵臓がんの手術後6年を生きている私のがんは「がんもどき」だったのか? それとも「例外」なのか?

ものごとを白か黒かに分ける二分割思考は、一般受けはするだろう。しかし社会も自然界も、そして宇宙以上に複雑な私たちの身体も、白か黒かで決められることはごく少ない。がんは遺伝子の異常による病気である、遺伝子はその細胞から次の細胞へと連綿と引き継がれる、したがってがんの初期にその悪性度は決まっており、転移能力のある「本物のがん」と「がんもどき」に分かれる。近藤氏が言うように、これほど単純なら話は簡単だろうが、現実はそうではない。最近のエピジェネティクス理論(仮説)が教えているように、遺伝子の発現をコントロールしているのは、細胞周囲の環境なのである。がん細胞も周囲の微小環境との相互作用によってコントロールされる。微小環境はまた、怪物のような「免疫システム」の影響を受ける。免疫システムと脳は活発に情報交換をしている。ここに「心が身体に影響を与える」という誰でもが経験し認めた事実の根拠がある。

「がんもどき」理論は、後知恵として分かるのであり、事前の判断の基準には使えない。

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2013年6月16日 (日)

100万人のキャンドルナイト in 池上本門寺

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昨夜、池上本門寺で行われた「100万人のキャンドルナイト in 池上本門寺」に行ってきた。大堂前での池上太鼓の熱演(幸い雨が降らず、太鼓の皮も大丈夫だった)、僧侶たちの雅楽「千秋楽」などの演奏。僧侶の皆さん結構上手です。笙や篳篥の高い音色が境内に染み渡っていました。

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天を表す「笙」、空を表す「龍笛」、地(人)を表す篳篥(ひちりき)で合奏することによって、1つの宇宙を表すのだそうです。平和祈願法要なども。

一年でたった二日、夏至と冬至の夜わずか2時間の間、電気を消すという小さな行為。そして忘れていた思い、そっとしまっておいた気持ち、かけがえのない地球に想いを馳せるのも良いかもしれないというムーブメント。法要の前の挨拶で、「神や仏のまで人が手を合わせるのは、知恵を発達させる元となって両手を使えないようにするため。人類は二本足歩行をすることで、自由になった手で道具を作り、その結果として脳が大きく発達した。その延長線上にあるのが今日の科学の発達です。しかし、それが今や人類を滅ぼすことにもつながりかねない時代を招いています。両手の自由を奪うことで、より大切なもの、命の有り様までも見つめ直してみましょうという行為が、神や仏の前で手を合わせるということです」と説明されていた。なるほどと思った。

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「がんばろう、東北! がんばろう、日本」に「忘れないで、福島!」と付け加えたいね。竹の節をうまく使って合唱しているように見せている。

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2013年6月15日 (土)

米最高裁、DNAの特許を認めず

6月1日のブログ「遺伝子検査の問題点」でも”まもなく判決が出る予定”と触れたが、アメリカ最高裁が「DNAに特許は認められない」と、13日に判決を出した。<マイナビニュース

米国の最高裁判所は6月13日(米国時間)、DNAは特許の対象としては認められないという判決を下したことが、Talk Radio News Serviceの記事「Supreme Court: No Patents For Natural DNA」において伝えられた。DNAは自然の産物であり、それは「発明」するものではなく「発見」するものだとしている。ただし、cDNAは化学的に作成されるものであり、特許の対象足りえると説明している。

Myriad Geneticsは医療に応用できる遺伝子として「BRCA1」および「BRCA2」などを含むいくつかの遺伝子に関して特許を取得している。今回の判決でこれら特許は認められないことになる。ただし、化学的に作成されるcDNAは特許の対象足り得るとされており、今後はcDNAをベースとしたビジネス活 動が展開されていくものとみられる。

DNAそのものに特許を認めると、その遺伝子の研究開発や、その遺伝子を利用した製品の開発などが1社に制限され、発展という面で好ましくないのではないかという意見があった。

Angelina_jolie_by_gage_skidmore_2_2 ミリヤッド・ジェネティックス(Myriad Genetics)社はアンジェリーナ・ジョリーの予防的乳癌切除で話題になった「BRCA1」および「BRCA2」の特許を元に、この遺伝子検査で大もうけを企んでいたが、軌道修正を余儀なくされた。アンジーを使った宣伝も最高裁には効果がなかったということだ。

アンジーの「勇気ある告発」直後のミリヤッドの株価はこのように急騰していたが、

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この決定を受けて、ミリヤッド・ジェネティックス社の急騰した株価も、1日で約28ドル下がっている。ただ、最高裁が部分的に特許を認めたことで、急落というほどではない。

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Myriad Geneticsは世界最大の遺伝子検査、分析ツールのメーカーであり、最高裁がDNAの特許を認めれば、今後数年間でこの会社は数兆円規模の利益を得ると見込まれていた。アンジーの報道を受けて、少なからずの女性が乳癌の遺伝子検査を受けるべきだろうかと考えたのではないか。そして1回の遺伝子検査を受ければ、この会社には4000ドルの利益が転がり込むというわけだ。仮に特許が認められたなら、世界中の女性を相手に独占的に検査ができたのだが、Myriad Geneticsの思惑通りにはいかなかった。

さて、美しい女優アンジーは純粋な気持ちで乳房の切除をしたのだろうか。この会社から大金がわたっていたということは、ないよね。

14日付のAFPは次のように報じている。

【6月14日 AFP】米連邦最高裁判所は13日、自然に発生するヒトの遺伝子配列は、特許の対象にならないが、人工的に転写・複製したDNAは対象になり得るという判決を、判事全員一致で下した。

 判決によると「自然に発生するDNAの断片は、自然の産物であり、単に分離されただけでは特許の対象にはならないが、相補的DNA(cDNA)は、自然に発生したものではないため、特許の対象になる」という。

 最高裁判事9人は今回の判決に先立ち、バイオ企業のミリアド・ジェネティクス(Myriad Genetics)が特許を取得している2つの遺伝子に関する2012年の米控訴審判決を再審理した。控訴審は、乳がんと卵巣がんとの関連性があることをミリアドが発見した遺伝子「BRCA1」と「BRCA2」に対する同社の特許を認める判決を下していた。

 米女優アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さんは最近、このBRCA1遺伝子に変異があるために乳がんを発症するリスクが通常より高いことが分かり、予防措置として両乳房の乳腺切除手術を受けた。

 訴訟は、米国自由人権協会(American Civil Liberties Union、ACLU)や15万人以上の研究者、医師、患者らが、特許対象の遺伝子を使用した今後の研究・調査の妨げになるとして、先の控訴審判決を覆すよう最高裁に申し立てたもの。今回の判決は、科学界側の勝利となった。

 ミリアドは、BRCA1、BRCA2の遺伝子に対する遺伝子検査を提供している。1990年代になされたこれら2遺伝子の発見は、通常は長年の努力と多額の投資が必要な研究活動の産物だ。判決は、ミリアドが「重要で有用な遺伝子を発見したが、画期的、革新的で、卓越した発見でさえも、それだけで(特許法の)条件を満たすわけではない」としている。

 だが今回の判決は、ミリアド側の部分的な勝利ともみられている。判決の知らせの直後、同社の株価は急騰した。相補的DNAと定義される他の遺伝子パターンの特許権を保持できることになったからだ。同社は交流サイト(SNS)・フェイスブック(Facebook)の自社ページで、「最高裁の判決によって、無効になる特許請求もあり、守られるものもある」と述べている。

2013年6月14日 (金)

やはり怪しい!インクレチン関連薬(GLP-1、DPP-4阻害薬)

3日前のTwitterにこんなつぶやきを載せた。

RT @Office_j インクレチン関連薬(DPP-4)による膵炎、膵臓癌リスク増加の可能性に関する論説を、BMJ誌が掲載。リスクは確認されていないとしながらも、これらのリスクに関し「治療開始前に、患者と正直に話し合う必要がある」

昨日付の医師のための専門情報サイト MTPro によれば、米国糖尿病学会(ADA)が、インクレチン関連薬(GLP-1受容体作動薬、DPP-4阻害薬)を販売、開発するすべての企業に対し患者データの提出を求める声明を発表したそうだ。

同日,BMJと英国のテレビ局が共同して行った、同薬の膵炎・膵前がん病変に関する情報提供が不十分ではないかとの告発報道を受けての対応と見られる。同学会では第三者委員会を設立し、患者データに基づく同薬の膵臓への影響を明らかにしていく意向を示した。

やはり怪しいのか。欧州医薬品庁(EMA)もFDAも動いているようだ。

江部康二医師も3月25日のブログでこう書いている。

比較的新しい薬なので、DPP-4阻害剤登場した頃の本ブログ記事(2010年09月10日 (金) )で、『10年・20年・30年使ってどうなるかというのは誰にもわかりませんので、私達医師にも処方する責任がありますが、ここらは患者さんも自己判断・自己責任で、ということになります。私自身は、今ある高血糖をコントロールすることを優先したいと思っていますので、糖質制限食がゆるくて血糖コントロールがいまいちの糖尿人には、DPP-4阻害剤のことを説明して、使用する方向で相談しています。』と述べています。

今回の論文(JAMA Intern Med 2012年2月25日オンライン版)は、RCT研究論文ではないので、膵炎リスクが確定的に増加というよりは、懸念がある程度の位置付けです。ともあれ、膵炎リスクのある糖尿人には使わないほうが無難なので、念のため処方している患者さんの見直しをしようと思います。

私は主治医からこの薬を勧められたが、「自己判断・自己責任」で処方を断っている。関連するブログ内の記事はこちらです。

  1. インクレチン関連薬(DPP-4)で膵前がん病変の疑い:FDA
    とで、アマリールも半分で継続することに。DPP-4阻害薬も勧められたのですが、即座に断りました。半年以上も前から同じ問答を繰り返しているのですが、「この薬は服用...
  2. 膵癌患者の糖尿病対策:緩やかな血糖値管理で良い
    値管理のメリットを上回るということです。DPP-4阻害剤を使うことも主治医と検討しましたが、このインクレチン関連製剤には、T細胞の活性化を妨げて免疫機能を阻害す...
  3. 膵臓がん患者の血糖値管理
    られています。また、それに変わる薬としてDPP-4阻害薬がありますが、この薬は免疫系に影響し、発がん作用があることが明らかになってます。インスリンは体内で作られ...

製薬会社のコマーシャルをそのまま信じるととんでもないことになりかねない。都合の悪いデータは出さない。ときには(たびたびかも知れないが)データの捏造もする。今日本で問題になっているバルサルタンの論文捏造疑惑は「日本の臨床試験の信頼性を失いかねない」と関連学会は言うが、そう思うのならさっさと調査をして真相を明らかにすれば良い。噂ではこの事件に関連して、東大教授も含む更に多くの論文捏造があると指摘されているが、関係した研究者・医師は眠れない夜を過ごしているのではなかろうか。

デタラメ健康科学---代替療法・製薬産業・メディアのウソ 「製薬業界の騙しの手口」をもっと知りたければ『ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実』か『デタラメ健康科学---代替療法・製薬産業・メディアのウソ』を読んでみよう。特に『デタラメ健康科学』は軽妙な語り口で、込み入った話でも飽きさせない。怪しげなデトックスから始まって、ホメオパシー、ブラセボ効果のすごさ、栄養評論家の都合の良い話、抗酸化物質に対する幻想、ビタミン・サプリメント業界の呆れた手口、それらをよいしょするメディアの罪。私も今回の件で読み直した。

がんに効く「魔法の水」とか、フコイダンやホメオパシー(その他もろもろ)に興味がある方にはぜひ勧めたい。代替療法業者がどのようにしてだますか、なぜ我々がだまされやすいかがよく分かる。念を押しておくが、私は代替療法をすべて「効かない」と決めつけているのではない。「効くか効かないか証明されていない」ものを、さも効果があるかのように受け取る、私たちの思考の落とし穴に注意をと言っているだけだ。

否定的な話題だけでは気が滅入るから、『デタラメ健康科学』の次の一節を紹介しよう。

かりに末期がん患者が回復するという驚くべき事例が本当に一件あったとしても、その扱いは慎重にする必要がある。というのも、まったくもって偶然に、奇跡が起きることはときどきあるからだ。ただし、ときどきではあってもしょっちゅうではない。

オーストラリアのがん研究者チームが、末期がん患者2337人を対象に長期の追跡調査を行なった。彼らは平均して5ヶ月後に亡くなったが、約1パーセントは5年後もまだ生きていた。

驚くべき出来事はときとして起きるということである。理由らしき理由が見つからなくても、予想に反して人が助かることは実際にある。(P.57~58)

再度念を押しておくが「末期のがん患者」を対象とした話だ。末期とは『新・私が決める尊厳死 「不治かつ末期」の具体的提案』によれば、「がんの縮小を目指す治療の効果がなくなり、ケアが中心になった時期より死に至までの期間」としている。

末期のがん患者でも、100人に1人は「何もしなくても、奇跡的に治癒する」のであれば、ガンの患者学研究所が『私たちには300人以上の「治ったさん」がいる』は、仮に全員が末期がんからの生還者であったとしても、はたして多いのか少ないのかと考えてみるのが、代替療法にだまされないための第一歩ではないだろうか。

2013年6月12日 (水)

「甲状腺がん 確定12人」これは多発か?

【追記】つるりん和尚がブログで、経済産業省の資料から事故の3日後、福島第一原発から46キロ地点の福島県立医大付近の葉菜から119万Bq/kgのヨウ素131が検出されていた、と書いている。いわき市などはもっとひどかったのではないか。隠しておいて「放射線の影響ではない」と言われてもね。(追記ここまで)

報道されているように、6月5日に開催された第11回福島県民健康管理調査の検討委員会では、2月の報告以降、18歳以下で甲状腺がんの診断が確定した人が12人(9人増加)、「がんの疑い」が15人(8人増加)とする結果が報告されましたが、星北斗座長(県医師会常任理事)は「放射線の影響とは思えない」といい、鈴木眞一福島医大教授は「検査機器が高性能で、検査対象が広いからだ」と言っている。

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甲状腺検査は、震災当時18歳以下の約36万人が対象ですから、一次検査を受けたのはそのうちの48%です。しかも、2次検査対象者となった者で2次検査を受けたのは47%です。

この結果を受けて、いろいろな解釈があります。

小児甲状腺がんは100万人あたりで一人か二人(出典:国立がん研究センターがん対策情報センター)という通説と比較すれば「多発」に違いない、というのが一般的な受け止め方でしょう。

検討委員会のメンバーは、上に書いたようにチェルノブイリ原発事故によるがんが見つかったのが、事故の4~5年後以降だった、また「乳頭がんはよくあるがんなので、スクリーニングによって、このくらいは見つかってもおかしくない」と評価し、「放射線の影響は考えられない」と説明した。高精度な機器によって前がん状態のものまで見つけることになるからというわけです。これは「有病割合」と「罹患率(発生率)」は違うだろうというもっともな意見。

これに対して、北海道深川病院の松崎道幸医師は、

原発事故後5年以上のチェルノブイリと2年未満の福島では、同じ手法で甲状腺検診を行った結果、依然として、こどもさんの甲状腺がん発見率が同じか、福島の方が多い可能性があることを示しています。(こちら

と指摘している。また、東洋経済誌は『「福島の子ども、12人甲状腺がん」の謎』で「がん発見率は定説の85~170倍、なのに原発事故と無関係?」と疑問を呈している。環境疫学が専門の岡山大学大学院の津田敏秀教授は、「検査によって多く見つかる傾向があるとはいえ、(12人は)明らかに多発と言える。事故後に発症したがんが、検診によって早い時期に見つかった可能性もある。原発事故との関係を念頭に、対策を強化するべきだ」と指摘している。

津田教授の見解の核心部分は、

Image_002 として、Dをある程度大きめに見ても「多発」はまちがいないというものです。これに対して、主に「D」の推定に関してNATROMさんのブログで批判的に検討をしている。内容は専門的になるので、津田教授の見解も含めてリンク先だけを記す。

それぞれが言葉の定義をしながら論理を展開しているので、分かりづらい面があるが、「D:平均有病期間」の値によっては統計的に優位とは言えないこともある、との主張です。チェルノブイリの甲状腺がんデータ以外は比較する対象がないのだから、統計的手法に限界があるのは当然です。チェルノブイリと日本人は違うということになれば、比較対象がない。そこで本来は比較できない「有病割合」と「罹患率(発生率)」を比較するために「D:平均有病期間」を使うのだが、これにも限界がある。交絡因子、バイアスのない疫学調査はありえない。

したがって、これらの検討で言えるのは、NATROMさんも結論しているように、せいぜい「多発とは言えない」ということであり、「多発ではない」と断言する根拠にはならない。ヨウ素131に放出量は正確には分かっていない。セシウムとは違う南側の方向に流れたとの指摘もあり、もっともヨウ素131に被曝が多いと思われるいわき市付近の子どもは、まだほとんど検査されていない。

科学者は、知れば知るほどわからない部分が出てくるから、物言いが慎重になる。断言する科学者がいれば、それは「知らない」のだ。代替療法でも似たようなことがある。「これでがんは絶対に治る」などとは、本当にがんを知っている専門家は決して断言はしない。だから言葉が曖昧になる。「絶対に治ります」というときは「お金」か「立場」が絡んでいるはずだ。検討委員会の委員らが言っていることは、エセ代替療法家と同レベルである。統計学が分からなくても、こうした基準で判断すれば良い。

津田教授の次の提案が的を射ているのではないかと思う。

このがんの発生は進行するとしたら、もう少しゆっくりしたペースで進むと思われますので、議論の時間や対策の立案・変更の時間はあると思われ、多発が来た場合に備えることができると思われます。

このように事態がゆっくりとはいえ進行するような状況下では、因果関係があるとかないとかという大ざっぱな水掛け論はあまり意味がありません。そこで議論の進展がストップしてしまうからです。むしろ、この多発の動向に関して定量的な解析を繰り返し、情報を更新しながら現実的な対策を合意して形成していくのが建設的で様々な事態に対応できるのではないかと思われます。そのためには随時情報を公開し、住民の協力を得るための信頼関係構築への努力が不可欠であると思われます。

指摘しておくべきことは、相関関係があっても因果関係があるとはいえないが、逆に、相関関係がないからといって、因果関係がないとは限らない。なぜなら放射線に対する感受性は人によって異なるから。さらに、今回は甲状腺がんだけが話題になっているが、別の疾患にも注意を向ける必要があろう。

内田樹氏はこのように書いている。

被曝のリスクもそうですよね。甲状腺異常などがすでに報告されているけれど、政府はこれは原発事故には関係ない、誤差の範囲であるという判断に固執している。どんなリスクを日本人が負わされているのか公開しない。
国民の健康のためには行政はある程度ナーバスになっていいと思います。国民の健康についてのリスクを過大評価したせいで失うものと、過小評価して失うものは桁が違うんですから。

「多発」の可能性が捨てきれない以上、それに備えた対策を取るべきだということです。以前の記事でも紹介したが、「リスク」や「不確実性」だけではなく、「無知」についても認めて対処する必要があるというのが、欧州環境省(EEA)が2001年に出した『レイト・レッスンズ―14の事例から学ぶ予防原則』に示された12の教訓の一つである。 科学的合理性だけを掲げていては、目の前のリスクには対処できない。科学者はリスクの外側に”無知の領域”があることを忘れていたか無視していた。いかに精緻な知識であろうと、常にある程度の無知があることは受け入れるべきである。科学者は無知に対して謙虚であらねばならない。<放射能が生命におよぼす影響のほんの一部しかわれわれは知らないのである。>

欧州環境省は、2013年1月に「レイト・レッスンズ II」を出版した。まだ翻訳出版されていないが、化学物質問題市民研究会が「レイト・レッスンズ II 早期警告からの遅ればせの教訓」概要をアップしている。その第18章「チェルノブイリからの遅すぎた教訓 フクシマからの早期の警告」にはこうある。

日本のフクシマにおける原発事故は、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のまさに25年後に起きた。それぞれの分析は、今後数十年のエネルギー要求に合致し、一方、気候変動の増大する環境コストと政治的に不安定な世界におけるエネルギー安全保障の確保の必要性に対応する計画を策定する政策決定者と公衆にとって有用であることが分かるであろう貴重な遅ればせの、そして早期の教訓を提供している。

本章は、チェルノブイリとフクシマの事故のいくつかの重要な側面、放射能放出、それらの影響とヨーロッパにおける新たな原発建設への関わりを探求する。さらにまた、原発建設コスト、責任、将来の投資、そして人々と環境に影響を与える予測可能なまた予測できない出来事のリスク評価について学ばれるべき教訓も ある。

健康影響はフクシマ事故の後から出始め、今後5~40年の間に報告されるかもしれないので、学ばれるべきひとつの重要な教訓は事故の多様な因子特性に関連している。将来の放射線防護、予防的措置、及び曝露した集団の生物学的監視を計画するに当り、電離放射線への曝露後のがん疾病と非がん疾病に関する利用可能なデータを統合すること;影響を受けた個人の年令、性差、及び地理的分散を考慮して、データ解釈への複雑なアプローチを採用すること;及び曝露とがんのタイプごとの発病診断との間の潜伏期間の評価を統合すること-は非常に重要となるであろう。

どのような綿密に計画された厳格な原子力リスク評価であっても不確実性と複雑性が伴うのだから、 予期される発生の蓋然性による事故の程度を重みづけるための試みは、本質的な理論的計算は事前に条件付けられた仮定一式に基づくしかないという理由で、疑わしいことは明らかである。このことは、難解な哲学的な論点ではなく、むしろ原子力リスクの適切な管理のための重要な結果を伴う非常に現実的な論点である。設計ベースの予測を超える事故の連鎖への対応に失敗して、規制当局はリスクベースの見込みに基づく評価が非常に限定されたものであったと強調する。このアプローチの早急な再評価と現実的な適用が遅れている。

原子力エネルギーのリスクとベネフィットに関する見解がどのようなものであっ たとしても、壊滅的な事故とその後の経済的結果が政治と政策決定プロセスに織り込まれなくてはならない。原子力のリスクに関する今回の集合的知識の脈絡の 中で、計画された全ヨーロッパの責任体制が重要な再評価を必要とするであろう。

2013年6月 8日 (土)

アベノミクスのバブル崩壊

5月31日付でローンの借り換えをしました。アベノミクスによるいかさま景気など続くはずがないのだからと、ゴールデンウィーク中に借り換えを決断して準備を開始。その途中でいきなり株価の下落がはじまり、長期金利が上昇したのでひやひやでしたが、ローン金利が上がる6月1日前にぎりぎりセーフでした。新しい借入先は、脱原発で積極的な活動をしている吉岡理事長の城南信用金庫にしました。どうせ借りるなら側面から応援したいから。しかも期待した以上の低金利を提示され、おかげで返済に相当の余裕ができました。今後は金利が上がることはあっても下がることはないだろうし、この先どうなるのかは専門家でも予測はできませんね(経済専門家の予測は常に外れる)。浮いた分をせっせと繰上返済することにします。

アベノミクス・バブル崩壊を予測した、私なりの自衛策です。

ニュースでは「株が乱高下している」と言っていますが、乱高下ではなく一本調子で下がっています。1年前に8千円台からじわじわと上がり、5月23日をピークにその後は右肩下がりです。マスコミは決して口にしないが、これはアベノミクスのバブルがはじけたのです。私はこのまま8千円を切る水準まで落ちる可能性がある、いずれITバブル以下の株価になると予想します。

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なぜなら、実体経済の裏付けが全くゼロだからです。こんなことは素人でもわかる。「景気が悪いからお金を使いましょう」と、お札を印刷し、日銀と政府およびマスコミが結託して演出したバブルだから、いずれはあっけなく崩壊することは誰しも予想していたはずです。自分だけは売り抜けようと考えていたのでしょうが、結局儲けたのはヘッジファンドであり、損をしたのは一般投資家と年金や保険などの運用機関でしょう。

私には株投資に関心はないから、関係ないのですが、アベノミクスに踊らされて4月頃に一攫千金を夢見て買った一般投資家は大損しているのでしょう。「株が下がると電車が止まる。等身自殺する人が増えるからだ」という話もあります。

株価下落で60兆円の資産が消えたと言いますが、そんなもの元からなかったのです。ミヒャエル・エンデならこう言うでしょう。「この大きな差額の勘定書は、いったいだれが払っているのか」と。阿倍さんにとっては予想外の下落でしょう。7月の参議院選挙までは、このまま株価が上がり続けるはずだったのでしょう。できうるならば、秋の消費税増税を決定するまで、と思っていたに違いありません。

投資家任せで一国の課税体系を決めることも異常です。このままどんどん株価が下がってほしいものです。

2013年6月 7日 (金)

ロハス・メディカルの「患者・家族との意見交換会・傍聴記」

ロハス・メディカルの「国立がん研究センター 患者・家族との意見交換会 傍聴記」がおもしろい。

「がん対策推進基本計画」の記載に基づき厚生労働、文部科学、経済産業の 3 省により開催されている「今後のがん研究のあり方に関する有識者会議」での議論に対する患者・家族代表の意見を伺うとして、国立がん研究センターが開催したものである。だいたいが、こうした有識者会議とか専門家会議というものは、事務局・官僚が作成した原稿に沿って議論はするが、落とし所は事前に決まっている。事務局の案と大きく違う結論が出ることはほとんどない。この有識者会議の議事録や資料を見ても、通り一遍の、あれをやりますこれをやりますとの羅列である。過去のがん対策基本計画の検証などはほとんどない。PDCAのサイクルなどは回っていない。

有識者会議に患者代表を呼べば良いのに、どうして国立がん研究センターの主催の「意見交換会」なのか、それもおかしなことである。しかし、このロハス・メディカルの傍聴記はいい。

卵巣がん体験者の会スマイリーの片木美穂代表は、「空気は読まないことにしている」と平然と言ってのけます。そうして誰に対してもおかしいと思ったことを率直におかしいと言い、分からないことを分からないと言う。会議の時間が大幅に過ぎようが何しようが、ひるまない。肝が据わっているというか、腹を括っている。

と冒頭に書き、片木代表の意見を読んでいくと、さもありなんと納得する。例えばこんな具合だ。

  • 国立がん研究センターが提案した「三次元構成の研究」は、我々がん患者が訴えてきたこととリンクしていると思うか?
  • 「救える命の為に何をやってくれるんだ、国立がん研究センターは」と言う風に言わせてもらった。ドラッグラグ、薬へのアクセスの問題は、すい臓がんの薬にアクセスできない、米国などでもいい成果が出ているシスプラチンやロイコボリンにアクセスできないことで何万筆も署名が集まっている。いまだに苦しんでいる。その人たちのことはどうなっているか。何も期待に応えていないではないか。
  • 実際この素案を読んだ時点で、もう世の中を諦めたくなるような文章だった。「ドラッグラグ・デバイスラグ解消に向けた・・・」と1ページ目に書いてあるのに、それで何をするのかさえ書いていないのは本当に情けない話。

その他の方たちも、言いたいことをずばりと言ってくれている。このような方たちである。

天野慎介 特定非営利活動法人グループ・ネクサス
片木美穂 卵巣がん体験者の会スマイリー
桜井なおみ 特定非営利活動法人 HOPE★プロジェクト
本田麻由美 読売新聞記者
眞島善幸 NPO 法人パンキャンジャパン
町亞聖 フリーアナウンサー
馬上祐子 小児脳腫瘍の会

堀田理事長もたじたじの様子が伝わってきます。先日の朝のNHKニュースで「がん登録」の話題が放送されていたが、「がん登録」制度が完全にできればがん患者の「選択肢が広がる」などと、ピント外れのことを言っていた。国立がん研究センターには膨大なデータを処理する能力などはありはしないよ。国からの大規模な研究費を国がんが独り占めして、それを女性に使ったとか、中央病院の牧本敦・小児腫瘍科長が国の研究費、約2570万円を不正にプールして、一部を家電製品の購入などに私的流用したとか、研究者としての実績も能力も乏しい牧本・小児腫瘍科長に大金を任すのがこの組織の体質だろう。

パンキャンの眞島さんも言うように、厚生労働省の説明に反して、ドラッグ・ラグは以前より悪化している。我々団塊の世代が前期高齢者になるにつれ、がん患者は確実に増加していく。がん研究、新薬の研究も大事だが、終末期の医療問題、だれががん患者の最後を診るのか、どこで死を迎えるのか、解決しなければならない問題が山積しているし、時間もないはずだが、官僚はあいかわらず机上で「りっぱな計画」を立てるだけである。

この国の政府・官庁には「救えるはずの命を救う」つもりはないのだろう。福島原発事故の「関連死」や子どもの甲状腺がんの問題、生活保護受給制などを見ていると、がん患者だけが製作の犠牲者ではないと思える。彼らの関心事は、国を代表する企業が、どうすれば競争力をつけられるかという「経済」だけだ。そして、国民は「どこまでこれらの企業のために犠牲を我慢できるか」ということだ。

200万アクセスに到達!

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居酒屋の看板は魚の骨


ブログ開設以来の累積アクセス数が200万を超えました。2007年6月から100万アクセスになるのに2011年8月までの4年あまり、その後1年10ヶ月で100万のアクセスがあったことになります。一昨年は「これからは無理をしないでのんびりとアップする」つもりでしたが、結局は週に2~4本のペースで更新してきたようです。

ブログのランキングサイトに登録してからは、Googleでも検索の上位に載るようになったことも大きいと思っています。アクセス数やGoogleの上位になること自体にはあまり興味はありませんが、同病の患者にいくらかでも参考になり、役立っているからアクセスがあるのだと、勝手に推察しています。

所詮は医学に素人のひとりの患者が、思いっきり独善的な価値観を並べているのだし、大きな間違い勘違いもあるはずなので、決して鵜呑みにはせずに「自分の頭で考え」る際の参考にしてくだされば幸いです。

同病の皆さんが、願わくば治癒しますように。治癒が無理であっても、がんという病を見つめて”今この瞬間”を至宝のように大切にして生きられることを願っております。

200万人目は、たまたま私自身でした。

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2013年6月 6日 (木)

ASCO2013:アブラキサン併用療法を評価するMPACT試験

Twitterでもつぶやいたのだが、大事な情報なので保存のために掲載しておきます。

進行性すい臓がん治療のアブラキサン併用療法を評価するMPACT試験の解析結果がASCO 2013で発表される 6月5日 QLifeProより

関連情報:アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する

スイス・ブードリー

(ビジネスワイヤ) ? セルジーン・コーポレーション(NASDAQ: CELG)子会社のセルジーン・インターナショナルは、治療歴のない進行性すい臓がん患者を対象とするアブラキサン(ABRAXANER、タンパク結合パクリタキセル小粒子懸濁注射剤、アルブミン結合)とゲムシタビンの併用について、第3相臨床試験の幾つかの解析結果を発表しました。データはシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)の2013年大会で報告されました。

MPACT試験(転移性すい臓腺がん臨床試験)全体の結果から、アブラキサンとゲムシタビンの併用療法を受けた患者はゲムシタビンの単剤療法を受けた患者と比べ、全生存期間で統計的に有意な改善を示すことが実証されました(中央値が8.5カ月対6.7カ月、HR 0.72、p<0.0001)。これらのデータは先に、2013年1月25日にサンフランシスコで開催されたASCO GI(消化器がんシンポジウム)で口頭発表されました。

6月3日の口頭発表において、MPACT試験の治験責任医師に加え、スコッツデール・ヘルスケアのバージニア・G・パイパーがんセンターによる臨床試験の最高科学責任者(CSO)、トランスレーショナル・ゲノミクス研究所(TGen)医長を務めるダニエル・D・フォン・ホフ医師(M.D.、F.A.C.P.)が、全生存期間に関するこれらの結果に加え、その他の予備的な有効性評価項目のデータを発表しました。

陽電子放射断層撮影法(PET)で腫瘍の兆候が低減した患者のパーセンテージとして評価される代謝応答率は、PETスキャンを実施可能であった施設において、最初に組み入れられた患者257人について独立に評価されました。さらに、糖鎖抗原19-9(CA19-9)と呼ばれる重要な腫瘍マーカーのレベル低下を測定することでも、腫瘍反応を評価しました。

PETコホートの患者257人のうち、アブラキサンとゲムシタビンの併用療法を受けた患者の63%が代謝反応を示し、ゲムシタビンの単剤療法を受けた患者における代謝反応は38%でした(p=0.000051)。PETコホートの全生存期間中央値は、アブラキサンとゲムシタビンの併用がゲムシタビン単独と比べ、高い値を示しました(中央値10.5カ月対8.3カ月、HR 0.71、p<0.0096)。

CA19-9の知見については、ワシントン大学医学校内科准教授のGabriela Chiorean医師(M.D.)が6月2日のポスターセッション(アブストラクト4058)で詳細に発表しました。MPACT試験の861人のうち、750人がベースラインで評価可能なCA19-9サンプルと、少なくとも1体のフォローアップサンプルを有していました。

アブラキサンとゲムシタビンの併用療法を受けた患者ほど(61%)、ゲムシタビン単独の患者と比べ(44%)、CA19-9の少なくとも20%低減を達成しました(p<0.0001)。治療開始8週までにCA19-9の20%低減を達成した患者における生存期間のランドマーク解析では、アブラキサンとゲムシタビンの併用療法を受けCA19-9反応を示した患者が、ゲムシタビン単独の患者と比べ、生存期間の有意な改善を示しました(それぞれ13.2カ月と9.4カ月)(p<0.0001)。

Chiorean医師は、次のように述べています。「進行性すい臓がんの患者を対象とする有望な新規治療薬を評価することは、この致死性疾患の背景を成す生物学について詳しく学ぶとともに、その治療における課題についての理解を深める機会を得ることでもあります。これらの新知見は、治験医師がすい臓がんの今後の臨床試験をデザインする際に重要な因子についての理解を深めてくれるもので、治療成果のより有望な予測因子についての理解に役立ちます。」

予後因子が生存期間に及ぼし得る影響に関する解析についても、6月2日のポスターセッション(アブストラクト4059)でプリンセス・マーガレット病院の内科的オンコロジー/ヘマトロジー担当ヘッドを務めるマルコム・ムーア医師(M.D.)が詳細に発表しました。この解析はMPACT試験の患者861人すべてを含むもので、ベースラインにおける全生存期間改善の重要な予測因子として確認されたものは、「カルノフスキー・パフォーマンス・スケール」指標による良好な身体機能状態、65歳未満の年齢、肝転移の不在、少ない転移部、募集された試験施設(ロシアおよびウクライナの東欧より北米)でした。

本解析によれば、これらの因子で補正した場合、アブラキサンとゲムシタビンの併用療法が、ゲムシタビンの単剤療法と比べ、全生存期間(HR 0.72: p < 0.0001)と無憎悪生存期間(HR 0.66; p < 0.0001)の改善の有意な独立予測因子であることが判明しました。

MPACTにおける最も一般的なグレード3ないし4の有害事象は、アブラキサンとゲムシタビンの併用とゲムシタビン単独のそれぞれで、好中球減少症(38% vs. 27%)、疲労(17% vs. 7%)、末梢神経障害(17% vs. 1%)でした。アブラキサンとゲムシタビンの併用群では、グレード1に改善するまでの時間または好中球減少症を呈さなくなるまでの時間の中央値は29日でした。致死性の重篤な毒性に差異は見られませんでした(各群で4%)。

これらの結果は治験第3相試験から得られたものです。アブラキサンは現在、進行性すい臓がんの治療薬として承認されていません。米食品医薬品局(FDA)は、進行性すい臓がん患者を対象とする第1選択薬としてのアブラキサンとゲムシタビンの併用に関する適応追加申請(sNDA)を、優先審査に指定しました。欧州医薬品庁(EMA)も2013年4月、進行性すい臓がんを治療するためのアブラキサンに対する現行の販売承認申請(MAA)で、タイプII変更申請の審査を受理しています。

セルジーンは、すい臓がんに対する補助療法としてのアブラキサンとゲムシタビンの併用の作用を評価するため、第3相試験の開発計画を準備していますが、発表された上記の結果はこの計画を支持するものです。

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2013年6月 5日 (水)

低用量抗がん剤 最初の量は?

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紫陽花も花の色が濃くなってきました。


先日、10年ぶりにお会いした方に挨拶したら、先方は私が分からない様子だった。そりゃそうだ。膵臓がんの手術前の私は体重84キロ、ウエスト1mだったから。今は体重が60キロ、ウエストは82センチ。年賀状のやりとりはしていたので、膵臓癌になったことは知っているはずだが、顔を見ても分からないのは無理もないよなぁ。

「お元気そうで・・・」と言ってはくれるのだが、「がん→極端に痩せる→長くない」との一般的思い込みがあるためだろうか、態度はぎこちない。膵臓がないから太れないし、血糖値を上げないためにも今のままが良いのだが、面倒だから説明はしなかった。手術前の私しか知らない人はほとんど同じ反応だ。逆に同窓会で、高校生当時の私しか知らない人は「全然変わらないわねぇ」と言ってくれる(頭髪を除けばだが)。

低用量の抗がん剤治療をするとき、最初は標準量から始めれば良いのか、それとも少量からスタートするのが良いのだろうか。たまたま二つのブログでこの問題に触れていて、対応は反対になっています。Sho先生は「がん治療の虚実」で、「初回治療であれば、少し体力が低下していてもあるいは患者さんが副作用を恐れ、抗がん剤の減量を希望していても、通常量で治療開始することを説得します。」と言い、梅澤先生は「癌細胞と抗癌剤」で、「いきなり初回でノックアウトされる患者もいる。なぜ初回くらい半分で東予市内の疑問だ」との考え方です。

どちらも低用量抗がん剤治療には「エビデンスはない」という点では一致しており、患者の年齢や体力などを考慮して「医師の経験と勘、考え方」で決めるという点でも同じです。

難しい問題ですね。

ところで、抗がん剤ががんに効くメカニズムは、活発に分裂している細胞ほど抗がん剤が効きやすい、というのがほぼ共通した認識です。例えばロハス・メディカル『がん⑤ 抗がん剤なぜ効くのか1』には、

現在のところ世に出ている抗がん剤のほとんどは、いわゆる「細胞毒」といわれるものです。
細胞が分裂する全過程あるいは特定の時期に投入され、細胞内の遺伝子に作用します。というのも、がん細胞は正常細胞よりはるかに急速に増殖・分裂するのが一般的で、分裂中の細胞では遺伝子のDNAがほどけてむき出しになっているため、不安定で外からの影響を受けやすい状態にあるからです。早い話、細胞分裂中の細胞は通常時より死にやすいのです。

と書かれています。しかし、それに異をとなえた論文があります。海外癌医療情報リファレンスに載っている『化学療法はどのように作用するか、その神話を崩す』です。

たとえば、ある種の癌は化学療法に反応するのに何故その他の種類の癌は反応しないのか。
「急速に増殖して化学療法に耐性があるように見える悪性の癌の例が多い一方で、増殖の速度が遅いのに化学療法に良く反応する癌の例も多くあります」と先日Letai氏は述べた。書籍やウェブページでは、急速に分裂する細胞を標的とすることで化学療法は作用すると謳うが、実際は、この考えを支持するエビデンスはわずかである

近年の研究では、ミトコンドリアがアポトーシスに関わっていることが分かり、ある種の癌細胞では、他の癌細胞よりもアポトーシスにより「自滅する準備ができている」。これをプライミング(priming)と言い、この準備状態の違いが、抗がん剤に対する反応が異なることの説明になり得る、と考えているようです。まだ研究段階の仮説ですが、分裂している癌細胞=抗がん剤が効きやすいも、エビデンスに乏しい「神話」なのかもしれません。

2013年6月 2日 (日)

5月ツイートのまとめ

キノシタ @Oncle1316 
“バルサルタン問題”で厚労省が行政指導:利益相反は問題の本質ではなく、データの捏造であり、そうであったならばこれは刑事事件だ。医師主導の臨床試験全体の信頼を失わせる重大問題。臨床試験と薬剤費に税金が投入されているのだ。 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201305/530800.html

キノシタ @Oncle1316 
「緑茶、紅茶、コーヒーにはDNA毒性があり、DNAが損傷されるとp53という癌化にもっとも深い関係のある遺伝子が高度に活性化される」緑;茶などでがんのリスクが低くなるという疫学調査と矛盾する研究。試験管実験ではレベルは低い。 http://www.cancerit.jp/22210.html 

上 昌広 @KamiMasahiro  
ノバルティス“論文問題”が 飛び火で戦々恐々の製薬業界 | News Inside | デイリー・ダイヤモンド ダイヤモンドも記事にしました。論点は「利益相反」よりも、「捏造」です。 http://dw.diamond.ne.jp/articles/-/5557 @diamondweeklyさんから

QLifePro医療情報 @QLife_JP  
セルジーン、進行性すい臓がん治療薬としてのアブラキサンの適応追加申請(sNDA)を米FDAが優先審査に指定したと発表 http://www.qlifepro.com/press/20130527-15-3472/nj-celgene-4/ #QLife 

キノシタ @Oncle1316 
この施設の免疫療法が胡散臭い。「重水素減量水」なんて明らかにいかさま。NK細胞増殖療法も説明が支離滅裂だ。 RT 南相馬で300Bq/body以下の測定値をもらった人は、ぜひともhttp://meneki-npo.org/hibaku.htmlで再測定を

上 昌広 @KamiMasahiro  
ディオバンの審査報告書を読んでいます。 http://www.info.pmda.go.jp/shinyaku/g000906/48repo01.pdf プロトコール適合率が約1/3。プロトコール規約通りの症例に限った場合、第III相試験では降圧効果の同等性が検証されない。審査センターは臨床試験の質に問題があった可能性を指摘しています。

キノシタ @Oncle1316 
乳房切除、16施設が実施・計画:国内でも16施設が予防的な乳房切除を、21施設が卵巣・卵管切除をそれぞれ実施または計画。

キノシタ @Oncle1316 
膵がん早期発見プロジェクト始動、九州大:分枝型の膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)のある膵内に通常型の膵がんが高率で合併することが分かっており、この併存膵がんの約40%がステージ0、同1の早い段階で発見され80%以上が切除可能だった。 http://www.cabrain.net/news/article/newsId/39964.html 

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2013年6月 1日 (土)

遺伝子検査の問題点

美人林にて

美人林にて


最近の週刊誌、特に女性週刊誌ではアンジェリーナ・ジョリーの予防的乳房切除の記事で賑わっています。個別化医療の名で、乳がんに限らず、癌一般に遺伝子(DNA)検査が行なわれるようになってきましたが、癌の遺伝子検査の問題点について考えてみます。

1. 健康保険が適用されない
遺伝子検査も癌の予防的切除も、病気になっているわけではないので健康保険が適用されません。すべて自費になります。遺伝子検査の費用が約30万円、手術費用は胃癌の定型手術で17日入院を参考にすると、127万円。乳癌の場合はこれに乳房の再建手術費用の片方で100万円、両乳房なら200万円が必要です。手術前の検査費用も含めると350万円はくだらないでしょう。これは日本での場合であり、ジョリーの手術したアメリカではどれくらいになるか想像もできません。癌予防のために350万円をポンと出しせる日本人はどれくらいるのでしょうか? 予防的切除をすべきか否かという問題は、庶民には関係のない、経済的に余裕のあるセレブたちの「贅沢な悩み」です。

2. 遺伝子検査の結果は一生つきまとう
遺伝子は一生涯変化しないから、遺伝子検査結果で陽性となったとき、そのリスクを生涯背負っていかなければなりません。治療方法のある病気ならまだ良いのですが、ハンチントン病などのように治療法がない病気になる可能性があると分かったとき、いつ発症するかと常におびえて生活することになります。(癌でも同じか)

3. 遺伝子の機能は一つではない
遺伝子研究は科学であり、科学的真理は常に新たな知識で否定される運命にあります。新しい研究結果が出て、その遺伝子の役割が悪いことばかりでなく、良い役割を持っていることが分かることもたびたびあります。エピジェネティクスの考えによれば、遺伝子の役割は「細胞の周囲の環境」との相互作用により種々に変化するのです。一つの遺伝子で多くの異なった、時には全く逆の働きを持っているのが普通です。

4. 精度100%の検査は存在しない
検査の最後の判定は人間が関わるのであるかぎり、見逃しもある。擬陽性、偽陰性がある。梅澤先生が『アテにならない陰性判定』で病理検査の実情を書いていますが、病理検査でこの程度だから、遺伝子検査は更にアテにならない。日本一の遺伝子検査技術を誇っている秋葉原のUDXヒラハタクリニック(本当かどうかは私は知らない)の提灯記事にはこうある。

遺伝子検査は世界最先端の研究分野であり、分子生物学の専門家であっても、これらの処理には高い技術が要求される。その上、特許などによってビジネスと直結しているため、公表された論文や特許情報などを読んでもノウハウの一部が巧妙に秘匿され、最先端の知識がなければその内容を正確に再現することすら難しいのである。
さらに導き出される結果についても、がん抑制遺伝子の異常や、がん遺伝子の発現、フリーDNAの長さ、メチル化の状態、RNAの濃度などから、「分子生物学」的な知識と、「医学」的な知識とを組み合わせて判断しなければならない。

単純に、陽性が多いからがん、陰性だからがんは発現していない、という判断はできない。海外から遺伝子検査の特許を買って、国内でそのプロトコルどおりに検査をやっても決して簡単にできるものではない。

特許に関していえば、今アメリカで遺伝子検査の特許について係争中であり、近々最高裁の判決が出るそうだ。アンジェリーナ・ジョリーの検査を請け負ったミリヤッド・ジェネティックス社も係争の当事者である。それに合わせたかのようなアンジーの”勇気ある告発”と、それに連動したミリヤッド・ジェネティックス社の株価急騰、遺伝子特許とTPPの知的所有権問題など、興味深い問題であるが、今は措いておく。

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