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2013年12月

2013年12月31日 (火)

今年も無事に過ごせました

今年も1年無事に過ぎました。激動の1年でしたね。TPP、原発問題、秘密保護法に年末になって突然の安倍総理の靖国神社参拝。私的には血糖値の上昇と糖質制限食による劇的な改善。幸い膵臓がんの転移も再発もなく、健康状態も満点でした。6月には65歳で一応仕事は一区切りにしましたが、非常勤で新たな開発プロジェクトを率いることとなりました。

生かされるままに生きる。欲張らない。まぁ、これでいいか、と今あることを”有り難い”こととして、社会の中で与えられたことを誠実に実行する。常に新しい好奇心を持って命を活かす。こんな気持ちで過ごした1年でした。

何人かのブログ仲間を見送ることになりました。残念なことではありますが、しかし皆さん精一杯生きていました。

生は一瞬の営み、死も一瞬。それはあたかも一瞬にして立ち去る風の如く。だからこそ、”今、ここに”ある命ほど尊いものはない。世界は因果関係の複雑に絡まった「縁起」で転がっている。生も縁起、死も縁起。一瞬、これこそが全てであり、この一瞬に人生の全てが凝縮されているのだ。だから、昨日でもなく明日でもなく、この一瞬の”今”を意義で満たして生き抜こう。そうすれば、生命に満ちた宇宙そのものに対して「意義」という最高の贈り物を与えることができるのだ。

ハイデガーだったかな。こんな意味のことを言っていましたね。

ともあれ、年末年始は再リッピングしたCDを最高の音響システムで堪能するつもりです。正月は恒例のウィーンフィル・ニュー・イヤー・コンサートの実況中継もあります。

来年はさらなる激動の年になりそうな予感がします。

どうか、良い新年をお迎えください。



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2013年12月30日 (月)

靖国参拝で四面楚歌状態

膵臓がんの術後1年ほど経ったころ、いずれ再発して死に至ることになるかもしれないからと、田舎にある墓を東京に移す決心をしました。納骨室を開けると、かび臭い空気の中にあった骨壺の一つが、太平洋戦争で戦死した叔父のものでした。「昭和十九年十月没 享年二十一歳」と書かれてあります。蓋を開けると、中にはいくつかの石ころがビニール袋に包まれて入っているだけでした。戦死した場所も日付も不明です。日本軍の戦死者の6割が餓死で亡くなっています。それ以外はマラリアなどの病気によるもので、実際の戦闘で亡くなった兵士は1割にも満たないのではないでしょうか。補給路を断たれた挙げ句の、軍指導部の無茶な作戦で犬死にしたのです。

決して「祖国のために闘った英霊」ではありません。侵略戦争に借り出された犠牲者です。また、それ以上に何千万人というアジア地域の国民が日本軍の犠牲になっているのです。

一年前には飛ぶ鳥を落とす勢いだった橋本氏の日本維新の会も凋落ぶりが激しいです。そのきっかけは橋本氏自身の「従軍慰安婦」発言であり、歴史認識の貧しさと右翼的体質が凋落のきっかけとなりました。いま安倍晋三が同じ轍を踏もうとしているようです。靖国神社参拝に対して中国はもとより、韓国台湾からも反発を食らい、アメリカからはその日のうちに「遺憾」ではなく「失望している」という、同盟国の首相に対しては過去に例のない強い口調で公式声明を出しました。EUも同じように声明を出しています。27日付けのニューヨーク・タイムズは、国際面のトップに「神社への参拝によって日本のリーダーは平和主義から離脱する姿勢を鮮明にした」という見出しの論説記事を掲載しました。まさに四面楚歌状態です。

ドイツがナチスの戦犯の時効を認めず、徹底的に追求して今日の欧州での信頼と地位を築きあげたのとは対照的に、日本は戦争前の「日本を取り戻す」としているようです。橋本氏と同じ「躓き」の一步となるに違いありません。

Imageyositakapc002_2 中曽根氏ら歴代の首相が座禅を組みに通っているという、谷中にある全生庵の平井正修住職の『囚われない練習』の帯に、安倍晋三氏が推薦文を寄せています。「求めない。だから手に入る。平井住職との交わりをきっかけに、私は私の道を行く心を決めました」とあります。その「道」は、国民には負担を強いる一方で、富めるものには更に優しく、隣国とは一戦交えても良いとし、そのためには「潔く国のために命を捧げる」ことを「求めている」ようです。座禅の最中におどろおどろしい想念が渦巻いていたのでしょうか。禅の心を取り違えているようです。

今年もコンサートで「第九」を聴くことができませんでした。今日はCDでフルトヴェングラー指揮、バイロイト祝祭管弦楽団のベートーベン 交響曲第9番「合唱付」を聴いています。

第二次世界大戦で中断していたバイロイト音楽祭の復活祈念コンサート(1951年7月29日)のライブ録音です。最初にフルトヴェングラーの足音が収録されています。モノラル録音ですが、戦争が終わり平和が到来した喜びが背景にあり、特に第三楽章の出だしからの透明感あふれる演奏、終楽章のコーラスとともに盛り上がっていく高揚感は、今後二度とこの感動的な演奏は再現され得ないだろうとさえ思えます。

歴史の教訓を学ばない者の末路は哀れです。

こちらのCDは第二世代復刻版です。ノイズが除去されて驚くほどの音質に生まれ変わっています。

2013年12月27日 (金)

FOLFIRINOX使用に当たっての留意事項

治癒切除不能膵癌へのFOLFIRINOX療法が承認されました。これで膵癌に使える抗がん剤は4つになります。次はアブラキサン(nab-paclitaxel)ですね。

日本膵臓学会のホームページに「膵癌に対するFOLFIRINOX 療法施行にあたっての留意事項について」と「治癒切除不能な膵癌を適応とする併用化学療法(FOLFIRINOX法)の使用にあたっての留意事項」の二つのPDF文書が掲載されています。二つの文章からは、FOLFIRINOX療法を受けるには相当の覚悟がいると読み取れます。

FOLFIRINOXはゲムシタビンに比べて4.3ヵ月の生存期間中央値の延長がありました。

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一方で相当の副作用があります。この「相当」というのは、これまでの抗がん剤とは比較にならないくらいひどい副作用と思って間違いなさそうです。

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4.3ヵ月の延命で得た時間のほとんどを、地獄を見るようなひどい副作用に耐えて過ごすことにどれほどの患者が納得するのでしょうか。それでも生きている方が良いと思う人も当然いるのでしょうね。何度も書くように、それは患者それぞれの価値観で判断することです。

骨髄抑制による好中球減少が46%の患者に生じています。禁忌事項も多いです。

  1. 骨髄機能抑制のある患者
  2. 感染症を合併している患者
  3. 下痢(水様便)のある患者
  4. 腸管麻療、腸閉塞のある患者
  5. 間質性肺炎又は肺線維症の患者
  6. 多量の腹水、胸水のある患者
  7. 黄痘のある患者

まだありますが、これらの一つでも該当すると投与できません。全身状態の良い(PS.0-1)65歳未満、好中球数2000以上のなどの条件もあります。減量基準もあわせて載っており、60%程度まで減量することを推奨しています。

欧米ではFOLFIRINOX療法がファーストラインとして推奨されているようですが、これは全身状態の良い初期の、使うことのできる時期に使った方が得策だということなのでしょう。先に4年ぶりに改訂された「膵癌診療ガイドライン2012」では、ファーストラインとして、ゲムシタビン単剤療法に加え、ゲムシタビン+エルロチニブ併用療法とS-1単剤療法が推奨されています。「明日への提言」でFOLFIRINOX療法が言及されています。

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大阪府立成人病センター消化器検診科副部長 井岡達也医師の『実地医療から見たガイドライン改訂のポイント』と題したレポートでは、

殺細胞性抗癌剤の組み合わせで、ハザード比は0.57と、極めて高い有効性を示していますが、血液毒性が強く、使いにくい治療レジメンであるともいえます。そのため実地医療においては、強い毒性により際限なき減量を要するために効果が低減して、第Ⅲ相臨床試験で得られたハザード比が再現されないのではないかと懸念しています。

FOLFIRINOX療法の中にフルオロウラシルが入っているため、二次治療でもフッ化ピリミジン系抗癌剤(S-1)を投与することは、エビデンスから言って、あまりお薦めできません。

と説明されていますが、「がん患者のあきらめない診察室」では、

S-1とFOLFIRINOXの5-FUはダブらないのか?これは当サイトが最初にFOLFIRINOXを開始したときに生じた疑問でした。しかしこの点はあまり関係ないようです。また5-FUをゼローダに変えても有効性は変わらないことが当サイトの例からは明らかです。

と書かれています。このあたりは実際に使用経験のある今村貴樹医師の考え方が妥当かもしれません。また「留意事項」では60%までの減量が限界と書かれていますが、今村医師も梅澤医師ともに30%程度までは減量しても効果があると考えているようです。

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2013年12月26日 (木)

サプリメントは本当に効果はないのか?

20日に、BLOGOSにサステナブル(持続可能性)ビジネス専門家、田中めぐみ氏の『「サプリメントは効果なし」米医学誌がばっさり』との記事が載りました。(著者サイトはこちら

ビタミンやミネラルなどのサプリメントは健康効果がなく、十分な栄養を取っている人にはむしろ害になる可能性があるという研究結果を、アメリカの医師らが医学誌アナルズ・オブ・インターナル・メディシンで発表しました。論文のタイトル「もう十分:ビタミンやミネラルのサプリメントに金を浪費するのはやめよう」が衝撃的だったこともあり、米メディアが一斉に報道し、話題になりました。

この記事を見て、マルチビタミンを飲んでいるが止めようか、と考えた方もいるかもしれません。私も記事の内容が気になっていたところ、安西英雄氏が「米国統合医療ノート」にこの記事への反論を載せてくれました。(安西さん、久し振りの更新ですね)

「サプリメントは効果なし」記事の不勉強

元の論説記事と3つの論文にもあたって、安西氏が適格な反論を加えています。

3つの論文を公平に読むと、どれも「マルチビタミンは効果がない」という根拠としては薄弱であることがわかります。第1の論文は、研究計画そのものに疑問があり、効果が見出しにくくなっています。第2の論文は、対象と使ったビタミン剤に疑問があり、効果が見出しにくくなっています。第3の論文は、逆に一部では効果がある、と認めているのです。これらをもとに「サプリメントをバッサリ」切るとすれば、それは軽率すぎる判断ではないでしょうか。
<略>
なんとこれ以上の研究を止めろとまで言っています。しかし3つの研究論文は、どれも自身の研究には弱点があることを認め、さらなる研究が必要だと述べているのです。

このようにこの論説は、3つの論文を引用した形をとりながらも、実はそれらの内容を正しく伝えたものではありません。3つの論文から自分に都合の良い部分だけを切り取り、日頃の自説を強引に主張しただけの、科学者としてはあるまじき、客観性と慎みを欠いた感情的・政治的な文章だと言って良いでしょう。

確かにマルチビタミンやサプリメントにはしっかりしたエビデンスは存在しません。しかし、エビデンスがないことと効果がないことは違います。

私の摂っているサプリメントは、マルチビタミン、それとは別にビタミンD、EPA+DHA、メラトニンです。重篤な副作用もなく、費用も一ヶ月あたりで締めて1400円です。以前は米国から個人輸入していたのですが、Amazonで購入できるようになってずいぶん安くなりました。

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2013年12月25日 (水)

今年もまもなく~いろいろ

年の瀬も押し詰まって、あと一週間で新しい年です。今年もいろいろとありましたが、「一日一生」のつもりで悔いなき日々がおくれたかな、と思います。春の桜も秋の紅葉も行きたいところに行くことができました。夏場はちょっと自制していましたが、「歩け歩け」のウォーキングも休みなく続けています。体力が落ちると必ず免疫力も落ちます。がん細胞が喜んで活動を始めます。美味しいものを食べて(血糖値を気にしながらですが)体力を付けています。65歳のがん患者にしては元気な方でしょう。

猪瀬都知事が辞任して寂しく都庁を去りました。5000万円の現生に目がくらんだ挙げ句のドタバタ劇は気苦しいだけでした。「言葉の力」を信じる猪瀬氏ですが、何をしゃべるかではなく、何をするかがより根源的なことだと、気がつかなかったようです。

先日の22日は、日比谷野外音楽堂での原発再稼働反対集会、その後の国会大包囲集会に参加しました。私のようにどこかの団体の動員ではなく、インターネットやTwitterを見てやむにやまれず来たという人が沢山いました。隣に居合わせた同年配の方と話をしていたら、その方も前立腺癌と大腸癌の手術をしたと言われていました。政治がますます悪い方向に行こうとしています。がん患者であろうがなかろうが、できることをいましなくては、未来の子どもたちに申し訳ない。

国会周辺は、17時以降ともなるとトイレが少ないので難儀します。念のためにアヘンチンキを多めに飲んで、下痢になりそうな豆乳類は控え、紙おむつを装着しての参加でした。幸い紙おむつのお世話にはならなかったですが。

長尾先生の『抗がん剤 10の「やめどき』には、がんセンターを「脱北」して在宅医療にした池田さんが自宅で、長尾先生と二人で山下達郎の「希望という名の光」を聞く場面があります。

この世でたったひとつの 命を削りながら
歩き続けるあなたは 自由という名の風

底知れぬ闇の中から かすかな光のきざし
探し続ける姿は 勇気という名の船

だからどうぞ泣かないで こんな古ぼけた言葉でも
魂で繰り返せば あなたのため 祈りを刻める

眠れない夜のために 子守歌があるように
傷付いた心には 愛という名の絆を

運命に負けないで たった一度だけの人生を
何度でも起き上がって 立ち向かえる 力を送ろう

どうぞ忘れないで 移ろう時代(とき)の中から
あなたを照らし続ける 希望という名の光を
あなたを照らす光を 希望という名の光を

                          「希望という名の光」

今月も、膵臓がんのブログの方がお亡くなりになったり、再発したりと、厳しい現実を迎えているようです。みなさんに希望のある新年が参りますように。

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2013年12月21日 (土)

終末期の治療の止め時

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悪医 現役の医師であり作家でもある久坂部羊氏の『悪医』は、末期がん患者に「もう治療法はありません」と言わなければならない医師の悩む姿と、言われた患者の納得できない苦悩が、医療の現場をよく知った医者の立場で書かれている。

主人公の小仲は52歳。早期の胃がんで手術を受けたが、11ヵ月後に再発し、肝臓への転移も見つかった。いくつもの抗がん剤を使うが腹膜への転移も見つかったので、外科医の森川は「残念ですが、もうこれ以上、治療の余地はありません。余命は3ヵ月くらいでしょう。後は好きなことをして、時間を有意義に使ってください」と告げる。

「私に死ねと言うんですか」と激怒した小仲は診察室を飛び出す。「こんなに元気なのに、もう治療法がないはずがない」と納得できず、偶然新聞で見た「腫瘍内科医」のいる病院へ行く。この医者がとんでもない営利優先の悪徳医で、タキソールをお腹に直接注入する治療法で学会発表を計画していて、小仲はそのデータのための患者であった。必要のない検査も頻繁に行い、挙げ句の果ては生活保護の申請まで薦められる。生活保護の患者なら治療費の取りっぱぐれがないからだ。

知恵遅れの子どもと親子二人だけの母親は「この子を残して絶対に死ねない」と抗がん剤を続ける。しかし、がんはそんなことを斟酌してくれるはずがない。設計事務所を経営する52歳の肝臓癌患者も、肺にも転移しているというのに、治療を止めようとはしない。「死んでもいいから、治療を続けたい」と森川に懇願して飲む抗がん剤を投与してもらい、息も絶え絶えになっても飲み続けている。

小仲は、腫瘍内科医から強制退院させられ、ブログで見た活性化NK細胞療法に期待をかけて1クール行うが効果が出ない。衰弱した小仲はホスピスに入院することになり、死期が迫ったある日、偶然テレビに彼の手術をした外科医の森川が出演しているのを見る。森川は驚くような発言をして・・・。結末は書かないのがルールでしょうから。

さすがは現役のお医者さんだけあって、抗がん剤の副作用に苦しむ主人公の描写は真に迫っている。闘病記のブログを書いている実際のがん患者でも、このようにありありと書くことは難しいだろう。

多くの患者は、抗がん剤ではがんは治らない、延命効果しかないことを知らない。いや、医者からは説明されるはずだが、記憶に残っていない患者が多い。治療すれば治ると思っている。医者は、治療はやり過ぎると怖いと考えている。ここにギャップがある。治療をしない方がQOLも維持できて長生きできる、と言われて素直に納得する患者の方が少ないのだろう。がん患者は「万が一の奇跡」であわよくば治るかもしれないと期待する。心のどこかにそうした願いがある。誰もが死ぬのだから、死を受け入れて準備をするべきだ、と言われても、「死の受容」のキューブラー・ロスでさえ、死に直面してわめき散らしたというではないか。

どこまで治療を続けるのか、正しい唯一の答えはない。長尾医師も『抗がん剤 10の「やめどき」~あなたの治療、延命ですか? 縮命ですか? 』で書いているように、結局は患者が何を大切にしたいのか、その人の人生観、価値観にかかっている。副作用でぼろぼろになって早死したとしても、本人が納得するのなら「有意義な時間の使い方」をしたと言えるのかもしれない。私は願い下げだが。家族や息子たちが治療を続けて欲しいと言っているから、本人は止めたいのだが仕方なしに続けているという患者もいる。あるいは、そんなことは考えもせず、有名な大病院で治療を受けたからと満足し、諦めている家族もいる。私が知り合った同じ膵臓がん患者でも、主治医から「もう積極的な治療は止めたらどうですか」と言われるまで、ワクチン療法や陽子線治療を探して全国を飛び歩き、臨床試験に何とか参加しようとしていた患者もいた。それも本人が納得していたのなら正しい選択だったのだろう。

上の長尾医師の本のAmazonのカスタマーレビューにこのような投稿があった。

一年前に大腸がんで夫をなくした者です。三年前から不調を訴えていた夫は、定期的に検査に通っていたにもかかわらず、がんと発覚したその日に余命一年と宣告されました。まだ40代でしたから諦められるはずがありません。幼稚園児の娘もいました。夫も私も、当初はありとあらゆることを試せば、絶対にがんは治せると信じました。抗癌剤治療で、すごくよくなった時期もありました。家族三人で旅行に行けた時期も。だけど治療が10ヶ月を過ぎたあたりから、何をやってももう、夫を弱らせるだけなのではないか、と感じました。抗癌剤をいつやめるのが夫にとって幸せな道なのか、考えながら言い出せなかった。夫だって、ホントのところは積極的な治療はやめたかったはず。でも主治医は「まだ続けられますよ」と言いました。お願いしますと私は言い続けました。 結果、夫はすさまじい副作用の中、突然旅立ちました。 一年たった今、誰を責めるつもりもありません。私の考えが、足りなかった。この本のタイトル通り、「抗癌剤のやめどき」を、もっと家族で話し合う必要があった。それだけを痛感しています。本屋さんでたまたまこの本のタイトルが目にとまり、「今さら私が買って何になるんだ」と思いながら、どうしても読まずにはいられなくて、つれて帰ってきてしまった。ベストセラー医師と書いてあったけど、長尾さんという人がどんな人かも、知りません。だけど、こんなことを書く医者もおるんやなってびっくりして、夫の治療を前に右往左往していた自分を思い出して、涙して、心が浄化されました。やりきれない思いで夫を見送った私が、この本をきっかけにできることはひとつ。抗癌剤のやめどきは、病院に決めてもらうのではなく、家族と本人で決めなければならないということを、今、がんと闘病中の人たちとその奥さん、旦那さんに知らせてあげたい。それには、この本はとても役に立ちます。いてもたってもいられなくて、初めてレビューを書きました。この本を、一年前に出してほしかったから、星を一個減らして、星4つにしてみました。夫と、読みたかったな。夫も山下達郎さんが大好きだったから。

後悔しないようながんとの付き合い方をしたいものだ。

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2013年12月20日 (金)

【衝撃】がんペプチドワクチン、再び有効性示せず

「サイエンス」誌の、今年の最重要研究成果に「がん免疫療法」が選ばれたとのニュースがあった同じ日に、がっかりする否定的なニュースです。

オンコセラピー・サイエンス社のC01を用いたがんペプチドカクテルワクチン第三相診療試験が中止勧告を受けたようです。

臨床試験も中止です。膵臓がん患者には衝撃です。

20131220_01_2 OTS102(エルパモチド)第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(PEGASUS-PC Study)も2012年2月に有効性が確認できず、と発表されて、それに変わるものとしてCOMPETE-PC Studyが期待されたのだが、第Ⅲ相試験でこれも有意差がないとなった。

たぶんこれでがんペプチドワクチンへの期待は一挙にしぼんでしまうだろう。私もエルパモチドの例があるから大して期待はしていなかったが、もしかしたら? という思いはあった。膵臓がん患者としては誠に残念です。

今後は術後再発予防を目的とするとのことですが、ペプチドワクチンは本来そうした目的に適しているのだと、中村教授が述べていました。そちらに期待したいと思います。

大々的に効果を報道してきたNHK等のマスコミの対応が見物だ。

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2013年12月16日 (月)

バカボンのパパ:これでいいのだ!

昨日は池上本門寺まで2時間のウォーキング、DP3Merrillだけを持って散歩写真。カメラを持って歩くと、いくらでも歩けるのだ。これでいいのだ。

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ペットの美容室の窓から。トリートメント中

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4384572_1709475954_142large赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」。バカボンとは、馬鹿なボンボン、バガボンド=放浪者など諸説があるが、サンスクリット語の「薄伽梵」(ばぎゃぼん)に由来するというのが"公式"見解らしい。「薄伽梵」とは悟りをひらいた者、ブッダ、釈迦如来、お釈迦様のことであるらしい。知らなかったが。バカボンのパパが「これでいいのだ」というのも悟りに境地だ。

断食座禅の提唱者である野口法蔵さんに『これでいいのだ』という本がある。いろいろと悩みがあっても「これでいいのだ」と唱えて、唱えながら前に進む。現状をあるがままに受け入れて、それからまた行動を起こせば良い。というか、それしか実際の対処方法はない。

他力・自力のしあわせ論─こうやって生きれば大丈夫 野口法蔵さんと辻信一さんの対談『他力・自力のしあわせ論─こうやって生きれば大丈夫』で野口さんはがんについてこう言っている。

医者とはそういう役目ですから、治療を医者にゆだねる人の方が間違っています。医者に行くのは患部を切り取るために行くのであって、ガンを治しに行くと思ったら間違いです。それは自分の選択の中にあります。切り取ってもらった後に、生き方と考え方を変えて、再発しないようにしないとけません。もっと人生をすばらしいものに変えるチャンスがきたわけですから。

ガンになったことが悪かったのではなく、ガンになる要因を持っていたことが悪かったのです。ガンになったらなったで、変えるチャンスです。その時に、あれこれ違う方法を探すより、生き方そのものを変えてしまうことのできた人だけが助かるのです。

がんになった。「それでいいのだ」と受け入れて、「死ぬかもしれない」「それでいいのだ」と受け入れる。受け入れることはあきらめることではなくて、これからは違う人生、違う考え方で生きるということ。それができる人だけが治る可能性があるのだ。

勘違いしちゃいけない。「よし、それじゃ考え方を変えたら治るのならそうしよう」と思ったとしたら、取り違えている。「それでいいのだ」と、なんの見返りもなく受け入れること。期待しないこと。治るかどうかは「成り行き」なのです。

断食座禅の経験から、

ずっと病気を意識していると病気は治りにくいのです。断食して病気を治すのだという思いでやっていると、なかなか効果は現れません。自分の病気のことを言わなくなったり、考えなくなったとき、からだは変わり始めます。

治りたがる人は、治ることは希なのかもしれない。

バカボンのパパと読む「老子」  角川SSC新書 (角川SSC新書) ドリアン助川さんは『バカボンのパパと読む「老子」』で「バカボンのパパは老子なのだ」と言う。老子が語る希有壮大さ、社会から離れたところで「わしは馬鹿だと思われているのだ」と自らを笑ってみせる度量、これらが老子に似ている。

老子第16章「根に帰る」をバカボンのパパはこのように解釈してみせる。

あれこれこまごま考えないようにして、心の中を原っぱみたいに静かに保つのだ。そうするとわしなどは、ウナギイヌやネコのレレレやいじめっ子やとにかくいろいろなものが一斉に成長して、それがまた自然の源へと帰っていくのを見ることになるのだ。

ウナギイヌやネコやレレレやいじめっ子は、どれだけ増えて大きくなっても、またそれぞれの根源に戻るものなのだ。根源に戻ることを静と言い、それはまた根源を持つ運命に従うことでもあるのだ。運命に従うことを自然の摂理である常と言い、常を知ることを明と言うのだ。

常を知らない人はついついむちゃくちゃをやってしまい、自ら運命のドブにはまりに行くようなことをする。常を知っていれば、海のようになんでも入る器となれる。それはみんなにとって公平だということであり、みんなにとって公平であれば、ほとんど王様なのだ。王様であるならそれはもう天であり、天であるということはTAOなのだ。TAOならばもう永遠なのだから、生涯アハハーンと何も心配することないのだ。これでいいのだ。

加島祥造は同じ16章「根に帰る」を次のような自由訳にしている。

心を、空っぽにしてみる。
すると、本当の静けさを感じるよ!

空っぽな心に
静けさが満ちわたると感じるとき
道(タオ)の働きに気づく。

万物は
生まれ、育ち、活動するが
すべては元の根に帰ってゆく。

水の行先は、海
草木の行先は、大地
いずれも、静かなところだ。

それを知るのが最上の智慧であり
知らずに騒ぐのは、悩みの種をつくる。
この智慧に気づくとき
ひとは初めの命を取りもどすのだ。
天と地をめぐって動く命の流れを
静かに受け入れてごらん、
自分の身の上でくよくよするなんて
馬鹿らしくなるよ。

加島訳の方が優れているけどね。

仏教の諸行無常、生者必滅の理みたいだが、老子と釈迦はほぼ同時代の人だ。

あれこれ明日のことを考えたり、がんで死んだらどうなるのかなどと、くよくよ考えないのだ。ま、なるようになるさなのだ。そんなことで悩むのは、バカボンのパパ以上に馬鹿なのだ。

これでいいのだ!

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2013年12月14日 (土)

玉ひでの元祖親子丼

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今日は玉ひでの親子丼を食べに行きたいなと家族で話していたが、店には駐車場がないし付近の駐車場も少ない。それに昼食時は最低でも30分は待たなければ食えないらしい。思案していたら、羽田空港国際線ターミナルビルで玉ひでの親子丼が食べられるという情報があった。これなら15分で行ける、これ幸いと出かけた。

国際線ターミナルビルのレストラン街を探すが、それらしき店がない。これは騙されたか閉店したのかと、くるくると回っていたら、3階の京急線のりばへ降りるエスカレータの奥まった突き当たりにあった。(この突き当たり ↓)
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「あんず」という店の厨房を間借りして調理している様子だ。メニューも二つしか載せていないが、お目当ての親子丼があれば問題ない。

人形町の店なら週末は運が悪ければ1時間近く待たなければならないが、こちらは閑散としていた。韓国・台湾からの国際線だから、この昼食の時間帯には発着便も少ない。当然搭乗客も少ない。

元祖親子丼は、タマゴもとろとろで軍鶏の肉も柔らかすぎず、堅すぎずで美味しかった。切干し大根の漬け物がよくあう。1500円は少々高いが、ま、たまにはいいか。
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血糖値が気になる・・・。

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2013年12月12日 (木)

抗がん剤のタイアップ記事、薬事法違反の疑い

読売新聞に次のような記事が載っています。

抗がん剤記事に製薬会社が金銭…薬事法違反か
 がん患者向けの雑誌に掲載された記事が、薬事法で禁じられた抗がん剤の広告にあたる可能性があるとして、厚生労働省が調査を始めた。

 特定の商品をPRする内容の記事が多いことに加え、製薬会社が出版社に金銭を支払っていたことが判明したためで、厚労省は製薬業界に自主ルールの策定と再発防止を求める方針だ。

一般書店で販売されているがん患者向け月刊誌(公称7万部)とありますから、エビデンス社の『がんサポート』ではないかと推察されます。もしもこの雑誌であるとしたなら、私も取材を受けて「ブログの達人」というコラムに登場させていただいたことがあります。担当者は誠意のある方でした。

「卵巣がん体験者の会スマイリー」の片木美穂代表は「患者が薬の選択を誤る引き金になりかねず、非常に罪深い。『治った人が何人いる』などの情報に飛びついて、その治療を受けられる病院に駆け込み、亡くなった患者を知っている。宣伝なら、読んだ人がわかるようにすべきだ」と指摘する。

日本医科大武蔵小杉病院の勝俣範之教授(腫瘍内科)は「医師らが薬を客観的に評価しているように見えるが、裏に金のやりとりがあるなら客観性に疑いが生じる」と話す。

抗がん剤の広告が認められていないのは、死にいたる副作用が必ずあるからで、リスクとベネフィットを正しく判断して投与すべきなのですが、記事には副作用のことはあまり触れられていなかったような気がします。金銭の授受があったタイアップ記事という事実を隠していたのなら、患者が誤った情報で治療法を選択した可能性もあります。読者であり、もっとも大事にされなければならないはずの、がん患者に対する背信行為でしょう。膵臓がんの情報など貴重なものもあっただけに残念です。

コメントした勝俣医師がTwitterで補足の意見を述べています。

昨日の読売新聞にコメントさせていただきました。 抗がん剤記事に製薬会社が金銭…薬事法違反かhttp://ow.ly/i/3ZYEx  http://ow.ly/rGIrF  かなり有名ながん患者向けの雑誌です。このような雑誌には、取材協力をしないようにしましょう。

私は以前より、この雑誌社に関して、表向きは、「患者さんのために」などと言っているが、実は、金もうけ主義の怪しい記事があることに気付いておりましたので、取材拒否をしておりました。

損をしているのは、結局、患者さんです。有名なお医者さんがコメントしているからと信じてしまいます。実は、裏で製薬企業が記事を書いているなどと知ったら、どう思われますでしょうか?

このような患者さんを金儲けに使う、詐欺的な雑誌は買うのを辞めましょう。

追記です。私は最初の頃は、この雑誌の編集方針に賛同し、取材を受けていました。途中で編集方針が変わり、金儲け主義に走り始めたことがわかりました。そのことを編集長に進言しましたが、聞き受けてもらえなかったので、それ以来取材拒否をすることにいたしました。

確かにがん患者は情報を必死で求めていますが、それはエビデンスとリスク、ベネフィット、効果と副作用を合わせた正確な情報を求めているのです。

この雑誌に限らず、他の雑誌はどうなんでしょう? 日経も読売の後追い記事を載せていますが、バルサルタン問題を採り上げるのが遅かった日経メディカル。この薬をさんざん持ち上げていましたが、そのことには口をつぐんでいます。広告主には製薬企業が連なっているのです。

企業であるからには利益を上げることは当然ですが、誰のための企業活動なのか。製薬企業からの金がなければ事業として成り立たないのは似たり寄ったりでしょう。この業界もやはり「命よりも金」の世界なのでしょうか。治りたい一心のがん患者に、裏で金のやりとりがあると見抜くことは難しいですよね。

雑誌によく連載している「がんばらない医師」の鎌田實先生はこの報道を見てどのように言われるのか、気になります。

私の「お勧めサイト」からのリンクは削除しました。

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2013年12月10日 (火)

遊びをせんとや生まれけむ

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私たちは、絶えずあることをしているが、そのあることは別の何かのためであり、その別の何かもまた、別の何かのためにやっている。今現在の行為は、常に、次に予定された目標のための手段である。私たちは50年も60年も、このような人生を送ってきた。人間の行為は、何かを為すための「手段」でなければならない。ある目的のために今何かをする。これがあたりまえだと思ってきた。今日は明日のための準備期間であり、明日は来年のための、そして将来のために今がある、辛抱して努力すれば将来は報われる、と言われて「よい子」になろうとしてきた。

癌になれば人はふたつに分かれる。一つは「癌を治すために、今の時間を全て捧げる」人たちであり、もう一方は、これまでの生活を見直して、「今、ここに」ある一瞬をありがたく精一杯生きようとする人たちである。もちろん、一人の人間に両方の傾向が混在する。どちらの傾向がより強いかである。

治らない癌と分かっても、今日の貴重な時間を癌と闘うためだけに費やそうとする。癌と闘うことは大事だが、闘いに勝ったとしたら何をしたいのだろうか? 勝利を収めた暁にやりたいことを、今始めれば良いではないか。どのみち「死」はあなたを打ち負かす。それまでの時間は限られている。いつまでも「何かのための手段」に人生を費やしていては勿体ない。だから「死」を覚悟して、そして「死」を忘れなさい。「命」が喜ぶように遊びなさい。

哲学者は「人生の目的は何か?」との問いを立てるが、人生に目的などあるはずがない。強いて言えば「幸福を実感すること」だろうか。幸福を実感するとは「遊ぶ」ことだ。仕事でさえ「遊び心」でやっていけるならば幸福を感じることができる。

何か別の目的のための手段ではないことをする。これを「遊び」と言っておこう。別の言い方なら、そのものに「内在している価値」、それがそれであるが故に重要だという事柄を追い求めること。何も小難しいことではない。友人とのお茶の時間、家族で楽しむ夕食。癌患者ならば、こんなことに幸福を感じることができるのです。「これをやってもらうためには、あなたにいくら払えば良いのか?」と問わなくても良い人間関係が、ありがたい。アベノミクスは逆に「命よりも金」の世界を「取り戻そう」としている。

梁塵秘抄(りょうじんひしょう)にある

遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ。

の心を大切にしよう。人は遊ぶために生まれてきたのだ。

私は癌患者だから、明日のための準備よりも、今この瞬間の遊びに没頭する

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2013年12月 9日 (月)

【追記】『膵癌診療ガイドライン』がAndroid版アプリに

2013-12-05 18.43.20

サンタは銀河鉄道999でやってくるのかも・・・


6日、日本膵臓学会が「膵癌診療ガイドライン」のモバイルアプリを公開しました。Android用がGoogle Playからダウンロードできます。iOS用も近々予定しているようです。

Google Play「Pancreatic Cancer Guidelines

内容は『科学的根拠に基づく膵癌診療ガイドライン2013年版』(金原出版)最新版です。

  • 診断のアルゴリズム
  • 治療のアルゴリズム
  • クリニカル・クエスチョン
  • 推奨度の分類

で構成されています。    

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例えば、術後補助化学療法CQ3-4ではS-1単独療法がグレードAで「推奨」されています。ゲムシタビンはグレードBに格下げです。本来は医者向けのアプリですが、患者としても知っていた方が良いかも。

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【追記】

癌エキスパートに『実地医療から見たガイドライン改訂のポイント』と題したレポートを大阪府立成人病センター消化器検診科副部長 井岡達也医師が寄稿しています。

「膵癌診療ガイドライン」が4年ぶりに大きく改訂されました。化学療法では、局所進行切除不能膵癌および転移性膵癌の一次治療として、ゲムシタビン単剤療法に加え、ゲムシタビン+エルロチニブ併用療法とS-1単剤療法が推奨されています。

今回のガイドラインでは推奨されていませんが、高い有効性が報告されているのが、FOLFIRINOX療法(オキサリプラチン、イリノテカン、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム)です。第III相臨床試験(ACCORD11試験)で、転移性膵癌患者のファーストライン治療として、FOLFIRINOX療法は、ゲムシタビン単剤療法に比べて有意に生存を延長することが明らかになっています。ガイドラインでも「エビデンス」として紹介されています。

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エルロチニブ(タルセバ)は生存期間中央値(MST)はわずかしか改善しないが、ハザード比が0.88と良好だから推奨できる、という考え方ですね。

FOLFIRINOXの生存率曲線を載せておきます。

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2013年12月 6日 (金)

医療にも関わる特定秘密保護法

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特定秘密保護法案に反対する医師と歯科医師の会」も5日に会見しました。反対の署名を集めています。

会見の中で、医療ガバナンス学会の「Vol.296 特定秘密保護法案:医師に情報回答義務はあるのか」との亀田総合病院 小松秀樹医師の記事を紹介し、

12月2日に毎日新聞は、参議院国家安全保障特別委員会で内閣官房の鈴木良之内閣審議官は、仁比聡平議員(共産党)の「病院に調査があったときに守 秘義務を理由に回答を拒むことはできるか」という質問に対し、特定秘密保護法が施行されると「照会を受けた団体は回答義務がある」と答弁したことを伝え た。政府が、特定秘密を取り扱う公務員の身元調査に対して病院は患者の病歴、通院歴などを開示する必要があることを認めたことになる。

秘密保護法案 「照会受けた病院に通院歴など回答義務」(12月2日 毎日新聞)http://mainichi.jp/select/news/20131203k0000m010092000c.html

 これに対して医療関係者からは、「日本を含む多くの国で、 実質的に国内法の上位規範として機能」しているジュネーブ宣言をひもとき、「私は、たとえ脅迫の下であっても、人権や国民の自由を犯すために、自分の医学 的知識を利用することはしない」という一節の「脅迫」する側には「国家も当然含まれる」とし、「政府の求めるままに個人情報を報告すれば、患者個人の自由 が奪われます」と批判する声も出ている。

としている。

私のチェロの先生のところにも、特定秘密保護法に反対する署名が回ってきたそうで「音楽家の中にも急速に反対の署名が広まっている」と言っていた。

今夜が剣が峰でしょう。会期延長するのかどうか。これほどむちゃくちゃな法律は前代未聞。憲法をも無効にしかねない代物です。安倍晋三と石破茂が無邪気にはしゃぎすぎだ。戦争ごっこをやりたがっている。

本日「がん登録法」が衆議院で成立しました。参議院では先に成立していますから、これで全会一致で成立です。これにも阿倍・石破の陰険な邪魔が入っていました。「がん登録法」は超党派での議員立法ですが、全参議院副議長の尾辻秀久氏が代表世話人であり、よく知られているように尾辻氏は反TPPの急先鋒でもある。安倍晋三にとっては目障りな存在であり、「がん登録法」成立を何かとじゃまをしてきたのです。

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2013年12月 5日 (木)

「戦後」は今日で終わり、これからは「戦前」だ。

「がん患者には心の平安がもっとも重要」と言いながら、私の心はまったく平安ではない。最悪の状態だ。原因は、特定秘密保護法案が今日にも強行採決されそうだというからだ。気狂いに刃物とはまさにこのこと。ま、しかたない面もあるんだよね。自民党を圧勝させたツケが回ってきたのだ。

「日本を取り戻す」とは、あの暗い「戦前」日本にしたいということだ。国の最高権力者が全てを決めて、国民はそれに従えば良いという。命よりも金、起業が活動しやすい国家にするには民主主義はじゃまな存在。だから憲法を実質的に改悪する秘密保護法を出してきた。阿倍さんには優秀は参謀がいるようだ。TPP、沖縄普天間問題、消費税増税。一挙に重要政策を連続して出し、反対勢力の体制が整う間を与えない。結局彼らのやりたい放題がまかり通っている。

公明党の正体も明らかになった。悪性にブレーキを掛けるどころか、率先して露払いをしている。まさに「下駄の雪を返上して、下駄の鼻緒」として先導している。ま、もともと公明党は悪政に荷担しながら、「我党のおかげでよりましになった」というのが、口癖。何度も何度も国民は騙される。公明党にわずかな希望を託しても必ず裏切られるのは歴史が証明している。

「戦後」は今日まで。今日からは戦争に向かう日本になる。「戦前」だ。中国を相手にドンパチを始めたい輩がいるのだ。

さて、歴史的なこの日。チェロのレッスン日だが、それどころではない。居ても立ってもいられない。記憶に刻むためにもこれから国会前に行ってくる。


【参加報告】参議院会館前と国会正門前の集会に参加した。5時を杉田ころから、退社したサラリーマンらが次々に集まっていた。

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2013年12月 3日 (火)

「バイブル商法」になったのか?近藤誠

鎌倉なんだから、やはりそれらしい紅葉でなければ・・・。ということで円覚寺。

ご本尊、宝冠釈迦如来像。

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竹林と紅葉もいいね!

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以下、記事本文です。

近藤誠氏がまた新しい本『「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人 』を出したようで、今日の東京新聞二面には大きな広告が掲載されている。今回は文春・文芸春秋ではなく幻冬舎だ。

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売らんかな、らしいタイトルの付け方。抗がん剤は使うな、手術はするな、がんは放置するのが一番だという単純な主張を、こうも手を変え品を買えて出版する意図は何だろうかと勘繰りたくなる。これじゃあ、安保徹氏と同じになってきたようだ。医療機関は宣伝・広告が禁止されているから、院長がそれらしき本を出版して患者を呼び込む手法は、胡散臭い代替療法や健康食品販売がよく使う「バイブル商法」があるが、近藤氏も同じ方法でセカンドオピニオン外来専門「近藤誠がん研究所」の宣伝をする意図だと言えないか。

「○○研究所」と名が付いたら、眉につばを付けた方が良いというのが私の認識だが(ガンの患者学研究所なんてのもある)、たいした研究もしていないのに「研究所」と名を付けるところで、いかさま代替療法家と同じレベルになり果てている。

近藤氏の主張には一部聞くべき点もあったのだが、このところ弊害が多すぎるようだ。だいたいが、物事を「白か黒か」の二分法で解釈してみせるのは、分かりやすくて一般受けしやすい。しかし、現実はグレーの部分が大部分を占めている。極端の例を持ち出して「一刀両断」という手法は、政治家・官僚もよく使う手だ。一部の生活保護不正受給者を取り上げて、最後は生活保護費の抑制を図る。親族の扶養義務を通してしまった。バカな国民がころっと騙されることになった。バカながん患者もだまされる。

代替療法や健康食品と違うのは、これらは「効く」といって打っているのに、近藤氏は「効かない」ことを売りにしている。30,000円+消費税を払ってセカンドオピニオンのご託宣を聞いたところで「治療は無駄、ホスピスに行きなさい」と言われるのがオチだろうに、それほどたくさんのがん患者が行くのだろうか? ま、そのための洗脳装置として彼の書籍があるのだろう。

抗がん剤は効くこともあれば、効かないこともある。どのような目的で使うのか、それを明らかにしないで「効く、効かない」は言えないだろう。完治を目指すのか、がんの初期なら完治することもあるが、転移したら完治は不可能で「効かない」。延命効果を狙うのか。現状維持を図るのか。患者の意志と目的によって「効く、効かない」が決まるのであって、十把一絡げに「抗がん剤は効かない」は二分法の罠、勧善懲悪、人間とこの世界を単純に見せかけているだけだ。

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2013年12月 1日 (日)

13/11月 ツイートのまとめ

読売新聞yomiDr.(ヨミドクター) @yomiDr  
[専門家に聞きたい!終末期と緩和ケアの本当の話]モルヒネは怖い薬?(ヨミドクター) でも実は、モルヒネは最近あまり使われない、ということをご存じですか? http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=88621&from=tw 

stella @stella0316  
@ryokuhei 今どきのがんは緩和ケアで安らかに死ねるというイメージなんですね。亡夫は末期のすい臓がんで痛み苦しみ、最期は腸が破裂したようで悶えながら壮絶でした。勿論、最大量のモルヒネを使っても。レアケースもあることをお知らせまで。 

キノシタ @Oncle1316 
11月22日、欧州医薬品審査庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、転移性膵腺癌の初回治療として「アブラキサン」(nab-パクリタキセル)とゲムシタビンの併用療法に対し、肯定的意見を示した。2-3カ月以内に最終決定すると見られる。 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201311/533783.html&cnavi=1 

キノシタ @Oncle1316 
糖尿病患者向けの外食開発へ…鹿児島・いちき串木野市:一食を600kCalに抑えるだけという従来のカロリー制限食で糖尿病患者が減るはずがない。糖質が多い弁当や定食がメインでは、結果は目に見えている。 http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=88568&from=tw 

キノシタ @Oncle1316 
ナノキャリア:薬物送達システム(DDS)技術を応用した抗がん剤「ナノプラチン」関する特許査定を受ける。非小細胞肺がんやすい臓がんを対象に日本や米国、台湾で臨床試験を進めている。 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1020131125cbaj.html 

キノシタ @Oncle1316 
アピタル:インフルエンザワクチン。効果は10%未満。昨季のインフルで流行の8割を占めたH3N2型は、免疫力の低い場合はワクチンがほとんど効かなかった可能性。特に高齢者はワクチンを打ったからと安心してはいけない。もちろんがん患者もだ。 http://apital.asahi.com/article/news/2013112200002.html 

キノシタ @Oncle1316 
これ大事 RT @asahi_apital シニアこそ肉しっかり食べて 高齢期、メタボ予防より筋肉維持 http://apital.asahi.com/article/story/2013112200003.html?ref=rss&utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter 

勝俣範之 @Katsumata_Nori  
がんに効く?食事療法を考える http://nkatsuma.blog.fc2.com/blog-entry-628.html 

キノシタ @Oncle1316 
週刊文春で近藤誠氏と長尾和宏氏の論争が話題です。長尾先生はブログで「騙された」と憤慨して直接論争には応じないと言っている。ここにSho先生が、再び近藤批判を掲載された。喝采。いっそのこと長尾先生に代わって近藤氏と論戦をしたらと思... http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-11709658772.html 

キノシタ @Oncle1316 
中村祐輔教授の近況が分かる「応援部医学生のシカゴ大学訪問記」日本の医療行政に見切りを付けた中村先生の元気な様子が紹介されている。ペプチドワクチンの成果を1日も早くと待っています。 #more">http://medg.jp/mt/2013/11/vol282.html#more 

キノシタ @Oncle1316 
治癒切除不能膵癌へのFOLFIRINOX療法の承認:FOLFIRINOX療法がゲムシタビン単独療法に比べて全生存期間(11.1カ月対6.8カ月)を有意に改善。←やっと承認!これで膵癌で使える抗がん剤が4剤になった。次はアバスチンだ。 http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/news/201311/533694.html&cnavi=1 

はしはし @kj_hashi  
膵がん4剤併用の「FOLFIRINOX療法」承認へ。さてさて、また忙しくなるぞ。 / “薬食審・第二部会 新薬など8剤審議 全て承認了承 初の花粉症経口免疫療法薬も | 薬食審・薬価収載 | 国内ニュース | ニュース | ミクス…” https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/45169/Default.aspx 

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