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2015年8月

2015年8月30日 (日)

8.30国会前が凄いことになっていた!

二日続けて出かけた。昨日は原宿のスーパーよさこい、今日は、もちろん国会前の10万人大行動。「戦争法案廃案!安倍政権退陣!8.30国会10万人 全国100万人大行動!」へ。10万分の1になる。いつものように、免疫力を高める運動にもまるかと、新橋駅から徒歩で国会議事堂に向かう。

大きな歴史的転換点である8.30の今日、将来「あなたはその日に何をしていたか?」と問われたときに恥ずかしくないように、昨日のよさこいで疲れた足を引きずって参加した。

時折小雨が降るにもかかわらず、ともかくすごい人だった。国会正門前には歩道からは近づけず、となりの公園の中を迂回してやっと近くまで。老若男女、子供連れの若い夫婦や若いカップル、車いすの方も何人かいた。

そうこうしているうちに、歩道から参加者があふれ出し、車道に押し出していった。警察の規制線を突破。機動隊はバスで国会入口への道路をふさいで対応。

「戦争法案廃案」よりも、もう「アベやめろ」の声が圧倒的に多かった。

小沢一郎氏も挨拶で「私はこのような集会にはこれまで参加したことがないが」と、今日の集会に参加した胸の内を話していた。

主催者発表では12万人だと。2012年7月の「さようなら原発10万人集会」よりもエネルギーと迫力があった。SEALDsは延べ35万人と発表。国会の裏手、外務省周辺他の霞ヶ関一帯、日比谷公園でも分散して集まっていたからそれくらいはいたのだろう。警察発表は3万人だとさ。あれが3万人なら、8万人収容の新国立競技場はどれほどの規模なんだ?

この国の行く末に少しは希望が見えてきた。

バルーンで浮かんだ横断幕は「安倍やめろ!」

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アノニマスも・・・ IMG_4242

矢口高雄さんの「釣りキチ三平」最終回の絵のようになっていた。

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今日の一冊(14)

アベノミクスの失敗は誰の目にも明かです。最近は「アベノミクス」という言葉もあまり聞かなくなりました。株が乱高下して恐慌の様相すら取りざたされています。「尻尾(株)が犬(実体経済)を振り回す」こんな状況がなぜ生じたのか。

小泉改革以降の新自由主義路線、グローバリズムとはいったい何だったのか。経済優先の政治がいま、原発の再稼働、福祉の切り捨て、正社員の減少と短期雇用の増加、給食が唯一のまともな食事であるため、夏休みになると子供の食事にも困るような母子家庭の貧困、自殺者の増加、凶悪犯罪などの社会の不安定化を生んでいます。

福祉の切り捨てはがん患者にも直接の影響をもたらします。「地域包括ケア」という美名で患者を病院から追い出し、在宅医療による介護を進めようとしています。療養病床は更に削減される計画が進行しています。末期がんになったらいったいどうすれば良いのか、多くのがん患者が途方に暮れています。

どうしてこのような日本になってしまったのか。その鍵を説くのが「新自由主義」と「グローバリズム」です。菊池英博氏の『新自由主義の自滅 日本・アメリカ・韓国 (文春新書)』は、安倍総理の掲げる「成長戦略」の柱である”5つの政策”、すなわち、法人税減税などの財政改革、派遣法改正や高度プロフェッショナル制度導入などの雇用制度改革、混合診療導入などの医療改革国家戦略特区、そして農協解体を含む農業改革が、日本を破壊する活動だと、一刀両断にしている。

これらがどのようにして日本を破壊するのか、豊富な資料とデータを使って喝破している。たとえば、欧米に比較して日本の経済が特異的に低迷してきた状況をGDPのグラフで説明して橋本財政改革・小泉構造改革以後の政策の誤りを明確にしてくれる。

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また、日本は法人税が諸外国に対して高すぎる、だから法人税減税をして日本企業の海外流出を抑えなければならない、という主張が真っ赤なウソであることを、これもデータを使って論証します。

もうエコノミストに騙されないために   紫炎のMBA講義録』は、アベノミクスを「アホノミクス」とぶれないで一貫してこき下ろしてきた浜矩子氏が、金融危機はなぜ起きるのか、小泉構造改革からアベノミクスまでの歴史的な背景から導きだした最新の経済問題に対する浜氏の考えを解説しています。そして、恐慌が来ても、どのような経済状況でも、それに対処する方法は、結局は人と人とのつながりにしかない、との考えを述べています。

日本がどこに進もうとしているのか、破局を避けるためにはどうすれば良いのかを理解するための2冊の良書です。

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2015年8月29日 (土)

原宿スーパーよさこい

原宿で開催されている「原宿表参道元気村 スーパーよさこい2015」に行ってきた。ご存じの通り、「よさこい」は高知の祭り。武政英作さんが作曲した「よさこいなると踊り」に民謡業の振り付けをした「正調」よさこいから、武政さんが著作権を放棄して自由な編曲を認めたことから、よさこいソーランなど全国に広がった。

高知の田舎に住んでいたころにはあちこちの町村でも盆踊りをかねて開催していたものである。

時折霧雨の降る中、代々木公園周辺にはたくさんの参加者と観客が集まっていた。能書きはほどほどにして、土佐の雰囲気を十分に味わってきたから、その写真を。

アルバム「原宿スーパーよさこい2015

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この一枚が今日の「ベストショット」かなぁ。↑

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2015年8月27日 (木)

猿でも分かる「患者申出療養」

卵巣がん体験者の会スマイリー代表の片木美穂 さんが、混合診療と患者申出療養について、なぜ患者団体が反対しているのか、猿でも分かるように説明しています。

   

サルでもわかる「混合診療」と「患者申出療養」

  • 「混合診療」は、一見、「患者がお金を出せばいい治療を受けられるいい制度」なのになぜ患者会は反対するの?
  • ドラッグ・ラグがあるから混合診療を容認?~なぜ患者会は反対するのか~

等の疑問に対して、丁寧に解説しています。そして、

単に反対しているのではなく、

  • 患者さんに必要なくすりは患者さんに届くようにしてほしい
  • 一方で、患者さんに大きな不利益になる可能性があるものも含まれる可能性があるのでそこに対する対策をしっかりしてほしい

と考え、むしろ

  • 救えるいのちは救う
  • でも、イチャモン治療は入らないように、(未来の患者も含めて)患者の負担もできるだけ少ない形にして欲しい

と訴えています。

専門用語も多いから、よく分からなくても「猿以下か?」と思う必要もないが、混合診療も「よく分からないけど、何となく良いのでは?」「患者申出療養?お金がある患者だけでも先にやってみて、効果があれば保険収載にすればも良いかも」と考えているのなら、一読をお勧めします。

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2015年8月24日 (月)

平和の俳句

今日はがん研で甲状腺の診察でした。前回の超音波検査の結果を受けて頭頸科の先生の診察です。

先生「超音波の結果からは良性(嚢胞)だと思われます。しかし、念のために細胞診をしておきましょうか」
私「嚢胞の中にあるしこりは、最悪の場合でも乳頭がんと考えて良いのでしょうか?濾胞がんや髄様がんの可能性は低いと?」
先生「ま、そういうことですね。それを確認するためにも細胞診をやりましょう」

ということで、来週に細胞診、再来週に最終結果ということになりました。


本日の東京新聞・中日新聞などに、私がはじめて詠んだ俳句が掲載されました。

東京新聞の「平和の俳句」は、金子兜太氏といとうせいこう氏が選者となって、1月1日から、一日一句を一面に載せています。これまで俳句を詠んだこともなさそうな読者がたくさん応募して、平和について感じたこと、想いを表しています。

私も一句応募してあったところ、2週間ほど前に東京新聞の編集局から電話があり、8月の「平和の俳句 戦後70年特集」の掲載句に選ばれたからと、インタビューを受けました。新聞の俳句欄には初めて投稿したのですが、選ばれたことは素直に嬉しいです。   

    享年弐拾壱歳 石ころ一つ 蟬時雨

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墓地の移転をしたのは、術後1年経ったころでした。膵臓がんは再発したらあっという間ですから、元気なうちに墓地を移転しておかなければ、自分の骨が入った墓が遠くにあったのでは家族が困るだろうと。

かび臭い屍櫃(かろうと)の中には、父母の骨壺と先の太平洋戦争で戦死した叔父の骨壺がありました。骨壺の中に骨はなくて石ころだけ。戦死公報から書き写したのか、「昭和十九年十月没 享年弐拾壱歳」と書かれてありました。今でも骨はどこか南方の島に埋もれているのかもしれません。あるいは海のもずくとなってしまったのか。

私の父はインパール作戦の生き残りです。日本軍の戦死者の6割が餓死で亡くなっています。それ以外はマラリアなどの病気によるもので、実際の戦闘で亡くなった兵士は1割にも満たないのではないでしょうか。補給路を断たれた挙げ句の、軍指導部の無茶な作戦で犬死にしたのです。死ぬのはいつも貧乏人です。

戦時下になれば、がん患者や障害者は「役立たず」と非国民扱いになることは目に見えています。

平和でなければ、がん患者は満足な治療もできません。

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2015年8月23日 (日)

アピタル夜間学校「抗がん剤は効く?」

先週はずっと出張でした。出張先の宿で19日に放映されたアピタル夜間学校「抗がん剤は効く?」を観ることができました。講師は『「抗がん剤は効かない」の罪』などの著作もある腫瘍内科医の勝俣範之先生。(動画がアップされました!

抗がん剤でがんは治るのか?

抗がん剤では進行がんが治ることはないが、多くの患者が「治る」と考えていることを上げていました。

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「各悪性腫瘍に対するがん薬物療法の有効性」という表でも、膵臓がんなどの多くの固形がんでは治癒することはなく、C群「症状緩和が期待できる」に分類されています。

また、「がん情報サービス」にある「腫瘍学概論」という医師向けのパワポ・スライドには、

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治りません。しかし、ファーストラインの抗がん剤では延命効果が期待できるが、セカンドライン以降になれば延命効果さえも証明されていないのです。(エビデンスがない!)

したがって、抗がん剤の止め時はファーストラインで効果がないとき、ということになりますね。しかし、それで止めている患者は少ない。それは、希に抗がん剤で腫瘍が縮小した状態が長く続き「治ったもどき」になることがあるからでしょう。例外的患者はいつでもいるのです。

だから、「もしかしたら私も・・・」と考えるのはがん患者としては当然ですね。奇跡を信じなければ辛い抗がん剤に耐えることも難しい。その結果、延々と抗がん剤治療を続け、挙げ句の果てには臨終のベッドでぽたぽたと抗がん剤を点滴しているという、笑えない現実もあります。難しい判断を強いられます。

一般的には、抗がん剤でがんが治ることはないが、延命効果があり、QOLを保った生活を送ることができます。

私は、手術後の早い時期から主治医の先生に「再発・転移したときには抗がん剤治療はやりません」と宣言してあります。今でもその考えに変わりはありません。臨床試験か低用量抗がん剤治療なら考えてみようかと思っています。幸い、再発しないでここまで来たので、主治医に通告することもなく済んでいます。

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2015年8月22日 (土)

今日の一冊(13)『がんを再発させない生活術』

著者の鹿島田忠史医師は私と同じ1948年生まれ、40歳にして我が家の目の前にある東邦医大を卒業して医師免許を取ったという方。さらに我が社が健康診断を受けている牧田総合病院に勤務と、ご近所さんのような方です。

正直、「トンデモ本」かなという予感がしていたのですが、内容はいたってまじめです。ただし、免疫を扱う以上、分からないことも多いのですから、完全な科学的根拠を求めるのは無理でしょう。

がんを再発させない生活術―きょうから始められる5つの習慣

しかし、結論を言えば、私自身ががんを再発させないために実践し、このブログで書いてきたことと多くの点で共通しています。

「呼吸」「食事」「運動」「ストレス管理」「生活環境」の5つの視点から、がんを再発させないための考え方や取り組みを、具体例を挙げて解説しています。

著者は、がんの再発を防ぐ上で、「がんが嫌う環境を体内につくることが大切」と述べています。 これはシュレベールも『がんに効く生活』で繰り返し述べていることです。

再発や転移することが圧倒的に多い膵臓がんです。既に再発した患者でも「がんが嫌う体内環境をつくる」ことは、元気でQOLを保った生活をする上では大切なことに違いありません。

  1. 誰もが必ず迎える「死」に対する認識を深める
  2. 発がんという試練の意味を見直して肯定的な側面を見つける
  3. 困難を乗り越える精神力を身につける

の3点の重要性を挙げていますが、がん=「死」と考え込んでストレスを貯め込まないためにも、「死」に対する自分なりの考えを持つことの重要性も、私がしばしば書いてきたとおりです。

シュレベールの『がんに効く生活』は難しすぎて、という方にはお勧めですね。

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2015年8月21日 (金)

患者申出療養制度に関する意見書

21日、全国がん患者団体連合会と日本難病・疾病団体協議会が、来年4月から始まる「患者申出療養制度」に関して意見書を厚生労働省に提出し、記者会見しました。

詳細は、全国がん患者団体連合会のホームページに掲載されていますが、あまりニュースにならなかったようなので、要約を書いておきます。

「患者申出療養制度に関する意見書」厚生労働省への提出のご報告

         平成27年8月20日
厚生労働大臣 塩崎恭久様
厚生労働省中央社会保険医療協議会長 田辺国昭様
厚生労働省がん対策推進協議会長 門田守人様

一般社団法人全国がん患者団体連合会
理事長 天野慎介

患者申出療養制度に関する意見書

海外で標準的に用いられている治療薬が日本でも早期に承認されること、いわゆるドラッグ・ラグの解消は、1日も早く有効な治療薬を求めるがん患者や家族の切なる声であり、がん患者団体はその解消を求める要望活動を行ってまいりました。しかし、新たな治療薬等については、科学的根拠に基づいた有効性や安全性の担保が不可欠です。また、日本のいわゆる国民皆保険制度は、がん患者や家族が安心して保険診療に基づくがん治療を受けるための命綱です。患者申出療養制度に関して、以下の要望を提出いたします。

1.科学的根拠に基づいた有効性と安全性が示された治療薬については、薬事承認と保険適用を速やかに認めること

患者申出療養制度は、薬事承認と保険適用が認められるまでの過渡的かつ例外的な制度とし、有効性と安全性が示された治療薬については、患者申出療養制度により保険診療との併用が認められている状態に留めず、薬事承認と保険適用について一定の期限までに速やかに認めることを担保する制度としてください。

2.患者申出療養制度の導入が、いわゆる国民皆保険制度のなし崩し的な空洞化につながらないようにすること

がん患者や家族の経済的負担は、現状でも特に長期にわたり継続して治療を受けている場合等において大きなものがありますが、加えて患者申出療養制度の導入により、有効性と安全性が示された新規治療薬が保険適用されないまたは遅れが生じるとなれば、患者や家族の経済力によって受けられる治療に大きな格差が生まれることが危惧されます。

3.患者申出療養制度の導入にあたっては、対象となる治療薬等の有効性と安全性に十分配慮しつつ、患者が利用しやすい制度とすること

承認後に一定の年数が経過した国内適応外薬など、有効性と安全性が一定程度示されているものについては、患者申出療養制度で患者が負担なく少しでも早く使用できる制度としてください。また、臨床中核病院等における相談体制の充実や、重篤な有害事象が生じた場合の補償体制の整備など、安全性に十分配慮した制度としてください。

4.患者申出療養制度の導入に関わらず、科学的根拠に基づく有効性と安全性が担保された治療薬が、早期に使用できるための制度改正や救済策を検討すること

PMDAの体制整備等が進められてきましたが、特に難治がん、希少がん、小児がん等で未だ多くのドラッグ・ラグが解消されていません。また、別紙資料(※)にある高価な未承認薬等を自己負担で使える患者は限られていることが予想されます。先進医療制度の見直し、アクセス制度の整備、経済的負担の軽減に資する基金の整備等を検討してください。

2015年8月16日 (日)

今日の一冊(12)『量子コンピューターが本当にすごい』

量子コンピューターはすごいらしい。何がすごいかって、日本のスパコン「京」が年かかる計算を数十秒でやってのけるという。暗号やパスワードなんかも、たちどころに解除してしまうことが可能になる。すでにGoogleやNASAが導入をしたと報じられている。どうやって? と言う疑問に、そもそも「計算」とは何ぞや、コンピューターは何をしているかの疑問から答える。で、この本を読んだら量子コンピューターが分かるかというと、やはりまだ分からない。

しかし、随所に面白い知識をちりばめている。例えばそろばんの元祖算盤(さんばん)は中国で発明された四則演算を行う補助具だが、方程式は解けない。その後算木(さんぎ)[または算籌(さんちゅう)とも言う]が発明されて、多項式も表現できるようになった。因数分解もできた。(昔の人はすごい!)和算家 関孝和も算木を改良して微分方程式を解いていたという。算木は老子にも記述がある。

 善く行くものは轍迹なし
 善く言うものは瑕謫(かたく)なし
 善く数うるものは籌策(ちゅうさく)を用いず
 善く閉ずるものは関ケンなくして
 開くべからず
    (老子第27章)

現在は何かの複雑な計算をさせようとしたらExcelを使うだろう。あるいは関数電卓。私が学生のころは関数電卓などなかった時代で、計算尺が主役だった。そのHEMMIの計算尺がいまでも引き出しに収まっている。もう使い方も忘れてしまったが。

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現在の関数電卓はCASIOの2種類。左のfx-993ESは数年前に買ったもので、それまで30年ほど使っていたのが壊れたので買い換えた。右のfx-98は、カードタイプの関数電卓で、1984年製である。これも30年使っているがまだ現役である。

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カードタイプの関数電卓は、製造はしておらず入手が困難な超希少価値のついた品であり、海外のオークションサイトでは500~1000ドルの値がついている。1ドル120円なら6円~12万円。ま、結構重宝しているので売るつもりはない。

で、量子コンピューターとは、

量子コンピュータとは、量子力学の原理を情報処理に応用するコンピュータ。極微細な素粒子の世界で見られる状態の重ね合わせを利用して、超並列的に計算を実行するコンピュータである。
原子の内部構造のような極めて微細なスケールの世界は、物体に働く古典力学とは原理の異なる量子力学が支配している。素粒子の状態を表す属性は、複数の状態が同時に実現している「重ね合わせ」という状態にある。これを「量子ビット」(qubit:quantum bit)と呼ばれる情報の表現として利用することにより、並列的な計算を実現するというのが量子コンピュータの基本的な原理である。

だそうです。まだよく分からないが、今のコンピュータの原理もブラックボックスであっても使っているわけで、分からなくても利用すればよい。

現在、抗がん剤の開発など創薬研究にはスーパーコンピュータが使われています。例えば児玉龍彦教授のこちらのインタビュー記事。

副作用のないがん治療に挑む! ――「進行がん」の細胞を狙い撃ちし、薬をピンポイントで投与する

抗がん剤などの候補になる低分子化合物を、スパコンの能力を駆使して短期間かつ低コストで開発するという試みです。量子コンピューターが普及すれば、開発の質とスピードがもっと進むはずです。実現すれば、年間の治療費が1200万円などという免疫チェックポイント阻害剤も、ずっと廉価に開発できるのではないだろうか。がん患者としてはそうした将来を期待したい。

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2015年8月15日 (土)

終戦の日

今日は70回目の終戦の日。

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田舎から届いた本格的な藁焼の鰹のたたきを、これも田舎の「ゆずの村」馬路村産のゆずポン酢醤油でいただいた。

終戦日 ふるさとの味 おさなき恋

昭和23年はまだ田舎は貧しかった。日本中が貧しかった。栄養状態が悪くて母乳の出ない母親も多く、「もらい乳」という習慣があった。私の同級生と私は、母の母乳を飲んだのだと聞かされた。

あの子も、おばあさんになって、どこかで元気で暮らしているのだろうか。

平和はありがたい。

安倍総理が70年談話を出したけど、何を言いたいのかよく分からない。確かに村山談話のキーワードは盛り込まれている。しかし、文章の主語が「私」ではない。過去の日本が「お詫び」をしてきたと言っているに過ぎない。

「欧米諸国が、植民地経済を巻き込んだ、経済のブロック化を進めると、日本経済は大きな打撃を受けました。」と、だから日本は戦争をせざるを得なかったという、歴史認識を持ち出している。

「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。」とは、まるで安倍晋三は戦後生まれだから、「謝罪を続ける宿命を」背負わない、と言っているようだ。

こんな談話なら出さない方が良かった。

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2015年8月13日 (木)

今日の一冊(11) 『漢方薬でがん治療はもっと楽になる』

がん研有明病院の星野惠津夫先生が監修した漢方の本。『漢方薬でがん治療はもっと楽になる (健康ライブラリーイラスト版)

【西洋医学との併用で効果が注目される漢方治療の最前線を徹底解説!】
日本初のがん専門病院としてスタートした、がん研有明病院に設けられた「漢方サポート外来」では、西洋医学との併用で驚くべき治療実績をあげています。漢方治療を始めると、多くの患者さんは苦しい症状が軽くなり、体力もついて、がんの進行が止まったり、再発しなくなったりします。抗がん剤やホルモン療法の副作用である吐き気や食欲不振、ホットフラッシュなども、漢方薬をうまく併用すれば楽になります。本書では、肝がんで肺転移のため余命2~3ヵ月といわれた人のがんが縮小したケースも紹介します。

《監修者まえがきより》
現在、日本のがん治療の中心は西洋医学的治療法です。外科手術、抗がん剤による化学療法、放射線療法などが標準治療とよばれ、治療の柱となっています。しかし、西洋医学にも限界があります。また、これらの攻撃的な治療にはさまざまな副作用や後遺症があり、患者さんがその苦痛に悩まされることもしばしばあります。
そこで漢方の出番です。本書では、がんの治療に漢方を併用することがいかに有用かを解説します。

誤解してはいけないのは、西洋医学の治療を拒否して、漢方治療だけでがんが治ると思うことです。西洋医学と漢方治療のいいとこどりの総力戦でなければ、がんとは闘えません。
残念なことに、がんの漢方治療は、まだまだ一般的とはいえませんが、西洋医学と組み合わせることにより大きな効果を発揮します。この本にはその目的や方法を図解しています。

《本書の内容構成》
第1章 漢方薬ががん治療に効くメカニズム
第2章 どの漢方薬をどう使うか
第3章 さまざまな症状が漢方薬でよくなる
第4章 知っておきたい受診のしかた
第5章 療養中に自分でできる工夫

星野先生の著作には『がん研有明病院で今起きている漢方によるがん治療の奇蹟』というすばらしい本もあります。過去にこのブログでも紹介しています。↓

がん研有明の漢方がん治療:漢方で転移がんが消えた!

気になる内容を再録すると、

  • 胃全摘術後や膵がんの手術後には、ほぼ100%の患者に脂肪吸収障害が起き、脂溶性ビタミンの吸収が悪くなる。ビタミンDの欠乏で骨粗鬆症、ビタミンAの欠乏で夜盲症などが起こる。したがって、がん患者は総合ビタミン剤を服用した方が良い。
  • 膵がんの術後化学療法を続けるも余命5ヶ月と診断。
    膵頭十二指腸切除術のあと、GEMと活性化リンパ球療法を受ける。GEMが無効となった後TS-1に変更。樹状細胞療法を始める。肝機能障害のためTS-1も中止し、補中益気湯+午車腎気丸を投与し、その後十全大補湯に変更。2年たった今は術前のように元気。
  • 中国の抗がん生薬「カイジ顆粒」はときには治癒する症例もある。有効性を示す論文が100編以上報告されている。日本でも「健康食品」として入手可能
  • 大量のジュース療法はがん患者には有害。
    身体を冷やし、大量の水分摂取により胃腸の働きが低下して食物摂取量が減ることで必要なタンパク質がとれなくなる害の方がはるかに大きい。済陽高穂の(とは名指ししていないが)大量の野菜ジュースでがんが消えるという本を信じて実行した後に、ひどい冷えと低栄養状態、低ナトリウム血症で来院する患者が少なくない。こうなると漢方も効かず亡くなることが多い。

どなたかのブログにも書かれていましたが、低ナトリウム血症は怖いですよ。少なくとも膵臓がん患者はゲルソン療法(とその亜流:済陽式など)には手を出さないことです。なぜならゲルソンの娘が著作で「ゲルソン療法は膵臓がんには禁忌」と書いているのですから。

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粒子線治療

来年の診療報酬改定時に、粒子線治療の先進医療から膵臓がんなどは外れてしまうかもしれない。

8月9日の「粒子線治療は効果があるのか?」の続報です。

日本放射線腫瘍学会が厚生労働省の「第33回先進医療会議」に提出したパワポ資料がこちらにあります。

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前回の診療報酬改定時に、

  • これまで先進医療として実施してきたデータについて、評価に耐えるデータの蓄積・解析等が行われてきたとは言い難く、解析等を実施することが必要。
  • 一方で効果が示唆される結果もあることから、疾患や病態を絞って、先進医療Bとして評価を実施するなど、適切に評価できる体制を構築するべきではないか。

と指摘されて、昨年の9月から慌ててデータを集めて解析を行ったようです。しかしすべてが後ろ向き研究であり、核施設ごとのプロトコルも統一されていないので、データを集めて解析しても厳密な統計的分析に耐えるものになるはずもありません。

X線治療等他の既存治療が安全にできる病態においては、後ろ向き研究の限界で、過去の報告との背景因子の差を揃えることが難しく、既存治療との比較結果の解釈に困難をきたした。

と、言い訳をしている状態です。

今回解析された疾患は、小児腫瘍、骨・軟部腫瘍、頭頸部腫瘍(扁平上皮癌を除く)、既存治療のない肝細胞癌、既存治療のない非小細胞肺癌、前立腺癌のみです。それ以外の疾病に関しては、

今回、既存治療との比較ができなかった疾患・病態に関しては、今後も「限局性固形がん」への先進医療Aとして各施設毎に症例を集積しても、評価に耐えるデータの蓄積・解析が困難で、保険収載には至らない可能性が高いと思われた。
一方で、それらの中には、前向きに検討するべき見込みのある結果もあることから、疾患を絞って、同一プロトコールに基づいた前向きの多施設共同臨床試験をすべきと思われた。

と総括しています。

膵臓がんに関しても、「評価に耐えるデータの蓄積・解析が困難で、保険収載には至らない可能性が高い」のではないでしょうか。つまり、来年からは先進医療として粒子線治療(陽子線、重粒子線)ができなくなる可能性が高い。

国内で14施設、計画・建設中のものを入れると18施設も作ったのは良いが、ハコモノありきで、真っ当な評価をやってこなかったツケが回ってきたということでしょう。そもそもの目的が「医療イノベーション」による「経済成長戦略」であり、患者のことを考えて始めたのではないから、当然の結果でしょう。がん患者の「治りたい」希望を利用して「経済成長=アベノミクス」だなどと、ふざけている。

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いっそのこと、300万円の患者負担などさせないで、希望者には臨床試験として無料で実施し、統一されたプロトコルのもとでデータの評価・解析を行ったらどうか。

 

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2015年8月12日 (水)

今日の一冊(10) 『院内カフェ』

このところ、膵癌の方で亡くなったり再発したりが多いような感じです。気が滅入ります。膵癌って本当にやっかいな病気ですね。今夜あたり、ペルセウス座流星群がペピークだというから、流れ星にお願いでもしようかな。

最近の大病院では、院内にコンビニもあればカフェもある。がん研では有楽町にある「東京會舘」がレストランを出している。一昔前の「あるだけましだろ」とでも言いたげな「売店」とは様変わりしている。

院内カフェは、病院でもないし普通のカフェでもないという少し中途半端な異空間。そうした院内カフェを舞台にした中島たい子の書き下ろし小説『院内カフェ』。

主人公の相田○○は間りん子というペンネームを持つ売れない小説家。土日だけこの院内カフェでアルバイトをしている。

うるめいわしのような目をした”ウルメ”は「ここのコーヒーは・・・うん、カラダにいい。ビョーインだから。ここのコーヒーはカラダにいい・・・」と、いつも本日のコーヒーしか注文しない。どうやら精神科的な既往歴がありそう。袖まくりの毛深い腕をカウンターにどんと置いたレジデントは、「カプチーノ、M。ショット追加」である。こいつは”ゲジデント”。みんな「普通ではない」人ばかり。

店長の村上君、これもなんだか不思議な人物で、結構な読書家らしく、いつのまにか相田が小説家だということをかぎつけている。

病院のカフェにふさわしそうで、仲の良さそうな夫婦が入ってきた。しばらくして突然、奥さん・朝子が旦那にソイラテをぶちまける。両親の介護に疲れていた朝子は、両親が亡くなったあと、さらに旦那が潰瘍性大腸炎になったことで、「人の世話で自分の人生が費やされていくことに耐えられない」と、旦那に離縁状を書く。

最後はクリスマスのミラクルプレゼントで、暖かく終わるのだが・・・・。

「病人は残酷だ」という言葉が残っている。がん患者のパートナーもそんな想いをすることがあるに違いない。

病気はその当人が向き合うべきもの。介護する人は結局、「あなたの病にのまれないように、巻き込まれないように」することが大切。「院内カフェ」のように、治療に関わるわけでもないが、お客が患者でも健常人でも同じサービスをする。病む人がいつでも入れるように病院に寄り添ってはいるが、病院とは独立している。そんな存在で良い。

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2015年8月11日 (火)

再稼働で時限爆弾始動

川内原発が今日再稼働し、11時には臨界に達するとみられています。

この歴史的な猛暑でも電気は不足していません。原発が止まれば電気が足りなくなる、と言ってきた根拠がなくなりました。再稼働するのはひとえに電力会社の貸借対照表が赤字になるからというだけに過ぎません。

再稼働しても大丈夫なのか。その根拠は原子力規制委員会が新基準に「適合している」と判断した、ただこれだけです。その規制委員会の田中委員長は、「この新規制基準は原子力施設の設置や運転等の可否を判断するためのものです。しかし、これを満たすことによって絶対的な安全性が確保できるわけではありません。」と繰り返し語っています。

半径30キロ圏の避難計画は実効性のあるものは作成されていません。

地元の合意が得られたとのことですが、病人や老人の避難は大丈夫なのでしょうか。

いや、そもそも「自分が生きている間には、まさかもう一度原発事故が起きることはないだろう」という希望的観察で生きているのでしょう。原発が再稼働すれば地元の経済は活気を取りもどします。それを歓迎することも理解できます。いつ起きるか分からない原発事故よりも今日明日の飯のためが大事だという差し迫った感情もあるのでしょう。

国際原子力機関や米国、カナダの規制当局のデータによると、最低でも4年間停止した原発の運転が再開されたケースは世界で14基。そのすべてが運転再開後にトラブルに見舞われている。

スウェーデンでは、独電力大手エーオンが1992年から停止していたオスカーシャム原発1号機の運転を96年に再開。その翌年に6回の緊急停止があったほか、亀裂が見つかったことから38日間で終わる予定だった燃料の交換作業に4カ月以上を要した。

原子力技術コンサルティング会社、ラージ&アソシエイトのジョン・ラージ社長は、日本は「国中の原子炉がすべて4年間停止した状態」にあり、原子力規制委員会は想定外の事態に備えなければならないと指摘。規制委がいま直面している状況は「他のどの国に存在しないまったく固有の事態」だと話した。

との指摘もあります。

川内原発は日本最大の活断層、中央構造線の真上に建っているのです。

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いずれこの中央構造線も動いて大地震を起こすだろうといわれている。近くには姶良カルデラがあり、巨大噴火が3万年前に起きている。鬼海カルデラの噴火は7300年前であり、桜島は毎日のように噴火している。原発の稼働中の40年間に絶対に巨大噴火が起きないとは断定できないと専門家もいっているのである。

九州は、全国でも活発に活動する火山が多い地域だ。
たとえば、鹿児島県の桜島は日々、噴煙をあげているうえ、同地で観測を続ける京都大学火山活動研究センターの井口正人教授は以前から、
大正に起きた巨大噴火の直前のレベルまで地下のマグマが溜まりつつある
と警告しつづけている。

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もしも姶良カルデラや鬼海カルデラで巨大噴火が起きたとしても、九州の人間は川内原発からの放射能を心配する必要はありません。なぜなら大規模な火砕流で全滅しているから。それ以外の地域、関西や東京の人間こそが心配しなければならないのです。

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再稼働により、今日から時限爆弾が始動しました。タイムリミットは不明です。

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2015年8月 9日 (日)

粒子線治療は効果があるのか?

粒子線(陽子線、重粒子線)治療は本当に効果があり、必要なのでしょうか? 実験段階の治療法なのに、たくさんの大規模施設を作る必要があるのでしょうか?

現在、日本には粒子線がん治療施設が13ヵ所(重粒子線:4ヵ所、陽子線:10ヵ所)あります。治療施設数においては世界で一番多い国となっています。建設中のものが2箇所、川崎市や大阪市など計画中のものもあります。(若狭湾エネルギー研究センターは終了)20150808_17_37_09
規模も数も世界一です。しかし通常の放射線治療や他の治療法に比べて治療成績が優れているのか、満足できるエビデンスに基づく臨床データがほとんどありません。

粒子線治療を積極的に推進してきた日本放射線腫瘍学会が、ここにきて「一部のがんでは優位性を示せなかったと、厚生労働省に報告書を提出したそうです。(報告書の原文はまだ入手できていませんが)

粒子線治療:先進医療除外も 一部がん 学会、優位性示せず
毎日新聞 2015年08月08日 東京朝刊

重粒子線や陽子線を患部に照射し、がんを治療する粒子線治療について、日本放射線腫瘍学会が「前立腺がんなど一部では、既存の治療法との比較で優位性を示すデータを集められなかった」とする報告書を厚生労働省に提出した。同省は優位性を示せない部位について、有効性や副作用の有無を調べる臨床試験を求める「格下げ」や、がんの進行度に応じて先進医療からの削除も検討する。

報告書によると、前立腺がんや一部の肝臓がんなどについて、国内外の文献などを参考に生存年数や副作用のデータを既存のエックス線治療と比べた結果、症例数が少なかったり、比較条件が異なっていたりしたため優位性が証明できなかった。過去の診療報酬改定で、保険適用の可否を審査する同省の先進医療会議が何度も既存治療との比較結果を要求していた。

一方、同学会は、小児がん▽骨・軟部腫瘍▽頭頸(とうけい)部がん▽原発性肝臓がん▽原発性肺がん−−の5種類は有効性と安全性が認められ、他に根治療法がないことから保険適用を要望した。
(一部抜粋)

前立腺がんや一部の肝臓がんで優位性が示されなかったとする一方で、有効性を認めているのは小児がん、骨・軟部腫瘍・頭頸がん・原発性肝臓がん・原発性肺がんのみを上げているのですから、膵臓がんなど他のがんも有効性に疑問があると言わざるを得ません。

エビデンスも十分ではないのに、大規模で電力も大量に消費する「箱物」をどんどん作ってきたのです。がん患者も「先進医療」と名がつけば効果が期待できるのではないかという、根拠のない希望を抱きかねません。300万円も自己負担をするのだから、きっと効果があるに違いないと勘違いするのです。

食道がんで陽子線治療を受けたなかにし礼氏や鳥越俊太郎氏がマスコミでも取り上げられたこともあって、一層話題になったのですが、確かに治る患者もいるのでしょう。しかし、他の治療法との比較を出さなければ「科学」ではない。それならい、巷のエセ免疫療法を非難する資格はありません。

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2015年8月 8日 (土)

膵臓がんの早期発見(AICS)

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小樽「旧拓銀」の窓。多喜二が勤務していたころからあったのだろうか?モノクロで時間を閉じ込めてみた。


味の素は8月7日、同社のがんリスクスクリーニング検査「アミノインデックス(AICS)」が、膵臓がんの早期発見に対応したと発表した。

これまでも膵臓がんへの適用が予告されてきたAICSですが、8/7に正式に膵臓がんを対象として実施できるようになりました。

AICSは、味の素と臨床検査会社であるエスアールエルが2011年より共同で提供している検査で、血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析・指標化し、胃がんや肺がんなどのリスクを調べることができる。検査に要する血がわずか5mlと少量なことから、体に負担の少ないスクリーニング検査となっており、2015年7月現在で956の医療機関で受診可能となっているほか、地方自治体の住民検診に採用されるなど普及が進んでいる。これまでは胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がん(男性のみ)、乳がん(女性のみ)、子宮・卵巣がん(女性のみ)という6種類のがんを対象としていたが、膵臓がんが新たに加えられた。

これは、味の素と大阪府立成人病センターの片山和宏 副院長を中心としたグループとの多施設共同研究による成果で、膵臓がん患者360名と健康な人8372名の血中アミノ酸濃度バランスの変化を解析した結果、膵臓がん患者の血中アミノ酸濃度バランスが有意に変化していることがわかった。また、手術可能な段階の患者でも進行がん患者と同様の変化を示すことが判明し、その変化を解析する事で、膵臓がんの早期発見技術の開発が可能となった。

膵臓がんの早期検査手法がいろいろと取りざたされていますが、実施に臨床で使えるようになるには5年程度は必要ですね。AICSは全国の人間ドックを中心に、2015年5月末現在で940の医療機関に導入されているそうです。

現状では健康保険は適用されませんから、全額自己負担になります。費用は医療機関によってさまざまですが、対象となるがん種の数によって3~4万円程度です。

家族性膵がんの患者さんの場合は、ご家族にこの検査を考慮してもよろしいかと思います。

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臨床アミノ酸研究会AICSを導入している医療機関

味の素のがんスクリーニング検査「AICS」、早期発見が困難な膵臓がんに対応

血中アミノ酸濃度バランスの変化で癌のリスクを調べる検査に膵癌が追加

味の素が膵臓(すいぞう)がんのリスクスクリーニング検査を開始 早期発見にも対応

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2015年8月 6日 (木)

がんと炎症(CRP値)

がん患者が血液検査をすると、CRPが高くなることがあります。

「C反応性蛋白(CRP)」は、細胞組織に傷がついたり、臓器や粘膜が炎症したときに、体が防衛反応として発生させるタンパク質です。C反応性蛋白の産生量は炎症反応の強さに相関するため、血清中のC反応性蛋白を定量して炎症反応の指標とすることができます。すなわち炎症が強いほど血清CRP値は高くなる。

身体に傷ができると免疫機能が作用して炎症反応を起こし、傷を修復します。修復が終われば炎症をなくします。炎症は免疫のための必要な機能ですが、がん細胞はいつまでも炎症反応を続けさせます。炎症反応を利用して自分のまわりに血管を作らせ、酸素や栄養分を補給して大きくなります。

炎症があるがん細胞の周囲では、本来はがん細胞を退治するはずの好中球やマクロファージががん細胞の成長を促す役割をするのです。さらに炎症細胞は、ガンと闘う主役のT細胞を寄せ付けず、がんを退治する能力さえも殺してしまいます。

つまり、がん患者の体内では免疫機能が落ちており、その上更に抗がん剤で免疫力を落とし、がん細胞の狡猾な働きによって、わずかに残ったT細胞すらも無力にされるのです。

日本の医者の多くは、このがんと炎症の関係にほとんど関心がないか、あってもそれへの対処方法を話してはくれません。しかし、CRP値などに代表される炎症性サイトカインの血中濃度が高い患者ほど再発しやすく、予後が悪く短命です。

ちなみに、私の血液検査項目にはCRP値はありません。術後の初期からCRP値は高くないので省略したのだろうと思います。

このブログでは何度も「がんと炎症」の関係について書いているので、右上の検索窓に「炎症」と入れて検索してください。いくつかを取り上げるとすれば、

  1. がんと炎症の関係
    がんと炎症との関係について、私がその重要性を知るようになったのはシュレベールの『がんに効く生活』という書籍でした。「私の...
  2. 久留米医大も『がんに効く生活』を推薦  (他2件)
    ことをF氏にはお勧めしました。もちろん、がんと炎症との関係にも言及されています。がんが治るなどと断定的なことは言えませんが、ゲルソン療法とは違い、シュレベールの...
  3. 食事療法の基本的考え方
    とかがんにならないとかという保証はない。がんと炎症の関係については、このブログでも何回か紹介しています。2月9日、2009年12月1日シュレベールの『がんに効く...
  4. 今日の一冊(9)『がんを生きよう』
    ん」しかし、適切な食事によってがん周囲の炎症が改善されるので、T細胞機能が復活してがんの増殖が抑えられる可能性が高くなるがんを抑える食品緑茶・キャベツ・生...

さて、それでは不必要な炎症を抑え、CRP値を下げるにはどうすれば良いか。

Mig ファイトケミカルの豊富な機能性食品を摂る
緑茶、キャベツ、生姜、ブロッコリー、ニンニク、大豆、ラズベリー、ブルーベリー、(カカオ分70%以上の)ダーク・チョコレート、ターメリックなど。

●がんを育てる食品は摂らない
精製糖、精白米、精白小麦粉

より詳しくは、先日紹介した伊東恭悟先生の『がんを生きよう―あなたのT細胞が治療の主役です』が参考になります。

あなたの遺伝子に働きかける超代謝ダイエット―ニュートリゲノミクスに基づく7つのカギ 今日は別の一冊、ハイマン博士の『あなたの遺伝子に働きかける超代謝ダイエット』から炎症に関する章を紹介します。これはダイエットの本ですが、炎症は肥満とも深い関係があるのですね。

肥満はがんの危険因子です。しかし、体重計ががんを作るわけではない。肥満によって体内に炎症が起き、炎症反応が身体に「闘争か逃走」の準備をさせてエネルギーを蓄える。より多く食べたくなる。そして肥満に。さらに肥満が炎症を・・・と、悪循環を繰り返すのです。

炎症に関する第11章の要点だけを列挙すると、

  • 食事とライフスタイルと運動を変えると、炎症が減る
  • 食物繊維を増やしただけでも、炎症とCRP値が下がる
  • 低GL(グリセミック負荷)の炭水化物が多く、飽和脂肪とコレステロールが少ない食事が炎症を減らす
  • オメガ3脂肪酸が豊富な食事は炎症を減らし、インスリン感受性を上げる
  • 大豆食品も炎症を下げる
  • 余分な糖や精製炭水化物、飽和脂肪、トランス脂肪は避ける
  • ストレスも炎症の原因である
  • 定期的な運動とマルチビタミンは優れた抗炎症剤である
  • 食べ物はエピジェネティックに遺伝子に働きかけ、炎症を引き起こすスイッチあるいは炎症を減らす遺伝子のスイッチを入れる
  • 酸化ストレスは炎症の主要な原因であり、NF-κB(核因子カッパB)を活性化させる。
  • NF-κBは125以上もの炎症性物質の産生を引き起こす
  • オメガ3脂肪酸(EPA,DHA)を摂ることは炎症を減らす最善の方法の一つである
  • ココアバター、ダーク・チョコレート(1日に60g以内とすること)、粗挽きカカオに含まれるオレオイルエタノール(OEA)は、NF-κBを遮断し、炎症と酸化ストレスを減らす
  • 新鮮なフルーツと野菜を摂り、加工食品は避ける
  • ラベルのない食品を摂るようにする。魚やトマトにはバーコード以外のラベル(成分表など)はない。こうした食物を多く摂るようにする

CRP値に関心を持ちましょう。

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2015年8月 4日 (火)

暑い!

20150804_090024

連日の猛暑です。7月25日から今日まで連続して熱中症情報「危険(★★★★)運動は原則禁止」がスマホに表示されます。

いつまで続くんだろ???

抗がん剤の副作用と闘っている患者にとっては、暑さとダブルパンチですね。

「運動は原則禁止」なので、往復の通勤で歩いていたのを止めてバイクにしています。50ccのバイクも暑さでゼイゼイとやっとこさ走っています。

チェロを出して弾く気にもなれません。とは言ってられないから、音階練習だけでも。

音階練習とロングトーンだけを続けていても上達するそうだし。やらんよりははるかに良い。

涼しげな写真を一枚・・・ 昨年の「アート・アクアリウム」から。

DSC01037

2015年8月 2日 (日)

三渓園:早朝の観蓮会

4時起きして横浜・三渓園の早朝観蓮会に行ってきました。

蓮の花は、明け方からゆっくりと開き始め、午前7時頃一番の見ごろを迎えます。9時頃から再び閉じ始め、昼ごろには完全に閉じてしまいます。そんため、この時期だけ特別に6時から三渓園の門が開きます。

着いたのは5時半、すでに数台の車がいました。6時開門時には50人ほどの人が並ぶことになりました。開門と同時に蓮と三重塔が見通せる一番の撮影ポイントへまっしぐらに。

「三渓園の早朝観蓮会」アルバム

三脚を使って-2.0、0,+2.0EVと露出を変えて3枚撮影したものを合成してHDR処理しています。

カメラはキヤノンのPowerShot G3 X、SIGMA DP1,2,3Merrillを持っていったが、Merrillは焦点距離が蓮の花まで届かずに、ほとんどをG3 Xで撮りました。

IMG_1260_1_2

あいにくと、大きな蓮の花と三重塔が重なる構図がない。花が少ないようです。

IMG_1272_3_4 IMG_1330 IMG_1531_2_3 IMG_1311_2_3

逆光で撮ると蓮の花も太陽の光を透かして一層きれいに見えます。

その後は園内を散策。

IMG_1419 IMG_1467_8_9 IMG_1455_6_7

昔使われていたボイラー室だそうで、古びた煉瓦の色彩がみごとなので・・・。

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2015年8月 1日 (土)

15/7月ツイートのまとめ

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キノシタ @Oncle1316
「アミノインデックスがんリスクスクリーニング」の対象疾患に、8月から膵臓がんも。 医療新世紀 - 47NEWS(よんななニュース) http://www.47news.jp/feature/medical/2015/06/post-1319.html

Medエッジ @mededgejp  
血液検査で炎症の傾向があれば要注意。(専門版) 「肥満」と「全身の慢性炎症」で、転移性大腸がんの死亡リスクは5倍に 米国テキサス大学MDアンダーソンがんセンターによる報告 ⇒ https://www.mededge.jp/p/colorectal_cancer/life_rest/15538?src=pc_sn_twt_150705_15538 

Medエッジ @mededgejp  
低血糖の危険を事前に把握できます。(専門版) 血糖値の「厳格コントロール」、問題となる重い低血糖症、リスク予測が可能に 「C-ペプチド」と「膵島自己抗体」、事前の血液検査で ⇒ https://www.mededge.jp/p/diabetes/side_effect/15605?src=pc_sn_twt_150706_15605 

勝俣範之 @Katsumata_Nori  
この本の紹介欄にも記載されていますが、不思議なことに、「抗がん剤効かないの罪」を書いてから、近藤先生は、2度も私との直接対談を断ってきています。あれだけご自分の著書で、「がん専門医は反論なぜしない、議論しよう」と言っておきながら、私の著書には全く反論してこないのはなぜでしょうか?

安西英雄 @deoanzai  
乳がん手術を受ける女性にメラトニン6mgまたは偽薬を3ヶ月投与。メラトニン群ではうつ症状の発現が有意に少なかった。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24756186 

安西英雄 @deoanzai  
非小細胞肺がん患者にメラトニン10mg、20mg、または偽薬を投与。メラトニン群は有意にQOLが良く、DNAの酸化ダメージの指標も低かった。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25503168 

なとろむ @NATROM  
「βカロチンのサプリメントは、肺癌リスクの高い人には有害と確認」( http://www.cancerit.jp/xoops/modules/cancer_reference/index.php?page=article&storyid=277 )。「効かない」ではなく「有害」。ただし「野菜や果物に含まれるβカロチンが対象ではない」。

安西英雄 @deoanzai  
「マルチビタミンやサプリは摂ったほうがいいですか?」にメイヨークリニック(米国一の病院)が答えている。「それは場合によります」ー摂ったほうがいいのは、食が細くて1日に1,600 カロリーも食べ(られ)ないような人。 http://mayoclinichealthsystem.org/hometown-health/speaking-of-health/multivitamins-and-supplements-to-take-or-not-to-take 

安西英雄 @deoanzai  
続)ビーガンやベジテリアン(菜食主義)の人。魚を週に2・3回食べないような人。生理の時に出血の多い女性。慢性の下痢、食物アレルギー、食物不耐症、肝・胆・すい臓・小腸の病気、消化管の手術を受けたなど、栄養の吸収が悪くなるような病気の人。こういう人はサプリを摂ったほうがいい。

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