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2016年12月

2016年12月31日 (土)

大晦日

今年も最後になりました。このブログに、たくさんの訪問をいただきありがとうございました。

今年もいろいろな別れがありました。さまざまな出会いがありました。多くの膵臓がん患者の方が旅立たれました。新たに膵臓がんを告知され、ブログを開設される患者もありました。いつのまにか更新されなくなった方も多くいます。

それぞれに人生は悲喜こもごもです。

新しい一年に向かって歩み続けようと思います。

来年の目標:

  • 血糖値に管理をしっかりとして、願わくばインスリンから離脱する
  • 一日に8000歩、速歩30分を継続する
  • 体重を64キロまで増やす
  • バッハの無伴奏チョロ組曲を1~3番まで弾けるようになる

   四方のどこにでもおもむき、
   害心あることなく、
   何でも得たもので満足し、
   諸々の苦難に堪えて、
   恐怖することなく、
   犀の角のようにただ独り歩め。

   肩がしっかりと発育し蓮華のようにみごとな巨大な象は、
   その群を離れて、
   欲するがままに森の中を遊歩する。
   そのように、犀の角のようにただ独り歩め。

   貪ることなく、
   詐ることなく、
   渇望することなく、
   (見せかけで)覆うことなく、
   濁りと迷妄とを除き去り、
   全世界において妄執のないものとなって、
   犀の角のようにただ独り歩め。

良い新年をお迎えください。

2016年12月30日 (金)

今日の一冊(64)『いま、希望を語ろう』

いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」 (ハヤカワ・ノンフィクション) スタンフォード大学の脳神経外科医で英文学の修士号を取得。36歳で肺がんの末期患者でもあるポール・カラニシが、死を前にして如何に生きる意味を見出したか、末期癌患者の希望とは何かを語る。

ポールは子どものころから「死」について深く考えてきた青年だった。そのためには文学者になるか医者になるかと思案してきた。

人間のアイデンティティ、生と死を考察するのに、脳神経外科医は最適な仕事であった。なぜなら、脳腫瘍と共に海馬の一部を切り取れば、患者のアイデンティティは変わってしまい、もはや「その人」とは言えない状態になることもあるからだ。そうしたポールが肝臓に転移した末期の肺がんだと分かった。

彼の訓練された目は、腫瘍が肺全体に広がり、脊椎が変形し、肝臓の一葉全体ががんに取って代わられているという所見を見逃すことはない。診断は明らかだった。全身に転移したがん。似たような画像ならこれまでにいくつも見てきたが、今回の症例はいつもとちがっていた。それは彼自身の画像だった。

将来を約束され、脳神経外科医としてまもなく頂点に上り詰めるはずだったポールは、この時点から自らが勤める病院の患者となった。

2016年1月に発売されるや、ベストセラーの上位に名を連ねている本書である。彼の文学的才能を余すことなく発揮して、生と死に対する哲学的考察が随所にちりばめられている。

脳神経外科医はアイデンティティのるつぼの中で仕事をする。脳手術というのは全て必然的に、われわれ自身の本質を操作する作業であり・・・患者とその家族がそれまでに直面した中でもっともドラマティックな出来事となる。

そんな重大事において問題になってくるのは、生きるか死ぬかといった単純な点ではなく、生きる価値のあるのはどんな人生か、という点だ。

一次治療のタルセバで腫瘍が縮小し、脳外科医としての仕事に戻る。しかし、タルセバが無効となり、再発。二次治療も臨床試験への参加の道も経たれて、それでもポールは希望を見失わない。内科医である妻のルーシーと相談の上、抗がん剤投与を始める前に冷凍保存しておいた精子を使って対外人工授精をする。子どもを持つことに決めたのである。

ポールの上司である研究室長「ヴィー」に膵臓がんが見つかった。膵頭十二指腸切除術を前にヴィーは、「ポール。私の人生には意味があったと思うか? 私は正しい選択をしたのだろうか?」と問う。

驚きだった。私にとっての道徳的な模範である彼ですら、自らの死に直面して、このような疑問を抱くのだ。

ポールの主治医エマはカプランマイヤー曲線について語ろうとしない。ポールが求めても予後を言おうとしないのだ。

患者が本当に知りたいのは医師が隠している科学的知識ではなく、自分という存在の真の意味であり、それはそれぞれの患者が自分自身で見出すべきものなのだ。統計にこだわりすぎるのは海水で喉の渇きを癒そうとするのに似ている。死すべき定めに直面する不安を癒す治療薬は、統計の中には存在しない。

私も患者たちと同じく、死すべき定めに向き合わなければならなかった。そして、人生を生きるに値するものにしているのはなんなのかを理解しようと努めなければならなかった。

「最も楽な死が必ずしも最良の死ではない」と理解するようになったポールは、最善の治療法を探して、復帰に挑戦する。「末期がんというのは、死を理解したいと願い続けてきた若者にとっての完璧な贈り物ではないのか?」とジョークを言う。

しかし、一日一日を大切に生きれば良いのだということは分かっても、その一日をどう過ごせば良いのだ?

私は今、ついに死と正面から向き合っていたが、それのどこにも見覚えがなかった。私は交差点に立っていた。長年のあいだ自分が治療してきた数え切れないほどの患者の足跡が、そこから見えるはずだった。それを辿っていけばいいはずだった。だがまるで、見覚えのある足跡を砂嵐が残らず消してしまったかのように、見えるのはただ、なんの道しるべもない、荒涼とした、ぎらぎら光る白い砂漠だけだった。

愛娘ケイディを授かったポールは、生きる意味と、死への道しるべを残そうと本書の執筆に死の間際まで力を注いだ。

片腕にケイディの重みを感じ、もう一方の手でルーシーの手を握っていたそのとき、私たちのまえには人生の可能性が広がっていた。私の体のなかのがん細胞はこの先もまだ死に続けるかもしれないし、あるいは、ふたたび増え始めるかもしれない。前方の広大な広がりを見渡した私の目に映ったのは、がらんとした不毛の地ではなく、もっとシンプルなもの、真っ白なページだった。そのページの上を、私は進んでいく。

はらはらしながらポールの苦悩に共感し、ルーシーの愛に癒され、読み進めるのが怖いような、読み終わるのが惜しいような、1年を締めくくるのにふさわしい、そんな本でした。

2016年12月26日 (月)

第3回『すい臓がんカフェ』熱気でむんむんでした。

『すい臓がんカフェ』にはたくさんの同病者、ご家族がお見えになり、外は寒いのに会場は熱気でむんむんでした。

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冒頭に5名の方の体験談を披露していただいたのですが、これがまたみなさんレジュメを用意されたうえで、自らの癌との闘い、付き合いを整理されて話されました。

事前に私からは「3~5分程度で」とお願いしてあったのですが、癌は人生の一大事。それを5分で話せというほうが無茶でしたね。みなさん15分、20分と熱心に話していただきました。これで良かったと思っています。

参加者の感想もすべて「すばらしい」「希望になる」「勇気がわいてくる」というものでした。

のりぽきーとさん、アセットさん、みのさん、ARISUさん、ジイジさん。貴重なお話を伺わせていただき、ありがとうございました。

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次回は来年2月26日(日)です。

参加受付の開始は2月に入ってからになります(2ヶ月も前では早すぎた)
このブログなどでお知らせします。

たくさんの方の参加をお待ちしております。

「がん免疫療法」の指針、膵臓がんは推奨されず

日本臨床腫瘍学会が「がん免疫療法」の指針をまとめた。主要な18種類のがんのうち、現時点で「推奨される」免疫療法があるのは肺がんや血液がん、腎細胞がんなど6種類としている。

第4のがん治療法「免疫」、学会推奨は6種類 指針作成

膵臓がんは「現段階ではなし」

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2016年12月23日 (金)

ドクターXはナノナイフ

昨夜のドクターX観ました。
城ノ内先生が、ステージⅣaの局所進行膵癌(転移なし)で、門脈に腫瘍が絡んでいるため手術ができない。

そこで大門が不可逆電気穿孔法(IRE knife)で腫瘍を焼き切ろうとするが、不整脈が頻発してすべてを焼き切ることができない。

しかし、IREの効果で腫瘍が縮小して、門脈から腫瘍が離れてダウンステージ。膵頭十二指腸切除術が可能となって、根治的手術ができ、めでたしめでたしという筋書きでした。

IRE knifeとは、どうやらナノナイフのことですね。正式名称が「IRE knife」らしいです。ドラマで使った機器↓

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ナノナイフの画像↓

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ナノナイフと抗がん剤を併用すれば、腫瘍が縮小してダウンステージの可能性もあるから、希望が持てる話です。

期待の膵臓癌治療─手術困難な癌をナノナイフで撃退する! (希望の最新医療シリーズ) 森安医師(多分ドラマの監修をされたのでしょう)の『期待の膵臓癌治療─手術困難な癌をナノナイフで撃退する!』では、このように紹介されている。

癌が複雑に欠陥に絡みついて、数年前までは打つ手がなかったような膵臓癌に対しても、このナノナイフで治療が可能になった。

アメリカでは外科手術とナノナイフを組み合わせる治療がされている。癌を取り残すことなく、再発を防ぐ効果を上げているという。

しかし、このドラマを始めて見たが、ドタバタ劇だったんだね。こんなドラマが視聴率を稼ぐのか。

続きを読む "ドクターXはナノナイフ" »

2016年12月21日 (水)

毎日新聞 医療プレミアに掲載

『すい臓がんカフェ』のことでインタビューを受け、毎日新聞の「医療プレミア」に掲載されました。

有料サイトですが、月に4件?までは無料で購読できます。

がんをあきらめない  難敵に挑む 医師・患者・家族
患者同士が交流深める「すい臓がんカフェ」

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インスリン初めて3週間

12月2日にインスリン注射を初めて3週間経ちました。

時効型のトレシーバを4単位から初めて、朝の血糖値を測定しながら徐々に増やして、今は12単位で打っています。

朝の血糖値は110mg/dL前後をキープしています。

  • 体調も良いです。
  • 体重も徐々に増えてきました。55.4⇒56.2⇒56.6⇒56.9
    (インスリン不足で栄養が脂肪に変換されなかったのでしょう)
  • 下痢の症状が軽くなりました。

トレシーバで基礎インスリンを補充して、食後のグルコース・スパイクは、食前に服用するグルファストで調整するBOT(Basal Supported Oral Therapy)という新しいインスリン治療法です。

飲み薬はそのままで、注射は1日1回
初めての人でもインスリン療法を始めやすい方法として、今服用している飲み薬を続けながら「持効型(じこうがた)」と呼ばれる、効果が長く続くインスリンを1日1回だけ注射する方法(BOT※)もあります。飲み薬と持効型インスリンの効果を合わせて血糖値を下げる方法です。血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者さんでは、食後の高血糖だけでなく空腹時の血糖値も上昇しています。このため、空腹時高血糖が1日の血糖の推移を押し上げ、食後の血糖値が上昇する原因となっています。
「持効型」インスリンを補充して、空腹時の高血糖を改善することで、全体の血糖の推移がだるま落としのように低下し、糖毒性※※が解除され、本来のすい臓の機能が回復してくると、食後高血糖の改善にもつながります。

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基礎インスリンによって、空腹時血糖値が下がる。

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治療を続けていると、食後血糖値も改善する。

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糖毒性が解除され、食後血糖値が更に改善する。

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一日4回のインスリン注射はたいへんですが、時効型で朝の1回だけというのは、ありがたい。


2016年12月18日 (日)

パソコン不調の結末

結局OSの再インストールになってしまった。
土日をこれに費やしたが、ほぼ元通りに使えるようになった。

Office2010を入れていたのだが、Windows Updateでオフィス関連の更新ファイルがまったく更新できない状態が続いていた。
このままではスパイウエアに罹る可能性もある。何とかしようとしたが、だめ。アンインストールしてOffice2013にアップしようとしたが、アンインストールすらできなくなった。

バックアップからのリストアをしても、ブートエラーで起動すらしない。

この時点で諦めて、OSの再インストールをすることに。

結果は、Cドライブの中もスッキリ。

数年に一度はCドライブを断捨離するのも良いかもしれない。

データは、外付けハードディスクとクラウドに二重にバックアップしてあるので、まったく困ったことにはならない。これやってないと、顔色真っ青、心臓ぱくぱくになってしまう。

さて、『すい臓がんカフェ』のプロフィールを印刷をしようか。

2016年12月17日 (土)

パソコン不調

デスクトップPCが調子が悪い。

Word、Excelが立ちあがらない。

「回復」など、いろいろやってたら返って悪くなってしまった。

幸い、1週間ごとに自動でCドライブのフルバックアップを取ってあるので、一週間前の状態にリカバリ中。

2時間くらいかかりそう。で、その間にノートPCで投稿です。

治るかなぁ?

みなさん、バックアップ取ってますか? パソコンはカネを出せば変えますが、自分のデータはいくらカネを積んでも買えませんからね。

  • 壊れる可能性のあるものは、必ず壊れる。
    パソコンも原発も違いはない。
  • 地震はいつかはやってくる。明日か数十年後か分からないだけ

「ドクターX~外科医・大門未知子~」の最終回は、手術不能の膵臓がんに大門未知子が挑戦するらしいです。

「私、失敗しないので」

最終回が膵臓がんの手術とは、視聴率を稼ぎますね。

どんな結末になるか、ちょっと気になります。しかし、ドラマでは殆どが膵臓がんだよね。訴求力があるからなぁ。

2016年12月16日 (金)

国民生活センター調査 水素水「やっぱりただの水」

あたかもがんに効果があるかのように、過熱している水素水ですが、国民生活センター調査結果が発表され、ニュースにもなっています。

容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」-「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です-

今回対象となった容器入り水素水はレポートによると以下のようになっています。

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水素水生成器

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報告書本文の解説は、Gigazineのこちらの記事が分かりやすいです。

振るっているのは、メーカーが水素水により期待できる効果としての回答です。

飲用により期待できる効果を尋ねたところ、15社(3社は無回答)では、「水分補給」が最も多い回答でした。その他、「ダイエット」、「疲労回復」、「美容」、「アンチエイジング」と回答した事業者もいましたが、医薬品医療機器等法で効果の表示はできないため、表示は控えているとの事業者もいました(表10参照)。

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水分補給が目的なら、水道の水を飲んでいれば良いですね。

水素水の効果については、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の「『健康食品』の安全性・有効性情報」 (注4) に、「俗に、『活性酸素を除去する』『がんを予防する』『ダイエット効果がある』などと言われているが、ヒトでの有効性について信頼できる十分なデータが見当たらない。現時点における水素水のヒトにおける有効性や安全性の検討は、ほとんどが疾病を有する患者を対象に実施された予備的研究であり、それらの研究結果は、健康な人が市販の多様な水素水の製品を摂取した時の有効性を示す根拠になるとはいえない。水素分子(水素ガス)は腸内細菌によって体内でも産生されており、その産生量は食物繊維などの摂取によって高まるとの報告がある。従って、市販の多様な水素水の製品を摂取した水素分子の効果については、体内で産生されている量も考慮すべきとの考え方がある。」との記載があります。

これ、私の記事でも書いている「おなら」のことです。

おならの主な成分は、飲み込まれた空気中の窒素が60~70%、水素が10~20%、二酸化炭素が約10%、そのほか酸素、メタン、アンモニア、硫化水素・・・などです。おならとして外部に出る以外は体内に吸収されて血液循環に乗っていきます。これは、水素水から摂取する水素量と比べてはるかに多量です。

水素水の研究自体はまじめなものだと受け取っているのですが、それを利用して悪徳業者が消費者・がん患者を騙している構図です。

過去記事もご参考に。

  1. こちら特報部:水素水ブーム
    めると言われる水素が体内に取りこまれて、水素水を飲むよりは効果があるのではないか、できる限り我慢しよう。法政大学教授の佐巻健男氏は、実は私たちの体内では日々...
  2. 水素水ってなに?(2)
    結論」だけでも読んでくださいね。今回は「水素水」です。最近は太田成男氏が提唱するこちらの方が人気があるようです。アマゾンでもたくさんの「水素水」「水素バス」...

2016年12月13日 (火)

今日の一冊(63)『松田さんの181日』

松田さんの181日 オール讀物新人賞を受賞した平岡陽明の短編集。

表題作『松田さんの181日』は、カネも女も才能も覇気もない脚本家の「私」こと寺ちゃんを見かねたスポンサーがある仕事を依頼してきた。

「あと半年で死ぬ役者さんがおる。無名に近い人ではあるが、放っておくのはあまりに忍びない。オレがカネを出すから、彼の半生を本にまとめよ」

松田さん。職業:役者、余命半年の末期がん。ところが、取材を始めたが、どういうわけかお互いにウマが合って、遊んだり飲み歩いたりの日々。本になりそうにもない。そして驚きの松田さんの過去を知ったとき・・・。最後の舞台でのどんでん返し。

寺ちゃん曰く。「もうすぐ死ぬ人というのは強い。あらゆる可能性と欲望を剥奪されたようなものだから、真剣である」

「松田さんは、己に関するすべてを見切っていた。哲学とか悟りという言葉とは不干渉に生きていたが、それでいて自然とこちらに「それっぽさ」を感得させる人だった。」

余命半年といわれた松田さん。焦るでもなく淡々と生きている・・いや、飲み歩いている。そんな松田さんの死に対する考え方はこんなものだ。

我々には次の瞬間は分からない。自分がどうなっているか、相手が何を言い出すか分かったもんじゃない。だけど芝居の役者は知っているわけだ。台本があるから当然だよね。だけど、良い役者になりたければ、それをいったん真っさらに戻せなきゃいけねぇ。次にどんな運命が待ち構えているか、知らぬが如くに演じられなきゃ、いい芝居はできない。

人生も一緒だよ。いつか自分が死ぬということは子どもでも知っている。だけどそれを真っさらにして生きるのが、なんていうか、人間なんじゃねぇかな。

財産も借金も、名も名誉もない我々庶民は、エンディングノートなんぞに頭を悩まさずに済む。余命を告知されようが、ただ、これまでと同じ日々を「真剣に」生きていけば良いだけのこと、だよね。

2016年12月11日 (日)

膵臓がんにも有効なBNCT機器の開発

ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)による臨床試験が国立癌研究センターなどで始まっています。従来の原子炉からの中性子を利用していたものから、中性子源を直線加速器に変えることで、病院内に施設を設置することが可能になったのです。

  1. ホウ素中性子捕獲療法は膵臓がんには適用できない
    がん研究センターのホウ素中性子捕獲療法(BNCT)の施設が、原子力規制庁の審査に合格して公開されました。プレスリリース:世界初となるリチウムターゲットの病院設...
  2. IMRT:次のターゲットは膵臓がん
    -6110(代表)ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)さらに次世代の放射線療法としては「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」への注目が集まっている。現在、京都大学原...

しかし、現状のBNCT機器では中性子が体表面から7cm程度までしか届かず、膵臓がんは対象になりませんでした。

先日の地域版ニュースで、

電子部品大手のローム(右京区)は、次世代のがん治療法として期待される「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の研究治療施設を、京都府立医科大(上京区)に寄付すると発表した。

と報じられています。

この装置はすごいですね。なにしろ小さいから、世界初の中性子線の多門照射が可能となり、治療対象を体表面から25cm程度まで拡大できるので、膵臓がんの治療も可能になります。

ホウ素を取りこませたがん細胞に中性子を充てて、出てくるα線によってがん細胞だけを殺すという仕組みです。いわばトロイの木馬法ですね。これならがん幹細胞もやっつけられるのではないでしょうか。

がん研究センターの中性子発生装置と(株)ロームの中性子発生装置を比較すると大きさの違いが一目瞭然です。

がん研究センターの中性子発生源(直線加速器):建物の1,2階部分を吹き抜けで設置している。

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(株)ロームが開発中の中性子発生源:SiC加速器中性子源・BNCT用実機

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小さいので、患者を囲むように多数配置することができ(多門照射)、身体の奥深くまで中性子を照射することができます。

新たに開発するSiC-BNCTの中性子線照射装置イメージ図

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SiC-BNCTによるがん治療の特長

  • 今回の研究開発では、特に肝胆膵 (肝臓、胆のう/胆管、すい臓) を対象としたBNCT治療の実用化を目指す。
  • 治療による痛みや熱さはなく、原則1回の照射で完了する。
  • ホウ素化合物の反応を利用してがん細胞を破壊するため、正常細胞とがん細胞の混在するがんにも効果を発揮する。
  • 特に有効ながんは、進行がんの40%が適応となり、悪性黒色腫、脳腫瘍、頭頸がん、中皮腫、膵臓がん、腹膜転移等に有効である。

とのことですから、大いに期待しています。

SiC(シリコンカーバイド:炭化ケイ素)は、絶縁破壊電界強度がSiの10倍、バンドギャップがSiの3倍と優れているだけでなく、デバイス作製に必要なp型, n型の制御が広い範囲で可能であることなどから、Siの限界を超えるパワーデバイス用材料として期待されています。この特徴を活かして、SiC-MOSFETアレイによる高電圧半導体スイッチモジュールを搭載した高電圧パルス発生器を製作し、中性子発生装置の発生源となる。

千葉で膵臓・肝臓・胆のうがんのがんサロン

『すい臓がんカフェ』は今月25日開催ですが、申込ができなかった方、日曜は都合が悪いという方に、千葉大学でのがんサロンがあります。

がんサロン午前:膵臓・肝臓・胆のうがん 午後:部位問わず】のお知らせ(12月21日) 主催:支えあう会「α」

日 時: 2016年12月21日(水) 

  10:00~12:00   部位別のわかちあい「膵臓・肝臓・胆のうがん」

  13:00~15:00   部位や立場を問わないおしゃべり会

場 所: 千葉大学西千葉キャンパス 

  人文社会学研究科棟3階 福祉環境交流センター

事前申し込み:不要

参加費:会員:無料、一般:500円

問合せ先:NPO法人支えあう会「α」事務局

 電話番号:090-9317-8488

 メールアドレス:info.alpha.chiba@gmail.com

 URL:http://www.alpha-chiba.com/

その他:初めての方はご連絡ください。


とのことです。

2016年12月10日 (土)

なんで今さら樹状細胞免疫療法なの?

代々木公園

昨日は、会議で「オリンピック記念斉唱戦争号センター」へ。原宿で電車を降りて代々木公園を突っ切って行きました。公園内の銀杏はほとんど落葉してしまっていましたが、きれいに紅葉したカエデが一本だけ残っていました。今年の紅葉も見納めです。


和歌山県立医大がテラと協力して樹状細胞免疫療法の医師主導治験を開始すると報道されています。

和歌山県立医科大学と、日本初の膵臓がん再生医療等製品の承認を目指すテラは7日、同社子会社であるテラファーマが、和歌山県立医科大学と医師主導治験の実施に係る契約を締結したと発表。

県立和歌山医大のスライド日本初、膵臓癌に対する細胞療法の治験

しかし、なんで今さら「樹状細胞免疫療法」なんだろう? がんペプチドワクチン療法で躓いたからなのか。

がん患者団体:寄付講座を休止 県立医大で運営 /和歌山

毎日新聞 2015年08月05日 地方版

 がん患者団体「市民のためのがんペプチドワクチンの会」(東京都国立市)は7月31日、和歌山県立医大(和歌山市)で運営している「がんペプチドワクチン」の臨床試験を行う寄付講座を休止したとホームページで明らかにした。

 2013年9月に開設。がん患者が主体となる全国初の寄付講座として注目されたが、臨床試験に充てる寄付金を集められず、4月に運営を断念していた。臨床試験は同医大が一時的に費用を負担し、継続している。

 団体の会田昭一郎代表は「このワクチンは未承認で、周知がままならなかった」とした。ペプチドワクチンは、がんを攻撃する細胞を増やし治療するもの。

 同医大の勝田将裕助教は「講座は臨床試験の推進力で、早い再開に期待したい」と話した。

リンパ球バンクは次のように反論しています。

樹状細胞療法は、体内のキラーT細胞に、がんの情報を与えて、特定のがん細胞を攻撃するCTLにする、としています。
樹状細胞は、がん細胞を攻撃しません。
バクテリアやウイルスを認識する優れたセンサーTLR群を備えますが、がん細胞を認識するシステムは持っていません。
樹状細胞を用いて、実際に、がん細胞を破壊する「本物」のCTLを誘導できたケースは、非常に特殊な場合を除いて、ほとんどありません。
強い免疫抑制下にある、がん患者体内において、樹状細胞が、がん細胞の情報を提供できたとしても、元々、生きたがん細胞を目の前にして、攻撃できない抑制された免疫系が反応するとは、考えにくいものがあります。

ま、競争相手だから幾分はさっ引いて考えるとしても、どれほどの治療実績があるのでしょうか。

確かに治療実績では膵臓がんが群を抜いています。

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しかし、これだけでは治った患者がどれほどいるのか、さっぱり分かりません。
これまでの研究実績も、ほとんどが膵臓がんを対象としたものですが、安全性を確認する第一相試験が主です。

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がんを狙い撃つ「樹状細胞療法」 (講談社+α新書) 10年以上も前から自由診療として提供されているわけで、その実績がこの程度ですから、何をもたもたしているんだろう、としか感じませんね。休眠療法(低用量抗がん剤治療)の高橋豊医師も2007年に『がんを狙い撃つ「樹状細胞療法」』を出しており、休眠療法と樹状細胞免疫療法を併用する「アイマックスがん治療」を研究していましたね。最近ではアイマックスがん治療の話題はほとんど聞きません。

信州大学東京女子医科大学九州大学などでは先進医療として提供されているわけで、そこからは驚くような結果が出たとは聞いていないので、今回和歌山医大が臨床試験を始めたとしても、とりたてて騒ぐほどのニュースではないのですが。

2022年の承認申請をめざすということは、第二相試験を開始するということなのでしょうか。

ま、それならそれで歓迎はしますが、患者は冷静に受け止めることが肝要かと。

 

2016年12月 8日 (木)

今日の一冊(62)『がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点』

がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点

昨日発売になった聖路加病院精神腫瘍科の保坂先生の著作です。精神腫瘍学とは、

昔は、がんが心にもたらすダメージについての研究が多かったのですが、次第に、「心の状態ががんにどんな影響を与えるか」という研究に移り、それ以降、がんと心の関係を研究する新たな分野が確立されました。それが、私の専門とする「サイコオンコロジー(精神腫瘍学)です。

がんでも、なぜか長生きする人の「心」の共通点精神腫瘍免疫学(PNI)とも言いますね。乳がんでステージ4の患者 今渕恵子さんとの対談本『がんでも長生き心のメソッド』に書かれていることと基本的に同じです。

うつの患者さんの心をケアすることで、がんの予後を左右するということはあまり知られていません。このブログでも執拗に取り上げているように、心を元気にすることは、がんの治療そのものと密接な関係があるのです。がんであっても、なくても、「心のありかた」が健康に大きくかかわっています。

ゲムシタビンによる膵臓がん術後の再発防止にはナチュラルキラー(NK)細胞が関与:研究報告』の記事に書かれているように、NK細胞はがんとの闘いの最前線にいる免疫細胞ですが、NK細胞も脳と密接に情報交換をし、脳の状態=心のありように大きく影響を受けているのです。心のありようが、局所再発や転移にも影響を与えていると考えても良いと思います。

著者は、がん=死ではないから深刻にならないでと、

日本人の半分はがんになるというのを、「がんになったら半分は死ぬ」と誤解している人が多いのですが、実際にがんで亡くなる人はずっと少ないわけです。  さらに、がん全体の五年生存率は六〇%にまで達していて、元気になった患者者さんが大勢います。実際には心臓病や脳卒中など一般的な病気で亡くなる人が多く、がんをそれほど特別視する必要はないのです。

と言われても、膵臓がんはなぁ。

断言しますが「がん=死」「がん=壮絶な痛み」ではないのですから。

と言われても、膵臓がんは違うでしょ。痛まない患者も結構いるけど。

とぶつぶつ言いながらも読み終えた。

あとがきに、ステージ4で40代の乳がんの患者さんが、養子縁組の選択をした。こどもを育てたいのだと。周囲の反対を押し切って実行したら、転移していた肝臓の腫瘍がほとんど見えなくなったそうです。

私がすすめたのは『がんでも長生き心のメソッド』(今渕恵子・保坂隆共著/マガジンハウス)と、第四章で紹介した『がんが自然に治る生き方──余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと』(ケリー・ターナー著/長田美穂訳/プレジデント社)の二冊です。

肝臓に転移していたがんが、なんとだいぶ消えたのです。

こう言うと、すぐに「奇跡的な回復」といったフレーズが浮かぶかもしれませんが、その後、旧知の医師にこの話をすると、「ぼくの患者でもこういう人が二人ぐらいはいる」「それほど多くはないが、こういう回復例は確かにある」という反応を得ました。つまり、決してこの例は奇跡ではなかったのでしょう。  だからといって、私は、心の力ですべてが解決するとは思っていませんし、すべての人のがんが自然に治るとも断言できません。

なぜなら、一〇〇のがんがあれば一〇〇の特性があり、一〇〇の体質や性格、嗜好、経験、一〇〇の心の動きがありますから、それをひとくくりにはできません。  ただ、がん患者さんがうつになることで免疫力が著しく低下するように、病と心には密接な関係があることが実証されています。とすれば、これが回復のキーポイントになるのは間違いないでしょう。

著者のお勧めのもう一つは、

私がおすすめするのは、カール・サイモントン博士の認知療法を解説してロングセラーとなった川畑のぶこさんの著『サイモントン療法──治癒に導くがんのイメージ療法

です。私のお薦めでもあります。

「超ひも理論」を「死後の世界」が存在するかもしれない根拠にするのは、量子力学を誤解しているのではなかろうか。しかし、そう考えることで患者のスピルチュアリティが確保できるのなら、まっ良いか。

2016年12月 5日 (月)

免疫療法は膵臓がんに効果があるのか?

京都:しょうざんリゾート庭園


今日からまた出張で、ホテルで書いています。

あきらめない!がんが自然に治る生き方

タイトルはいささかいかがわしさを感じますが、内容はまじめなサイトです。運営しているのは、産業医科大学 第一外科 学内講師の佐藤典宏(さとうのりひろ)医師。

膵臓がんに関する記事が結構多いです。

12/4付の記事『「切除不能膵癌に対して免疫療法は推奨されるか?」膵癌診療ガイドライン2016年版より』では膵臓がんの免疫療法に関して、ガイドライン2016を参照して紹介しています。

結論から言えば、どの免疫療法にも、膵癌に効果があるというエビデンスはありません。

切除不能膵癌に対して生存期間の延長を考慮した場合、一般臨床として免疫療法を行わないことを提案する(推奨の強さ:2、エビデンスレベル:C、合意率:94.9%)

合意率が100%ではなく、一人ほどの「反対」意見もあったようですが、現時点では免疫チェックポイント阻害剤についても膵臓がんに対する有効性を証明したものはありません。しかし、ClinicalTrials.govでは世界中で膵癌の免疫チェックポイント阻害剤に関する多くの臨床試験が行なわれているようですから、期待したいですね。

膵臓がんに免疫療法が効きにくい原因の一つに、間質(かんしつ)というがん細胞のまわりを取り囲む固い組織があります。
膵臓がんでは特に間質が分厚く、このためがんと戦う免疫細胞ががん細胞の近くまで到達しにくいと考えられています。

これは前回の記事でも取り上げたことですが、間質を突破するためにハイパーサーミア、EPAが有効と言われています。

2016年12月 4日 (日)

今日の一冊(61)『ケトン食ががんを消す』

ケトン食ががんを消す (光文社新書) 最近何かと話題になっているケトン食によるがん療法を紹介した本です。「悪者扱い」されてきたケトン体の項には、

極端な糖質制限をベースとする私の免疫栄養ケトン食は、糖尿病の合併症を持つがん患者さんには、原則適用されません。
肝臓にがんの原発巣を抱える患者さんも、免疫栄養ケトン食は適用されません。

と書かれています。これじゃ血糖値が異常な膵臓がん患者には適用できないですね。

帯には「世界初の臨床試験で実証」と書かれています。

  1. 2011年7月から、アイオワ大学と米国国立衛生研究所(NIH)などによって、肺がんとすい臓のステージ4に対するケトン食の効果や安全性(通常の化学、放射線治療と併用)を検証する臨床研究が進められています。17年7月に第1回の報告が予定されています。私も楽しみにしています。
  2. ClinicalTrials.govで「Ketogenic & Cancer」で検索しても、19件のヒットがありました。世界ではがんとケトン食の関係で多くの臨床試験が行なわれているのです。
  3. 日本でも昨年10月、京都市で開かれた「第53回日本癌治療学会学術集会」で、大阪大学大学院医学系研究科漢方医学寄附講座、萩原圭祐准教授らによって「肺がん患者におけるケトン食の有用性と安全性についての検討」が発表されています。5症例のうち2例(▽ケトン食継続中▽ケトン食3カ月経験の後に糖質控えめの食事を継続中)では、がんが寛解しています。

1.と3.はこの本でも触れられ紹介されています。

この本で紹介されている臨床試験も3.と同様に「症例研究」であり、ランダム化比較試験ではないということは留意しておくべきです。しかも抗がん剤とケトン食との併用です。本来は、抗がん剤だけのグループと抗がん剤+ケトン食のグループで比較しないかぎり、ケトン食ががんに効くとは言えません。

大津秀一医師もそのように批判しています。「がん細胞を兵糧攻め!「究極糖質制限」の威力 という記事を読み解く メディアが流す情報の吟味が大切

もっともな指摘ですが、しかし、1回の勤務医ではそんな大規模な試験は無理でしょう。しかも食事療法ですから製薬企業から研究費が出るはずもありません。

それに著者はこのように述べています。

ケトン食は単独でがんに効くのではなく、抗がん剤治療などとの併用で飛躍的な効果を発揮する可能性があるのです。

ま、食事だけでがんが治ることは難しいでしょう。しかし、がん患者としては併用であれ単独であれ、がんが消えてくれればよいのです。ケトン食単独の抗がん効果を敢えて証明してくれる必要はありません。

ステージⅣbでケトン食を3ヶ月継続した患者9例の1年後の評価は、3例がCR(完全寛解)、3例がPR(部分奏功)、1例がSD(進行抑制)、2例がPD(増悪) による死亡と、奏効率が67%、病勢コントロール率が78%という結果になりました。(腫瘍が縮小して手術に持ち込めたからですが)。2016年2月現在で、7人のうち手術まで持っていけたのが5人。そのすべてが完全寛解(CR)に至りました。

標準治療でステージⅣbの患者の3分の1が、手術ができるほどに腫瘍が縮小し、寛解するなんて、あり得ませんよね。大津医師の指摘はちょっと的が外れている気がします。

以下にいくつか気になる点を挙げておきます。

  • 「免疫栄養ケトン食」は短期決戦。3ヶ月以上続けてはいけない
  • 小児の癲癇治療に特化した食事療法でケトン食による重篤な副作用が報告され、代表的なものは、体力の減退、嘔吐、下痢、便秘ですが、低血糖による意識の低下や昏睡なども見られます。長期の実施になると、稀に成長不良や微量元素の不足によって不整脈を誘発することもあります。最近ではケトン食を1年以上継続した癲癇の子供が死亡したケースが報告されています。長期間にわたる極端な糖質制限が、危険を伴う理由がここにあるのです。
  • と、著者は副作用での死亡例を重視、しかし江部康二医師は副作用は軽微との認識で異なっている。
  • EPAには、がん細胞が増殖するために、自ら血管を増やす「血管新生」を抑える働きがあり、転移を起こしにくくしたり、がん細胞のアポトーシス(自然死)を誘導したりする効果があることも確認されました。  ようするに、EPAには、がん細胞の炎症反応(CRP値)を抑制し、悪液質を改善させる力があるだけでなく、がんの進行をブロックする働きもある。
  • 体内の深部にあるすい臓のがんは、固い繊維芽細胞で覆われており、これによってがん細胞への抗がん剤や免疫細胞の侵入がブロックされたりするのです。すい臓がんの治療が難しいとされる理由です。
    しかし、この繊維芽細胞の質を変えることで、すい臓がんと言えども、抗がん剤や免疫細胞の侵入をスムーズにすることが可能になります。たとえば、ハイパーサーミア(局所温熱療法。後述)には、すい臓がん細胞周辺の繊維芽細胞同士の結合を緩めて隙間を生じさせる働きがあります。
  • ゲルソン療法に限って言えば、抗がん剤がまだ開発されていない戦前に産声を上げたものです。
  • ニンジンニュースは糖質が多く含まれている。ケトン食とは真逆です。
  • 現在のゲルソン療法でも、抗がん剤治療後のすい臓がんの患者さんには、ゲルソン療法そのものを中止しています。(私も何度も記事で注意している)
  • がんができたら肉を食いなさい。
  • ビタミンDは一日5000IU以上が必要。
  • 私の患者の中には、TS-1との併用ですい臓がんの進行がほぼストップしている患者が数人います。
  • 牛蒡子のサプリメントとリポトール(スタチン製剤)を勧めた余命1ヶ月と宣告されたすい臓がん患者では、腹水が消え、2年経った現在でも元気です。

ケリー・ターナーは『がんが自然に治る生き方』で、自然寛解した患者が実行している9つのことの最初に、

  • 食事を根本的に変える

を挙げているのですね。

ケトン食=スーパー糖質制限食ですが、私自身はずっと糖質制限を続けてきました。その経験からも、私がもし再発・転移してしまった場合には、低用量抗がん剤治療とケトン食を試すことになろうと思います。(どちらもエビデンスはないが、さりとて再発した膵癌に対しては一切のエビデンスはありませんので)

まだ症例研究の段階ですので、過大な期待は禁物ですが、希望の持てる治療法だと受け止めています。しかし、患者が個人で行うには敷居が高いですね。(セミナーがある)

さまざまな代替療法を、根拠を示して紹介しているのも特徴です。中には首をかしげるものもあるが・・・。著者の「免疫栄養ケトン食セミナー」を開催しているバイオロジックヘルス(株)のサイトもいかがわしいね。

水素水はまぁ、がんに効く可能性はあるから良いとして、磁気治療器や波動測定器まで扱っている。電磁波対策も。これほど怪しげな商品と同列にセミナーを並べて平気な著者の感覚を疑いますね。

この本、興味深いこともたくさん書かれているが、怪しげなこともたくさん書かれている。足湯の効用などは安保徹氏とそっくりです。

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柴犬が鳥のさえずりを

柴犬が鳥のさえずりを聞いているだけの動画ですってんだけど、これ、いいね。癒されます。

2016年12月 2日 (金)

今日からインスリン注射

月曜日の血液検査の結果、C-ペプチド値(CPR)が0.8ng/mL(基準値 0.8~2.5)
空腹時血糖値が199mg/dLでしたので、CPI=0.8/199*100=0.4

つまり、私の膵臓はインスリンをほとんど出していません。手術で残ったわずかな膵頭部から、これまではインスリンを出していたのですが、もう限界のようです。まぁ、9年半よく頑張ってくれました。

体重の減少はこれが原因ですね。

02

このようなインスリンの働きができていないから、肝機能も少し悪くなり、筋肉が減少し、脂肪がつくれないわけだ。

CPI(C-ペプチド インデックス)に関しては、

CPI<0.8:インスリン治療が必要
0.8<CPI<1.2:インスリン治療をした方が良い
CPI>1.2:食事・運動療法と経口薬でコントロール可能

との、富山大学戸邊一之先生の試験データがあります。

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私の場合0.4なので、躊躇なくインスリン注射を受入れました。

しばらく膵臓を休ませたらインスリンから離脱できる可能性は訊いたのですが、「通常の2型糖尿病患者でも離脱できるのは20%程度、あなたの場合は膵臓がほとんどないのだから、期待はできないだろう」との説明でした。ただ、「あなたには予想外の幸運がつづいているから、絶対にないとは言えないね」とのこと。

一生インスリンのお世話になるわけです。膵臓を全摘した方は直ちにインスリンのお世話になるのですから、10年近くそれを延ばすことができことを幸運だと受け止めるべきでしょう。

インスリンは時効型の「トレシーバ注 フレックスタッチ」を使うことに。つまり、基礎インスリンを補ってやり、食後にはこれまで通りグルファストを服用して食後の高血糖を押えることになります。

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取りあえず4単位から初めて、朝の血糖値を見ながら増減していきます。

Inslin

過去の血液データを見ると、朝の血糖値が1年前には120~130位で推移していたのが、最近は160~200です。体重が右肩下がりになったのが、ここ半年くらいですから、1年~6ヶ月間で膵臓が音を上げたのでしょう。

その間食後高血糖によるグルコース・スパイクが続いていたわけで、続けていると動脈硬化からの脳卒中、心疾患になるリスクが高くなります。がんの再発のリスクも高くなる。

私は100歳まで生きてがんで死ぬのが理想だから、がんは良いが、脳卒中で寝たきりは御免被りたい。インスリン注射はがんのリスクも高めるが、それは想定の範囲内。

インスリンで「生かされるままに、生きていく

しかし、低血糖には要注意です。



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