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2017年1月

2017年1月31日 (火)

ウコンは効くのか効かないのか?

ウコン(クルクミン)に関する話題が二つありました。

こちらはミネソタ大学のチームによる否定的な記事です。

健康食品「ウコン」(ターメリック)には薬効はないことが判明

黄色い見た目が特徴的な「ターメリック」、またの名を「ウコン」は、日本では二日酔いに効くとされ、本場インドでは傷薬や虫刺され、ひいては「ガンに効く」とまで言われています。カレーの原料としても知られるウコンは民間療法にも用いられる万能プレイヤーとして認識されているのですが、実は医学的な効能は認められていません。

クルクミンの化学組成には、実際にはタンパク質に作用していないにもかかわらず、あたかも効果があったかのような結果「False Hits (偽の結果)」をもたらす効果があることが明らかになっています。

False Hitsは偽陽性、偽陰性のことなのでしょうか? よく分かりません。プラシーボではないよなぁ。

一方で、こちらは最近精力的に膵臓がんの記事をアップされている佐藤典宏先生のサイト「あきらめない!がんが自然に治る生き方」の記事です。

クルクミンは膵臓がん(膵癌)の転移を抑える:間質(かんしつ)細胞を標的にした新たな抗癌作用

クルクミンの膵臓がんに対する抗がん作用の新たなメカニズムが報告されました。
クルクミンはがん細胞だけでなく、まわりに存在するがんの進行を手助けする細胞にも効果を発揮し、がんの転移を抑制しているとのことです。

クルクミンは線維芽細胞に対して直接作用し、がん細胞と協力して転移を促進する作用をブロックすることが示されました。
これは、これまでに報告されている、クルクミンのがん細胞自体の増殖制効果や、アポトーシス導入効果に加えて、まわりの細胞にも効果を発揮するという新しい抗がんメカニズムであると考えられます。

こちらも佐藤先生の別のブログです。同じ話題ですがより詳細に書かれています。

試験管やマウスレベルの研究ですから、すぐにヒトに効果があるとは言えませんが、期待はあります。

このブログでもクルクミンについてはいくつか書いていますが、もう情報が古いのかも知れません。黒コショウといっしょに摂るとクルクミンの吸収がよくなるなど。ちなみに私はもうすでにウコンは摂っていません。

ただ、春ウコンと秋ウコンではクルクミンの含有量は秋ウコンのほうが多いと認識しているのですが、どうなんでしょう。

ウコンは摂り過ぎると肝臓障害を起こすことがあるので、肝機能に異常のあるがん患者は要注意ですね。

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久々に低血糖

インスリンを打ち始めて2ヶ月。

今朝は、空腹時血糖値 107mg/dL
            食後1時間     156    (トースト1枚、ハムエッグ、サラダ、豆乳)
            食後2時間     115

私の場合、食後1時間ほどが最高値のようです。

トーストを食ったのに、これは成績がいいな、と思ってたら
夕方に冷や汗。すぐにブドウ糖を4個かみ砕いて、血糖値を測ると

                    71 mg/dL  !!   低血糖だ。

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ここしばらく低血糖はなかったので油断してた。
昨日糖尿病の先生に「低血糖にはくれぐれも注意してね」と言われたばかりだった。ブドウ糖はカバンや車の中、部屋のあちこちにも置いてある。

明日は、インスリンを10単位から8単位に減らしてみよう。

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2017年1月29日 (日)

東芝病院売却か、東芝の崩壊が止まらない。

JR東海道線、京浜東北線に乗っていると、大井町駅から大森駅側へすぐのところ、線路に接して東側に東芝病院が見えます。この病院の売却が検討されているようです。

原因はもちろん東芝の経営不振です。東芝は会計不正に始まり、原子力部門の巨額赤字で債務超過=破産寸前です。白物家電部門を売り払い、虎の子の半導体部門も一部を売却することを決定し、それでも原子力部門を残そうとしたのでしょうが、昨日はとうとうというか、踏ん切りが悪いというのか、やっと原子力部門から撤退するとの方針を発表しました。

3.11福島原発事故の影響を受けて、台湾やヨーロッパでは原発からの撤退が相次いでいます。それなのに事故を起こした日本の政府や企業が原発から足を洗えない。なんとか再稼働しようとしている。将来核兵器を持つ道を残しておきたいというのが本音です。自主避難者への住宅費補助も打ち切って、福島へ帰ることを強制しようとしている。

東芝病院はこの地域では中核的な存在で、特にがん末期の患者の緩和医療に力を入れてきた病院と聞いています。歴史のある緩和病棟を持っています。

それがなくなる。原発への対応の誤りが、回り回ってがん患者や地域の医療にも影響する事態です。

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2017年1月28日 (土)

弦楽器の乾燥対策

この時期は空気が乾燥しています。わが部屋の湿度計も20%ほどです。

これくらい湿度が下がるとチェロが心配ですね。乾燥しすぎると最悪で板が割れてしまうことがある。ダンピットとかモイスレガートといった弦楽器専用の湿度管理グッズがあるが、私はもっとシンプルで金がかからない方法です。

湿度計は必須ですね。チェロケースにこちらの湿度計を入れています。これのよいところは、湿度と温度の最大値、最小値が記録されること。

そして、水で濡らして固く絞ったタオルハンカチをケースの上の方に入れておく。これで理想的な湿度50%に近い状態になっています。3日くらいでタオルの水分がなくなるので、塗らして絞って・・・。こうしておけば、3日に一度くらいは楽器を出してレッスンをしなくてはという気になる。

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2017年1月26日 (木)

笑いでがんを治す

ヨミドクターにこんな記事が載っていました。

「笑い」でがん退治できる?…患者に漫才や落語、吉本・松竹の協力で実証研究

大阪府立成人病センター(移転、改称して「大阪国際がんセンター」となる)が吉本興業などの協力を得て、月2回程度、漫才や落語を見る前後で血液と唾液の検査を実施。患者にかかるストレスや免疫細胞の変化を調べるという。

このブログでも「笑い」についてはいろいろ書いてますよ。

ずいぶん昔ですが、「すばるクリニック」伊丹仁朗医師が、同じく吉本興業の協力で、「なんば花月」で同じような実験をやってますね。25年前の伊丹医師の実験と今回と、どのような結果が出るのでしょうか。楽しみです。ただね、がん患者はそんな結果やエビデンスを待たずとも、笑えばよいのですよ。副作用はないんだから。

1992年、大阪なんばの「グランド花月」で、落語や漫才を3時間観た19人のリンパ球を調べたら、14人が免疫活性が高くなったという調査が、日本心身医学会で発表されています。倉敷の「すばるクリニック」伊丹仁朗医師が行った事件です。このとき調査したのは、NK細胞の活性と、免疫力に関わるリンパ球、CD4とCD8の比率。NK細胞の免疫活性は14人が上昇。免疫力のアクセル役を果たす CD4、ブレーキ役のCD8 も共に正常値に近くなることが分かったそうです。(CD8抗原が発現しているT細胞は、キラーT細胞、CD4を発現しているT細胞はヘルパーT細胞と呼ばれています。)

笑いと治癒力 (岩波現代文庫―社会)ノーマン・カズンズの『笑いと治癒力』では、10分間大笑いしたあと、2時間は激しい痛みも感じることなく、ぐっすりと眠ることができたと紹介されていました。笑いはこころの深呼吸、こころのジョギングとも言われています。樋口強さんも「笑いは最高の抗がん剤」と言っています。

『臨床瑣談』の著者、中井久夫さんのガン患者への助言が三つある。

  1. 睡眠を十分に取りなさい
    正常な細胞が細胞分裂をするときに、最も危ない時期を午前2時から4時くらいの時間帯に迎える。細胞ががん化しないためにもこの時間帯は熟睡して体力を回復しておくことだ。
  2. おいしいものを食べなさい
    これは栄養をとることと、病院食などはストレスがたまる一方で治癒には悪影響だという話。
  3. 笑いなさい
    ノーマン・カズンズの「笑いと治癒力」を例にとって、笑いは免疫力を高める。無理にでも笑いなさい。脳をだましてでも笑っていれば効果がある。

こんな記事がお薦めです。「親鸞は桂枝雀だ」なんて、??って思うでしょ。

  1. 心が免疫系に与える影響
    た書籍として、おおいに参考になります。『笑いと治癒力』などの著者、ノーマン・カズンズが次のような序文を書いています。初版への序文   ...
  2. 笑いと治癒力」ノーマン・カズンズ
    の病と言われた膠原病から、ビタミンCと「笑い」を武器に、五百分の一という奇跡的な回復をした人です。有名な書評誌『サタデー・レビュー』の編集長であり、核兵器...
  3. 臨床瑣談 中井久夫
    がたまる一方で治癒には悪影響だという話。笑いなさいノーマン・カズンズの「笑いと治癒力」を例にとって、笑いは免疫力を高める。無理にでも笑いなさい。脳をだまし...
  4. 笑いとナチュラル・キラー細胞
    の4月下席は柳家喬太郎師匠の「松竹梅」。笑い転げてしまいました。柳家喬太郎師匠は、インターネット落語会の人気投票で第一位という人気者です。ノーマン・カズン...
  5. 金馬師匠から笑いの治癒力をもらった
    しまったんです。」ノーマン・カズンズの『笑いの治癒力』をそのまま実行して治った、腫瘍が消えてしまったということですね。こんな例はもっとたくさんあるのではな...
  6. 親鸞は桂枝雀だ
    題とつなげてゆく。このようにして親鸞は「笑いの元祖」であったという伊藤乾の仮説が提示されていくのだが、この節談説教こそが、落語・講談・浪花節、あらゆる寄席...

 

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2017年1月24日 (火)

想定外で行くつもり

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しかし、なんだねぇ。トランプさん、あいかわらず物議を醸す人です。
彼の言葉遣いは問題だが、言っている内容は納得できる部分もある。TPPからの離脱、雇用を守って中間層の生活を引き上げる。要するに、世界的企業優先のグローバリズムから距離を置こうということでしょう。経済はグローバル企業のためにあるのではなく、庶民のためのものだということなら、納得できます。

一方で、政府のブレーンにそのグローバル企業を代表する人物を据えるという、言行不一致が目につきます。女性蔑視の発言も問題だし。

グローバル化が資本主義の避けられない本質なら、グローバル化を否定するトランプ大統領は「資本主義の終焉」を目指しているのですかね。そうかもしれない。

これからは「想定外」のことが頻繁に起きるでしょう。日本の安倍総理、どうするんでしょうかね。

この国の行く末も想定外、私の老後も想定外で、まぁ、ケセラセラで行くつもりです。

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2017年1月23日 (月)

膵臓がんのオリゴメタ説(2)

「私の膵臓がんもオリゴメタ転移型かもしれない」と考えられるとき、どうすればよいでしょうか?

岡田医師の勤める放医研病院でセカンドオピニオンをお願いするという方法もありますね。放医研病院は重粒子線治療だけでなく、一般の放射線治療、小線源治療にも対応しています。

次にはオリゴメタ説に関心を持っている医者や病院(その多くは放射線治療)を探してみることです。主治医の先生に相談する。あるいはネットで調べて自分の足で探す。この「自分の足で」が大切です。ネットで調べても、実際に自分で電話してみる、足を使って確実な情報を入手することが必要です。

以下は私が検索して、ここならと思われるものです。大阪ですが、

オリゴメタ(Oligometastases:少数転移)の治療
医療法人新明会 都島放射線科クリニック 副院長 呉 隆進

現在のがん治療は、科学的な根拠に基づき根治を目指した初期治療や、終末期の患者さんへの対症的な緩和ケアにより、至適な医療が受けられる環境が整備されつつあります。しかし、その中間に位置する再発がんに対する放射線治療の役割は旧態依然としており、まだまだ積極的な発展が見られない状況です。
大腸・直腸がんの肝転移に対する手術の有用性については、多数の報告があります。最近では転移巣に対する手術適応の拡大などが徐々に浸透し、再発がん(転移)に対する臨床が少しずつ変貌しつつあります。放射線治療においても例外ではなく、近年急速に進化している高精度な放射線治療により、以前は照射適応外であった症例に対しても治療可能となってきました。しかし、現状はステージⅣという枠組みの中に入れられ、放射線治療のような局所治療は意味がない(生存期間が延びるという科学的根拠がない)ということで、漫然と化学療法だけに頼った治療が標準治療として行われています。
以上述べてきましたように、長期生存を目指せる条件を備えたオリゴメタであれば、潜在的な大きさの転移巣に対しては、全身療法として化学療法や分子標的療法の効果を期待し、化学療法などでは制御できない画像上明らかな転移巣に対しては、局所療法として放射線治療を補助的に施行する価値は十分にあると考えられ、当院では適応となる患者さんを積極的に受け入れています。
今後、科学的な根拠を示すには臨床データの集積が必要となりますが、まだまだがん治療医の間でもオリゴメタに対する認識は高いとは言えず、きちんと検査され当院へ紹介される患者さんは非常に少ない状況です。

オリゴメタ転移型には重粒子線が有効ですが、自費診療になると数百万円の医療費を負担しなければなりません。しかし、サイバーナイフやIMRT(強度変調放射線治療)などの定位放射線治療でも同等の効果が見込まれると考えられます。

このまま死んでる場合じゃない!』に登場する患者の善本さんも、岡田医師からはIMRTを勧められてのですが、先方の病院が「できません」となって、しかたなく重粒子線治療を選択したのでした。

サイバーナイフはほとんどのがんに保険適用となっているので、導入する民間の医療機関がどんどん増えていますから、東京や大阪でなくても治療の敷居は高くないと思われます。しかし、機器は導入しても使う技術者が経験を積んでいるか、医師がオリゴメタ説を理解して適格な放射線治療計画を立てることができるのかどうかは、わかりません。ここでも「自分の足で」情報を集めることが重要ですね。

IMRT(強度変調放射線治療)は、前立腺がんと頭頸部がんだけが対象でしたが、平成28年度の診療報酬改定で、限局性(散らばっていない)の固形悪性腫瘍が対象となり、ほとんどのがんについて適用となりました。

Ⅳ期の患者でも長期生存を目指せるオリゴメタ説に対する放射線治療や手術への認識は、患者のみならず医師でも認識度は非常に低いが、オリゴメタ説に対する認識を深めた治療を積極的に受け入れてくれるクリニックもポツポツ存在します。

しかし、緻密な臨床データーの解析が個々の患者に対して必要となるので、くれぐれも胡散臭いところは排除し、注意する必要があります。大病院でも主治医によっては、患者の可能性を的確に判断し、このような医療機関へ紹介されるケースもあるようですので、主治医との良好な信頼関係を築いているかどうかが鍵となるでしょう。

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2017年1月22日 (日)

湯島聖堂と神田明神、免疫細胞療法のセミナー

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神馬の「あかりちゃん」

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日差しが暖かく、梅もそろそろほころぶかなという神田川界隈を散策して、湯島聖堂と神田明神に行ってきました。まだ初詣の余韻の残る神田明神の境内は、人混みをかき分けて歩かねばならないほどでした。

今回もモノクロに挑戦です。


写真散歩はついでで、「免疫の力でがんを治す患者の会」セミナーに西村元一先生が登壇されるというので行ったのですが、これがトンデモないセミナーでした。西村先生は体調を崩されたとかでキャンセル。そしてセミナーの実態は瀬田クリニックの患者集めのための宣伝でした。

いやね、瀬田クリニックや免疫細胞療法がダメだというのじゃないですよ。中には効果を実感している患者もいます。しかしねぇ、院内の患者会を使って、実際には費用も瀬田クリニックが出しているのだろうが、主催者としてクリニックの名前はない。しかも会場は東京医科歯科大学の講堂。フェアじゃないです。

会のオフィシャルサイトをすべて閲覧しても、瀬田クリニックの名がない。(今日のプログラムに神垣隆先生:瀬田クリニックグループ 臨床研究・治験センター長の名があるが)これじゃ詐欺同然でしょう。

三重大学の珠玖洋(しく ひろし)教授が免疫チェックポイント阻害剤と免疫の話をして、免疫療法が脚光を浴びているという講演でした。しかし、その後に登壇した医者で患者でもある講師の先生たちは、自分も関わっている瀬田クリニックの活性化リンパ球療法の話です。

活性化リンパ球療法にも免疫チェックポイント阻害剤と同等の効果があるかと、参加者を誤解させるような話しぶりのセミナーでした。勘違いした患者もたくさんいたでしょうね。

免疫細胞療法は、抗がん剤と併用すれば副作用を低減して抗がん剤の効果を高めるという研究もあります。唯一の副作用は、自由診療だから高額だということです。しかし、あくまでも標準治療の補助という位置づけです。

活性化リンパ球療法を含む免疫細胞療法は、免疫チェックポイント阻害剤とは別物ですからね。勘違いしないように気をつけましょう。

瀬田クリニックがダメだというのではないですよ。今日の開催方法はフェアじゃないというだけです。

ま、おかげで神田明神でお参りもできたから、いっか。

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2017年1月20日 (金)

膵臓がんのオリゴメタ説

前回の続きです。膵臓がんにもオリゴメタ説は考えられるのでしょうか。考えられるとすれば、転移・再発した膵臓がんでも治癒の可能性があります。

オリゴメタ説(少数転移説)正確には(オリゴメタスタシス(oligometastasis)、少数転移するタイプの腫瘍をオリゴ転移型と言います。

ちょうど1年前のブログの記事で膵臓がんのオリゴ転移型について紹介しています。

記事では、関連した二つのサイトを紹介しています。

膵がんは予後が悪いがんの筆頭だ。しかし中には遠隔転移しにくいがんがいる可能性が強まった。こうしたタイプの膵がんには「その生物学的な特性に応じた独自の治療法が必要」という声があがり始めた。「非手術適応症例には化学療法」だけでよいのか。

と述べる、国立がん研究センター研究所難治がんユニットの谷内田真一氏も岡田医師と同じ問題意識を持っています。

************以後、日経メディカルからの要約**************

谷内田氏が米国留学の経験から学んだのは、一つには膵臓がんで亡くなった患者を死亡直後に解剖すると、15%には転移が認められないという。

2つ目は、膵臓がんの終末像は「局所破壊型」と「全身転移型」の2つに分類できるというものだ。全体の約30%を構成する局所破壊型の多くは遠隔転移の総数が10個以下。一方で残り70%を占める「全身転移型」では、その多くで遠隔転移の総 数が100個以上と桁違いに多い(図1)。

図1●膵臓がんの2つの終末像
C.A.lacobuzio-Donahue,S.Yachida et al.,J Clin Oncol 2009から引用。

3つ目は、たとえ手術ができたとしても75%は再発してしまうという。つまり手術が有効な症例は極めて少ないことを示唆している。

「膵がんは必ずしも1種類の単純ながんではなく、少なくとも2つのタイプに分けることができる。その特性に応じた治療法を考案すべきときに来ている」と谷内田氏は結論づけている。

オリゴメタ説の仮説の傍証となるような報告が日本から出された。東京都健康長寿医療センターの病理診断科のグループがストックしてあった8339の生物検サンプルを解析したところ178の膵がんを発見した。そのうちの8%の膵がんが無症候のうちに進展していることが明らかになった。

第53回日本癌治療学会学術集会のシンポジウム「膵がん治療の個別化による予後向上」では、山口大学医学部放射線治療学教授の澁谷景子氏が「膵がんの非手術適応の患者でも経過をみていて転移が出てこない方がおられ、そのような患者には化学療法ではなく放射線化学療法を選択すべきだと思うが、その選別が難しい」と講演している。

全身転移型と局所破壊型(オリゴ転移型)を分けるのは、膵癌特有の遺伝子変異である。膵癌の遺伝子変異はKRAS、P16/CDKN2A、TP53、SMAD4のわずか4つに集中していることが分かっている。そして、TP53とSMAD4、あるいはTP53に変異があると転移する傾向が強く、予後も悪い。対照的にTP53とSMAD4双方に変異がない場合は転移する傾向も弱く、また予後も比較的良好だ。

**********引用、ここまで**********

後者の場合はオリゴ転移型である可能性が高く、抗がん剤による延命治療ではなく重粒子線を含めた放射線治療、化学放射線治療、動注塞栓療法などあらゆる手法を使った個別化医療を進めることで治癒が期待できる。

これを実際に患者に適用しているのが、前回の記事で紹介した岡田直美医師なのですね。そして前回の記事にコメントをいただいた林さんも、たぶんオリゴ転移型の膵臓がんだったのでしょう。

「膵臓がんです。転移しているから手術はできません。抗がん剤治療で延命し、耐性ができ使える抗がん剤がなくなれば、あとは緩和です」と、標準治療のエビデンスだけに乗っかると、助かる可能性のある命を捨てることになりますね。

つづく->膵臓がんのオリゴメタ説(2)

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2017年1月19日 (木)

今日の一冊(66)『このまま死んでる場合じゃない!』

なんともすごい女医さんがいるものだ!

エビデンス至上主義では、再発・転移したがんは治せない。抗がん剤でがんを治せないのは、治せるように使っていないだけだ。エビデンス至上主義の考え方ゆえに、標準治療こそが、エビデンスに基づいた最善の治療と思っている医師も大勢います。

と堂々と言うのだが、この女医さん、岡田直美医師は、重粒子線治療を行っている放射線医学総合研究所(放医研)病院の医長です。国の機関である病院の医師がここまで言って大丈夫か?と心配になるくらいです。

このまま死んでる場合じゃない!

しかし、多くの再発・転移したがん患者を、標準治療で使われる抗がん剤や重粒子線を含む放射線治療、ラジオ波焼却、動注塞栓治療などさまざまな治療法を駆使して”治して”いる。

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がんが再発したり、転移していると、多くのお医者さんがあきらめてしまいます。これが現代医学の常識です。でも本当は、現在の医学なら十分治すことができるのです。

がんの治療には、がんができた臓器とその進行度ごとに治療が決められている「標準治療」というものがあります。今は、この標準治療でがん治療をすることが常識で、それ以上のことをやろうとすると、とたんに異端児扱いされてしまいます。

岡田医師の治療で、子宮頸がんの多発転移が治った善本考香さんの治療歴がすさまじい。

①子宮頸がんと診断され手術、②傍大動脈リンパ節に再発。抗がん剤と放射線治療で、傍大動脈のがんはなくなったけど、今度は、③両側の縦隔と肺門と左鎖骨上窩に再々発。東京に出て、岡田先生と出会う。調べてみたら、肺転移も見つかる。そこで、全身抗がん剤治療をおこない、肺のがんが消えました。次に、動注塞栓で左鎖骨上窩のがんが消えて、両側の縦隔・肺門リンパ節の手術。そして、その後の精密検査の結果、④左の縦隔、左鎖骨上窩に再びがんが現れ、肝臓、腸骨リンパ節に新たながんが見つかる。

再々々々発?

手術後に残った4ヵ所のがんは、肝臓、腸骨リンパ節、左鎖骨上窩リンパ節、左縦隔リンパ節。⑤肝臓と腸骨リンパ節は動注塞栓で消え、⑥左鎖骨上窩と左縦隔のリンパ節は重粒子線で退治できた。がんとの闘いは7ヵ月で、がんの残存はゼロ。最終の治療となった重粒子線治療から約3年経っていますが、残存ゼロのままです。

どうしてこのような治療にチャレンジできるのか? そのカラクリは「オリゴメタ(少数転移)説」にあると言う。正確には「オリゴメタスタシス(oligometastasis)」。

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2017年1月17日 (火)

チェロ弓の毛替え

昨夜は今年初めてのチェロのレッスン。しばらくサボったなぁ。
一時間ほどで「モルダウ」「ラクリモサ」を弾いたが、弓がすべって音の出だしが悪く、引っかからない。そういえば2年ほど毛替えをしていない。

今日は西新宿まで毛替えに行ってきた。著名な演奏家も贔屓にしているという「香野弦楽器」さん。ここが一番安くて技術も良さそう。馬の毛もピンからキリまであるが、高品質のものだけを使っているという。税込みで6500円は安い。ヤマハで頼むと1万円だ。世界的に活躍しているチェロ奏者、ジャン・ワンさんやヨーヨー・マさんの毛替えもしているそうな。

たくさんの弓が飾ってあって、一番安いので400万円(´Д`)。「これ、ヤマハでは600万円で販売しているものですよ」とまたビックリ。私のは16万円の、それでも奮発した品ですが、比較するのもばかばかしいね。安い弓だろうが、毛替えの値段が安くなるのではないです。

初台のマンションの一室の小さな工房ですが、悪いところをすべて直していただき、バランスをチェックして「ゴムを付けた方が弾きやすいね」と無料で付けていただいた。さて、どんな音になるか楽しみです。

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マチネの終わりにいま話題の平野啓一郎の大人の恋愛小説『マチネの終わりに』には、バッハの無伴奏チェロ組曲が効果的に使われている(らしい。まだ読んでいないが)チェロの曲をギターに編曲したという設定。

天才ギタリストの蒔野聡史と通信社記者の小峰洋子の二人を軸にした恋愛小説。
40代の苦悩、スランプ、PTSD、戦争、生と死、父と子、師弟、嫉妬等、様々なテーマが複雑に絡み合い物語が進んでいく。
2016年4月に毎日新聞社より単行本が発行され、発売から僅か3ヶ月で第6刷が決定という異例の事態となった。
クラシックギタリストが主人公であり、世界的ギタリストの福田進一が構想の段階から平野に助言していた。
今作のCDは、小説に登場するギター曲を福田進一と平野啓一郎が選曲しており、福田進一のギターによって物語が更に立体化する。

J.S.バッハ / 無伴奏チェロ組曲 (全曲) ベストセラーですってね。無伴奏チェロ組曲は、定番カザルスのもの、ヨーヨー・マ、リン・ハレル、マイスキーなどCDを5枚ほど所有しているが、ギター編曲のものはないなぁ。

ギタリスト山下和仁のCDがよさそう。

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2017年1月16日 (月)

EBM神話の罠(2)

Medical Tribune誌に、東海大学循環器内科学教授 後藤信哉氏の『EBM神話の終焉とPrecision medicineの裏側』という記事がある。正月中に読みたいと思っていたが、医療関係者しかアクセスできない。長尾和宏先生がブログでPDFをアップしてくださった。

EBM神話の終焉

まことに素晴らしい文章。
それを掲載したお薬の宣伝紙も、ある意味凄い。
意味が分かって載せたのか、それとも分からずに載せたのか。
それでも「「EBMを信じるぞ、これが一番」というメデイアの方や一般の方は、拙書「薬のやめどき」で分かり易く解説したので、是非とも立ち読みしてほしい。

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長尾先生も皮肉たっぷりですね。

タイムリーで素晴らしい考察記事です。 記事をダウンロード 

  • RCTとは、人体も疾病も複雑過ぎて理解できないので、外部からの介入結果で判断しようという方法論である
  • しかし、 EBM の対象は忠者集団を構成する平均的患者であり、個別患者ではない
  •  薬剤AB を比較するRCTにおいて 4951で薬剤 B の有効性、安性が統計学的に証明されれば、薬剤 B が次の標準治療となる平均的症例に対する
    標準治療を無限回の
    RCTで改善するという概念がEBM

「100人の内51人に効果があれば標準治療になるが、49人ではダメ」は私もよく例えとして書いていますので、励まされる思いです。

  • 英文で発表されたRCTを重視するEBM思想、医療の正解は全て論文の中にあるという誤解を招いた
  • たとえRCTで優劣を付けられても、その結果を「自の前の患者」に応用できるか否かが不明となった平均的患者に標準治療を行うべきという考え方自体も揺らぎつつある個々の患者は均質でなく、高齢化で個人差は拡大するからだ

 ビッグデータやディープ・ラーニングによる人工知能の進歩で、人間の医師よりも高速で正しい判断ができる時代がもうすぐ目の前に来ようとしている。今は囲碁や将棋の世界でだが、医療の世界にもIBMのワトソンが登場している。

そのとき、マニュアル化されたファストフードの店員と同じことしかできない医師は、IT企業の下僕となっているかもしれない。

個別化医療への転換を前にして、RCTの基板の上に構築されたEBMやガイドラインは、どのように変容するのだろうか。

EBMprecision medicineが解き明かせない部分を重視すること。医師の手が触れることの治療効果や、患者の表情を見ることの診断的意義はデジタル化できないそうした仕事を大事にして、“病気や患者の分からなさ”と悪戦苦闘することが、マニュアル化の対極にあるのだ

EBM原理主義の腫瘍内科医や、メガファーマの広告宣伝部となり果てた患者団体に読ませたい文章ですね。

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EBM神話の罠(1)

ハマリョウさんのブログで紹介されている「免疫の力でがんを治す患者の会」発足記念 市民セミナーのパネリストには、金沢赤十字病院 副院長の西村元一先生が登壇しています。

西村先生は、このブログ「今日の一冊(59)『余命半年、僕はこうして乗り越えた!』」でも紹介したように、がんの外科医であり、肝転移を伴う根治が難しい進行胃がんのがん患者です。

死を覚悟しながらも「金沢マギー」の設立に尽力するなど、素晴らしい活動をしている方です。ところが、先生の「余命半年」というタイトルや、免疫療法をも受けていることが気に入らない患者団体があるようです。こちら

タイトルを見て引き寄せられる人は少なくないだろう。私もその一人である。しかし、下記の記事を読むと、余命半年ではない。治療をしないと余命半年とある。
治療をしなければ余命半年・・・の、治療をしなければという文言を、記事のタイトルにきちんと、付け加えなければフェアーじゃない。

この西村医師が、これからなさろうとされることは素晴らしい。しかし、次のフレーズを読み愕然とした。

西村医師は免疫療法も受けている。エビデンスがない免疫療法には賛否両論があるが、さまざまな情報から「毒にはならない」と確認し始めた。

免疫療法?まいったなぁ~。申し訳ないけど、本当にがん治療医ですか?と疑いたくなる。

しかし、ここに書かれてある免疫療法とやらは、如何わしい詐欺まがいの例の治療だ。こういった副院長ともあろう方が、公然と、発信しちゃ~いけないんじゃないかな。
これじゃ~まるで、詐欺の片棒かつぎ!

相当厳しい非難ですね。ま、いろんな考え方があるから、こういう記事を書くのも自由ですが、現在がんといわれて治療しない患者はほとんどいません。ということは、「治療しなければ余命半年」というエビデンスなどあるはずがない。

ステージⅣの胃がんの生存期間中央値は1年程度であり、「何もしなければ半年」というのは、この数字からの医者の推測に過ぎない。本のタイトルは通常は編集者が考えるのだろうから「フェアじゃない」と難癖付けるのも大人げないなぁ。

免疫療法も、金沢大学の先進医療センターで治験がすすんでいてその情報をもとに選択したのであるから、「サギまがい」と一概には言えないだろう。

ちなみに西村先生は、全国のがん封じ寺も回っているし、近くの神社に朔日参りも欠かさないそうです。これらも批判するのでしょうかね。「医者ががん封じ寺を回るなんてけしからん。影響が大きすぎる」って。私は人間臭くていいなぁと感じるのですが。

「エビデンスのない治療を受けることはまかりならん」とは、なんと傲慢な方かと感じる次第です。「エビデンスがない=効果がない」とは限らないのですがね。EBM神話にどっぷりと浸かった方の耳には念仏でしかないか。

EBM神話=EBM原理主義と言ってもいいけど、確かに歴史的には大きな役割を果たしたことはまちがいありません。しかし、現在はその弊害も見過ごせないほどになっている。

EBMは世界的製薬企業のグローバル戦略の手段となり、莫大な利益を上げるための手段となり果てている。EBM原理主義を振りかざされたら、RCT(ランダム化比較試験)には莫大な費用がかかるために、効果が確かめられた古い薬や安価な薬、希少がんなどの薬に対するエビデンスは出てこない。利益にならない試験はやるはずがない。良心的な製薬企業があったとしてもRCTの費用が賄えない。

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2017年1月15日 (日)

家族なら"完治"を願うべきか?

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小林麻央さんが出演したテレビの視聴率が20%越えだと話題ですね。私は観てませんが。
で、その中で市川海老蔵さんが語ったことばで”炎上”しているらしい。末期がんを抱えた家族が言うべき言葉ではないという非難らしい。

「海老蔵さんは昨年10月に、麻央さんについて『早かったら3、4、5月で、今年の夏は絶対無理だと思った』と語っていた。しかし、こういった表現は完治したか、もしくは亡くなった方について語るときの言葉でしょう。麻央さんがいま現在も死の恐怖に立ち向かっていることを海老蔵さんは自覚しているのか、はなはだ疑問ですね」

「患者にとっても身内にとっても望むのは常に“完治”のはず。しかし海老蔵さんの言葉は、“延命していること自体が奇跡”だと言っているのも同然です。しかもテレビで発言したら麻央さんに伝わるのは確実。それとも海老蔵さんは同じ言葉を、麻央さんに直接伝えたりできるのでしょうか?」

ある医療系ライターの非難らしいが、トンデモおかしいね。患者も家族も、治りたいという希望と同時に死にも向き合っている。あわよくば完治したいのはがん患者なら誰でも思っている。しかし、治らないものは治らない。

最悪を想定して最善を尽くす。

それが家族としての務めだろう。こんなときには、遠くの親戚が出しゃばってきて、代替食品やら怪しげな壺などを押し付けたりもする。病院を替えさせようとする強者もいる始末だ。

患者はもう抗がん剤は止めたいのに、身内が「どうか止めないでくれ」というので、仕方なく体がぼろぼろになるまで抗がん剤をやる人も絶えない。"完治"を願う身内の思いが、患者には拷問にもなる得る。

小林麻央さんのがんは遠隔転移しているのだから、抗がん剤では治らない。延命効果だけ。それを認めてよりよい時間を過ごそうと考えるのが身内としての優しい対応だろう。私には、二人ともその点は分かっているように思える。

しかし誤解を恐れずにいえば、小林麻央さんのように、余命幾ばくかで乳がんと闘っている患者はたくさんいます。抗がん剤の治療費を稼ぐためにパート務めをしている患者もいる。なぜ彼女だけが注目されるのか分かりません。有名人で視聴率が稼げる、週刊誌が売れるからというのが最大の理由ではないでしょうか。

麻央さんも、他のがん患者さんも、みんながんばってください。

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2017年1月10日 (火)

今日の一冊(65)『大場先生、がん治療の本当の話を教えてください』

大場先生、がん治療の本当の話を教えてください 東大病院を辞めて、銀座でセカンドオピニオン専門の外来を開いている大場大医師の3冊目の本です。
ひと言で言えば、標準治療以外は一切ダメ、関わるなという内容です。彼のセカンドオピニオンを受ければどのような助言がもらえるのか、分かりますね。

  • がんもどき仮説はフィッシャー理論のコピー
  • 遺伝子検査ビジネスには信憑性がない
  • 腹腔鏡手術には長期的な生存利益は証明されていない
  • 鳥越俊太郎さんの例は奇跡ではない

など近藤誠氏への批判が主ですが、返す刀で次々と標準治療以外を切ります。ガンマナイフやIMRT(強度変調放射線治療)でピンポイントでの照射が可能になっているのに、UMSオンコロジーの4次元照射は古いと植松徹医師を批判し、「切らずに治す」は要注意で中川恵一を批判し、もちろん先進医療である陽子線治療、重粒子線治療も「エビデンスがない」とばっさり。

がんワクチンや免疫細胞療法もテスト段階に治療法だから、金を取ること自体おかしいと。

ケリー・ターナーの『がんが自然に治る生き方』に対しては、

書店に行くと、必ずといってよいほどさまざまな食事療法本が置いてあります。ベストセラー本として話題を呼んでいる『がんが自然に治る生き方』もこの類のものと言えます。

と書いているが、本当に内容を読んでいっているのでしょうかね。この本は食事療法本ではないのですが。また、民間クリニックがこの本を患者に渡して高額な自然健康食品の購入を強いたと例を挙げているが、それはケリー・ターナーの責任にするには無理がある。

多くが同意できる考え方ですが、じゃあ、標準治療で効果がなかった患者はどうするのか? 緩和医療へという結論ですね。

全体で気になったのは、彼の文体です。「・・・と言えるかもしれません」とか「・・・だそうです」と伝聞情報が多すぎる。自信がないのか、断定しない表現が多く、突っ込まれても責任を回避できるような書き方だ。

まぁ、買ってまで読むような本ではない。

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2017年1月 9日 (月)

人体実験中・・だけど不思議だなぁ?

「膵頭部しか残っていないがん患者の、理想的な血糖値管理方法に関する人体実験」を実施中です。

棒グラフは体重、折れ線グラフは空腹時血糖値を表しています。四角囲った数値はインスリンの投与量です。

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10月頃から体重の減少が止まらないが原因が不明でした。それまではすい臓がんを切除した患者としては血糖値管理は良すぎるほどでした。

しかし、残された膵頭部のβ細胞も疲れ切って、もうインスリンを分泌する力が残っていないのでしょう。体重減少が止まらなくなったのは、グルファストなどの薬を服用して鞭で叩いても、「もうインスリンは出せません」となったわけです。

そこで、12/2から時効型のインスリンを始めました。最初は4単位から徐々に増やして12単位まで。それとともに空腹時血糖値も徐々に下がってきます。正月のあいだ少し上がったのは仕方がないけど。

そしてなによりも体重が増え始めた。インスリンが効いて栄養分がきちんと脂肪や筋肉になってきたのです。

しかし今年になって、空腹時血糖値が100を切るようになってきました。下がりすぎによる低血糖が心配になる。そこでインスリンも2単位づつ減らして、いまは8単位です。それでも血糖値は95mg/dLです。

時効型のインスリンを投与して基礎インスリンを補った結果、疲れ切っていたβ細胞が全力を出す必要もなくなって、また能力が盛り返してきたのか? インスリンを減らしても血糖値が下がってきたのは、そのように解釈できるのではないか?

しかし、人間の身体って不思議ですねぇ。人体実験もおもしろい!!

もう少し膵臓を休ませてあげれば、もしかするとインスリンから離脱できるようになるかもしれない、という淡い期待もある。無理は禁物だが。

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2017年1月 8日 (日)

新年の誓い10か条

Evernoteのテンプレートに「新年の誓い10か条」というのがあったので、誓いをたててみた。

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穆如清風(ぼくじょせいふう)とは、

『穆として清風の如し』と読む。『詩経』の烝民の詩の中の一句である。作者尹吉甫は周の宣王に事えた名臣だが、弱きものをしいたげず、強きものを恐れず、治績が多かった。しかるに其の功を私せず、宣王の徳は和穆清風の万物を感化するようだとたたえているのである。

穆如清風(おだやかなることきよきかぜのごとし)―複雑系と医療の原点 中田力氏の著作『穆如清風(おだやかなることきよきかぜのごとし)―複雑系と医療の原点』のタイトルでもある。

医療における不確定性は、複雑系のもたらす予想不可能な行動に由来し、実際にやってみないと結論が出せないことで満ちている。そして、やってみた結果が予想と反することなど日常茶飯事である。

それでも、現実的には、病に悩む人々に複雑系の理論を説いて納得を促すことは無理である。現場の臨床医は神に尋ねることも許されず、医学にすべてを委ねるわけにもいかず、不確定さを理解した上で、患者の選択すべき道を決定論的に示さなければならない。もっとも適切な選択は経験則だけが教えてくれる。しかし、それが必ず良い結果を生むとは限らない。だからこそ医療は、医師と患者との間に、ある種の盲目的な信頼関係がなければ成り立たないのである。

医師は神であってはならない。しかし、同時に、単なる人間であってもその責務は果たせないのである。(中田力『穆如清風-複雑系と医療の原点』より)

他人から評価されなくても泰然としていろ。がんが治るか治らないかなんて、自分の力の及ばないことに悶々とするな。関心のある領域にエネルギーを注ぐのでなく、影響を与えられる領域にこそ力を集中しろ。

ま、そういうことですね。

2017年1月 2日 (月)

本年もよろしくお願いします。

今日は浅草へ墓参りと初詣。菩提寺前の鷲(おおとり)神社には、なが~い行列ができていました。
この角度からはちょうどスカイツリーが見える。私は東京タワーのほうが好きだなぁ。生活感があるよね。

あ、忘れてた。

新年あけましておめでとうございます。

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モノクロ。ことしはモノクロに凝ってみるつもり。

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