手術後3年

2011年5月 7日 (土)

細かなことと小さなこと

するべきことよりも、したいことをする。自分の声に耳を傾ける。がんになってからは、そんなつもりでやってきたのだが、最近はどうも”するべきこと”に振り回されているような、そんな気がしたので、連休中はニュースも見ない(福島原発が気にはなったが)、ブログも書かない(ついコメントにレスを書いてしまったが)、インターネットに接続しない、でのんびり過ごした。ハードディスクに蓄えた音楽を流しっぱなしでぼんやりと時間を過ごしていた。指先の皮が少し厚くなるほどチェロを弾いていた。もちろん深蒸し茶を何杯も飲みながら。

がんはスピリチュアルな病気 ―がん患者と愛する家族のための心と体の処方箋― 以前にマクファーランドの『がんはスピリチュアルな病気 ―がん患者と愛する家族のための心と体の処方箋―』を紹介したが、内容についてはまだ書いていなかった。気に入った章を一日一章読むのがよい。こんな題名の章がある。「不満屋になる練習をする」「わが身の悲惨なありさまを喜ぶ」「自分に耳を傾ける」「今を生きる」「準備をしない」「スコアをつけない」どれもこのブログで書いてきたことと通じているような気がする。

私のするべきタスクは効率的に管理されている。ToDoリストはRemember the Milkでばっちりだし、インターネットで気になる情報はEvernoteにすべて保存してある。蔵書と読みたい本はmediamarkerにすべて保存されている。誰からも催促されることのないように、効率的に、完璧に時間を使っている。しかし、気がついてみると人生の時間をそのために費やしている。せかせかした、おかしくなった世の中に合わせてきたつもりが、いつの間にか人生の時間を乗っ取られている。

「小さなことにくよくよしない」と題して、本の中でマクファーランドはこんな風に言う。イエスが死んだ娘の手を取って「少女よ、起きなさい」と言われた。すると少女が起き上がったので、家中の人々は狂喜乱舞した。少女のことはそっちのけだった。見かねたイエスが、「ほら、少女がお腹を空かせている頃だ。何か食べ物を持ってきなさい。一切れの魚などが良いだろう」と言われた。世界を救うことを使命としているイエスが、どうしてそんな細部にまで心を配ることができたのだろう。一切れの魚は、細かなことだ。しかし、少女にとってもイエスにとっても小さなことではなかった

細かなことに注意を払えば、誰かのお腹が満たされる。小さなことは、世界中の愛の蓄えを食いつぶす。

自分には解決のしようのないことは”小さいこと”だ。解決法がないのなら、それは”問題ではない”のだ。解決法のないことをいつまでも考えているのなら、それは小さいことにくよくよしている証拠だ。

福島原発の核燃料が再び爆発しないか、と心配することは、だから小さなことだ。しかし、節電をし、エネルギーを湯水のように使う生活を見直すべきだと考えること、そうすれば原発は要らないのではないかと検討してみることは、細かいことである。私のがんが再発しないだろうかと寝ても覚めても考えているとしたら、それは小さいことである。がんに効く食事を摂り、規則正しい生活をし、良く歩き、深蒸し茶でも飲んでリラックスしてみることは細かなことである。

相変わらずToDoリストにチェックは入れているが、最近は「延期」を頻繁にするようになった。”明日できることは今日はしない”というのも、周りに大きな迷惑をかけなければ良い選択肢だと思う。そんな調子だから、ブログにコメントをいただいても、その気にならなければレスはしないので、気を悪くしないでいただきたい。コメントへのレスが小さなことか、細かなことかの判断は、これもその日の気分次第である。

小さなことにくよくよせずに、細かなことに気配りができるようになったとしたら、それはがんからの贈り物だ。

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2011年3月30日 (水)

てんやワンや

金曜日の夜から二匹のヨークシャーのお兄さんの「竜馬:14歳」の様子がおかしくて、立ち上げれない。立ち上がってもすぐに転ぶ。夜は痛みがあるのか、じっとしていない。目もうつろで元気がない。食欲もなく、尿も垂れ流す。そんな状態でした。
翌日動物病院に連れて行ったら、超音波検査、血液検査、尿検査の結果、「慢性腎不全」の疑いがあると言われて、緊急入院しました。最初は「膵炎か膵臓がんの可能性も」と言われた妻は、一瞬ぎくっとしたそうです。膵臓がん患者が2人(?)になったらたまらないと思ったのでしょう。

点滴に輸液、一晩預けて翌日も夕方までずっと点滴です。さすがにイヌも家族も疲れてしまいました。

今日は病院が休診日ですので、自宅で輸液60ccを皮下注射しています。おかげでずいぶんと元気が出てきました。
問題は腎臓の機能が3割しか働いていないとのこと。慢性腎不全なら命も危ないのですが、この間の治療のおかげか、BUN、クレアチンの値も、まだ高いですが、しかし正常値の上限あたりまで落ち着いてきました。

少しほっとしているところです。しかし、毎日皮下注射をするようになると大変だなぁ、と今から心配です。医療費もすでに6万円は超えています。

震災のこと、原発のことで書かねばと思うこともたくさんありますが、しばらくは時間がとれそうにありません。

2011年2月21日 (月)

確定申告

本日税務署に確定申告を提出した。例年は期限ぎりぎりになるのだが、今年は早く済ますことができた。今年から青色申告を選択したので、この一年間は毎月「やよいの青色申告」に複合簿記で記帳してきたので、データは揃っていた。固定資産の減価償却をして決算書を作成し、国税庁の「確定申告作成コーナー」でデータを入力すればまちがいなく計算してくれた。自分で計算していたものとは雑所得(年金など)の所得金額が違っていたのが分かった。このコーナーはありがたい。

住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)があり、結構な還付金が戻ってくる。医療費控除は腸閉塞で入院したことでもあり28万円。青色申告もやってみれば意外と簡単だった。経理の経験はないが、ずいぶん昔に会社の経理ソフトを開発したことがあるので、複式簿記の基礎程度は理解している。(簿記の仕組みが理解できなければ経理ソフトの開発はできない)このソフトは、N88Basicという大昔のDOSで動くアプリで開発したインタプリタである。消費税が導入されるまではこれで経理業務を行なっていたが、消費税が導入されたときにどうにも対応できなくなって、市販のソフトに切り替えたのであった。あのころは5インチのフロッピーディスクなんていうものを使っていた。私がマイコン(パソコンとはいわなかったなぁ)に熱中していた初期の頃は、10M(Gではない!)のハードディスクを買うべきか、車を買うべきかと思案するような価格だった。いまでは10Mなどという容量はSDメモリにも存在しない。

コンピュータを核とした情報革命の速度は驚異的で、10年後の姿などは誰にも予測できない。この「産業」革命が、中東では「政治」革命の起爆剤となっている。蒸気機関の発明による産業革命がブルジョア民主主義革命を引き起こしたように、情報革命が21世紀の新しい革命を用意するのであろう。日本ではどのような方向に行くのだろうか。今はまったく閉塞感だけのこの国の政治だが、いずれは予期せぬ変革が起きるに違いない。経済のグローバル化は貧富の格差を大きくしたが、情報のグローバル化は富める者にも貧しい者にも等しく与えられている。

がん患者である私が、どうして住宅ローン控除を受けられるんだと不思議に思われるに違いない。がんを告知されたとたんに住宅ローンを借りてマイホームを持つ夢は露と消える。団体信用生命保険に加入できることが、住宅ローンを借りられるための条件であり、当然ながら、がん患者は生命保険に加入することができない。したがってマイホームの夢は諦めざるを得ないのである。しかし、ある条件が揃っていれば、不可能ではなくなる。私はそうして告知後に自宅を建て替えた。

2007年6月に膵臓がんの摘出手術をして入院している間に考えたことは、生存率数%の膵臓がんだから、数年後に生きている可能性はごくわずかであろう。子供は独立はしていないが、すでに仕事に就いているから何とかなるだろう。しかしあとに残される妻の生活をどうするか。遺族年金だけでは、老後の生活は難しいに違いない。自宅も築25年経っているし、いずれは何とかしなくてはならなくなるだろう。そこで、入院中のベッドの上で自宅を建て替えて賃貸・店舗併用住宅にするという計画を立てた。7月に退院した直後にハウスメーカー数社に見積依頼を出した。「1年後に生きている可能性は低いだろうから計画倒れになるかもしれない。それでよろしかったら相談に乗って欲しい」と念を押しておいた。

3ヶ月ほどをかけて、最終的にある大手のハウスメーカーに決めた。同時に建築資金の融資を銀行に掛け合う。土地は自分名義であるが、そのローンがまだ2千万円残っていた。これも合わせて返済することを考えると、なるべく大きな賃貸・店舗併用住宅なら可能性がありそうだった。パソコンを使ってローン計算をし、返済のシミュレーションを詳細に行なった。今の低金利が続けば何とかなりそうだった。

ふらっと35などの住宅ローンは端から対象外である。したがって不動産経営に対する事業ローンということで、何行かを候補にして交渉した。銀行の担当からは「万が一の場合に備えて団体信用生命保険に加入することもできますが、どうされますか?」と訊かれた。もちろん丁重にお断わりして火災保険と地震保険だけに加入した。万が一ではなく100分の95の確率で亡くなります、とは言えない。

融資の確約もとれ、家族みんなで新しい家の間取り図、外観、設備を決めていった。我が家では私ががんになったときにも家族で話し合うということはなかったが、新居の設計には皆が参加した。プランを練っている間は楽しかった。ドラマでは家族全員でがん対策をする場面がよくあるが、我が家ではそんな場面はまったくなしだった。新居に住むことができるかどうか、それまで元気でいることができるか自信がなかった。だから私の部屋は一番狭くてよいと言った。

「住宅ローン」と名が付いていないくても、事業用ローンであっても、自宅部分の年末残高については「住宅ローン控除」の対象になる。要するに、金を借りて自らが居住する家を建てたら全て「住宅ローン控除」が適用できる。これを知らない銀行員も結構いるから注意が必要だ。私の場合も、支店の担当にはその知識がなく、本店に確認をする必要があった。

こんな経緯で、がん患者でありながらマイホームを建て替え、住宅ローン控除を受けることができた。青色申告にして妻には事業専従者給与を出したことにし、青色申告特別控除も受けている。住宅ローン控除もあり、給与から天引きされた所得税が還付されるというわけである。賃料からローンを払っても毎月いくらかは残るので、少ない年金を補うことができる。妻一人の生活なら何とかやっていけるだろう。

もちろん、事業としてなり立つ程度の収入が見込まれ、返済のめどの立つ立地であること。事業継承者となる子供がいることも条件になる。私の場合は条件に恵まれていたのだろう。ある生保の営業マンにこの話をすると、「そうか、がん患者でもその手があったのか!」と納得していた。デメリットは、私が死んでもローンがチャラにはならないことだ。これは致し方ない。

ブログにはこうした経緯は書かなかった。融資の確約は取れたとはいえ、がんであることは話していないのだから一抹の不安があったからだ。ただ、「引っ越しました」という内容で2度アップしたから、察しのいい人には分かったかもしれない。もう完成して一年以上経ったから隠す必要もなかろう。初期の予想ははずれて未だに元気で生きている。現在の目標は「百歳まで生きてがんで死ぬこと」だ。百歳で死ぬならがんが良い。こんなことなら自分の部屋をもう少し広く取っておくべきだったかと後悔している。

2011年1月 3日 (月)

新しい年

明けまして、おめでとうございます。

数えてみれば、膵がんの告知を受けてから4回目の正月を迎えることができました。手術直後は正直なところ、まさか4度目の正月を迎えることができるとは思っていませんでした。2週間おきに診察と投薬をお願いしている先生にも、「2年は何とか生きて、欲を言えば4年は元気でいたい」と言った記憶があります。
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池上本門寺からの富士山です。傘雲をいただいているようです。年末年始は空気がきれいなので、富士山もいつもよりはきれいに見ることができます。
早朝に散歩をかねて池上本門寺まで初詣に行きました。自宅からは30分ほどの距離で、ちょうど良い散歩コースです。7時ではまだ参道の露店も閉まっており、初詣の人もちらほらです。

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今年の目標。もちろん再発・転移のないことですが、私にできることは『がんに効く生活』に従った生活をすること。何よりも歩くこと。運動はがんの進行を遅くし、再発率をかなり低く抑えてくれます。余分な脂肪は身体の中の”毒性物質の貯蔵庫”です。運動は脂肪を燃焼させることで発がん物質をデトックスしてくれます。ホルモンバランスを変え、がん細胞の勢いを強めるエストロゲンやテストステロンの過剰分泌を抑えてくれます。運動は炎症やがんの成長を促進するインスリンとIGFの分泌を抑制するし、免疫システムにも直接作用します。
週6回、1回に30分間普通の早さで歩くだけで、がんの再発を防ぐ大きな効果があります。
「ともかく、歩け、歩け!」です。
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川沿いの散歩道を歩いて本門寺に行き、境内でお参りをして写真を撮って、約2時間の散歩でした。

今年はチェロ・アンサンブルが3月にあります。4月は念願の淡墨桜をぜひ観に行きたいと考えています。
EclipseでJAVAを使ってAndroidのプログラムを作らなければならない。これも今年の課題です。

2010年12月24日 (金)

入れ歯が折れちゃったよ!

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いつもの散歩コースにある民家なのですが、ガレージの入口にいつもアンパンマンが鎮座しています。今月はサンタさんの衣装です。後の車はナンバープレートも付いているので"現役"らしいのですが、出し入れのたびにアンパンマンをどかすのだろうかと、他人事ながら気になります。


先週のチェロ忘年会でのこと。鳥の軟骨唐揚げをばりばりと食っていたら、軟骨をかむ音とは少し違う「バリッ」という音がした。吐きだしてみると入れ歯が真っ二つに折れていました。(飲み込まなくて良かったよ!)二十歳の頃に交通事故で前歯をほとんど失っており、義歯とは長いおつきあいです。今では身体の一部のように違和感もなくなっていますが、さすがに折れた入れ歯では年が越せない。

ネットで近くの歯科医を探したら、結構評判の良さそうな歯科医院が見つかったので早速電話をしたら、「来週でなければ予約が取れません。入れ歯の修理ですか? たぶん来年になると思います」と、声だけは親切で丁寧な先生の返事です。本当に正月を"歯無し"で過ごすことになりそうで、これじゃ"話"にならない(*^_^*)と、予約はお断わりしました。

少し遠いが、この義歯を造ってくれた歯科医院に電話したところ、「今からおいでください」との返事。こちらは結構大きな歯科医院で、診察用台がが10脚もあります。受付に行くと「平成13年に来て以来ですね」と言われました。「修理に30分ほどお時間をいただきますが、よろしいでしょうか?」と申し訳なさそうに言うが、来年までかかるのと比べれば30分なんて文句の言えるわけがない。壁を見るとこんな掲示が架かっていました。「当院には歯科技工士が勤務していますから、入れ歯の修理は迅速にできます」。評判が良くても先生一人の歯科医院では歯科技工士は置けないよなぁ、と納得。

Wshot200210_2 歯科技工士の世界も競争が激しいようです。聞いたところによると、昔のように歯型を取るのではなく、口腔内をレーザーで立体計測してデジタルデータを作り、メールに添付して中国・東南アジアに送信するのだそうです。受け取ったデータから入れ歯の型を作って、FedExで送ってくるのだとか。デジタル革命はこんなところにも影響しているのです。海外で造れば相当安くできるので歯科医は保険との差額が利益になるのでしょう。これはカナダの友人(彼も歯科技工士)の証言です。日本でも歯科技工士の仕事が減っているのでしょうか。年収データを検索すると平成13年当時の水準以下になっていますね。高齢化社会になるから歯科医や歯科技工士は足りなくなる、等といわれましたが、歯科医でさえもワーキングプアの時代、歯科技工士はなおさらです。

私の入れ歯はきれいに修理ができました。これでお正月の雑煮も大丈夫です。しばらく(9年間も)歯のチェックをしていないので、全体を検査してもらうことにしました。二カ所に小さな虫歯がありましたが、簡単に治るようです。歯周病も怖いですからね。こんな情報を以前にもアップしたことがあります。

歯周病によりがんのリスクが高まる可能性があるとの研究結果が27日明らかになった。インペリアル・カレッジ・ロンドンのドミニク・ミショー博士らが専門誌に発表した。

 歯周病歴のある男性医療専門家を対象にした長期研究で、がんを患う可能性が全体的に14%高いことが判明した。論文では「喫煙その他のリスク要因を考慮した上でも、歯周病は肺や腎臓、すい臓、血液のがんのリスク増大と大きな関連性があった」としている。

また、歯周病菌は、歯だけではなく、全身にも影響を及ぼすこともわかっています。組織や白血球などを破壊する歯周病菌の毒素や、炎症によってできる物質などが、全身に広がる危険性があるのです。具体的には動脈硬化の促進、誤嚥性肺炎、糖尿病の悪化、低体重児出産・早産などのリスクが生じます。

安西さんの「米国統合医療ノート」にもこんな記事がありました。

 歯をめったに/まったく磨かないと答えた人は、1日に2回磨く人に比べ、循環器疾患で入院するリスクが1.7倍高くなっていました(P<0.001)。
また血液検査をすると、炎症と関係するタンパクのCRPの値も(Ptrend=0.046)、血液凝固と関係するフィブリノーゲンの値も(Ptrend=0.015)、どちらも歯磨きが少ないほど有意に高くなっていました。体のどこかで炎症が起きており、血液が固まりやすくなっていることを示しています。

歯磨きを怠ると歯周病のリスクが高まります。歯周病になると、炎症は口の中で起きていても、その影響は血液にのって全身に及びます。その結果、重い循環器病を引き起こすリスクが高まっているようです。

がんに効く生活―克服した医師の自分でできる「統合医療」 『がんに効く生活』でも「2 炎症がもつふたつの顔」で、がん細胞が炎症反応をどのように利用しているかを説明し、「がん細胞が成長し、新しい領域を侵略するのに必要な炎症をつくりだすことを身体が拒否したとき」には、「この野蛮な武装集団(がん細胞のこと)を解体し、毒性を失わせることも可能である」と強調しています。

ですから、がん患者は玄米菜食やサプリメントに必死になる前に、先ず歯の検査をして、歯周病を治すことが先決だということですね。

今夜はクリスマスイブ。おいしいケーキを食べたあとはしっかり歯を磨きましょう。GI値が高く、トランス脂肪酸を大量に含むケーキは「がんの栄養」ですが、クリスマスくらいは、ま、いいかということにして。

2010年12月16日 (木)

術後3年半の定期検査

今日は術後3年半の定期検査でした。 CTも血液検査での腫瘍マーカーも異常なし。肝臓へも局所でも再発、転移はありません。

ほっとしました。まだ再発の可能性はあろうかと、そのときの質問事項もシミュレーションしていったのですが、杞憂に終わりました。これで半年間は癌のことは忘れていられます。 血液検査の結果をもらい忘れました。先生もすっかり忘れてしまったようです。確かCEAが3.6、CA19-9が19位だったと記憶しています。 今日はこれからチェロの今年最後のレッスン。終わった後で忘年会です。しっかりと楽しんできます。

2010年11月22日 (月)

退院

本日10日ぶりに退院しました。鼻から胃までチューブ(イレウスチューブ)を入れ、点滴をすることで何とか回復しました。

今回の癒着性イレウスの原因ですが、担当医の若い先生に見解では、手術以来服用している薬の影響も考えられるのではないかということでした。3年半前の手術以来飲んでいる薬に下痢止めが3種類もあります。

  • アドソルビンー下痢止め
  • タンナルビン「ヨシダ」ー下痢止め
  • ビオスリー 腸の働きを助ける

この三つを入院中は中止するように指示されました。それに変わって処方されたのが、エンテロノンーRという腸内細菌叢の異常による症状を調整する薬。味の素製薬が40年前から販売している乳酸菌製剤です。

「手術で癒着を起こしているのは確かなのですが、私の考えは、出るものは出した方がよいということ。無理に下痢を抑えることでガスがたまって、癒着があるのだからイレウスが起きやすくなっていると考えられます。レントゲンを見てもガスは抜け切れていませんから、今後も起きる可能性があります。したがって下痢止めは続けない方がよいと思います。」という見立てでした。丁寧にもかかりつけの先生宛への手紙も書いてくれました。

下痢止めを控えたのだから、これからは紙おむつは必携です。いつでも2枚くらいは持っていた方が良さそうです。

術後の体だって時の経過とともに変化するのでしょうから、3年半も漫然と同じ薬を服用すべきではなかったようです。黒豚の呪いもあったのかもしれませんが、これからは食事には十分に時間をかけて、よくかんで食べるようにします。

一週間もベッド暮らしだと、さすがに体力が落ちたことが実感できます。今年の紅葉の撮影はもう無理かも。

人間は「ウンチ製造器」だ。食って、出して、これが一番大事なこと。それ以外のことなんて、たいしたことではないなぁ、としみじみと思った。『美のエナジー』を紹介した記事で書いたが、

おいしいものを喰べ
気持ちのいい服を着て
くつろいで暮らす
Taoの理想なんて
こんな平凡なことなんだ
              -----老子

「平凡が幸せ」 これに尽きる。

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2010年11月20日 (土)

病院の休日

昨日で点滴も終わり。病院での週末は退屈だ。ノートPCを持ってきたので、インターネットラジオで音楽を楽しんでいる。

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この病院に入院するのは11年前の直腸がんのとき以来だが、いまではベッドサイドの床頭台にLANケーブルがきている。1日300円でインターネットは使い放題だが、いかんせん速度は速いとはいえなく10Mバイトだ。それでもないよりはよい。持参したストレートケーブルでは接続できなかったので確認してもらったら、クロスケーブルになっているようだ。売店でレンタルする。OTTAVAとWinampのラジオを流しっぱなしにして聴いている。

病室は消化器内科で、同室の患者は一人が来週手術の予定。もう一人は検査の結果異常なしということでまもなく退院するらしい。あとの三人は末期がん患者である。若い二人が痛々しい。私が入院した先週は自分でトイレにも行けていたのが、わずかに数日でトイレにも一人では行けなくなり、ベッドの上でおむつを交換してもらっている。

痛みも激しいようでモルヒネでコントロールし切れていない様子だ。レスキューで痛み止めを飲んでいるが、あまり効いているようには見えない。WHOの三段階序痛ラダーで対応しているのか気になった。というのは、看護師が「あまり続けてレスキューするのは良くないよ」などと言っている。痛みを確実に取ることの重要性が看護師にまで徹底しているのか心配になってきた。大腸がんが肝臓と肺に転移しているそうだが、試しに抗がん剤をやったらこんなになってしまった、と言っている。まだ三〇代の半ばか。すでに本人は治らないことも死も覚悟している。「人生にまだ何かやり残したことがあるような気がして・・・」と力なく笑っている。自宅で最後を迎えたいようだが、トイレにも一人では行けないので悩んでいる。介護ヘルパーさんだけでは対応しきれないからだ。自宅での最後は望ましいが、家族がいることが必要条件だろうと思う。

病棟には膵臓がんの患者も二人いて、デールームで話をしたが、「国立がん研究センターに行ったが、手術ができないと言われた。抗がん剤ならここの病院でよいということで帰ってきた。昨日一回目の抗がん剤をやった」という。GEMなら外来でできるはずだが、入院してやる抗がん剤治療は何なのか、訊くのも躊躇する。私のことも訊かれたが、膵臓がんで手術したとはいえなくて腸閉塞で入院したとだけ言った。本人は抗がん剤をやれば治ると思っているのに、延命効果だけだよとは言えやしない。

2010年11月19日 (金)

緊急入院中

13日土曜日に、また腸閉塞を起こして緊急入院しています。
大学病院のERは自宅と目と鼻の先。こんな時には都合がよいが、今回はスマートフォンしか持ち出せなかったのでブログの更新もできず、本日は12時までの一時外出許可をもらって帰宅しています。モブログの設定をしておくべきだったか。

腸閉塞、正確には「癒着性イレウス」という診断。3年半前の膵臓がん手術で小腸が癒着していて、何らかの拍子に圧迫され「糞詰まり」になるらしい。20時間くらいは辛抱しながら七転八倒しました。口からウンコが出るような嘔吐はもう勘弁願いたいものです。

安西さんから「気」に関して詳細なコメントをいただいていますが、こんな事情で返信ができません。UFOの存在をまじめに論じることは、暇人のお遊びであるように、私にとっては「気」の存在を論じるのも同じこと。つまり時間を費やすほどの価値もない問題です。ノーベル平和賞と化学賞の二つを受賞したボーリング博士が、ビタミンC大量療法を提唱して”ひんしゅく”を買ったように、権威が言うから必ずしも真実であるとはかぎりません。

安西さんが推す福島雅典氏は、今回の朝日新聞のがんペプチドワクチン「捏造」記事に関して、医学界には珍しく朝日を養護する立場で朝日新聞のオピニオン面に登場し、医師法に基づいて行われている臨床試験について、「法に基づかない野放し状態」と発言して“ひんしゅく“を買った人物であるという認識は持っております。

気功や太極拳に有効性があることは、安西さんが言われるとおりです。まちがいなく有効です。ただしそれは「運動が有効だ」と証明されたのであって、「気」の存在が証明されたわけではありません。「気」とは何かという前提が人によって違うことが、議論を混乱させているようです。このブログを討論の掲示版にするつもりはないのでこれまでにしますが、安西さんのコメントには感謝いたします。今後も私とは異なる貴重なコメントがいただけますようによろしくお願いします。

この週末は、那須塩原の湯治場・板室温泉で、紅葉を眺めながら源泉掛け流しの湯、のはずでしたが仕方なくキャンセル。このうめあわせはどこの紅葉にするかなぁ。

退院は22日月曜日の予定です。

2010年11月12日 (金)

メラトニンの副作用?

2ヶ月前からメラトニンを20mg(10×2)にして服用している。最近昼間に眠くて仕方がない日が多いのは、もしかしてメラトニンのせいかと思って、ここ数日服用を止めてみた。メラトニンは重篤な副作用は報告されていないとはいうが、20mgは、臨床試験など医者の管理のもとで服用する量には違いない。3、5,10mgと自分の身体と相談しながら徐々に量を増やしてきたのだが、どうやら20mgは私には多すぎるようだ。服薬を止めたら翌日からもとの調子に戻ってきた。やはりメラトニンの副作用だったようだ。人によれば悪夢にうなされると言うが、眠いという以外には気になる副作用はない。

昨夜は11時に寝たにもかかわらず、今朝は4時半に目が覚めた。これが健康なときの私の就寝スタイルだ。メラトニンは5か10mgに減量することにした。もう止めてもよいのかとも思うのだが、もしかしてそのせいで再発?ということはないかという考えが頭をよぎる。代替療法のすべてに言えることだろうが、いったん代替療法を始めると、止めることが難しくなる。病状が安定していれば「これが効いているのだろう」と思い、逆に悪化しても「止めればもっと悪くなるかもしれない」と考える。どちらを選ぶにしろ、それを補完してくれる科学的なデータはない。代替療法の罠だ。

高価なリンパ球を培養する免疫療法などでは、1クールで150万円から400万円も費用がかかる。仮に、これで延命効果があれば、どこで止めるか、どこまで経済的に耐えられるかが大きな問題になるだろう。幸か不幸か、この種の免疫療法では根治はあり得ないし、わずかな延命効果しかないから、延々と高額の治療費を払うことにはならない。あるリンパ球療法の病院で、「もうお金が続きません」といった患者に、その高名な医者が「生命保険を解約すればいいではないか」と言ったとか。こんな医者にかかったら最悪だ。

悪質な代替療法商法は、原価が1,000円のものを10万円にすれば、患者は「こんなに高いのだから、効果があるはずだ」と錯覚して、ありがたがってどんどん買ってくれる。しかし、5,000円にしたのでは売れない、とうそぶいている。根拠もなく高価な代替療法は、例外なくニセモノだと考えてまちがいない。その代替療法で命が助かりたいというのなら、10年、20年と経済的に続けることができるかどうかも考えておくべきだろう。とかく目先の「今の状態を何とかしたい」という気持ちは理解できるのだが、悪徳業者はそこにつけ込んでくる。その代替療法に効果があれば、「生きている間ずっと続けなければならないんだよ」ということを頭に置いておく必要がある。月100万でもまったく気にしないという裕福な人なら別だが、私なら月1万円以上を代替療法に支出するのは愚かなことだ。私の場合は、3ヶ月毎に個人輸入するマルチビタミンとメラトニンが12,000円ほど。ヤクルトを入れても月5,000円前後だ。

こう書いたからといって、私の方法を勧めているわけではない。がんは複雑系だ。同じ膵臓がんでも人それぞれに違う。同じ人のがん細胞でさえ、細胞毎に個性がある。だから私に効果があっても万人に効果があると考えることは無理だろう。膵臓がんで3年半生きている患者が、たまたまメラトニンやビタミンDを含むマルチビタミンを飲んでいた。こう考える方が理にかなっている。(もちろん私なりに根拠があると考えて実行しているのだが、その根拠はこのブログに書いてある)一つの症例、エピソードと考えておいていただきたい。あなたが治る方法は、あなた自身で探すしかないのです。

親切心かお節介か、がん患者に「これで末期がんから生還した人もいる。飲んでみたら」と試供品を渡す人もいるらしい。本当にその患者のことを考えているのなら、一生飲み続けられる量を渡すべきだろう。私なら「ありがとうございます。毎月送っていただけるなら喜んでいただきます」と応えることにしている。幸いにも、そのように親切なおつきあいをしている人はいない。

癌が消えた―驚くべき自己治癒力 (新潮文庫) どんな患者が驚異的回復=いわゆる奇跡的治癒をしやすいか?『癌が消えた―驚くべき自己治癒力 (新潮文庫)』の訳者あとがきから引用する。この本は、免疫力を高めると、体を温めるとがんが治るとか、このレシピでがんが消えたとかいう類の本ではない。

この本には・・・これこそが「正しく」効果がある、と言えるものは一切書かれていないのだ。それでは何が書かれているかといえば、「その人に会う方法はその人自身がみつけなければならない。自分がどういう人間なのかを知りなさい」ということだ。それはしかし哲学的命題ではなく、不治の病に冒されていると知ったとき、その人の中で緊急の危機に対する全身全霊の総動員体制が組まれるなか、おのずと出てくるものなのだ。

私たちは生命の危機に直面したとき、それを乗り切るのは「強い意志と強靱な体」だ、と思いがちだ。けれどもアウシュビッツの強制収容所の例(フランクルの『夜と霧』を指している-キノシタ)でも分かるように、生き延びた人たちは「想像力豊かで、あいまいさや不確実性とともに生きられる人」、つまり嵐の時に逃げ込める避難所を心の中にもち、混沌の中でどんな小さなことにも自分なりのやり方や意味を見いだせる人だという。これは救いだ。なぜなら、あるタイプに自分を合わせる必要はない、ということだからだ。

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