がん一般

2017年7月12日 (水)

ビタミンDの話題

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という毎日新聞の記事がありました。

研究チームは2016年5月から1年間、同大の学生など20代の女性延べ101人について、日焼け止めの使用頻度や食生活など習慣などを調査した。その結果、日焼け止めを週3回以上使うグループの血中ビタミンD濃度の平均は、通年で基準を下回る「欠乏状態」だったという。厚生労働省によると、骨や健康を保つビタミンDの血中濃度の基準は1ミリリットルあたり20ナノグラム以上で、それを下回る場合は欠乏状態とされる。

太陽光(紫外線)を浴びれば、必要なビタミンDは必要量を体内でつくることができるのですが、日焼けによるシミ、ソバカスを嫌ってクリームを塗ったり、真夏でも長袖のシャツを着ている女性の方も多いですね。

骨粗鬆症などのリスクが高くなるのはもちろんですが、ビタミンDの研究は大きく変わりつつあります。その効用が骨の形成だけにとどまらないことがわかってきました。ビタミンDが強力な抗がん作用をもつことや免疫応答の重要な調節因子として働いていることを示す証拠が数多く見つかっているのです。

ビタミンDがその優れた効果を最大限に発揮できるのは、血中に相当量が存在する場合であることもわかってきています。たいていの人のビタミンD血中濃度はそれよりも低いのです。さらに追い打ちをかけて日焼け止めクリームを塗ると、一年中ビタミンD不足の状態になりかねないのです。

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美容と健康のバランスをどう取るか、ビタミンDの豊富な魚などを積極的に食べるようにしましょう。それでも足りない場合にはサプリメントを考えてみましょう。

また、こんな記事もあります。

ビタミンDが不足している人は20年近くのうちに死ぬリスクが高い

ビタミンD血中濃度が最低(54pg/mL未満)だったグループは最高だったグループ(78.2pg/mL以上)に比べて総死亡リスクが54%高い。

血中濃度が高い人(約125nmol/ml超)に比べて早死にするリスクが90%高い。

国立環境研究所(茨城県つくば市)の研究によると、冬の札幌でも76分間の日光浴で成人が1日に必要とする量のビタミンDを作れます。 スペインのバレンシアで行われた研究では、真冬の1月に 1,000IUのビタミンDを得るには130分間の日光浴が必要だという結果になっています。
十分なビタミンDを得るのに必要となる日光浴の時間は、服装(長袖か半袖かなど)や姿勢の影響を受けるので、日光にさらされる皮膚の範囲が狭ければ必要となる日光浴の時間が長くなります。 一般的には、日光に当たりすぎてもビタミンDが過剰に作られる心配はありません。

私が日常的に摂っているのは、大塚製薬の「ネイチャーメイド スーパービタミンD(1000I.U.) 90粒」です。

ビタミンDが1000I.U.含まれていて、90錠で700円程度と廉価です。

このブログのビタミンDに関する記事を以下にリンクしました。

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2017年7月 3日 (月)

免疫チェックポイント阻害剤で一部患者のがん悪化

免疫はなかなか思い通りにはいかないね。

免疫チェックポイント阻害剤で一部患者のがん悪化

免疫チェックポイント阻害剤は免疫系の働きを解き放つ強力な薬剤で、一部の進行がんの患者のがんを消滅させると期待されている。しかし、最近の2つの研究から1,2、PD-1阻害剤と呼ばれるこの種の治療薬の使用により、一部の患者で逆の結果、つまりがんの広がりが加速される可能性が示唆された。現在、研究者らはその理由を明らかにしようとしている。

Natureのダイジェストです。

2017年6月30日 (金)

がん患者にもスクワット

先日の『すい臓がんカフェ』での講演でもお話しさせていただいたが、がん患者はうつ病になりやすい。うつになると、予後も悪くなるのです。これは、心のありようとがん治療とが密接につながっていることの証明でもあります。

心の平安を保ち、がん治療を効果的にするためにも「運動」は大切です。基本は歩くこと。スクワットも効果的です。黒柳徹子さんはスクワットは毎日欠かさないと言っています。

運動すると、気分を安定させる神経伝達物質のセロトニンの代謝がよくなり、これが非常に有効なのです。セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れやすく、それがうつ病発症の原因にもなるのです。

「運動療法」:運動と心との関係を研究する「スポーツ精神医学」という医療分野がありますが、そこでは、ある研究結果が報告されました。それは、うつ病の人を薬なしで運動だけするグループと、運動しないで薬を飲むグループに分け、四か月間経過を見るものでした。すると、なんと四か月後に両者はほぼ同じくらい改善していたそうです。しかも、別の研究で、スポーツの種類はなんでもいいこともわかっているので、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動でも、筋トレなどの無酸素運動でも、好きなものを選べばいいわけです。  お気に入りのスポーツを週三回、継続してやるというのが、この「運動処方箋」なのですが、運動が苦手な人や外出ができない人もいるでしょう。こんな人には、自宅で簡単にでき、効果の高いスクワットをおすすめします。

筋肉量が増えると血糖値も安定します。ロコモ対策としても、下半身の大きな筋肉を一度に鍛えるにはスクワットが良い

慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センターの長野雅史先生は、「メタボの人は、筋トレで筋肉を収縮させると、有酸素運動と同じぐらい好ましい効果が得られる」と話します。筋トレは血糖値や血圧を下げる効果のほかに、基礎代謝量の増加、骨粗しょう症や変形性関節症の予防などにも貢献するといわれています。

長野先生がお薦めする筋トレは、手軽にできるスクワットです。特別な道具を使わなくても、正しいフォームを意識して継続すれば、十分な効果があるといいます。「少ない筋トレで多くの健康効果を得るには、できるだけ一度に大きな筋肉を動かすのがいい。スクワットは体の中で最も大きい下肢の筋群が鍛えられます」。

トレーニング方法(印刷用/PDF)ダウンロード

スクワットと片脚立ちを毎日続けることで、ロコモトレーニングになる。

Locotre

これから梅雨の季節、散歩に行かれないときにもスクワットなら室内でできる。

ただし、激しい運動はかえって免疫力を低下させてしまうので、やりすぎは禁物です。

2017年6月17日 (土)

今年のASCO

ASCOも終わって、国内でもぼちぼち関連報道が増えているが、免疫チェックポイント阻害剤も大騒ぎが終わり、後発の臨床試験が増えてきた様子。

極わずかな違い、1ヶ月延命できるかどうかを喧喧がくがくしているが、まぁ統計とはそんなもの。「極わずかの違いしかない時に、相手を説得する技法」なんだから。

製薬企業の販売促進には使えるだろうが、

で、がん患者はどうすれば死なないですむのか?には何も答えてくれない。

2017年6月 6日 (火)

ハイパーサーミアはダメ?

UMSオンコロジーの、だいぶ前の植松医師のブログです。ハイパーサーミア・ラジオ波焼却を行っている膵臓がん患者も多いので共有します。

しかし、私には正しいのかどうか分かりません。が、実際に多くの経験した患者を診た医者の意見として拝聴しておきます。

禁:ハイパーサーミア

基本的に哺乳類の体温は通常一定に保たれています。これは、豊富な血流によって維持されているのです。たとえ皮膚の表面をきっちり43度にしたところで、数ミリですぐに温度は下がります。1センチ下ならもう平熱です。もし皮膚から1センチ下を43度にしようとしたら、皮膚は火傷をしますが、皮膚から1.5センチ下は平熱です。要するに、人体と試験管は全く別物なのです。

(ラジオ波焼却は)ターゲットから少し離れた所にがん細胞が存在していると必ず再発します。ラジオ波焼灼術のあと再発した乳がんの患者さんを何人か放射線治療した経験がありますが、乳腺内の再発はなんとか押さえ込めても、その後、全員に臓器転移がでました。あまりに高率なので、ラジオ波焼灼では、がん細胞周囲の正常細胞がすべて破壊されてしまうため、血管やリンパ管が壊れ、転移しやすくなるのではないか、と推測しています。

人間は試験管やマウスとは違いますからね。しかし、ハイパーサーミアをやった後は気持ちが良いとの感想は多いですね。問題はがんに効果があるかどうかなんですが。

2017年5月30日 (火)

がん患者だって働きたい!

日経ビジネスの川井薫氏の記事、いいですね。身につまされます。

膵臓がんで余命1年を宣告されたが、抗がん剤が効いて3年生存している。しかし、嬉しいはずなのだが、貯金も使い果たして、働こうにも、こんながん患者を雇ってくれるところはない。いまは生活保護を申請している。

がんに勝ったのに生活破綻、そんなのあり?!

「がん患者は働かなきゃいい」と言い放った大西英男議員。発言は撤回せずに言い訳ばかりです。全がん連宛に「がん患者・元患者の皆様へのお詫び」という文章を送ってきたそうだが、内容はまったく反省なしの言い訳ばかり。「極めて限定された小規模零細飲食店での話しでした」というが、そうした店が飲食店の8割以上を占めていることをご存じないのだろうか。がん患者はもっと規模の大きな店で働けば良いという意味なのだろうか。

働き盛りの人ががんになったとき、治療費と生活の療法を心配しなくてはならない。家族の生活のために治療を断念する患者もいる。私の存じ上げている膵臓がん患者は、大手建設企業の社員だったが、がんになったことを告げるととたんに解雇されたんです。その会社は「健康長寿社会を実現するまちづくり」を提案している会社ですが、健康な市民しか要らないってことですかね。

膵臓がん患者の離職率は、他の癌腫に比べて2倍だという調査もあった。余命が短いことを覚悟して退職するのだろうが、なまじ治療の効果があって長期生存すると、それはそれで大変になる。せめて生活の心配をしないで、短い命を生ききりたいと思うのだろうが、この国はそうはさせてくれない。

政府の言う「働き方実行計画」も「がん患者が働くことのできる日本」も、まだまだ絵に描いた餅です。

2017年5月26日 (金)

今日の一冊(73)『ここまできた重粒子線がん治療』

ここまできた重粒子線がん治療 重粒子線治療だけではなく、一般の放射線治療と陽子線、重粒子線治療の違い、重粒子線治療の特徴が、これまで出版された書籍よりも、より詳しく書かれています。

患者としては混乱しやすい専門用語、

  • トモセラピー:強度変調放射線治療(IMRT)の装置名。直線加速器(リニアック)からの高エネルギーエックス線を使う
  • 定位放射線治療(SRT):コバルト60の放射線を物理的に線量を集中させる「高精度照射技術」を使った治療法。その専用装置が「ガンマナイフ」
  • サイバーナイフ:画像処理技術との融合で患者の呼吸に合わせて照射野を移動させる「動体追尾放射線治療」の装置名称
  • 呼吸同期照射、画像誘導放射線治療(IGRT)

など、開発の歴史と概略が解説されています。

重粒子線の特徴も詳細に書かれていますが、膵臓がん患者にとっては、膵癌の腫瘍内部は低酸素状態になっているために、通常の放射線では効果が限定的です。しかし、重粒子線は拡大ブラッグピークという現象もあって、膵癌の腫瘍細胞を効果的に死滅されることができるのです。

たくさんの患者さんたちのインタビューは、実際の治療を受けた患者ならではの感想、実態が分かるに違いありません。

『すい臓がんカフェ』でも講演された林さんのインタビューも載っています。「がんとの戦いは、とにかく情報収集。総括的に見て、情報を取って、優先順位を決める。それがすごく大事です。」との言葉は、余命1年を宣告されながらも、抗がん剤治療を拒否して重粒子線治療を選択した林さんならではの重い言葉です。

がんとの戦いは情報戦。情報が命を救い、人生を変えることもあるのです。

2017年5月24日 (水)

HBMの勧め

虎の門病院臨床腫瘍科 高野利実先生の著作『がんとともに自分らしく生きる』は以前に紹介しましたが、先生ご自身が著作とHBM(Human-Based Medicine)について書かれています。

市民のためのがん治療の会
Human-Based Medicine(HBM)とは『がんとともに、自分らしく生きる』

ここでは、HBM実践のための15箇条を紹介します。
    ① 医療は自分のものであると心得る
    ② 生老病死ときちんと向き合う
    ③ 自分の想い、価値観や大事にしていることを医療者や家族に伝える
    ④ 治療目標を明確にし、医療者や家族とも共有する
    ⑤ イメージに惑わされず、うまく情報の波に乗る
    ⑥ 最低限のエビデンスとEBMのルールを知る
    ⑦ リスクとベネフィットのバランスを考える
    ⑧ 自分にプラスとなる治療を受け、マイナスになる治療は受けない
    ⑨ 医学の進歩と限界を知る
    ⑩ 緩和ケアを積極的に活用する
    ⑪ 医療者や家族とよく語り合う
    ⑫ しんどいときは、まわりに頼る
    ⑬ がんとうまく長くつきあう
    ⑭ 希望を持って生きる
    ⑮ 自分なりの幸せをめざす

どれも大切なことですね。②はなかなか達観することは難しいにしても、いずれ訪れる「死」に対して、自分なりの価値観で整理しておくことです。私は良寛や老子など多くの先達に教えられました。

⑧も言うや易く行うは難し、でしょうか。副作用を我慢して最期の最期まで抗がん剤を打ち続ける。

がんであっても、自分なりの幸せを見つけ、充実した時間を過ごしたいものです。

2017年5月22日 (月)

Kindle本-出版しました

Hyosi

2017年第2版に改定しました。

やっと完成しました。
がん患者のためのインターネット活用術

最初にお断りを。
この本には治るための必殺技とか、「魔法の弾丸」のような代替療法、これでがんが必ず治る、というようなことは書いてありません。どうすれば悪徳な広告に騙されずに、信頼のおける情報に早くたどり着けるのか、集めた情報をどのように整理し活用するのかという、がんと闘うためのパソコンのスキルとノウハウを紹介した本です。私が10年間実行して、がんとの闘いに役立つと確信しているスキルを”惜しみなく”紹介しています。

Kindle端末を持っていなくても、パソコンやスマホで読むことができます。

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2017年5月19日 (金)

臨床試験の「治療開発マップ」

日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)では「治療開発マップ」をホームページに掲載しています。

このマップは、臨床試験を実施しようと計画している医師たちが、重複がないように利用するためのものですが、がん患者にとっても、今どのような臨床試験が行われているのか、考える上で参考になります。

16の専門領域別に、主ながんの種類ごとに作成されています。膵臓がんについては、対象を、

  1. 切除可能
  2. Borderline Resectable(切除限界)
  3. 局所進行
  4. 遠隔転移再発

に分類し、それぞれに「標準治療」「JCOG試験」「他組織の試験」「適用外薬」と分けられています。

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これを参考にして、がん情報サービスの「がんの臨床試験を探す」や、「臨床研究情報ポータルサイト」で検索して詳細を知ることができます。

自分が参加できる臨床試験かどうかは、まず主治医に聞いてみましょう。患者本人の進行度、体の状態、これまで受けてきた治療などを一番よく分かっているのはあなたの主治医だからです。

も参考にしてください。

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