経済・政治・国際

2009年10月29日 (木)

若林暢チャリティーコンサート

大田文化の森で開催された『若林暢チャリティーコンサート』に行ってきた。アフガニスタンで女性のための『希望の学校』を運営しているNGO等への募金活動のため、大田区在住の若林さんが賛同してのコンサート。

ちょうど昨日の新聞でもカブールの国連宿泊施設への襲撃によって12人が死亡したと伝えられていた。戦火によって夫を失った女性たちが、物乞いや子供の労働に頼って生活をしている。そんな彼女たちに教育の機会を与えようと、日本在住のアフガニスタン人、スルタニさんらが活動している。

コンサートはベルリンフィルの弦楽メンバーにピアニストのアルバート・ロトさんを加えて、曲目はシューベルトのピアノ五重奏曲変ホ長調作品44、ブラームスのピアノ四重奏曲ト短調作品25。チェリストのクリストフ・イーゲルブリンクさんが楽譜を忘れて登壇し、開演が30分ほど遅くなるというハプニングもあった。

ベルリンフィルのチェリストの演奏を間近で観察できる機会は滅多にないと、最前列に席を取って、もっぱらチェロの指使いやボーイングを注視していたが、ppで演奏するときには右手の中指を弓から離して弾いていた。ときどき左手の位置を確認してから弾き始めていることが印象に残った。プロでもやはり左手の位置は確認しながらでないと心配なのかもしれない。私などはしょっちゅう確認しているが、いくらか安心した。

「平和」を言葉でしか知らないアフガニスタンの人たちに比べて、平和が日常となっている日本で、たかが「がん」のために悩んだり闘ったりしているのが申し訳ないような、戦火の国民から見ると夢物語のような医療費をかけて治療をしているにもかかわらず、満足できないがん難民が多数いることが、おかしなことのように思われてくる。わずかに数十円の抗生物質がないためにバタバタと亡くなっていくアフリカの子供たち。ユネスコの新聞広告を見るたびに怒りがこみ上げてくるが、5分も経つとそんなことはすっかり忘れている自分にも唖然とする。

免疫療法だ、新しい抗がん剤だと、つぎつぎに話題が出てくるが、いったいいくらの治療費がかかるのか。最終的には健康保険が適用になるにしても、その負担は国民全員で負うことになる。一人のがんの治療費に何億円もかけることがまっとうなことだとはとても思えない。ほどほどの治療にして、あとはQOLを維持できる方法を考えた方が、まともな人間の考え方のような気がする。

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2009年8月26日 (水)

各政党のマニフェストで「がん対策」は?

投票日は帰省する予定をなので、期日前投票に行ってきました。投票所の入口に行列ができるほどのたくさんの人でした。これまでの選挙にはない熱気を感じます。

がん患者としては各政党の「がん政策」が気になるところです。マニフェストを調べて、がんに関する部分を抜き出してみました。

二人に一人ががんになるという時代ですが、政党の認識は総じて危機感がないように感じます。がん難民がなぜ増えるのか、経済的負担への対策は、など具体策はなきに等しいです。「がんと診断されたら、身体障害者手帳を交付する」などという政党があっても良さそうに思うのですが。そうすればずいぶんと経済的に助かるに違いない。財源はどうするかですか? 軍事費を削減すればよい。オバマは軍事費削減を打ち出しています。

自由民主党

難病対策、肝炎対策、がん対策の充実
難病の方々の医療費負担を軽減するため、助勢の対象(現在45疾患)に緊要性の高い疾患(11疾患その他)を追加するなどの難病患者の医療費助成、難病の診断治療方法の研究開発を進める等の難病研究拡充等、難病対策を充実させる。国内最大の感染症である肝炎について、肝炎の早期発見、早期治療、治療水準を向上させるため、「肝炎対策基本法」を制定し、B型、C型肝炎への医療費助成の拡大・充実を含めた総合的な肝炎対策に取り組む。わが国の死因の第一位となっている「がん」についても、検診、予防ワクチン、放射線療法や化学療法、緩和ケア等のがん医療の充実や均てん化を行うとともに、患者の立場に立ったがん対策を充実させる。

抽象的で総花的。「均てん化」などという難しい言葉を使うなんて、国民に理解してもらおうという姿勢がない。なにやら分からんが、やってくれそうだという雰囲気を作りたいのだろう。官僚的文章の典型。がん対策基本法にも触れていない。「肝炎対策基本法」なんて、政権政党なのだから、これまでにどうしてやれなかったのか。そんな政党が今後も実行できるのか疑問だろう。

均てん化(がん医療の)
均霑化(生物がひとしく雨露の恵みにうるおうように、の意)。全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう、医療技術等の格差の是正を図ること、だそうです。


民主党

がん対策
乳がんや子宮頸がん、大腸がん、肺がん、胃がんなど有効性が高いがん検診の受診率を大幅に向上させるよう、受診しやすい体制を整備します。また、がん予防に有効なワクチンの開発・接種の推進、禁煙対策の徹底化等、最新のがん関連情報の提供や相談支援体制などを充実させます。がん患者や家族も加わった 「がん対策推進協議会」の運営で「がん対策推進基本計画」が着実に推進されるよう取り組みます。がん登録の法制化を検討します。

地域がん診療拠点病院では国立がんセンターと協力し、化学療法専門医・放射線治療専門医を養成します。

早期発見早期治療がメインということか。子宮頸がんを想定しているのか、予防ワクチンに触れている。がん登録制度の法制化も「検討します」であって、「実行します」ではない。

公明党

がん対策
基本計画の個別目標の中間報告を実施
●がん対策推進基本計画の5年後の見直し(2012 年度)を前に、2009 年度末に中間報告を義務付け、がん検診率50%以上など、個別目標を達成させます。

拠点病院の機能を強化
●がん診療連携拠点病院の機能強化を進め、がん治療の地域格差を是正し、全国どこでも最適ながん治療を受けられる体制を整備します。

がん治療を選択できる社会へ
●がん治療の柱である手術、放射線治療、化学療法のうち、整備が遅れている放射線・化学療法の普及を図り、専門医を育成します。

がん相談業務と情報発信、普及啓発を拡充
●病院選びや治療方針、がんに関する不安や悩みを抱える患者や家族を支援するため、がん相談支援センターの相談業務の拡大とともに、がん治療情報の発信を拡充します。がんを広く国民に知ってもらう普及啓発活動も促進します。

がん対策予算を拡充
●がん対策推進基本計画にうたわれている個別目標を達成させるため、がん対策予算を拡充します。また、がん検診を支援するための地方交付税をさらに充実させます。

がんの痛みをとる緩和ケアを推進
●治療の初期段階から、がんの痛みをとる緩和ケアを受けられるようにするため、5年以
内に、がんを担当するすべての医師への緩和ケアの研修を強力に推進します。

セカンドオピニオンの体制の整備
●患者自らが適切な治療法を選択できるよう、主治医に遠慮せず、気軽にセカンドオピニ
オン(別の専門医の診断)を受けられる体制を整備します。

学校におけるがん教育の見直しと教科書や副読本を充実
●小・中・高校生に対するがん教育を見直し、教科書の内容充実や副読本の配布を促進します。生活習慣との関わりなどを知ってもらい、がん予防を促進させます。

がん検診の充実
●無料クーポン事業でがん検診受診率の向上を図るとともに、前立腺がんなど高齢化によって増加している男性特有のがん検診の普及を図ります。また、2年に1回のがん検診の無料化を図り、受診率を向上させます。

女性のがん検診の充実
●女性特有の子宮頸(けい)がん、乳がん検診の受診率の向上を図るため無料クーポン券、検診手帳などの事業を継続します。また乳がん検診の精度向上のため、マンモグラフィー検診に加えて超音波(エコー)検診の導入・併用を進めるとともに、読影医の養成・確保など検診体制の充実・強化を図ります。

子宮頸がん予防ワクチンの早期承認・公費助成の導入
●若い女性に急増する子宮頸がんの征圧へ、予防ワクチンの早期承認とともに、ワクチン
接種に対する公費助成の導入を推進します。

がん研究・開発等の推進
●免疫療法・抗がん剤・粒子線治療など新たな治療方法・治療薬の研究・開発を推進する
とともに、新たな医薬品等の承認審査の迅速化と国内での利用普及を図ります。
また、禁煙対策の推進など予防対策を強力に進め、がん罹(り)患率や死亡率の低下を図
ります。

「がん治療を選択できる社会」と書いてあるのでてっきり「混合医療の解禁」かと思ったが、放射線・抗がん剤の普及が遅れている、と。どうもピント外れな政策だ。セカンドオピニオンについても同様。しかし、項目は多く、内容はともかく説明はわかりやすいと思う。

がん検診への国庫補助を廃止した公明党が、無料クーポンでがん検診の受診率を向上させると主張するのですか? 自分のとった政策を反省することが先ではないだろうか。

社民党

がん対策、肝炎総合対策、難病対策に取り組みます

○がんの予防と早期発見の推進、がん検診の質の向上、がん医療の均てん化の促進に取り組みます。専門的な知識や技能を有する医師等の育成、医療機関の整備を推進します。
○がん対策基本法に基づいて制定された「がん対策推進基本計画」を着実に実行します。

○薬害肝炎感染の拡大が国の責任であることを明確にし、全国的な肝炎治療体制の整備と医療費助成や治療中の生活支援を柱とする総合的な肝炎患者支援法を制定します。
○難病の調査研究費を増やし、特定疾患の対象を拡大します。難病患者の治療の確保、負担軽減、療養環境の向上の観点から難病対策基本法をつくります。

がんに関しては最初の2点だけ。早期発見と予防。がん対策基本法の実行。混合診療の解禁には反対。

日本共産党

〔がん対策〕
日本国民の死因の第1 位である、がんの予防・治療には、国が総合的な対策をすすめることが必要です。ところが、政府・与党は、窓口負担増、保険証とりあげなど、がんの早期治療に逆行する施策をとりつづけてきました。自民党政権が、がん検診にたいする国庫補助を廃止したために、各地で、がん検診の有料化や対象者選別、検診内容の劣悪化などの事態が起こっています。
医療崩壊が進行するもと、がんの治療・予防の地域格差が深刻な問題となっています。がん対策基本法の主旨にのっとり、どこにいても必要な治療・検査を受けられる医療体制の整備が必要です。国の責任で、専門医の配置や専門医療機関の設置をすすめ、所得や地域にかかわらず高度な治療・検査が受けられる体制を確立します。未承認抗がん剤の治験の迅速化とすみやかな保険適用、研究予算の抜本増、専門医の育成、がん検診への国の支援の復活など、総合的がん対策を推進します。

政党の中で唯一これまでのがん政策を批判した上で、対策を提示している。経済的負担の問題などはここでは触れられていないが、医療政策全体の中で詳細に政策が述べられている。混合診療の解禁には反対。

改革クラブ

お年寄りの健康づくりや難病対策を推進します。
世界一の長寿国である日本で、お年寄りが一日でも長く健康な状態で暮らせるよう
に、健康づくり施策を進めます。
また、新型インフルエンザ対策、難病対策、がん対策、肝炎対策等、国民の健康に
関する問題にきめ細かく対応します。
今あるものの活用はすべての分野に共通ですが、例えば自治体や企業による健康診
断を受ける人は少なく、受診をしていただくよう告知していきます。

コメントに値しない。

国民新党・みんなの党・新党日本

「がん」についての個別政策はない。

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2009年8月20日 (木)

最近の驚いたこと三題

驚いたこと その一

ドクター中松氏が幸福実現党の大川隆法氏とツーショットでポスターになっています。立候補しているのかな?それは知りませんが、彼の『ミサイルUターン技術』というのがすごいですね。私は選挙目当てのブラックユーモアかと思っていたのですが、本人は本気らしく、『バカと天才は紙二重-ミサイルUターン発想法』という本まで出版しているようです。
すでに発明が終わっている技術かと思いきや、これからだという。ミサイルの制御システムに外から電波を飛ばして方向を180°転換し、北朝鮮に向かわせようという「発明」らしい。

日本が導入しようとしているミサイル迎撃ミサイル構想には何兆円もかけようとしているが、この発明があればそれが不要になる。その分を老人医療費・母子加算・障害者の自立支援法など、小泉改革で痛めつけられている弱者に回せる。防衛予算が削減でき、消費税の増税も不要になる。アメリカと北朝鮮の両方に売れば、ミサイルによる核攻撃が無力になるし、すべての核保有国が核の廃棄を行なうだろう。核廃絶を誓っているオバマ大統領も大歓迎に違いない。ドクター中松氏はアメリカの名誉市民としての栄誉を授けられるだろう。いや、ノーベル平和賞だって確実だ。IBMの発明したフロッピーディスクを自分の発明だといっている人物です。ご自分が発明された「ぴょんぴょんシューズ」を履いて飛行機に乗ろうとして頭をぶつけたそうですが、その後遺症が残っているのでしょうか。

驚いたこと その二

この幸福実現党と共闘を宣言したのが、小泉チルドレン、次期自民党総裁候補ともいわれた、東京10区から出馬されているあの方です。予想される自民党の負け戦に慌てたのか、藁をも掴みたい心境になったのでしょうか。共闘相手と一緒に街頭演説を始めたのですが、相手が「北朝鮮にレンジャー部隊を送り込み、金正日を拘束して東京で裁判にかける」と演説し、さらに「ミサイルUターン技術に○○先生もご理解を示されています」と演説したものですから、この女史は慌てて車に乗って立ち去ってしまったそうです。

幸福の科学と創価学会の仲の悪さは周知の通りですが、この女史はそれを知らなかったのでしょうか。創価学会票が逃げていくことを考えなかったようです。落ち目になれば醜態をさらす、どこにでも良くあることです。

小泉さんは「自民党とぶっつぶす!」と言われましたが、本当に彼は自民党をぶっ潰すことをされたようです。80円切手を貼れば日本全国どこへでも届く郵便、しかも赤字でもない郵政公社を「郵政改革」するという錦の御旗に熱狂した国民がいたことを忘れてはならないでしょう。いままた「官僚政治の打破」という馬鹿の一つ覚えのように、マスコミが騒いでいます。今の悪政は変えなければなりませんが、やってくる新しい政治に対して、よく目をこらして監視しないと、単に政権が変わっただけで、暮らしが楽になるとは限りません。

ひとつの「悪役」を十字架に架けて、熱狂的な大衆の支持で政治を動かしていく。この手の手法に騙され浮かれた人々が、ヒットラーによる悪夢を見たことを、もう忘れかけているようです。

驚いたこと その三

帯津良一氏が新しい本を出しました。『帯津良一のホメオパシー療法  こころ、からだ、魂に響く』という題名です。彼のがんに対する考え方には共感する部分が多Wshot200020 く、がんになったら真っ先に読んでおくべき本として彼の本を挙げたことがありました。

しかし、この出版物を見てから考え込んでしまいました。(読んでいないし、読む気にもなりませんが)

ホメオパシーとは、「水が記憶する」という例の江本勝の『水からの伝言』と同類です。希釈を繰り返して10^60というアボガドロ数を遙かに超える希釈率、一個の分子さえも残らないようなRemedyと言われる偽薬にはプラシーボ程度の効果しかないと証明されているにもかかわらず、帯津先生はどこから道を誤ったのでしょうか。そもそも最初からこのような傾向の持ち主だったのでしょうか。だとすると私の不明の致すところです。

Amazonで「帯津良一」で検索すると165件の本がヒットしました。監修したものもありますから、全部が著作ではないにしても、かの安保徹先生を遙かにしのぐ出版数ですね。代替医療なら何にでも、ありとあらゆる分野の著作があり、さながら代替医療のデパートです。

機会があればこの本を読んでみますが、しかし、ホメオパシー療法ですか?? 帯津先生のこれまでの評価が急落してしまいそうです。

対象を常に善か悪か、二者択一的に考えるのは日本人の悪い癖です。人はよい部分もあれば、ときには間違えることもある。動的で複雑な存在です。 この本だけで彼のこれまでの業績を評価することは間違ったこと・・・とは分かっているのですが。

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2009年4月28日 (火)

豚インフルエンザはパンデミックになるか

豚インフルエンザのニュースが増えています。Google Health Map で表示すると、感染が増Swine_flu えている(オレンジ)マークが世界地図に表示されます。世界にはこんなにたくさんの伝染病が、今現在流行しているのかと驚きます。(感染箇所ではなく、報道がされた場所ということです)「Swine flu H1N1」をダブルクリックすると、豚インフルエンザの感染(報道)地域のみが表示されます。

患者数を表示したGoogleマップがこちらにアップされました。

辺見庸が『しのびよる破局-生体の悲鳴が聞こえるか』で、現在の状況を、金融恐慌・地球温暖化・新型インフルエンザなど、外部世界の崩壊としてとらえ、同時に人間の内面の崩壊という異質の崩壊が同時進行する、いまだかってない「パンデミック(感染爆発)」としてとらえています。

昔日との相違はまさに
悪の核(コア)をそれと指ししめすことの
できないことなのかもしれない
どうやら資本が深くかかわるらしい
〝原発悪〟が
ほうぼうに遠隔転移してすべての人のこころに
まんべんなく散りひろがった状態が
いまという時代の
手におえない病症ではないのか

カミュの『ペスト』を引用して、行政やマスコミがオランの町で起きていることを具体41aal4qczjl_ss500_的、詳細に報じないでペストの拡大の危機を覆い隠してしまう。人々は現実に起きていることの真の重大さに気づかず、いずれは治まるさと、日々の生活に追われて楽観的に生きている。私たちも現に、アフガニスタンや世界の方々で飢餓や戦争で毎日たくさんの人が死んでいくニュースを見ながら、楽しく団欒の食卓を囲んでいる。

「資本」に倫理を要求しても無駄なことはマルクス以来周知のことですが、「資本」の象徴的存在「資本家」にも倫理は求めることができなくなった。最近のニュースで驚いたのは、破綻したSFCG(旧商工ファンド)の大島健伸元社長が、破産前に1240億円の会社資産を親族会社に安値で売却しており、月額2000万円の役員報酬(これだって十分多すぎる)を破産前に9700万円(年額ではなく月額!)に引き上げていた。さらにその他の役員の報酬は一律30万円だったという。漢字能力検定協会の理事長親子も同じだが、これが例外的な事件でないことがパンデミックという所以でしょう。こんなニュースを見ると、人間の内面にパンデミックが起きつつあることは確かなようです。

辺見庸は、単に景気が回復するとか、経済が元どおりに繁栄すればいいのではなく、人間の生き方を根本から問い直さなくてはいけないと言っている。エンデも「生き方を根源から問い直すべき」と『エンデの遺言』で言っているのです。

私の癌も、地球温暖化も、豚インフルエンザも、秋葉原事件も、根源では繋がっている。それは「生き方」を問い直されていう意味においてです。

パンデミックを予想した人も何人かいます。(もっとも豚インフルエンザがパンデミックになるかどうかはまだわからないが・・・)
リンパ球バンク株式会社社長、 藤井真則(ふじい・まさのり)氏のブログ。藤井氏は昨年の大晦日と今年の1月1日のブログで

パンデミックフルー発生確率は、2010年辺りから2012年にかけてが、最大の山場を迎えると読んでおりますが、2009年中に発生しない保証はありません。 これがくると、世界同時戒厳令状態となりますので、自力で、食料や水を確保できない人は生きる術がないほど、過酷な状況を迎えるかもしれません。 ウィルスそのものも脅威ですが、電気、水道、ネット、携帯、水、食料、医療、すべてのインフラが止まると、果たして、現代人は、自活して生きていけるでしょうか。

と書かれています。このブログ、免疫療法のことを詳しく書いています。一般の研究者や学者が書いた免疫の本よりはよほどわかりやすくて、免疫に関する私たちの誤った解釈を正してくれます。

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2009年4月18日 (土)

『エンデの島』

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権現堂堤の桜(7)


「・・・・がんばるのは美徳ではないと?」
「いちがいには否定しませんよ。でも、戦争のときも経済発展のときも、国民はがんばるのがいいことだと信じていたのです。そして一枚岩になって団結し、異分子を排除した。でも一枚岩は脆いものです。多くの人は、こんなことをやっていては駄目だ、戦争はもう負けだ、バブルはいずれ崩壊するとわかっていたと思いますよ。でも、だからといって方針転換はできず、がんばりつづけた。決定的に破滅するまで・・・・。もし、がんばることを放棄していたならば、東京大空襲や沖縄や広島や長崎の悲劇は避けられた。あやまちは繰り返しませんというが、そのあやまちとは戦争をしたことだけではなく、がんばりつづけたことなのです。」

これは高任和夫の小説『エンデの島』の一節である。「エンデ」とはもちろんミPhotoヒャエル・エンデ、『モモ』や『はてしない物語』の作者である。小説では伊豆諸島の架空の島「奥ノ霧島」を舞台に、エンデが描いた理想郷とその活動を支えている人物たちが描かれている。

「パン屋でパンを買う購入代金としてのお金と、株式取引所で扱われる資本としてのお金は、まったく異なった種類のお金である」。NHKで放送されたドキュメンタリー「エンデの遺言--根源からお金を問う」のなかのエンデの言葉である。エンデは、問題の根源はお金にある、なかんずく利子というものが経済を間違った方向に誘導し、私たちの生活を苦しめていると考えていた。そこで例の「キリストが生まれたとき、1オンスを5%の複利で銀行に預けると・・・2000年には・・・太陽4個分の重さの金塊」が得られるという話しに繋がってくる。<こちらにリンク

『モモ』のなかには「時間貯蓄銀行」の灰色の男たちた登場するが、エンデは時間のことではなく、お金のことを示唆しているのだ。灰色の男たちは、人々から時間を奪おうとする時間泥棒で、「時間を節約して銀行に預ければ、利子が利子を生んで、人生の何十倍もの時間を持てるようになる」と言う。彼らの誘惑にのせられた人々は、余裕のない生活に追い立てられて人生の意味までも失ってしまう。仕事はぜんぜん楽しくないばかりか、成果・効率で、過労死や年間3万人以上もの自殺者が十数年間連続している。昔からの祭りは廃止、商店街は郊外の大規模店に押しつぶされてシャッター通りに、人々はいつもくたびれて怒りっぽい顔。とげとげしい目つきで、わずかな余暇をムダなくと、せわしなく遊ぶようになる・・・・。私たちには、思い当たることばかりではないか。

人類は細菌に対しては抗生物質などを開発し、感染症との闘いにおいてはほとんど勝利したに違いないが、現在はむしろストレスを原因とする心身症が病気の大部分を占めており、我々団塊の世代が老年になり、さらに医療費が増大することは自然の成り行きだ。

利子や株による配当が経済を混乱に陥れている。まさに『しっぽが頭を振り回す』ような今の経済危機は起こるべくして起きたのであり、我々はエンデの警鐘を無視したツケを払わせられようとしている。お金の節約、時間の節約は将来のためになるのだと私たちは信じ込まされてきたが、ほんとうはお金と時間の消費の仕方も、節約の仕方もまちがっていたのではないか。

私たち人類のからだをコントロールしているソフトウェアは石器時代のままである。つまり、セリエが『現代社会とストレス』でいう「闘争か逃走か」反応だ。しかし、ストレスが生じたときのこの反応が、慢性的に長期間にわたって続いているのが私たちの社会である。そこでさまざまな心身症が起きる。癌の発生も、原因はいろいろだが、ストレスがその引き金になっていることはまちがいないと言われている。エンデが指摘した逆立ちした経済社会が、自殺者のみならず、癌患者をも増やしているにちがいない。

エンデは、貨幣の機能を交換価値の尺度と交換の媒介に限定し(つまり貨幣の保蔵機能をなくし)、新しい経済を取り戻すことを訴える。それを現実化したものが”地域通貨”であり、現に国内でもいくつの地域通過が発行されている。『奥ノ霧島』の舞台でも地域通貨オッキイを軸に島の経済と生活が回ってゆく。原則無利子の島民への貸付けである。そのお金で、高齢者が安心して生涯を終えられる医療と介護の仕組み、全国から患者が集まってくるという大きな総合病院、食べ物とエネルギー(風車と地熱発電)を島内で自給する工夫。内地の大規模店やホテルが島を支配するのを制限する条例づくりなど。冒頭に引用したのは、この総合病院の村田院長の言葉である。

『エンデの島』を読んで、井上ひさしの『吉里吉里人』を思いだしました。

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2009年1月27日 (火)

インターネット落語&アホウ実行中

Photo

            『宇宙に繋がる』
私の細胞の一つひとつが、この宇宙とリズムを取り、エネルギーを交換し、身体の中の悪いものすべてを吸収してくれます。


笑いという心の作用、あるいは脳の働きが、免疫機能を高めてガンの治癒に有効だということはカズンズの「笑いの治癒力」を初めとして多くの書物に書かれている。

かといって、会社や自宅ではなかなか大笑いをするということも難しい。だいたいが笑いたくなる材料が乏しい。最近のテレビのお笑い番組なんかを観ていても、どうして出演者があんなにゲラゲラと笑うことができるのか、不思議に思うだけである。下品な笑いとは何か?を知りたければテレビのお笑い番組を見ればよい。

落語なんかは良さそうだが、新宿の末廣亭にいったのは、学生時分で、今の妻と交際していた頃だから、もう30年以上も行っていないことになるなぁ。一時は落ち込んだ落語人気だが、このところまた復活してきたようです。

おいそれと寄席に足を運べないのなら、社団法人 落語協会のホームページで「インターネット落語会」を観ることができます。1月の下席は、「通信簿」 三遊亭 天どん、 「権助魚」 三遊亭 歌太郎、 「極道のバイト達」 三遊亭 丈二の3人。前座は「天どん」さんですか、師匠は罪な名前を付けるものですね。真打ちの三遊亭 丈二の「極道のバイト達」には、久しぶりに大いに笑わせていただきました。

おかげで、今日は免疫力が5%アップしたかなぁ?

まだ笑い足りないという方は、次のYouTube画像をご覧ください。麻生さんの国会答弁を聞いているだけで笑えますが、これは絶対におすすめですよ! 抱腹絶倒、リンパ球が大量に増えることを請合います。

「兵庫のおじさん 未曾有うの危機!」

 

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2008年12月31日 (水)

今年の締めくくりと来年の予想

このブログも開設以来35000のカウントになりました。一日平均で300人、多いときにSdim0122 は600人の方に閲覧していただくようになりました。膵臓がんは年間で約2万人の新たな患者さんが生じて、年間で2万人の同じ数の患者さんが死亡しております。癌の中でもそれだけ厳しい膵臓がんですが、多くの患者さんがあきらめずに何か手立てはないかとインターネット上で情報を集めているのです。

そんな癌患者さんに、私の経験や治療に関して考えてきたこと、やってきたこと、あるいは生きるとはどういうことか、癌を得てこれからの人生をどのように過ごそうとしているのかなど、悩み迷い右往左往しながらの私のサバイバーへの旅日記ですが、少しでも参考になっていただけたらこんなに嬉しいことはありません。

来年はどのような年になるのでしょうか。自分に関しては再発・転移をすることなく、桜が見られて、61歳の誕生日を迎え、お盆には父母の供養ができて、秋には日本のきれいな紅葉を写し撮ることができ、そしてまた正月を迎えることができるだろうか。そうしなければならないと覚悟を新たにしています。

日本と世界はどうなっているのでしょうか。Sdim0097

世間で「新自由主義経済」がまだ有効で、「市場に任せておけばすべて はうまくいく」と思われていた今年の1月以来、このブログでは時折それへの批判を書き続けてきた。アメリカのサブプライムローンの破綻、アメリカ式の金融経済の破綻が、今では誰の目にも明らかになってきた。「公から民へ」のかけ声の下、教育、医療など公共的な部門に「資本の論理」を持ち込んで、己のみ利益を上げようとし続けてきた大資本が作った商品を買ってくれるべき購買層がいなくなってしまった。作った商品を買う中産階級がいなくなれば資本主義経済が成り立たなくなるという、あまりにも単純で、冷酷な事実を前にしては、キヤノンの御手洗やオリックスの宮内、トヨタの奥田らは、単に欲深いだけの人物であったということだ。

「公から民へ」「市場は間違いを犯さない」と言ってきたその当事者が、アメリカ政府に対して緊急融資の無心をし、ビッグスリーは実質的に国有化され、社会主義経済のようになってきた。

ここで来年を大胆に予想してみよう。

  • ドルの基軸通貨体制は終わる。ドルが暴落して80年前の大恐慌以上の超巨大恐慌がくる
  • ドルも円も、すべての紙幣が紙くずとなり、もちろん株券も紙くず同然となる
  • ユーロ、中国元、円の多重的な基軸通貨体制になる。日経新聞の為替レート欄が、円・ドルレートから、円・人民元レート表示に代わる。
  • アメリカに代わって中国が世界経済の牽引車となってくる。それには時間がかかるのでその間は世界的に悲惨な状況が続く。
  • 新自由主義経済とは一線を画してきて、力を付けつつある中南米諸国が台頭してくる
  • 日本は9月まで総選挙が行われず、自民党と民主党の国民を無視した党利党略のために、世界経済の大転換期に有効な手を打てないで、世界恐慌のもっとも大きな影響を被った国となる。
  • オバマ大統領は、チェンジを実行に移そうとするが、産軍共同体の妨害に遭い思うに任せない。そのため国民の支持が離れようとする。
  • 400発の核弾頭を保有するイスラエルが、いくつかの核弾頭を中東諸国の主要都市とロシアに向けて打ちこみ、第3次世界大戦の危機になる。戦争が恐慌を救う唯一の手段だと考えた産軍共同体の仕掛けた謀略に、世界の世論が傾いたためである。
  • オバマ大統領が暗殺される。

オバマ大統領の暗殺とイスラエルの核弾頭発射は、あって欲しくはないが、相当の確率で起きるかもしれないと思っている。80年前の大恐慌がナチスとヒットラーを生んだように。

新自由主義経済の破綻がこれほどまでに明らかになったのに、日本の政府は未だに気づいていない。米軍基地の辺野古への移転、グアムへの海兵隊の移転に税金をつぎ込もうとしている。アメリカはもう日本の面倒など見ている余裕はなくなるというのに、未だにしっぽを振って10兆円もIMFに差し出したあげくに、ブッシュに会ってももらえなかったピエロのようなアホウ総理大臣、徳川幕府最後の将軍ならむ、自由民主党最後の総裁。

「癌は心優しいメッセージ」であり、これまでのあなたの生活が間違っていたんだよ。これまでの生き方を180度転換しない限り、癌細胞を切り取り、抗がん剤でやっつけることができても、身体の免疫力が弱ったままでは本当に治ったことにはなりません、というメッセージを告げているのだ。

世界経済も同じ。今の恐慌寸前の状況は、これまでの方法が間違っていたんだよ。180度考えを変えなさい、というメッセージでしょう。今気づいたのならまだ間に合うかもしれない。「チェンジ」が必要なのは世界全体です。

「生かされるままに生き」てきたこの1年。
みなさん、よいお年をお迎えください。

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2008年12月14日 (日)

エンデと資本論とカムイ伝

1月13日のこのブログ「クロードアップ現在」2008年 新マネー潮流」でエンデの利子に対する批判を書いた。つまり、

「キリストが生まれた事を喜んだ父ヤコブが1マルクを貯金した。年5%の複利で預けたとしたら、西暦2000年にはいくらになるか?何と、太陽4個 分もの金塊が手に入るというのです。一方、2000年間1日8時間働いて得られるのは金の延べ棒一本分になります。」エンデはこうして「金利」の欺瞞性を 暴露し「複利で増え続ける」ことの荒唐無稽さを突いているのです。

こういう話だが、どうも計算が合わない。私の計算では西暦元年に1マルクを5%の複利で預けて、西暦2000年には、1.05^2000=2.4×10^42 マルクとなる。

  • 1マルクは過去65円から90円の範囲で変動しているが、真ん中程度の75円としよう。
  • 金1gの相場も、1000円から2000円の大きな変動があるが、1500円としよう。
  • 太陽の質量は、1.9891×10^30kg であるが、2.0×10^33gとして良いだろう。

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なんと、6千万個の太陽と同じ重さの金塊が買えるという計算になる。

4個と6千万個ではまさに桁違いの間違いであるが、しかし、エンデが言いたいこと、金利というものが荒唐無稽なシステムであり、永久に5%の複利で増え続けることはまさに太陽系規模のばかばかしさであるという指摘の本質には何ら影響はない。

しかし、どうしてこんな桁外れの間違いが生じたのだろうか。エンデの発言した言葉を正確に再現すると、

「ある人が西暦元年に1マルク預金したとして、それを年5%の複利で計算すると、現在その人は、太陽と同じ大きさの金塊を4個分所有することになる。一方、別の人が、西暦元年から毎日8時間働き続けたとする。彼の財産はどのくらいになるのか。驚いたことに、1.5メートルの金の延べ棒1本にすぎないのだ。
この大きな差額の勘定書は、一体誰が払っているのか」

(中略)やがてその金利自体が今の経済にとても重荷になってきます。そしてその重荷にやがて耐えられなくなる日がやってくるのは火を見るより明らか(中略)「この経済と金融システムは、いつの間にか、真正ガンが形成されるときの特徴をみんな備えてしまった。
つまり、それは、行き続けるために、常に成長し増殖しなければならないのだ。」 <『欧州知識人との対話』(和田俊訳 朝日新聞社)>

ということです。ここでは西暦元年から西暦2000年までの複利計算だとは言っていない。ではエンデはこのたとえをどこから思いついたのでしょうか。エンデ自身の創作でしょうか。実はエンデはマルクスの「資本論」を若い頃に読破しています。そして資本主義とマルクス主義について次のように述べているのです。

「以前は、ともかくマルクス主義をひっぱりだせば、なんでも進歩的とみなされた。あるいは、自分では進歩的であると考えたものだ。・・しかし現在は大きな危機をむかえている。どうしたらマルクスを使えるのか、いったいマルクス主義は使い物になるのか、さっぱり見当がつかない」

「私は今日の世界はすべて資本主義体制だと見ます。マルクス主義だっていまではみんな資本主義になっています。ただ西側が私的な資本主義であるのに対して国家を単位とした資本主義になっていることだけです」

エンデがマルクスの「資本論」を読み通していたことはこれで明らかです。そして「資本論」の第3巻第5篇第24章「利子生み資本の形態における資本関係の外面化」に次のような記述があります。

「資本とは、永久に存続しそして増大する価値としてその生得の属性によって―すなわちスコラ哲学者の言う隠れた資質によって―、自己自身を再生産し、そして再生産において自己を増殖する価値である、という観念は、錬金術師たちの空想も遠く及ばないドクター・プライスの奇想天外な思いつきに至らしめた。すなわち、かの、ピットが本気にこれを信じて、国債償却基金に関する彼の諸法律において、彼の財政の支柱となした思いつきである。

【原注】“複利を産む貨幣は初めは徐々に増大する。しかし、増大率は絶えず加速されるので、ある期間の後には、想像を絶する速さになる。キリスト生誕の年に5%の複利で貸し出された1ペニーは、今日ではすでに、すべて純金からなる1億5000万個の地球に含まれているよりも、もっと大きな額に増大しているであろう。しかし、単利で貸し出されたとすれば、同じ期間に7シリング4ペンス半にしか、増大しないであろう。今日までわが政府は、第一の道よりも第二の道によって、その財政を改善しようとしてきたのである。”
リチャード・プライス『国債問題について公衆に訴える』ロンドン、1772年

たぶんこの部分がエンデの記憶にあったのではないでしょうか。1マルクではなく、1ペニーであり、2000年ではなく1772年(頃)ということです。マルクもペニーも今はなくユーロになっているのですが、1700年代のマルクと円との関係と言っても、円そのものが存在しない。ユーロになる以前では1マルク78円、1ペニーは0.8円ほどだったらしい。ですから本当に太陽4個だという計算を確認することは無理なようです。

1772年に1億5000万個の地球の質量(=太陽の質量の0.45倍)だったものが、5%複利で太陽4個分になるには45年かかる。つまり1817年頃にはそうなる。先のとんでもない太陽6千万個よりはだいぶ近づいてきた。

【追記】
『エンデの遺言』の中で、エンデの蔵書の一つ、マルグリット・ケネディの『利子ともインフレとも無縁な貨幣』の中に次のような記述があります。

ヨゼフが息子キリストの誕生のときに、5%の利子で1プフェニヒ(1マルクの100分の1)投資したとします。そして、ヨゼフが1990年に現れたとすると、地球と同じ重さの黄金の玉を、銀行から13億4000万個、引き出すことができるのです。永久に指数的な成長を続けることが不可能なのは火を見るより明らかでしょう。

マルクスを否定したエンデではあるが、すでにマルクスは、エンデと同じ主張を、資本論において展開しているというわけである。マルクス自身は「資本論」において資本主義を頭から否定しているわけではない。むしろ歴史的にも必然的な制度であり、「蓄積欲」を利用して経済発展を遂げるというシステムにより人類は長く悩んできた飢えからも解放されたと説いている。しかし、その欲望から解放されない限り人間の幸福は訪れないとも説いている。釈迦やキリストや老子が説いた「欲を捨てる」ことが「幸福」になるための必然的な道だよということを、剰余価値の発見により経済学的に証明したのが「資本論」ではないだろうか。

いま、ヨーロッパにおいて「資本論」が爆発的に読まれているという。日本51ox459rtdl_sl500_aa240_においてはまだその兆候はないが、多喜二の「蟹工船」が読まれている。現在の資本主義の悪しき面のみを追求した新自由主義経済の結果が、この格差社会である 。老人いじめの社会である。自殺率世界一の国である。こうした現状を解決する方法を資本論に求めているに違いない。このミゾユウの事態にアホウ総理にも資本論を読んでもらいたいが、普通の人間にとっても難解な書物であるから、普通ではない総理には無理かもしれない。ならば「まんがで読破 資本論」はどうだろう。これなら彼の最も得意とするところだ。

イギリスでは消費税を減税することが決まったようだ。ところが我が日本の「アホウ総理」は3%の消費税増税を断固としてやるという。アメリカ発の金融恐慌であるが、アメリカでは黒字の会社で労働者を解雇したというニュースは伝わってこない。ビッグ3などの赤字企業では問題になっているが。ところが我が国では減収だとはいえ黒字のトヨタやキヤノンが派遣社員の首を切るという。どうして黒字の会社がこのようなことをするのか、それに対して労働者がどうしてストライキや暴動に立ち上がらないのか不思議だということで、韓国やヨーロッパのマスコミが中部地区に大挙して取材に来ているそうである。

1999年、日経連会長だった奥田碩トヨタ自動車元会長が言っていた。「経営者たるもの、首を切るなら、腹を切れ」と……。トヨタの現経営者は腹を切る心づもりがあるのだろうか。(最もこの奥田さん、最近ではマスコミに噛みついて「報復する」とかいう発言もした人物ですから、話半分に聴いておいた方が良さそうですが・・・)

財源がないと言うが、IMFに10兆円もぽんと差し出した。いったいどこから沸いてきたのか。アホウ総理は打ち出の小槌でも持っているのか。朝日新聞を初めとしたマスコミも「財源は消費税でまかなわざるを得ない。財源がないのだ」という。だが、年間5兆円もの防衛費にはまったく触れない。それ以外に沖縄の基地をグァムに移転するために2兆円が必要だという。防衛費は聖域なのか。「聖域なき財政再建」と言っていたのは誰だったのか。

首を切られても反対できない、かといってこんな世の中を変えるという意識もなく、選挙の投票にも行かないという4割台の投票率。本当に日本人はどうなってしまったのか。こんな日本にするために私たち団塊の世代は、癌になるほど頑張ってきたのはずではなかったのでしょうに。Img012_2

白戸三平の「カムイ伝」には百姓が生き生きと描かれています。百姓とはまさに百の職業、大工もやり、下肥を肥料とするために便所も改良し、そのリサイクルシステムを確立するために問屋にも商人にもなったのが日本の百姓です。「カムイ伝」にはそんな農村の姿が生き生きと描かれている。そして必要ならば寄り合いでコミュニケーションを取り一揆も頻繁に起こしている。

小伝馬町の牢屋敷入れられた抜け忍者の赤目が、牢名 主らのImg013 「作造り」(牢が込んでくると、人減らしのために何人かを殺害した)に堪忍袋の緒が切れて、反対に牢名主らを始末する。終わった後にこう言う。「そういう腰抜けだからこいつらがのさばるんだよ」「忘れるなよ、今日のことを。うぬらのことはうぬら力でやるのだ」とかっこよく言って牢を去っていく。

日本人にはそんな伝統と意気があった。どこの百姓一揆にもそんな英雄がいた。現在の府抜けた状態が異常すぎると言える。眼を覚ませ。こんな世の中を変えたいのなら、現在は投票に行くだけですむ。命がけのことでもあるまいに。

Hen 今年の漢字に「変」が選ばれた。清水寺の森清範貫主が揮毫する写真が報道されている。”Change”が選ばれたことは、この府抜けたような日本にもようやく政治への関心が向いてきたということに違いない。しかし、「変」が現実のものとなるまでには日本人は長い地獄のような経験をしなくてはならないだろう。来年はそのような1年になる。

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2008年11月 6日 (木)

100年に一度の無能内閣

オバマがアメリカの新しい大統領に選出された。彼を誕生させたのは、経済の悪化であり、その担い手となったのは、貧困層・若者である。フリードマンが提唱し、レーガン以後の経済政策の中心となってきたシカゴ学派の敗退が始まった。

日本のマスコミでは、TBSなどの報道番組において「資本主義」という言葉がよく発言されるようになってきた。これまでは「自由主義経済」であった。それが「資本主義」という言葉に変わった。「資本主義」の対極にあるのは「社会主義」である。ソビエトの崩壊により、資本主義万能の時代が続いたが、どうやら資本主義もおかしいぞ、ということだろう。

小林多喜二の「蟹工船」が書店にも平積みされてよく売れている。ヨーロッパではマルクスの再評価、資本論が見直されている。新自由主義経済の破綻が明らかになった今、古典への回帰が起きているのだ。

この100年に一度(麻生総理の言)の未曾有の変革期に、アメリカは1年半をかけて自らの将来を託す指導者を選んだ。「ブッシュの経済政策は間違っている」「イラク戦争は間違いだ」という世論がアメリカの大勢だということだ。

日本はどうか? 一人1万6千円の「給付」と引き替えに、消費税の5%アップだという。高速道路がどこまで行っても1000円だとか。インド洋でのアメリカの艦船への給油活動も続けるという。中国などの新興国が、これからの世界経済の牽引役となろうとしているときに、「日本軍の南京大虐殺はなかった」などという自衛隊幹部が出る始末だ。破綻しつつある新自由主義経済対策をより一層続けようとしているのだから、我々日本の将来は暗澹としたものに違いない。

『この100年に一度の経済危機のなさか、どうやら100年に一度の無能内閣が誕生したようである』と、藤原新也氏が書いている。

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2008年10月27日 (月)

百年に一度の歴史的瞬間に生きている

日経平均株価の今日の終値が7162円と、26年ぶりの大安値になった当報じられ ている。サブプライムローンに端を発した世界の金融危機がここまできた。 51egccdi4ql_ss500_

「恐慌」とは「すべてが紙くずになること」である。株券が紙くず になり、紙幣が紙くずになる。ライブドアブームに踊った大衆投資家の株が紙くずとなり、今は2年前にブームが始まったFX取引でマネー投機をしてきた個人投資家の資産が紙くずとなりつつある。

「市場に任せがうまくいく」と、なんの労働もせずに、あぶく銭を稼いで、汗水垂らして働く者たちからかすめ取った金で六本木ヒルズに住み、ベンツに乗っていたような連中を、どうして10兆円もの税金で救済しなければならないのか、私には分からない。「自己責任」はどうしたんだ? 勝ち組だなどと威張ってはいたが、ただ強欲だったというだけの浅ましい連中をどうして税金で救わねばならないんだ。ほとんど税金も払ってこなかった銀行に、どうして。

百年に一度の世界史の激動の時期に、今私は生きている。フランスのルイ王朝の崩壊、日本の明治維新、1989年のベルリンの壁の崩壊と2年後のソビエト連邦の崩壊に匹敵する、いや、それ以上の歴史的大激震の時期に生きている。41y30f5xv9l_ss500_

ソビエト連邦が崩壊して、その後のアメリカ一人勝ちの時代が終わろうとしている。「市場がすべてを決める。市場に任せておけば万事うまくいく」と言って、新自由主義の経済政策を押し進め、一握りの大金持ちと多数の貧困者を生み出した者たちの「退場」の舞台が回る始めた。小泉真一郎は息子に看板と地盤を譲って、さっさと逃げ出した。竹中平蔵はさっぱりマスコミに登場しなくなった。マスコミの論調も変化して来たようだ。反アメリカ調の報道が徐々に多くなってきている。

今年1月13日のこのブログで紹介したように、ミヒャエル・エンデの「エンデからの遺言」にあるように、1マルクを5%の複利で貯金すると2000年には、太陽4個分の金塊が買える金になる。「このような富がどこからわいてくるのだろう」とエンデは、「利子」の荒唐無稽さを鮮やかに指摘したのだが、今では500兆ドルとも言われるマネーが、5%の利益を求めて世界中を闊歩している。マルクスの共産党宣言第一章の冒頭にある「一匹の妖怪がヨーロッパを徘徊している──共産主義という妖怪が」をもじって、「一匹の妖怪が世界を徘徊している──マネーという妖怪が」と論じた者がいたが、まさにその妖怪が世界を食いつぶそうとしているようだ。511qz3j01hl_ss500_

まだ「グローバリゼーション」という言葉になじみの無かった1980年代の末に、世界を無秩序に駆け回る資本の行き着く先に警告を発し、「カジノ資本主義」を著わしたスーザン・ストレンジ女史は、今日の一層博打化したマネーによる世界経済の混乱を「狂気」だとして女史の続編となる「マッド・マネー」を10年後の1990年代末に著わしている。「カジノ資本主義」が、4つの「浮動性」をまねき、①通貨の価格(為替相場)②財の価格③信用の価格(利子)④石油の価格のこれら浮動性は相互依存的に要因となり、差し迫っ た金融危機の要因となってくると、予言している。まさに現状は、10年前にストレンジ女史が言ったようになってきたではないか。

日本には竹中平蔵のように「絶対の儲かるから株を買いなさい」といって、新自由主義の政策を押し進め、自分はマクドナルドの未上場株を受け取っていたような経済論者しかいなかったのかというと、そんなことはない。

内橋克人がただ一人、新自由主義に敵対する論陣を張っていた。彼の「悪夢の31nytgm3bnl_ss500_ サイクル」では「ネオリベラリズム循環」として、海外マネーの出入りが、バブルとその崩壊を循環的に繰り返し、国土と国民をドンドコに突き落とす過程が警告的に描かれていたし、城山三郎との対談集「人間復興の経済を目指して」では、市場原理主義に対して「地産地消運動」や、世界の中心=アメリカという考えを疑ってかかれと警告していた。さらにこれからの日本の進むべき方向は、アメリカ依存からの脱却と内需拡大であるとし、食糧不足の時代が来ることを予見して、日本の国際貢献は食糧供給から初めよ、減反政策を改めて、日本は「農業立国」を目指すべきであると説いていた。

世界はどこへ向かうのか。ドルが基準通貨という時代はもう終わりだということは確かだ。クリントンと同じ新自由主義経済の継承を公言しているオバマが大統領になったって、この現実は変えられるはずもない。アジアと欧州の各国指導者が一同に会するASEM首脳会合が北京で開かれたが、中国は今や世界一の外貨準備高を持つ国であり、日本を抜いて、アメリカの最大の債権国である。中国こそ、11月15日に開かれるのG20金融サミットの主役になる。そして中国はドルの基軸通貨体制を変え、IMF41draxxhjkl_ss500_体制を改革し、新興国の参加した新体制を打ち立てようとしている。

 [北京 24日 ロイター] 中国共産党機関紙・人民日報海外版は24日付の1面に、アジア、欧州の各国は、両地域間の貿易を米ドルでなく、ユーロ、人民元や日本円など地域通貨で決済するべきだとする論評を掲載した。

 論評を執筆したのは、米国批判の急先鋒として知られる上海の同済大学のShi Jianxun教授。

 同教授は「現在の悲惨な状況に直面して、人々はようやく米国が自国通貨の優位性を利用して世界の富を搾取していたことに気が付いた」と述べ、米国発の金融危機により多くの国が富を失うなか、米国は自国の国益を守ることしか考えていないと批判した。

 そのうえで「米ドルは信頼を失いつつある。世界は早急に、国際機関を通して民主的かつ合法的に、米国一国支配の経済構造と米ドルの優位性の上に立脚している現在の国際金融システムを変えなければならない」と述べ、アジア、欧州各国は地域間の貿易決済に米ドルではなく自国通貨を使うべきだと主張した。ただ具体策については言及しなかった。

 同教授はまた、24日から2日間の日程で北京で始まるアジア欧州会議(ASEM)の首脳会合は、新しい国際金融秩序の構築を始めるのに格好の機会となると述べた。

 ASEM首脳会合には欧州連合(EU)加盟27カ国、日本、中国、インドなどアジア16カ国を含む45の国・機関のトップが出席する。

この人民日報1面の記事は、当然中国共産党中央委員会の承認を受けており、これが中国の正式の新たな世界経済政策だと考えることが当然である。世界はもうドル中心では回っていかない。もしかすると人民元が基軸通貨となる時代が来るやもしれない。中国指導部は「100年単位」で政治を考えている。対して日本の政治家の何とも頼りなく哀れなことか。この大事にホテルのバーをはしごしている総理を持った不運を嘆くことしかできない。

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