膵臓癌の知識・情報

2018年2月 4日 (日)

第10回『すい臓がんカフェ』を開店します。

Kaiten

【日 時】2018年2月25日(日) 13:10~16:30 (開場12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分
       Luz大森 4階 入新井集会室
【参加費】500円
【定 員】130名

『すい臓がんカフェ』は事前登録制です。

参加登録は、2月2日(金)20時より受けつけます。

開催の詳細な内容、事前登録は下記のオフィシャルサイトからお願いします。

  • 短時間で満席になることがあります。
  • 入力途中であっても定員に達すると、強制的に受付けを終了します。
  • 「参加申込み」ページに入力フォームが表示されていますので、事前に内容を準備して当日に臨まれるとよろしいでしょう。
  • 「知りたいこと、困っていること、他の方へのメッセージ」欄は入力必須項目になっています。

『すい臓がんカフェ』オフィシャルサイト


膵臓がんと闘うたくさんの仲間がいます。

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2018年1月24日 (水)

光免疫療法と膵臓がんの遺伝子異常

アスピリアン・セラピューティクス社のプレスリリース

楽天のサイトに、米国アスピリアン・セラピューティクス社のプレスリリース日本語抄訳が出ています。「PressRelease_JP.pdf」をダウンロード

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  • 「RM-1929」が、FDA より再発性頭頸部扁平上皮がんの一次化学療法と二次化学療法 のい ずれにおいても効果が現れなかった患者を対象とした治療法として、ファストトラック指 定を受ける
  • 2018 年の第 1 四半期中に「RM-1929」のピボタル試験を開始予定
  • 「RM-1929」の日本における第 I 相臨床試験を開始

などが書かれています。

FDAが光免疫療法をファストトラック指定下というニュースは流れていました。

「RM-1929」とは

セツキシマブ(アービタックス)と IRDye 700DX®の複合体である「RM-1929」は、頭頸部扁平上皮、食道、肺、 結腸、膵臓などのがんにおいて多種の固形腫瘍で発現する上皮成長因子受容体(EGFR)を標的にします。この最先端治療法は抗体コンジュゲートを用いて、正確にがん細胞を攻撃しま す。抗体が腫瘍に結合した後、結合色素は赤色光に反応し、迅速な抗腫瘍効果を誘発します。 腫瘍選択性と局所的活性化による二重の特異性には、周囲の正常な細胞や組織へのダメージを 最小限に留め、局所的腫瘍を制御することを、がん患者と医師は期待することができます。「RM-1929」は被験薬であり、どの国でも使用は認められていません。

アービタックスは分子標的薬で、上皮成長因子受容体 (EGFR) に結合して、EGFRの働きを阻害するモノクローナル抗体です。転移性大腸がんと頭頸部がんの治療薬として承認されています。

アービタックスにIR700(IRDye 700DX®)をくっつけてがん細胞の表面に届けて、近赤外線を照射することでがんを「破壊」するのが光免疫療法です。

IRDye 700DXは、(株)エムエフテクノシステムズ社の近赤外線色素ですね。ここでも日本の企業が活躍しています。

この二つを結合したものが「RM-1929」であり、膵臓がんで亡くなった楽天の三木谷会長のお父さん(三木谷良一 1929年生まれ)から命名されたものです。

膵臓がん患者のEGFR発現率

「RM-1929」は、上皮成長因子受容体(EGFR)をターゲットにした薬剤で、上記のように、一部の膵臓がんにも有効ということですが、膵臓がんでEGFR遺伝子がどの程度発現しているかが問題です。

国立がん研究センターのプレスリリース『血液から膵臓がんで治療標的となり得る遺伝子異常を検出』によれば、膵臓がんではKRAS遺伝子異常が最も多く、EGFRの異常はごくわずかです。これでは「RM-1929」を使える膵臓がん患者は少ないでしょう。

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大腸がんの治療薬セツキシマブ (アービタックス) などの上皮成長因子受容体 (EGFR) に結合してその働きを阻害することで効果を狙う分子標的薬では、KRAS遺伝子の変異が存在すると薬理効果が期待できない(使えない)可能性が高いとの知見がある。

膵臓がんの抗原に特異的に結合する抗体医薬品もあるはずだから、それに期待しましょう。

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2018年1月23日 (火)

大阪国際がんセンターで、第79回成人病公開講座「膵がんのすべて!」

第79回成人病公開講座「膵がんのすべて!」

日時:2018年2月13日(火)14:00~16:00(13:30開場)
場所:大阪国際がんセンター1階大講堂(大阪府大阪市)

主なプログラム
○講演

  • 「膵がんはどれだけ起きているのか? 膵がんを予防するには?」
    大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部副部長 田淵貴大氏
  • 「膵がんセンターで可能になった最新の抗がん剤治療」
    大阪国際がんセンター消化器検診科副部長 井岡達也氏
  • 「膵がんに対する外科治療―手術と最新の集学的治療―」
    大阪国際がんセンター消化器外科副部長 高橋秀典氏

共催:大阪国際がんセンター/大阪成人病予防協会/大阪対がん協会
参加費:無料(先着180人、事前の申し込みが必要)

詳細・問い合わせはこちらから。

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2018年1月19日 (金)

膵がんが段階的に悪性化する仕組みを解明-慶應義塾大学

慶應義塾大学医学部のプレスリリースです。

膵がんの新たな治療方法の道筋へ-膵がんが段階的に悪性化する仕組みを解明-

39例のヒト由来の膵がん細胞を体外で効率的に増殖させることに成功し、その詳細な解析によって、膵がんは周囲の環境から与えられた細胞増殖物質に依存することなく増殖可能となることで悪性化していくことを明らかにしました。
近年、膵がんの遺伝子情報を詳しく分析することで、膵がん患者の生存期間に違いがあることがわかってきました。
細胞の外側から働きかけて増殖を刺激するWntとRspondinという2つの物質が、膵がんの悪性化に深く関わっていることを発見しました。さらに、膵がんはこの2つの物質を膵がん自身の増殖に必要とするかどうかで、段階的に悪性化する3つのタイプに分類でき、その違いはGATA6という遺伝子の発現の量に連動して定められていることを明らかにしました。

要点をざっと箇条書きすると、

  • 膵がん患者を生存期間別に分類できるが、その原因は不明だった
  • 対応するがん関連遺伝子が損傷していないのにも関わらず、通常、正常な膵臓の細胞の増殖に関与するはずのWntとRspondinという2つの物質の関与が見られない例がある
  • この2つの物質が関与する必要性によって膵がんを3つのタイプに分類
    1. WntとRspondinが関与するタイプ(Wnt非分泌型)
    2. Wntは関与せずRspondinのみが関与するタイプ(Wnt分泌型)
    3. WntもRspondinも関与しないタイプ(Wnt/Rspo非依存型)
  • GATA6という遺伝子の発現を低下させると膵がんが悪性化する

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  • 膵がんは周囲の環境に適応して遺伝子発現プログラムを変化させながら悪性化していく可能性が示唆された

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膵がんは周囲の環境からエピジェネティックな影響を受けて、それに適応しながら悪性化していく。ということは、エピジェネティックにコントロールをすれば、膵がんを悪化させない、治療法を開発できる可能性があります。

GATA6遺伝子によって、具体的にどのようにして膵がんの遺伝子発現プログラムが調節されているのかを解明することで、膵がんに対する新たな治療戦略を立てる上での突破口となることが期待されます。

(注)エピジェネティック:遺伝子変異や染色体異常のようなDNAの塩基配列に変化を伴う遺伝現象とは対照的に、DNAやヒストンへのメチル化といった後天的な化学修飾によって遺伝子発現が制御される遺伝現象。

【こちらも参考に ↓ 】

エピジェネティクスでがんの自然退縮を説明する

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2018年1月18日 (木)

光免疫療法 一部の膵臓がんでも期待できる

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毎日新聞のこの記事、期待が持てますね。

がん光免疫療法 将来、がんの8~9割の治療が可能に/確実に効果が期待できる仕組み――開発・治験の2氏に聞く

東病院での治験は、頭頸部がんで少人数から始まりますが、いずれは他のがんにも。
記事の後半ですが、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の土井俊彦副院長がインタビューにこう答えています。

頭頸部がん以外のがんについても、検討していきたい。現在使っている薬剤は、がん表面にあるEGFR(上皮成長因子受容体)に結びつく抗体を使っている。EGFRは頭頸部がんだけではなく、食道がん、大腸がん、胃がん、胆道がん、一部の膵臓がんなどの表面にもあり、内視鏡を使える部位であれば近赤外光も比較的容易に当てることができるので、それらのがんが対象になる可能性がある。日本は内視鏡や腹腔鏡の技術が優れており、患者の負担が小さい形での治療が広がっていってほしいと考えている。

現在使っている薬剤(楽天の三木谷さんのお父さんの名前にちなんだ「RM1929(三木谷氏の父は1929年生まれの三木谷良一さん)という名前が付いたで」も、EGFRががん細胞の表面に出ている膵臓がんにも使える可能性があります。

マウス実験ではあるが、メソテリンを発現している培養がん細胞(腫瘍)およびマウスのがん細胞(腫瘍)を特異的に攻撃することが示されています。メソテリンは、中皮腫、膵臓がん、卵巣がんなど悪性度の高いヒトのがんにおいて、がん細胞の表面に多く発現するタンパク質です。

小林久隆氏の部分では

日本では、米国で現在実施しているものと同じ頭頸部がんの治験が始まることになり、今後は現行制度にある「医師主導治験」などの形で、現在の治験で使っている抗体が有効と考えられる他の種類のがんについても使用が可能になるだろう。もちろん、希望するすべての方が使えるようにするには、正式に薬や治療法として厚生労働相の承認を受けなければならない。それまでにはもう少し時間が必要になる。

順調に進めば、10年以内には8~9割のがん患者の皆さんが使える抗体をそろえることができるのではないかと考えている。

が気に掛かりました。

同じ毎日新聞の17日の記事では、

がん光免疫療法 米FDAが「審査迅速化」指定 開発促進

と報じられています。

米食品医薬品局(FDA)が審査を迅速に進める「ファストトラック(Fast Track)」に指定されたと発表した。
ファストトラック制度は、重い病気や他に有効な治療法がない病気に対する治療法を対象に、患者へ早く新たな治療を届けるために開発を促進し、審査の迅速化を図る。既存薬がない場合に加え、既存薬の有効性や安全性を上回ると期待される場合に指定される。

勢いがどんどんと加速している感じです。

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2018年1月15日 (月)

『命を救う!スゴ腕ドクター5』観ましたよ

昨夜のBS朝日の『命を救う!スゴ腕ドクター5』、静岡がんセンター 肝胆膵外科部長 上坂克彦医師が登場していました。

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腫瘍が大きな血管に浸潤していると、膵臓がんの手術はできません。血管に絡んだ腫瘍の状態によっては、多くのがん病院では「手術不可」と判断されます。

それでも果敢に挑戦するには、長年の経験と知識が必要です。上坂医師は、果敢に挑戦する医師の一人です。

膵頭十二指腸切除術の例が紹介されていましたが、この方も腫瘍が動脈に近く、手術できるかどうかのボーダーラインでした。

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数ミリしか離れていません。実は、私の場合もほぼ同様で、1~2ミリしか離れていないが、「なんとかできるかなぁ」ということで手術ができたのでした。「開腹してだめな場合もあるから、そのことも了承してください」と言われました。10年前のことですから、当時としてはさらに挑戦的な手術だったに違いありません。

動脈から腫瘍を切り離す手術の場面はリアルでした。ああ、こんな状態だったのかと、改めて自分の手術時のことを思い出しました。

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手術ができるのは、膵臓がんが発見された患者の3割、そして術後の抗がん剤として上坂医師らが試験で証明したTS-1を投与して、5年生存率が24.4%から44.1%に上昇します。

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まだデータはそろっていませんが、10年生存率は概ね5年生存率の半分ですから、2割程度でしょうか。以前よりは格段に良くなっています。

術前の放射線とTS-1で腫瘍を小さくして(ダウンステージング)、手術に持ち込むことのできる患者も徐々に増えています。『すい臓がんカフェ』の参加者を見ても、それを実感できるようになりました。

徐々に助かる命が増えています。諦めずに助かる方法を探すことです。

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2018年1月14日 (日)

ストレスは膵臓がんを助長する

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ストレスは膵癌を加速させるアクセル

やはりストレスは膵臓がんには悪い影響を与えますね。

2018年1月の "Cancer Cell" 誌に掲載されたコロンビア大学の研究です。
Pancreatic Cancer May Be Accelerated by Stress, Finds Study

例によってGoogle博士に翻訳してもらうと、

膵がんはストレスによって加速されるとの研究

ストレスホルモンを抑制するβ遮断薬が生存率を高める可能性があるとの結論

ストレスが「闘争または逃走」ホルモンの放出を誘発することによって膵臓癌の発症を加速させることを示す新しい研究である(New York、NY、January 18、2018) 。 これらのホルモンを阻害するベータブロッカー(一般に使用される薬物)は、この疾患のマウスモデルにおける生存を増加させることが判明した。

膵臓ガンのマウスに化学療法と非選択的β遮断薬を併用してみたところ、化学療法だけで治療した場合よりも生存期間が延びました。

進行膵臓がんで手術を受けた患者631人においても、非選択的β遮断薬を服用していた患者は生存期間の中央値が40ヶ月と、選択的β遮断薬を服用していた患者やβ遮断薬を服用していなかった患者に比べて生存期間が2/3ほど延びていました。

ストレス低減法

一番のストレスは何か

治らないがんを宿した患者の一番のストレスは、

  • 治ることばかりを考える
  • 死ぬことを恐れて、死後の心配をする

でしょう。治ることを考えるのは大事ですが、いわゆる堂々巡りになって、がんを治すためだけに残りわずかかもしれない貴重な時間を費やしている。それにストレスが加わって、もしかすると寿命を縮めているのかもしれないが、本人は気づいていない。

死を恐れるのは人間として仕方がない部分があるが、”せっかくがんになったんだから”、ここらへんで生とは何か、死とは何かと、自分なりの死生観を整理してみてはどうか。それがストレスを低減することにもなる。

「死ぬのが怖い」とはどういうことか 前野隆司氏の『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』はお薦めです。東京工業大学卒の工学博士であり、ロボットの研究から脳と心の関係に関心を持つようになった方で、システムデザイン・マネジメントという考え方を提唱している。理工系の方であるので私には取っつきやすいということもある。

ストレスを低減するのに効果があるのは

  • マインドフルネス・ストレス低減法
  • サイモントン療法
  • 瞑想、座禅

などです。サプリメントや食事療法ばかりに関心を向けずに、メンタルな部分が一番重要なのですから、こちらにも多いに関心を寄せるべきだと思うのですが、残念ながらほとんどの膵臓がん患者は興味を示しませんね。それじゃ治りませんよ。

  1. 死ぬのが怖いのはなぜか?
    難しい。それにひきかえ、前野隆司氏の『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』は分かりやすい。東京工業大学卒の工学博士であり、ロボットの研究から脳と心の関係に関心を持...
  2. マインドフルネス瞑想法
    療法とJ・カバットジンのマインドフルネスストレス低減法が紹介されています。そして「瞑想」によって自分自身と対話することは、「体の内なる治癒力を調和させはじめるのに欠...
  3. 『「病は気から」を科学する』(5)
    ーとメタ分析は相次いで、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)が慢性痛と不安感を軽減させ、がんを克服した人から健康な被験者まで、あらゆる人のストレスを軽減し、生...
  4. マインドフルネス瞑想
    ジョン・カバットジンは『マインドフルネスストレス低減法』で次のように注意を喚起している。「自分のストレスをコントロールし、病気と闘うために免疫システムを向上させたい...
  5. NHKスペシャル 「キラーストレス
    で放映されるNHKスペシャル シリーズ『キラーストレス』では、ストレスとがんの関係も取り上げられています。からだの知恵 この不思議なはたらき (講談社学術文庫)po...
  6. 心と体 NHKでストレスの特集
    があります。NHKスペシャル シリーズ『キラーストレス』6月18日(土)[総合]後9:006月19日(日)[総合]後9:00 ちょうど今ブログで書いている『「病は気...

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2018年1月 7日 (日)

命を救う!スゴ腕ドクター 静岡がんセンター 上坂克彦医師

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BS朝日の『命を救う!スゴ腕ドクター』、1月14日日)夜 9:00~10:54放送には、「難しいすい臓がん患者を救う名医」静岡がんセンター 副院長兼肝胆膵外科部長 上坂克彦医師が登場します。

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「沈黙の臓器」と呼ばれるすい臓は、がんになっても症状が少なく、進行した状態で見つかる場合が多い。診断から5年後の生存率は約9%と命の危険性が高い病気だ。すい臓に巣くったがんを取り除くための手術は、胃や小腸など周りの臓器も含めて切除するという難しい大手術で、日夜、多くの患者たちを救っている上坂医師。さらに、抗がん剤を使い、これまでがんが進行して手術ができなかった患者たちを救う最新の研究も進めている。

現在、膵臓がんの術後補助化学療法としてS-1(TS-1)が使用されていますが、これは「JASPAC 01」という臨床試験において、これまで予後不良といわれていた膵臓がんの生存率を大幅に改善できることを証明されました。その結果を受けて、それまでのゲムシタビン(ジェムザール)から変更されたものです。

このJASPAC 01の試験を中心になって行ったのが上坂医師です。

この試験の目的は、S-1がゲムシタビンに劣らないという、非劣性試験だったのですが、やってみると、TS-1を使った方がゲムシタビンよりも再発リスクを減少させ、死亡リスクを44%も減少させるという画期的な成果を出しました。

JASPAC 01試験の詳細については、
『膵臓がんの生存率を大きく変える「JASPAC 01試験」とは 膵臓がん手術の名医が解説』
をご覧ください。

JASPAC-01試験は膵腺癌の術後補助療法として、S-1がOSについてゲムシタビンに非劣性であることを証明する目的で実施された。成人で3年以内に放射線療法や化学療法を受けたことのない組織学的に腺癌である膵癌患者で、病理病期が1期、2期、3期のR0切除またはR1切除を行った患者を無作為にゲムシタビン群(1コースを4週間として1日目、8日目、15日目に1000mg/m2投与、6コース実施)とS-1群(1コースを6週間として体表面積によって40から60mgを1日2回4週間投与、4コース実施)に割り付けた。主要評価項目はOSで、非劣性のハザード比上限は1.25だった。   2007年4月から2010年6月の間に33病院で385人(ゲムシタビン群193人、S-1群192人)が登録された。このうち378人(ゲムシタビン群191人、S-1群187人)が全解析に用いられた。患者背景に差はなかった。2012年7月に行われた生存に関する中間解析で、独立データモニタリング委員会は結果の早期公開を推奨した。

JASPAC 01の成功を受けて、JASPAC 04、JASPAC 05の臨床試験が進んでいます。

JASPAC 04:膵臓がんの術前治療として抗がん剤治療+放射線療法、抗がん剤単独のどちらの治療アプローチがより有用であるかを検討する研究です。JASPAC 04は試験の対象患者100例の登録も終わり、追跡期間も終了しています。まもなく結果が報告されるでしょう。

JASPAC 05:手術が難しい症例(切除可能境界[ボーダーライン・レセクタブル])をいかに手術できるようにするかということに焦点を当てた研究です。切除可能境界の膵臓がんは、無理に手術をしても予後が悪いことが知られています。

そのために世界の医療機関が研究を行ってきましたが、2012年にアメリカのMDアンダーソンがんセンターが発表した論文で「手術前に放射線療法や抗がん剤治療など何らかの治療をすることで、切除可能領域の患者さんの約60%は根治切除が可能になる」という結論が示されました。

こうした結果を受けて、日本でも切除可能境界の患者さんに対する術前治療の検討をしっかりと進めていくべきだという動きが強まりました。そうして計画された研究がJASPAC 05です。

JASPAC 05も追跡期間も終了しています。結果が待たれます。

さらにJASPAC 07の臨床試験も計画されています。

切除不能な膵臓がんでも、果敢に挑戦している医師が、国際医療福祉大学三田病院院長の宮崎勝、がん研有明病院の肝胆膵外科部長 齋浦明夫、それに静岡がんセンターの上坂克彦の各医師であると、私は認識しています。(あくまでも私の認識ですよ)

  1. 膵臓がんの生存率の改善
    ました。膵臓がんの生存率を大きく変える「JASPAC 01試験」とは 膵臓がん手術の名医が解説 膵臓がんの生存率とは 大きく変容した膵臓がんの予後 生存率・再発率...
  2. 膵癌術後の補助化学療法、日本は変らず
    の標準が変更へ、日本は変わらず 日本ではJASPAC 01試験の結果からS-1のまま ただし、日本は異なります。日本で行われたフェーズ3試験JASPAC01試験...
  3. 情熱大陸「肝胆膵外科医:上坂克彦」治らないがんを治るがんへ
    きましたが、上坂先生が代表研究者を務めるJASPAC試験において、TS-1を使った方がゲムシタビンよりも再発リスクを減少させ、死亡リスクを44%も減少させるという...
  4. 膵臓癌の術後生存期間、GEMよりもTS-1が優位
    結果、明らかになった。この試験の名称は「JASPAC 01」。日本では現在、進行再発・手術不能膵臓癌にはゲムシタビン(GEM)とTS-1が使用されるが、その延命効...

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2018年1月 6日 (土)

楽天は、光免疫療法で星野仙一氏の仇討ちを

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星野仙一さんは膵臓がんだったようですね。告知から1年と6ヵ月ですから、ステージ4なら標準的な経過でしょうか。残念です。

楽天の三木谷会長は、父親の三木谷良一神戸大学名誉教授を末期の膵臓がんで亡くしています。それに続いて、今回の星野氏です。さぞかし無念に違いありません。

楽天が本格的にがん事業に参入し、「光免疫療法」の商業化を進めている米ベンチャー企業、アスピリアン・セラピューティクス(カリフォルニア州)に2割超出資して持ち分法適用会社とする。電子商取引(EC)会員の健康データと組み合わせた医療サービスを検討し、新たな収益源に育てる予定だという。

そうした事情もあり、光免疫療法に力入れをしているのでしょう。米国での臨床試験はこちらに登録されています。

と、頭頸部がんを先に承認させるのは致し方ないとして、その次にはぜひとも膵臓がんを優先的に臨床試験を実施し、お父上と星野氏の仇討ちをして欲しいものです。

PubMedをチェックしていますが、光免疫療法(NIR-PIT)に関する論文は、2ヵ月に一本ほどの勢いで発表されていますね。最近ではこんな論文が出ていました。

腫瘍光免疫療法の分子イメージング:光増感腫瘍壊死と血行力学的変化の証拠

NIR-PITが細胞膜損傷を介して急速な細胞死(アポトーシス)をもたらし、急速な細胞拡張の後に細胞膜破裂が起こるという証拠と共に、確認した。

光免疫療法による細胞死は、通常の細胞死とは違い、「免疫原性細胞死(免疫を誘導する細胞死)」という死に方です。がん細胞が破裂すると、近くの樹状細胞に「がん細胞が死んだ」というシグナルが届き、樹状細胞が活性化してT細胞にがん細胞を攻撃するように指令を出します。そして、がん細胞が免疫から逃れるのに利用している制御性T細胞が2割まで減少し、がん細胞の敵であるNK細胞の9割が目ざめて活発になります。こうした免疫細胞の働きによって、原発がんだけではなく、遠隔転移したがんも消失することが確認できたと、小林久隆氏は述べています。

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早期に遠隔転移する膵臓がんにとって、強力な武器になるに違いありません。

膵臓がん患者は期待しています。

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2017年12月24日 (日)

第9回『すい臓がんカフェ』の報告

今日はイブの『すい臓がんカフェ』。昼食は、いきなりステーキの300gで腹ごしらえをして闘い?に臨みます。

「四つ足の肉」を喰わないと、がん細胞とは戦えませんよ。蛋白質を補給しないと免疫細胞の産生ができません。

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今日のステーキはハズレかな。ちょっと焼き過ぎて固かった。

『すい臓がんカフェ』にはクリスマスイブにもかかわらず、たくさんのがん友さんが参加してくださいました。

山田信祐さんの講演は、ご自分でよく調べた上で、さまざまな補完代替療法を取り入れて、余命1年が今現在2年で、いたって元気な姿を見せてくれました。

ケトン食が中心の山田さんですが、何が効果があったのかは分からないですね。しかし、結果が良ければ何でも良いのです。

多くの方から参加して良かったとのお言葉をいただきました。(そうでない人は声をかけずに帰られたでしょうから・・)これからも運営に工夫を凝らしていきます。

大阪でも少しずつ開催の動きがあるようで、来年が楽しみですね。

次回は第10回の節目です。

2018年2月25日(日)13:10~

となります。

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