膵臓癌の知識・情報

2017年6月 5日 (月)

第6回『すい臓がんカフェ』を開店します。

Kaiten

【日 時】2017年6月25日(日) 13:10~16:30 (開場12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分
       Luz大森 4階 入新井集会室
【参加費】300円
【定 員】120名
【講 演】木下義高『膵臓がんから10年、私はこう闘った
          ~治るための考え方とやったこと~』(仮題)

【交換会】患者さん同士の情報交換

申込みの受付は、①6月2日(金)20時~ 60名
        ②6月4日(日)  8時~ 60名で募集します。

参加を希望される方は、こちらのオフィシャルサイトから申込みをお願いします。

※定員ぎりぎりで募集しますので、参加申込みのない方が当日直接来られても参加はお断りいたします。

2017年5月16日 (火)

緑茶のカテキンが膵臓がん幹細胞の機能を阻害する

九州大学の研究発表ですね。

膵臓がん幹細胞の生存・転移に重要なしくみを攻撃する化合物の発見
- 緑茶カテキンの研究から生まれた成果 -

 九州大学大学院農学研究院の立花宏文主幹教授らの研究グループは、東京工業大学田中浩士准教授の研究グループと共同で、膵臓がん幹細胞の機能を阻害する化合物を発見しました。
 膵臓がんは、現在、最も治療の困難ながんの一つと言われており、その5年生存率はわずか5%程度と非常に低いのが現状です。近年、その原因としてがん幹細胞と呼ばれる細胞集団の機能が注目されていますが、がん幹細胞機能を阻害する有効な手法はいまだ確立されておりません。

 本研究グループは先行研究において、cGMPという分子が膵臓がんのがん幹細胞機能に重要な役割を担っていることを見出しました。
 そこで、がん細胞にcGMP産生を誘導する緑茶の主要成分EGCGと、cGMPを分解する酵素として知られるPDE3阻害剤を膵臓がん細胞に作用させたところ、がん幹細胞機能の指標であるスフェロイド形成能が抑制されました。
 また、膵臓がん移植マウスモデルにおいて腫瘍成長ならびに肝臓への転移が劇的に抑制されることを見出しました。
 さらに、EGCG誘導体の中からスフェロイド形成能阻害活性に基づくスクリーニングを行い、膵臓がん幹細胞機能を強力に阻害する化合物を発見しました。
 本研究により、緑茶カテキンEGCGの作用増強が膵臓がん幹細胞機能の阻害に有効である可能性が示されました。さらに、本研究で発見した化合物は、膵臓がんに対する新たな治療薬となることが期待されます。

本研究の詳細はこちら

ただ、EGCGだけでは膵癌幹細胞に対する効果は弱く、PDE3阻害剤との併用によって大きな効果が得られるとのことです。過大な期待は禁物ですが、それでもカテキンを摂れば幾ばくかの効果があるかもしれません。

私は告知された初期から緑茶(深蒸し茶)をお茶ミルで挽いて、まるごと摂っています。それを10年間、毎日続けてきました。今日も1Lほどは飲んでいますね。

このブログで何度も紹介してきたのですが、その記事はブログの左上にあるサイト内検索に「カテキン」「EGCG」などと入れれば出てきます。
いくつかを挙げると、

  1. 緑茶の抗がん作用
    には、ウーロン茶や紅茶も含まれています。カテキンの一種EGCG(エピガロカテキンガラート)が多く含まれている緑茶だけを対象としたなら、もっと有効性が出たのでは...
  2. がんと栄養、カテキンについて
    のは更に少ない、ほとんどないのです。緑茶カテキンを例に、単一成分の摂りすぎには警鐘を鳴らしています。緑茶カテキン・EGCG などでも動物実験レベルでがんを促進...
  3. 緑茶はがんに効くか?(2)
    4年半生きたのでした。緑茶に多く含まれるカテキン(ポリフェノールを多く含んでいる)、その中でもEGCG(没食子酸エピガロカテキン)には、各細胞の表面にある、が...
  4. 緑茶はがんに効くか?
    おいて、緑茶抽出物1.5g/日(エピガロカテキンガラート 157.5mg、(-)-エピカテキン 36.9mg、(-)-エピガロカテキン 103.8mg、(-)...

「マウス実験だからね」とか、「まだエビデンスにはならないね」という批判は承知ですが、そんなことは健常な医者や研究者に言わせておけば良い。100人のうち51人に効果が実証されなければエビデンスにはならないとしても、10人、いや1人にでも効果があれば、患者としては十分希望が持てるのです。

ニンジンジュースをマウスに飲ませた実験などないでしょ。お茶はまだそれよりはましです。

がん患者はエビデンスが揃うまで待ってはいられません。重篤な副作用がなく、小遣い程度で購入でき、ある程度の科学的データがあれば、試してみれば良いのです。100人中の10人に入れば儲けものと考えて、あわよくば自分にも効果がありますようにと願って飲めば良いのです。

私の膵臓がんにカテキンが効果があったのかどうかは、一人だけの例では分かりません。しかし長期生存例の幾人かの方がお茶、カテキンを摂り続けているようです。

私のカテキン摂取ツールはこんなものです。↓

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  • 源宗園 楽天市場店の深蒸し茶が、苦みの中にも甘みがあり、コストパフォーマンスも優れています。錦富士が私の定番ですが、茜富士は更に美味しいです。他にも良いお茶はあるでしょうが、いろいろと試してこちらに落ち着いています。

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2017年5月13日 (土)

膵がんの転移・浸潤に膵星細胞のオートファジーが関与

不明だった膵星細胞の活性化メカニズム

九州大学は5月9日、膵がん細胞の転移、浸潤に影響を与えている膵星細胞の活性化にオートファジーが関与している事を発見し、膵星細胞のオートファジーを抑制することが、新たな膵がん治療法となる可能性を見出したと発表した。

膵星細胞の活性化メカニズムとしてオートファジーに着目。膵星細胞に対してオートファジー関連遺伝子であるAtg7やAtg5遺伝子の発現を抑制したところ、膵星細胞の活性化が抑制され、さらに、膵星細胞から分泌されるInerleukin-6(IL-6)やコラーゲンの産生が抑制されたという。膵がん細胞株の浸潤能は、膵星細胞と共に培養することで亢進するが、今回、Atg7を抑制した膵星細胞と共培養を行うと、Atg7を抑制していない膵星細胞との共培養した場合に比べて膵がん細胞の浸潤が抑制されたという。

膵星細胞のオートファジーを抑制することにより、膵がんの浸潤、転移が抑制される可能性を示唆しており、今後、オートファジー抑制剤が新たな膵がん治療薬開発の鍵となる可能性が考えられる。

まだ試験管とマウスでの実験ですから、実用化までには遠いが、早期に結果が出ると良いね。

2017年5月 5日 (金)

腹膜播種を伴う膵癌の臨床試験

臨床研究情報ポータルサイトでの「膵癌 腹膜播種」の検索結果です。
このサイトで先進医療A,Bが検索できるようになり、腹腔内投与の治験が2件ヒットしています。

わざわざ厚生労働省のサイトを見に行かなくても良くなります。

結果はこちらです。

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2017年4月25日 (火)

岡山大、肝転移の膵臓がんで治験

山陽新聞の記事ですが、『岡山大「REIC」で肝がん治験 医師主導で5月にも開始』によれば、肝転移した膵臓がんも対象になっているようです。

この記事を書いた記者、肝転移した膵臓がんを「肝がん」と書くなど、知識が不足していますね。ま、それは措いといて、

 岡山大は24日、がん抑制遺伝子「REIC(レイク)」を用いたがん治療の製剤について、肝がん患者を対象にした臨床試験(治験)を5月にも岡山大病院(岡山市北区鹿田町)で始めると発表した。製薬会社が主体ではなく、医師主導で行う。
 REICは同大が2000年に発見。がん細胞のみを選んで自滅させるとともに、がんに対する患者自身の免疫を活性化させる働きがある。同大などは、がん細胞への運び役「アデノウイルス」とREICを組み合わせた製剤を開発。実用化に向け、前立腺がんを対象にした治験を米国で実施しているほか、悪性中皮腫に対する治験に岡山大病院など国内3施設で取り組んでいる。
 今回は肝がんのうち、肝細胞がんと、膵臓(すいぞう)がんから転移した患者を対象に行う。病状が進行した12~18人を3人ずつのグループに分け、同大発の創薬ベンチャー・桃太郎源(岡山市北区柳町)が提供する製剤を2週間おきに計3回、腫瘍に直接注入する。グループごとに製剤の濃度を変え、安全性や治療効果を評価する。治験は1年程度で終わる見込み。

次のファイルををダウンロード

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REIC遺伝子を強制発現させると、がん細胞選択的に細胞死(アポトーシス)が誘導されることが実証されました。REIC遺伝子の異常は、ヒトの前立腺癌ではほぼ100%に、近年社会問題化している悪性中皮腫を含む多くのがんでも高率に認められ、がんをターゲットとする遺伝子治療として幅広い運用が可能です。この遺伝子を細胞に導入すると、正常細胞には影響がなく、がん細胞だけを選択的にアポトーシスに導きます。

とのことですが、がん細胞だけを細胞死(アポトーシス)させるとは、前にこのブログ「今日の一冊(71)」で紹介した小説『がん消滅の罠 完全寛解の謎』に使われた方法ですね。小説では、アポトーシスをコントロールすることで、政治の舞台の中枢にいる患者たちを思い通りに操ろうとしたのでした。

小説の世界が現実の治療法になるとは、おもしろい。

岡山大学 「私たちの取り組み」
全ての臨床試験は終了となっていますので、5月には新たに医師主導治験が始まるのでしょう。

アデノウイルス製剤の開発 : REIC

2017年4月23日 (日)

第5回『すい臓がんカフェ』の報告

今回もたくさんの患者さん、家族が参加されました。
皆さん、お疲れさまでした。

ハマリョウさんの講演『初回の手術から7年、2度の再発・再手術から学んだこと』は、手術、放射線、抗がん剤の具体的な治療法のできる施設の紹介もされ、参考情報として保存版にもなり得る内容でした。当日のスライドをこちらにPDFでアップしてあります。

「がん治療の虚実」の押川先生は、大人気で、たくさんの方に囲まれて、一つ一つ丁寧に答えていただきました。あまりに大勢なので、私などは近寄ることも遠慮して、お話が良くは聞き取れませんでした。でも皆さん、納得されていた様子でした。

「このまま死んでる場合じゃない」の共著者、患者である善本さんも、みなさんに囲まれて、具体的な治療法の相談に乗っていらっしゃいました。驚いたのは、肝転移、腹膜播種の患者の相談に対して、その場で治療可能なお医者さんに電話でコンタクトを取り確認をしていたことです。岡田先生を「ジャンヌ・ダルク」と評していた善本さんですが、善本さんもジャンヌ・ダルクですね。

押川先生、善本様、たいへん有意義なカフェになりました。お礼を申し上げます。次回以降も、機会がありましたらぜひお越しください。

参加申込みができなかったという方も多いので、次回は定員を増やして二部屋をぶち抜いて開催する予定です。

2017年6月25日(日)  定員 120名
時間と場所は同じです。
申込みの受付は、6月2日と3日と、2回に分けて行います。時間などは後日ご案内します。

2017年4月20日 (木)

膵臓がんの生存率の改善

Medical Noteに静岡県立静岡がんセンター 上坂克彦先生のインタビュー記事が載りました。

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  1. 膵臓がんの生存率を大きく変える「JASPAC 01試験」とは 膵臓がん手術の名医が解説
  2. 膵臓がんの生存率とは 大きく変容した膵臓がんの予後 生存率・再発率に関する最新エビデンスを解説

記事1は、膵臓がんの術後抗がん剤治療としてTS-1(S-1)を投与することによって、膵臓がん患者の予後が劇的に良くなった経緯を紹介しています。

10年前まで、膵臓がん手術後の5年生存率はわずか「約10%」だった

そうなんですね。私が手術をした10年前はそのように説明されました。ジェムザールを使えばそれが20%になるといわれたのです。当時のブログにはこう書いていた。

手術した場合の生存率は、あくまでも統計的に言えばだが、5年生存率20%、2年生存率50%。 あとの30%はどうなるのか聞き忘れた。5年以上あるいは2年未満?

私は幸運にも手術可能な20%に入っているわけだ。 手術自体は99%成功するから大丈夫ですよ、との説明に妻も納得。最後に先生から「がんばりましょう」と言われて診察室を出た。手術後の5年生存率はこれも20%ということにはお互いに触れず。まぁ、2年生存率50%に入ることを目標にがんばるさ。

TS-1とジェムザールの比較試験、JASPAC 01はそもそも非劣性試験(TS-1がジェムザールよりも優るとも劣らない)の予定だったが、実験を進めてみると予想外の結果が出た。中間解析でTS-1の方が生存率が2倍になっていることが分かった。

この結果を受けて「膵癌診療ガイドライン2013」を発表延期して、改定された。

記事2では、JASPAC 01後のJASPAC 04、JASPAC 05、JASPAC 07についての解説だ。

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JASPAC 04は、膵臓がんの術前治療として抗がん剤治療+放射線療法、抗がん剤単独のどちらの治療アプローチがより有用であるかを検討する研究で、結果は2年後に報告される。

JASPAC 05は手術が難しい症例(切除可能境界[ボーダーライン・レセクタブル])をいかに手術できるようにするかということに焦点を当てた研究です。切除可能境界と判断された日本人患者50例を対象に、手術の前にS-1(抗がん剤)と放射線治療を併用することによってその治療成績を明らかにしようとしている。

2012年にアメリカのMDアンダーソンがんセンターが発表した論文で「手術前に放射線療法や抗がん剤治療など何らかの治療をすることで、切除可能領域の患者さんの約60%は根治切除が可能になる」という結論を受けての研究。

JASPAC 07では、切除可能境界の患者さんに対して、S-1だけではなく、そのほかの抗がん剤での治療成績を明らかにしようとする研究。

膵臓がんの治療法は、日々進歩しています。特にJASPAC 05は手術不可の患者にとっては非常に重要で希望の持てる研究です。

2017年4月15日 (土)

膵臓がんを対象とした【先進医療B】

先日の記事「膵臓がんのTS-1とパクリタキセルの腹腔内投与が先進医療に」の関連です。

先進医療Bで膵臓がん関係は3つの医療機関。GEMとパクリタキセルの腹腔内投与(64)は、まだ東大病院だけですね。関西医科大学病院でTS-1とパクリタキセルの腹腔内投与(73)が新たに加わっています。

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先進医療を実施している医療機関の一覧」より。

2017年4月 9日 (日)

ドクターGを観たけど・・?

録画しておいたドクターGを観ました。なんだかなぁ?という感じ。
膵臓がんの発見は、こうして遅れていくんだなぁという感想しか持てなかった。

吐き気がある60歳代の女性。病名の診断がつかない。
腹部CTで十二指腸が狭窄していることがわかる。

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結局は膵臓がんだったのだが、十二指腸が狭窄するほどの腫瘍がCT画像に写らないとは考えづらいと思うんだが? 単純CTだったからだね。造影CTなら腫瘍が見えたはずですね。

だから、膵臓がんの可能性も考えて造影CTをやるべきではなかったでしょうか。

超音波検査で膵臓付近に黒い異常部分がある。これ、肥大化したリンパ節ですね。

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この時点でなぜ膵臓の超音波を見せないのだろう? 私でもこの時点で膵臓がんを疑うよね。

確定診断のために胃カメラ(内視鏡)を考えるが、十二指腸まで届かずに腫瘍の細胞が取れない。結局は大腸内視鏡を使って細胞診をして確定診断となるのですが、ずいぶんと時間がかかったのですね。

大腸内視鏡を試す前に、造影CTかMRIをやるべきではなかったですか?それですい臓がんと確定できると思います。大腸内視鏡を飲むのは辛かったでしょうね。

結局は膵臓がんから転移したリンパ節が肥大化して、十二指腸を圧迫。そのために閉塞して嘔吐をするようになったわけです。リンパ節に転移するほどの膵臓がんが造影CTで判断できないとは考えづらい。

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腫瘍が「良性か悪性か?」もナンセンス。リンパ節に転移して肥大させるほどの腫瘍が良性であるはずがないでしょ。

なんだかなぁ? という感じを持った番組でしたね。肝胆膵の専門医ならもっと迅速に診断できますよ。

次回からは観ません。

2017年4月 6日 (木)

転移性膵臓がんの長期生存例

佐藤典宏先生のブログー必見!

転移性膵臓がんの長期生存例:オリゴメタ治療後12年無再発の症例報告

このような症例は、もう少し多いようにも思う(希望的観測)

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